ニートが転生して警官になったらやばかった   作:連邦士官

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第6話

ヒートグレイブ……見た目は薙刀と槍の中間みたいな存在だ。

 

握ると火が灯り漏れる……コレが強さだろう。

しかし、「デカい。」

 

「笹塚さん、何か良い案ありますか、コレ?」

持っていると槍先からメラメラと火が出て、目立っている。

 

確かに木剣よりは、広い場所なら強いだろう。

保管には困る逸品だった。

 

「刀なら骨董品として、誤魔化せるがな。それが職質やガサ入れで出てきたら、風守はどうする?」

薙刀を車や家に持つ男……どう考えてもそれは。

 

「逮捕ですかね。しかも、あのノートが見つかったら完全に狂った過激派ですよ。どうにもできませんよ。」

脳裏に三面に、デカデカと隼人の写真が載った新聞が浮かんだ。

見出しは、こうだ。

 

【東京で警官逮捕。財閥やいろんな団体に陰謀論。過激化する警察犯罪者】

 

「で、笹塚さんはこれでわかりましたか?ノートの真偽は。」

無事だったコーヒーを淹れて渡すと壁の修理に戻った。

 

「全体を信じるわけには、まだ早いがな。」

フローリングをパテで器用に埋める笹塚を見て違和感を覚えた。

 

「笹塚さん……なぜそんなに、ノートについて気になるのですか?」

そう、明らかに原作の笹塚のロジックを越えた行動が違和感の元である。

 

「お前には、話しておくべきかも知れないな。俺の家族の話を。」

話されたのは、常軌を逸した犯行。

最初は、これを殺人鬼による犯行かと思っていたと。

 

しかし、あのノートに書かれていた話が本当だとすれば、話は変わってくる。

人間ではなく、アクマによる犯行だとすればだ。

今まで積み上げてきたものは、無駄になり、警察として反撃が出来ない事になる。

 

逆に、アクマの犯行だとすれば、人間相手には許されていない仇討ちも可能になる。

これこそが、目的だと。

 

(貴方の家族を殺したのは、シックスという武器商人ですよ。なんて言え無いよな。かといって、シックスが悪意や邪気を重ねてきて人類から変異したものと仮定する。

この仮定が合っているなら、シックスはアクマに入ってもおかしくはない。

 

娘のXは確実にミュータントよりのアクマ……かもしれない。)

答えが解っているからとしても、目の前にポンと丸々の答えを出しても人間は納得しないのである。

 

ある程度砕いて、本人が認識したいと思うような真実ではなければ価値はない。

 

(俺が……世捨て人になったのも、目を背けていたからだ。今まで気付かなかったのもだ。思えば色々と気付く部分があった。)

 

(なぜか、スポーツ部門に戦車が出たりする。テニスで人が吹き飛ぶ……大甲子園とか言う大会が始まる。猪狩カイザースというチームがあったりしたじゃないか。

麻雀もスポーツで全国大会がある、謎の怪現象が各地で報告されたりしているじゃないか。

 

ちょっと掲示板の裏ネットに入ればオカルトだって何だって拾える……ガスが爆発し続けている冬木という地名……自衛官名簿を調べれば出てくる後藤大佐にナチスの南米の亡霊どもに、イギリスのフリークスやバチカンの異教部隊に学園都市……。

 

目を閉じていたんじゃない……見たくなかったんだ。)

 

「気を悪くさせたみたいだな。」

笹塚の声に我に返ると

 

「いえ、考えていました。状況的にはミュータントかアクマ……もしくはアクマ憑き、マグネタイト欲しさの儀式なども考えられます。」

取り繕ってみせた。

 

(しかし、いい情報もあった聖堂と表の教会派、十字教派、メシア教派やその他21派に分裂しているお陰で、東京にI.C.B.M.を撃ち込めそうに無さそうだ。

 

少佐が居そうな南米もナチスの残党組織が多種多様にあるせいで、逆にゼーレーヴェは出来ないだろう。

問題は月にナチス第四帝国があるという話だ。

麻雀で政治を決めているという話もある……各地の残党が第四帝国の元で蜂起したら……いや、これはどうすることも出来ないか。)

 

「儀式について詳しく教えてくれ。」

タバコに火を点けながら聞いてきた。

 

(吸わなきゃ、やってられないだろうな。科学を信じてきた人は。)

「……この世には、魔術、魔法……大魔術に分類される魔法があります。魔法については世界の根源、神話で言うと世界樹に至る奇跡です。

基本、魔法を人間は使えません。次に魔術です。魔術には魔術と大魔術があります。これらの中に大魔術に分類される魔法があります。」

 

「解り辛いな。」

やはり、科学に使った人間に魔法のレッスンは辛いようだ。

 

「今から準備をしますので待っていて下さい。」

隼人は押入れに入った。

 

 




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