この未来世界でもあいつはいると思う。
一筋の光もささぬ、暗黒漂う異空間 そこにあるものはかつて ここに入り込んだものの遺骨そして不死身の身で自分の技を逆手にとられ二度も封印された男
ガーリックJr. そうここは"デッドゾーン内部"。
彼が何度も何度も気功波を辺り一面に放つものの、着弾音は聞こえてくるものの、破壊された様子はない。
今の彼の姿は以前までの小さな姿ではなく、背丈と体型がピッコロほどの状態だ。
以前は魔族である自分の故郷 魔凶星の接近により一時的にパワーアップを果たし抜け出すことが出来たが今は違う。
ここに閉じ込められて十数年、もしかすると二十年近くここにいる彼は、ここで修行を重ねてきた。
今の彼の戦闘力は以前のフリーザ最終形態を上回る2億まで達しているが未だに破壊することはできない。
前回、デッドゾーンを打ち破った時は現在のフルパワーの1%にも満たなかったが破壊することができた。
そこで彼はある仮説をたてた。
この異空間の耐久性は私の戦闘力で比例してるのではないか。
とそう考えた。
急激なパワーアップならば、破壊することは容易いであろうが徐々にパワーアップしていれば それに合わせてデッドゾーンも強化される。
どうすることもできない。
しかし、諦める訳にはいかない。
今の強さがあれば、ピッコロを簡単に倒すことができると考えているからだ。
「わたしは父を既に越えている!私はガーリックJrなどではない!ガーリックだっ!」
雄叫びをあげ、更に戦闘力向上に努力するが所詮は井の中の蛙。
デッドゾーンを抜け出した所でいるのは本気を出さずともガーリックの戦闘力の10倍の戦闘力を持つトランクス達なのだから。
修行を続け、戦闘力がトランクスの通常と互角程度になった時。
異変は起きた。
光が見えるではないか。幻覚がそれとも現実か。
戸惑いながらも光の穴に近づいていくと、見えるとはピッコロと同じく自分の邪魔をしてきた子供が成長した姿ではないか。
憎しみのこもった目は瞬時にそう判断した。
復讐を果たしてやろうと歩を進めると 凄い勢いで筋肉質の男と髭を生やした血まみれの男が飛んでくるではないか。
一瞬の出来事で回避などできるはずもなく、ぶつかり引き飛ばされる。
「なっ!くそ!閉じやがった!キサマァ!」
こんなもの気にしている場合ではない、と立ち上がった時には光が小さくなり消滅した。
穴は塞がり出口はなくなったと分かるとガーリックの怒りや悟飯達に対する恨みはすべて飛んできた筋肉質の男に移った。
「許さんぞぉ……!あいつらァ!」
むくり と筋肉質の男……ブロリーが立ち上がるとガーリックは思わず後退りする。
今のガーリックならばわかる。この男は自分の何百倍も強いと。
すぐさま逃げの体勢に入るが首もとを捕まれ、逃げることは叶わない。
「ここはどこだァ?貴様はだれなんだぁ」
「うるさいっ!離せ!」
「……できぬゥ!!」
ブロリーが気を解放しガーリックを威嚇する。
以前までのデッドゾーンの結界ならば、既に崩壊しているであろうがトランクス達によって強化された結界はブロリーでも破ることはできない。
「俺を…!どうするつもりだ!」
「暇潰し……」
拳に気を練り込み、ガーリックの腹を突き破る。
ガーリックは顔を歪めながらもその部分を再生させる。
「ほう、貴様"も"不死身かぁ!すこしは楽しめそうだぁ!」
「キサマ"も"だとっ!?キサマのようなバケモノが不死身でたまるか!」
「バケモノ…?違う。俺は悪魔だ」
「どっちでもいいわっ!」
不死身と言えど自身より何十倍もの戦闘力を持つブロリーが恐ろしくないはずがない。そしてその者は自分と同じく不死身だという。ガーリックは幼い子供のように暴れ ブロリーの手を引き剥がそうとするがなかなか話してもらえない。
「ここはデッドゾーン!キサマでもここを抜け出すことはできん!」
「なら、抜けますまでお前を破壊するだけだァ!」
「おい!そこの男!どうにかしろ!」
ブロリーの相手をしていれば、不死身で体は耐えれても精神が耐えることができない。ブロリーと共にここに封印されたパラガスに助けを求める。
「おやじィ!貴様も暇潰しとして楽しんでやる!」
「そうだ…!キサマ!俺は弱い!だから鍛えてくるからこの手を離せ!」
ガーリックはなんとか口実をつけ、この場から逃げようと試みる。
「なら、俺が鍛えてやる!それで強くなるがいい!」
「ぐはっ!?」
「おやじィ!お前もだァ!」
「ブロリーィ!落ち着けぇ!」
ブロリーは二人を暇潰しの相手にするため、不死身でたるガーリックには一切手加減せず、パラガスに対してはギリギリ死なない程度に手加減しながら。
ブロリーもデッドゾーンを脱出するまで、これを続ける。
そう 脱出 するまで。
ガーリック 2億