IS/勇者王ガオガイガー─白き翼の戦士と勇気ある者―   作:オウガ・Ω

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六年前

バイオネット極秘研究所

「や、けど…するから……はなれて……たばね…おねえちゃ…あ、う…」


「しっかりして!レイジ先生!リッ君を助けて!!早くしないと!!」


「わかっとるわい!(いかん、体温が異常上昇しとる)………大河君!急ぎKUJIRAとメディカルルームの手配を!!」


「わかりました!火麻くん!」


「おう!とらえられていた子供達も救出完了だ!!」

四人の子供を抱えた銀の装甲をまとったモヒカンにウルトラアイをつけた青年がビシッと親指をたてる

「あ、アリス!?何をやってる!?」


突然、声が上がる。見るとウサ耳カチューシャな白い装甲に身を包んだ少女がぐったりと息を荒くしうなされる子供を腕に抱き抱える姿

だが装甲に覆われてない手のひらが嫌な音をあげながら焼けただれている


「離すんだ束!わたしが」


「大丈夫だよ…熱くないから…リッ君は全部に飽きてしまったわたしに夢をくれたリッ君をわたしは助けるんだから、こんなの、こんなのリッ君が受けた痛みに比べたら熱くない!!」


涙をためながら歩く姿にID5のメンバーはギュッと拳を握りしめながらそのあとに続きアラートが鳴り響く施設内を走り抜けていった





第五話 事件後

「大丈夫か燐?」

 

「ああ、大丈夫…それよりもさ…」

 

「燐さん、あのヘル・アンド・ヘブンはなんなんですの、それにさっきの姿は?」

 

「あ、アレはワンオフアビリティーなんだ…」

 

 

「やっときたか。織斑、獅童、凰」

 

 

ピットに入ったオレたちを待っていたのはすごく厳しい眼差しで見る鬼…織斑先生が腕組みして仁王立ちしてたつ姿。後ろにいる凰さんがガタガタ震え一夏くんも冷や汗をだらだら流してた

 

とりあえず説教は確定だな

 

第五話 事件後

 

 

「や、やっと書き終わったあ~」

 

「お疲れ様、オレも今やっと終わった所だ」

 

 

「アンタたち、終わった?」

 

バシュっと扉が開き現れ凰さんが入ってくる。数時間前に対抗戦に乱入したバイオネットの馬型ISを倒した直後、織斑先生から今回の件に直接関わったオレたちはこの事を口外しないという誓約書と教師陣が来るまでの間の行動の詳細をレポート提出するよう言われココ自習室でその作業をしようやく終わったのだった

 

「そういえばアイツがいないわね?」

 

室内を見て凍也のことを聞いてくる凰さん。IS学園へ来る前、中国で大規模な竜巻が無数に発生するという異常事態が起こった際救助活動に参加していた鈴さん達の前に《緑と黄色のIS》が現れて救助活動を援護してた時に少しだけ会話し名前を聞く前に姿を消したらしい…凍也のIS《超竜神》展開時と余りにも容姿が似てたからと思って関係があるんじゃないかと聞きに来たらしい

 

 

緑と黄色……まさか疾風が中国にいるの!?

 

 

「…ああ、凍也なら織斑先生のとこだよ凰さ…「鈴でいいわよ」…いいの?」

 

 

「同い年なんだから別にいいわよ…あたしも燐って呼ぶから」

 

 

「わかった…一夏くん、鈴さん、オレ今から織斑先生の所いくから書いたレポート渡してくれ」

 

 

「え、こういうのは自分でいかないといけないんじゃ」

 

「いいから、いいから…じゃまた後で」

 

 

一夏くんと鈴さんから書類を素早く奪いとり、二人だけ残しその場から足早に出ていった…こうすれば仲直りできるはずだしな

 

(一夏くん、がんばれ)

 

 

と心の中でエールを送りながらある場所へ足を向け歩き出した

 

 

―――――――――

――――――――

 

「今後のために応援に来たというわけか……すまないな凍也。私の暮桜が使えればよかったのだが」

 

 

「いえ気にしないでください、今回の件については大河長官、火麻参謀、ロゼ議長がIS委員会を経由で私をメカニック候補生として編入手続きをしてあります。近いうちに《例の議案》も可決されると聞きました」

 

 

「ロゼさんがあの議案を!?……なら再び集まれると言うわけか…凍也、疾風と霧也は?」

 

 

「今、霧也は日本政府、ロシア政府。両政府から更識家令嬢の護衛と日本におけるバイオネットの動向を探っています。疾風(はやて)は中国、五老峰で姿を見たまではつかんでます」

 

 

 

(まさかと思いたいが疾風の方向音痴はまだなおってないみたいだな)

 

 

内心あきれながら話を続ける千冬と凍也が話している場所はIS学園の最下層にあるエリア。その一室で二人は今までの経緯と対策について話していた

「織斑先生、例のコアの調査解析結果が出ました」

 

いつものおどおどした空気がなく真剣な眼差しを向けデータを空間投影モニターへ映す…様々なデータの羅列と乱入してた馬型ISが一夏、鈴、燐、そして凍也が纏う赤と青のIS《超竜神》がメガトンツール《イレイザーヘッドXXXL(トリプルエックスエル)》を射出し爆発エネルギーを大気圏外へ放出する姿が流れた

 

 

「このISコアは登録はおろか今までとは違う技術で作り上げられています……コアを作れるのは…」

「山田先生、少し巻き戻してくれないか……そこでストップだ」

 

 

「は、はい、これって織斑くんの零落白夜があのISを斬った瞬間ですよね」

 

 

「…おかしいと思わないか?零落白夜で切られたのに関わらずダメージが通ってない」

 

