IS/勇者王ガオガイガー─白き翼の戦士と勇気ある者―   作:オウガ・Ω

18 / 48

二年前?

第二回IS世界大会《モンド・グロッソ》決勝戦が行われるはずだったその日、私《織斑千冬》は廃倉庫エリアを愛機《暮桜》を纏い駆けている


私の弟《一夏》がバイオネットの連中に拉致されたと聞いた私はいてもたっても居られず控え室から飛び出していた


一夏、どこにいる……一夏!


ハイパーセンサーの領域を最大にして生体反応を捕まえようとする…でも感知できない

あせる私に通信が入る。見るとドイツ軍諜報部、迷わず開くと一夏の所在を示すデータ…私は瞬時加速し一夏が助けを待っている

そう思うだけで私はスラスターを最大加速する…待っていろ


「一夏!」


廃倉庫の扉を雪片で斬り裂きみたのは信じられないモノだった

「……………ち、千冬ねえ……」


黒い学生服姿で両手から赤い光の剣を出現させ、左腕に《三角形の赤い宝石》を輝かせながら辺りにバイオネットのAT兵器だったモノを散らばせながらを虚ろな瞳で私をみる一夏だった





第九話 転校生

 

「………………」

 

「…………………」

 

早朝、板張りの剣道場に二つの影。いや防具を着た燐と一夏が竹刀を正眼に構えたつ姿、二人は岩と化したカのように一歩も動かない

「………」

 

 

その二人をじっと見つめるのは同じく胴着姿の箒。その時開け放たれた窓から風が入る

 

 

「「!」」

 

 

それが合図だと言わんばかりに踏み込み竹刀を振るう一夏。ソレを最小の動きでかわし踏み込みと同時に抜き胴、しかし竹刀を楯にし後ろへ飛び再び構え竹刀をもつ手へ振るう

 

「!」

 

乾いた音が響き竹刀が宙を舞う、その場には竹刀を弾かれた燐と竹刀を構える一夏の姿があった

 

 

第九話 転校生

 

「や、やった。一本とったぞ!」

 

 

「一本とられちゃったな…でも俺も頑張らないといけないな」

 

 

「ふ、ふん、紫藤に勝ったぐらいで満足するな一夏(うう、なんか一夏が強くなってきてる…それも昔みたいに…い、いやまだまだだ!!)」

 

「わかったよ箒、其より早く着替えないと遅れちまうぞ」

 

「そうだな」

 

 

朝練を終えた私たちは更衣室前で別れ軽くシャワーを浴びる…ほどよい温度の水が当たる度に想うのは一夏のことだ

最初の頃に比べて剣速も鋭くなった、それ以上に昔の一夏に戻りつつある

 

 

「…前よりかっこよくなったな一夏は…」

 

 

思わず口に出してしまい顔が暑くなる。いかん!まだまだ一夏は未熟だ!

 

 

特訓出来るのは嬉しい、で・も・だ。なぜか獅童も参加してるし…ホントは一夏と二人っきりで////

 

 

「…はああ…素直になれないな………」

 

小さく呟いてシャワーを止めるとロッカールームへ歩きだした

 

―――――――――

―――――――――

 

「到着っと………ん?なんか騒がしいな」

 

「なんだろうな燐?」

 

教室へ入るとなにやら女子たちが騒いでるらしい…

「やっぱりハヅキ社製のがいいなあ」

 

「え、ハヅキのってデザインだけって感じしない」

 

話の内容から察するにISスーツのメーカーについて各社のカタログを手にしゃべっていた

 

「そういえば織斑君と獅童君のISスーツってどこのなの?見たことないんだけど」

 

 

「なんか特注品だって。男のスーツがないから、どっかのラボが作ったらしい…名前は確かイングリッド社のストレートアームモデルだ」

 

 

「俺のは宇宙開発公団謹製の次世代ISスーツのプロトタイプだな」

 

「織斑君のはわかるけど獅童君のはなんかゴツゴツしてない?まるで鎧みたいだし」

 

「そ、そうかな…でも船外活動でデブリがぶっかっても壊れないように……」

 

 

「作ってあるんですよね。さすがは宇宙開発公団謹製。でも他の機能は通常のISスーツと同一のモノです」

 

「や、山田先生?よく知ってましたね」

 

「一応先生ですから………獅童君、いま私を先生ってよんでくれましたよね!すごく嬉しいです!!」

 

目をキラキラ輝かせる山田先生…何故なら今まで《山ちゃん》《山ピー》などのあだ名で呼ばれていたから仕方なかった

 

「なんか獅童君、かたいよお~」

 

 

「ねえねえ、獅童君も山ぴーってよんだら」

 

「い、いや山田先生は山田先生だし…」

 

 

ズイッとにじりよるクラスの女子のプレッシャーに冷や汗を流す燐

 

 

「じゃあ織斑君と獅童君もあだ名でよんじゃおうか」

 

「「「賛成~」」」

 

 

「獅童君はリッ君、織斑君はしたの名前でイッ君なんてどうかな?」

 

 

「わあ~なんか可愛らしくていいね」

 

「ええ~わたしはおりむ~がいいなあ」

 

――――――――――

――――――――――

 

 

宇宙開発公団《束ラボ》

 

「……なんだろ、いま私以外にリッ君って呼んだ悪い虫が増えた気がする!!」

 

「束様、落ち着いてください!」

 

 

メカウサ耳をガシャンと勢いよく立て黒い笑みを浮かべる束を必死に押さえる銀髪の少女の姿があったとか

 

 

――――――――――

―――――――――

 

 

「リ、リッ君はやめて!?」

 

「ええ~かわいいじゃない織斑君もイッ君でいいよね」

 

回りの女子たちに気圧されたじたじになる二人…だがそこに救いの手がさしのべられた

 

「諸君、おはよう」

 

 

「お、おはようございます!」

 

ざわざわしていた教室、いや女子たちが一斉に席に座るのを見てため息をつくのは一組担当教諭織斑千冬…自他にも厳しい彼女が現れただけでクラスはまとまりを見せた

 

だが千冬の様子が普段と違うことに燐は気づいてしまう

 

「今日からは本格的な実践訓練を始める…訓練機であるがISを使用しての授業になるので全員気を引き締めるように。スーツが届くまでは学校指定のものを使うように。忘れた者は水着、あるいは下着で構わないが」

 

「お、織斑先生、下着はダメですよ。男の子もいるんですし」

 

「ふ、冗談だ…その前にみんなに特別教諭を紹介しよう」

 

声のトーンが一段と重くなる…がソレを払うかのように教室の扉が勢いよく開いた

 

筋肉が灰色のスーツ越しに見え、緑色のモヒカン頭にオレンジ色のサングラスをかけた一人の男性が教壇にたった

 

 

「今日からIS学園特別講師を務める火麻激だ!よろしく頼むぜ!!」

 

 

(ひ、火麻参謀うう!?なんでここにいるの!?)

 

 

歯をキランと輝かせ暑苦しい笑顔に皆の時が止まる…特に山田先生は石みたいに固まっている

 

「ああ、火麻講師は元アメリカ陸軍の出身だ…君たちの肉体トレーニングを担当する……山田くん、ホームルームを」

「!ひ、ひゃい!え、えええとですね、今日はなんと転校生を紹介します!しかも二名です」

 

 

なんとか戻ってこれた山田先生のいきなりの転校生二人がクラスにくると聞き一気に色めき立つ視線が教室の扉へ注がれたと同時に開く

 

 

「し、失礼します」

 

「…………………」

 

二人が入ってきた瞬間、教室が静かになる…一夏、燐、特に燐は一人を見て唖然となった

 

 

(し、シャルル?)

 

 

フランスでであったシャルル・デュノアがIS学園の制服に身を包み立つ姿に驚きを隠せない燐を他所に壇上にたった

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました…」

 

ほんの一瞬、目と目が合う。その時左腕、いやGストーンが熱くなってくる

 

(なんでまた熱くなるんだ…冷却システムは正常に動いてるのに)

 

 

悩んでるうちにシャルルは自己紹介を終えた瞬間、クラスの女子全員の最大出力のサイコヴォイスが響き渡る…まあ世界で三番目にISを動かせる男子でしかも深窓の貴公子のオーラを醸し出す容姿の前じゃ仕方ないよな

 

 

「ああ~静かにしろ」

 

 

「皆さんお静かに。まだ自己紹介が終わってませんから~」

 