「ほ、本当ですね…それに獅童くんのロケットパンチを受けた瞬間に未知の粒子反応が検知されてますね」

 

零落白夜で防御を切り裂かれた筈なのに未知の障壁が展開される映像。明らかに通常のISでは起こらない現象に三人は黙り混む

そんな中、秘匿回線がなりモニターが切り替わった

 

 

 

―久しぶりじゃの千冬くん―

 

 

「レイジさん?なんでここの回線が!?」

 

 

―なに、先ほどIS委員会と国連から要請があってのIS学園を襲撃した未確認機を調査するよう頼まれたんでの―

 

 

「そ、そうですか…たば、アリスはどうしてますか?」

 

―う、そ、それがの~/レイジ博士!今すぐリッ君の所にいかせて!アジャスタをしなきゃ/お、落ち着くんじゃ!―

 

 

「げ、元気そうですね…」

 

 

「あ、あの織斑先生?この方は?」

 

 

―ああ、自己紹介が遅れてすまん。ワシは獅童レイジ、宇宙開発公団研究開発部門におるものじゃ―

 

「獅童?ま、ま、ま、ま、ま、まさかあの《世界十大頭脳》獅童レイジ博士ですか!?あ、あ、あ、あの、わ、私は山田摩耶って言います!」

 

 

―ああ、まあそうかしこまらなくていいからの山田摩耶くん……さて先ほどライブラリを閲覧させて貰ったが、その妙な粒子反応じゃが日本。いや宇宙開発公団研究開発部門でも調べられんワイ…そこでスイスにあるセルン中央研究所で解析をしょうと考えておる…そこでなんじゃがの―

 

 

「……燐にセルン中央研究所迄護衛も兼ねた休養をとらせたいんですね?」

 

 

少し驚いた顔になるレイジ。どうやら図星だったらしい

 

 

 

―まあ一週間ばかりフランス経由で件の《ISコア》移送を兼ねてスイスへいかせるつもりじゃ……それに一度、燐を公団で定期検診とガオファーのオーバーホールを…―

 

少し頬を掻きながら言うレイジにやれやれと心の中で呟きながら燐に伝えると告げ久しぶりにあったレイジと千冬は会話に花を咲かせながらバイオネットの対策を学園上層部を交え話すと約束し通信を閉じた

 

「あ、あの織斑先生、少し聞いていいですか?」

 

「何かな?」

 

「し、獅童レイジ博士とは何時からお知り合いなんですか?」

 

少し考えながらやがて口を開いた

 

「…学生時代の恩師の一人だ……さて山田先生、このコアを宇宙開発公団研究開発部門へ送るから厳重に封印作業を頼めるか?」

 

 

「は、はい!」

 

「凍也、後で学園長と…「すいません遅れました!」……って燐?なんでここに!?」

 

「え、レポートが書き終わったから提出を」

 

 

「職員室でよかったんだがな…まあいい、燐。後でレイジ博士から連絡が来るから自室に戻っていい」

 

 

「は、はい…じゃあ失礼しました…また後でな凍也」

「ああ、ていうか近いうちにまた会えると思うんだが」

「?」

 

少し疑問符を頭に浮かべながらペコリと頭を下げそのまま退室するとバシュっと音を立て扉がしまると再び先ほどの映像を再生しみいる三人。そんな中、千冬だけは回収されたISコアに視線を注ぐ

 

「…まさか、あの時奪われたISコアか…いや今までのとは違う感覚だ……まるで…」

 

 

でかかった言葉を飲み込みコアから視線を離し再び映像をみいる目

 

 

それは、かつてブリュンヒルデ。いやID5《ブラックヴォルフ》と呼ばれた黒狼の目だった

 

 

――――――――

―――――――

 

 

「ふう。一夏くん、今戻っ…」

 

「「「………………」」」

 

 

最下層から戻ったオレの肌にギスギスとダブルリムオングルが無数に突き刺さるような空気…なんかスゴく居づらい

ってか、オレがいない間に何があったの!?

 

 

「り、燐。助けてくれ(小声)」

 

「い、いったい何があったんだ?」

 

 

「実は、燐が出たあとに謝ったんだ。そしたら許してくれたんだ…でもセシリアと箒が来てからあんな感じなんだ」

 

 

……セシリアさんと菷さんは鈴さんが一夏くんのことが好きだって本能的に悟ったんだな…

 

 

「さて、一夏さん。今日の戦闘分析始めましょう。わ・た・く・し・とふたりで」

 

 

「なにいってんのよ!一夏はあ・た・し・と組んで戦ったんだから、あたしと分析するに決まってるじゃない!!」

 

「いいや!一夏は・わ・た・しと今後の特訓に向けての対策をするんだ!!」

 

 

ゴゴゴゴゴ!ドドドドド!!って音と共にスタンドが現れたのを観た気がしゴシゴシ目を擦るけどまだ見える……不味いなこれ

「一夏くん」

 

 

「な、なんだ燐」

 

 

「とりあえずさ三人と一緒にやったらどうかな?三人揃えば文殊の知恵って言うし」

 

 

「……そうだな……燐、俺逝ってくる」

 

 

覚悟を決め言い争う三人の和に入り数分、ようやく収まり三人仲良く分析を始めた

 

もちろんオレも一緒に………

 

こうして長い長い一日はようやく終わりを告げた

 

 

第五話 事件後

 

 

 




君達に最新情報を公開しょう


馬型ISのコアをスイスにあるセルン中央研究所へ運ぶ為、一度宇宙開発公団へ戻る燐

穏やかな一時を過ごす燐だったが


IS《インフィニット・ストラトス》―白き翼の戦士と勇気ある者―


第六話 デート


次回もファイナル・フュージョン承認!


―プレゼント―


これが勝利の鍵だ!

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