今度は隣に立つ銀髪に左目を眼帯で隠した子が一歩前に出る、制服の一部が軍服っぽい感じがするしなんか威圧感を感じる

「挨拶をしろラウラ」

 

 

「はい、教官」

 

「……もう私は教官ではない。それにここではお前も一般生徒だ……私の事は織斑先生と呼べ」

 

「……了解。ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 

冷たさを感じる言葉に沈黙するクラスの女子

 

「あ、あの以上…………ですか?」

 

「以上だ」

 

完璧な即答にあの火麻参謀もたじたじな顔になってる…でもその目が一夏君と合い表情が険しいものへ変わりカツカツと歩き出し止まると大きくてを振り上げた

 

「!貴様が――」

その手が降り下ろされ頬に当た……いや当たらずその手がガシッと掴まれた事に驚いてる

 

「い、いきなり何すんだよ!危ないじゃないか!!」

 

「…私は認めない。貴様があの人の弟である事を認めない」

 

 

掴まれた手を振り払い立ち去るとそのまま空いた席へと座り目を閉じ黙りこんでる

 

ボーデヴィッヒさん、何故一夏君を目の敵にするんだ?

 

「あ~、ゴホンゴホン!ではホームルームを終わ…」

 

織斑先生が手を叩きながらHR終了を告げようとした時、ガオファーに秘匿通信が入り網膜に情報が流れる

 

(IS学園より50キロ圏内海上にバイオネットIS出現。GGGは直ちに出動されたし)

 

「す、すいません!少し用事ができたので!!」

 

「え、し、獅童君?」

 

 

「山田先生、すまないが皆の授業を頼む」

 

 

「え、ええ~織斑先生!どうしたらいいんですか!?」

 

「まあ気にするなって、じゃあとは頼むぜ。摩耶ちゃん」

 

ガタッと勢いよく席から立ち上がり駆け出す燐、その後を追うように千冬、火麻も教室から出ていくのを呆然と見る山田先生と一夏、クラスメイトの女子全員

 

「……いやな予感がする…獅童…」

 

 

ただシャルルはいやな胸騒ぎを感じていた事に誰もまだ気づかなかった

 

 

その頃、学園の外へ出た燐はガオーブレスを左腕に展開し叫んだ

 

「イーク・イップ!!」

 

 

ガオーブレスから金の粒子が展開、その体に金色のアーマーとインタークーラーコートを組み合わせた複合装甲《アルティメットアーマー》が構築、装備され獅童燐、またの名をサイボーグ燐がその勇姿を見せる

 

 

 

「ステルスガオー!!」

 

歩道橋の下から音もなくステルスガオーⅢが現れ燐は地を蹴り飛び乗る、同時にウルテクスラスター全開で海上へ向かう

 

 

「大河長官、じいちゃん、ディバイディディング・ドライバーは?」

 

『すまん、あと十五分、いや十分時間をくれ。凍也もそちらに向かわせる』

 

 

「わかった…見えた!!」

 

海上へ出た燐の目には巨大なタンカーと融合したISらしきモノが船速をまし進んでいく姿

 

 

「(陸地まであとわずかか)…ファントム・ガオー!!…」

 

ステルスガオーから飛び降り叫ぶと背後にファントムガオーが現れ両腕、両脚、胸、肩へ分解装着、ヘッドギアが最後に装着されてGストーンが輝いた

 

「ガオッファー!」

 

 

急降下と同時に両肩浮遊装甲内のウルテクスラスターを全開、ファントムクローを展開すると勢いよく殴りつけた

 

『ゾ、ゾ、ゾ、ゾンダアアアアアアア!!』

 

その身体を揺らすも絶対防御と不可視のバリアに阻まれるガオファー。しかし諦めずドリルガオーを召喚装着と同時にフインが付いた金色のドリルが高速回転しバリアを押し返し始める

 

「ウオオオオオ!!」

 

『ゾンダアアアアアアア!!』

 

「な、うああああああああ!!」

 

海面が持ち上がり無数の触手が伸びガオファーを拘束、そのまま上へ振り上げ海面へ何度も何度も叩きつけはじめた

 

 

「ぐ、ぐああああああああ!!」

 

 

――――――――――

―――――――――

 

 

「先生!リッ君の細胞抑制システム一部破損!侵食値が異常上昇してます!!」

 

 

「博士、凍也と炎竜は!」

 

「現在、沿岸線都市部住人の避難誘導作業中じゃ、完了まであと数分かかるワイ!しかしこのままでは燐が」

 

 

『長官!じいさん!ファイナル・フュージョンするしかねえだろ!こんままだと燐がマじいぜ!』

 

 

『ぐああああああああああ!!』

 

 

現地の上空で待機してる、《三段飛行甲板空母》で指揮を執る火麻の声が響く、大河はゆっくりと目を開け腕をつきだし叫んだ

 

「ファイナル・フュージョン承認!!」

 

 

「た、大河さん!」

 

 

「束くん、今ファイナルフュージョンしなければ燐の命が危ない……ガオーマシン内の細胞抑制システムの予備が起動するはずじゃ…今はそれに賭けるしかない」

 

 

 

「……り、了解…ファイナル・フュージョン……」

 

 

レイジの言葉に顔を俯かせるも顔を上げカタカタとキーを叩き勢いよく腕を振り上げ叫んだ

 

 

「プログラムウゥッ!ドラアアアアイブツッ!!」

 

 

振り下ろされた拳がクリアパネルに覆われた赤いボタンごと叩き壊す、画面にプログラムが流れ赤い文字が大きく表示された

 

 

 

―GAOFIGHGAR―

 

 

 

――――――――――

――――――――――

 

 

「ぐ、グウウ!」

 

 

『メルティング・ガン!!』

 

炎の弾丸がガオファーの身体を拘束していた触手を撃ち抜く。見ると赤い装甲に銀色に輝く楯とメルティングガンを構えたG‐IS‐03L炎竜の姿

 

 

『おくれてすまない燐!』

 

「サ、サンキュ炎竜…ファイナル・フュージョオオオン!!」

 

 

燐が叫ぶと同時にリングジェネレータからプログラムリングが展開、ガオーマシンがその上を走りEMTが発生、合体シークェンスに入る

『ゾンダアアアアアアア!!』

 

 

「邪魔はさせまん!いくぞ炎竜!」

 

 

『おう!オラオラオラオラオラオラ!!』

 

 

アーマーを分離しG‐IS‐03R《氷竜》を纏った凍也、疑似ボディを構築した炎竜はISタンカーに接近、同時にラダートンファー、クレーントンファーで殴りかかりその動きを止め《EMT》が弾け飛んだ

 

 

「ガァオッ・ファアイッ・ガアアァッ!!」

 

黒いIS《勇者王ガオファイガー》が叫ぶと共に左右のウルテクエンジンを展開し緑色の光を輝かせた

 

―――――――――

―――――――――

 

 

「長官!ディバイディング・ドライバー改装及び整備完了じゃ!!」

 

 

「うむ!束くん、ディバイディングドライバー!射出!!」

 

 

「海を割る気か!?」

 

 

「了解!ディバイディングドライバー、キットナンバー02……イミッション!!」

 

シートが後ろへ下がると背後に現れたの無数のパッド。その内右側にある一つに力一杯拳を叩きつけた

 

 

「っしゃあ!ミラーカタパルト開け!!」

 

射出コマンドを受け取った上空で待機していた《三段飛行甲板空母》のミラーカタパルトが開くと同時に二つの銀の閃光が弾丸の様に空を貫く

 

 

 

「ウオオオオオ!」

 

 

雲を突き抜け飛翔するガオファイガー。その横を二つの銀の塊が一つに合体、同時にミラーコーティングが解けたディバイディングドライバー《キットナンバー02》が飛び相対速度を合わせ火花を散らしながらドッキング、《-》状の先端プレートに光が集まる

 

「ディバイディングッ!ドライバアアアアアアアアアア!!」

 

そのまま海めがけて叩きつける…弾丸を打つような音が響き、シリンダーが軋むと光が一直線に走り空間が歪み始め押し広げやがて止まり直径10キロの円形空間《ディバイディングフィールド》が形成される

 

『ゾ・ゾ・ゾンダアアアア!?』

 

海が割れタンカーISはディバイディングフィールドへ落ち、ガオファイガーも中へ降り立ちディバイディング・ドライバーを解除し拳を構えた

 

「いくぞ!ブロウクゥゥゥンッ!フアアアントォオオムッ!!」

 

 

リングジェネレータからファントムリングを形成と同時に撃つ、そのまま真っ直ぐ顔面をとらえるが障壁に防がれた……がものともせずに破片を撒き散らしながら貫く

 

『ゾ、ゾンダアアアア!!』

 

 

瞬く間に修復するや否やケーブルと外装を巨大なドリルへ変え襲いかかるに

 

「ドリルか…なら俺もだ!!」

 

ウルテクエンジンを展開、加速しながら右膝のドリルを高速回転させぶつけ合う

 

『ゾンダアアアアアアア』

 

「う、うう……」

 

 

激しい衝撃がガオファイガー…絶対防御に守られているはずの燐の体に襲いかかり押され始める

 

「う、ウオオオオオ!!」

 

叫ぶと同時にGSライドの出力が上がり、徐々に押し返すと相手のドリルを砕く、さらにウルテクエンジンを展開。加速し巨大な体躯を駆け抜けていくガオファイガーめがけ熱線が襲いかかる

 

 

「フリージング・ライフル!」

 

『うおおお!ミラーシールド!!』

赤と青の影、炎竜と氷竜がタンカーISの熱線を凍らせ、楯で防ぐ

 

「『今です/だ!燐!!』」

 

二人の言葉にうなずくとウルテクエンジン全開で上昇、太陽を背にし両腕を大きく構えた

 

 

「ヘル!アンド!ヘブン!!…ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ……ムン!」

 

 

呪文を唱えながら攻撃のGエネルギー、防御のGエネルギー溢れさせる右手と左手を徐々に近づけ胸の前で突きだした形で組んだ瞬間、緑色の竜巻《EMT》が発生。その凄まじいエネルギーの奔流は巨大な体躯を誇るタンカーISを拘束する

 

 

「うおおおおおお!!」

 

 

ウルテクエンジン全開で両腕を組んだまま突っ込み、そのまま頭部めがけ拳を叩き込む。ブロウクンエネルギーが内部で炸裂し内側から装甲や内部メカを弾けさせプロテクトエネルギーでコアを保護し掴んだ

 

 

「むんっ………せやあああああああ!!」

 

メキメキとコアに繋がったエネルギーケーブルを引き抜き両手に人間大のコアを大きく掲げた瞬間に大爆発。しかし爆炎の中から燐、いやガオファイガーが無傷で姿を顕す

 

 

「燐、そのコアは持ち帰るんじゃ!」

 

 

「う、うおおおおおお!」

 

だが燐の様子がおかしい

 

「先生、リッ君の細胞の脳神経侵食率が増大!リッ君は、リッ君は自分をコントロールできないよ…リッ君が死んじゃう!!」

 

「な、なんだと」

 

 

「うわああああああああ!!」

 

雄叫びをあげながら力を込める燐の手にあるコアがメキメキなり始め乾いた音と共にヒビが入った

 

 

「ダメええええええ!それを壊しちゃダメ!!」

 

 

「き、君はあの時の!?」

 

少女の声と目映いばかりの緑光が辺りに広がる、力を込めるガオファイガーの前に緑光…八枚の翼を広げた少女が舞い降り燐の左手に手を添え不思議な光が包み込んだ

 

 

――――――――――

―――――――――

 

 

 

「せ、先生、リッ君の細胞侵食率が低下…それに怒りが収まってる……」

 

 

モニターに示された燐の細胞侵食率低下に驚く束、レイジ…スクリーンにはゆっくりとコアに込めた力を抜きながら少女にコアを預けるようにゆっくりと差し出すガオファイガー

 

 

「な、なんなんじゃあの女の子は…」

 

 

「…フランスで燐があった少女…なのか?」

 

 

メインオーダールーム、三段飛行甲板空母にいるメンバーはその光景に唖然とするしかなかった

 

 

第九話 転校生 了

 




燐がバイオネットのゾンダーISと戦っている頃、霧也はある敵と戦いを繰り広げる

翔べガングルー!走れガンドーベル!!


二台のガンマシンは霧也に勝利をもたらすのか?

IS《インフィニット・ストラトス》―白き翼の戦士と勇気ある者―


第九・五話 三身一体


次回もファイナルフュージョン承認!


―《ガンドーベル&ガングルー》―


これが勝利の鍵だ!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。