ポケットモンスター ルミエール   作:市棚宗太郎
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第12話 ゴーストタイプは好きだが、ゆうれいやお化けは苦手

なんやかんやあって、シオンタウンに着いた俺たちは、早速ポケモンセンターへ向かった。どうも街の雰囲気がなんとなく不気味に思えるような気がする。正直カントー地方で住みたく無い街ランキングでダントツの1位だと思う。

ポケモンセンターでリーリエと連絡をとる。もう停電は直ったらしいが。
「リーリエ、こっちはどうだ?」
「無事に電気も復旧して、こちらは大丈夫そうです、ショーンさんは、どうでしたか?」
「コスモ団を追いかけて、どうやらシオンタウンのどこかにいるという可能性が高いということが分かった。」
その後も話し続けて、預けていたポケモンが引き取れるようになったので、そろそろやめる。
「くれぐれも無理をしないでくださいね。」
「ああ。」

しばらくして預けたポケモンをとりにいき、アイシアと今後どうするか話し合うことにした。
「よかった、どうやら熱はないみたいだ。」
「私は元から何処も悪くないわよ、それよりこれからどうするの。」
「コスモ団はおそらく、まだこの街にいる可能性が高いと思うからとりあえず街を歩いて探してみるか。」
俺たちはコスモ団の行方の手がかりを見つけることにした。

ポケモンセンターを出ようとすると。
「そこのトレーナーに一つ聞きたいことがあるけど、いい?」
少女が話しかけてきた。初めて会う人なので話かけられる心当たりが無いのだが、別に断る理由も無い。
「別に、構わんが。」
「・・・・あなた幽霊って信じる?」
「見たことないから、いないのかな?」
ポケモンのゴーストタイプは幽霊に入るのかはわからないが、人間の霊は生まれてこの方見たことがないので、いないと思う。
(信じてないみたい。面白そうだからちょっと驚かしてみよう。)
「あはは そうよね! あなたの右肩に白い手がおかれてるなんて・・・・・あたしの見間違い!!!??く、黒い手があああああああ!?本当に乗っかってる!?いやああああああ!!!」
少女は青ざめて逃げ出した。
「え?・・・なんなんだ今のは」
黒い手が肩に乗ってるという感覚は無いが、確認しようと後ろを振り向くと。

ピカチュウのフードを被った少女が不気味に笑っていた。
「ぎゃあああああああああああ!?・・・なんだ、シルフィーか・・・おどかすなよ。」
「だって、最近出番ないから・・・ずっとアイシアといちゃいちゃしてばかりいるから、少しムカついたのよ。」
「・・・そういやすっかりお前のことを忘れとったわ。」
「別にいいじゃない、こんな薄汚いフード被ってる奴に出番なんていらないわよ。」
アイシアは一体、シルフィーになんの恨みがあるんだ・・・
「まあいいや、ボールに戻れ。」
「嫌よ。」
「えっ?」
「アイシアだけ出番があるのは、ずっと外にいるからよ、私もずっと外に、いれば必然的に出番が増えるじゃない。」
やれやれ、モンスターボールの存在意義がよく分からなくなってきた。
「・・・まあ、止めはしないが。」
「本当!?」
シルフィーはさっきの不気味な雰囲気とは真逆の雰囲気になった。
「・・・・・・・・・・・・」
アイシアは少し不機嫌になっていた。
「さあ、行くわよ。」
「ちょ、ちょっと待ってよ。」
シルフィーは俺の手を引き、ポケモンセンターを出た。
それを見て、アイシアが更に不機嫌になっていた。

「飛び出したはいいけど、何処に行けばいいか分からない・・・」
「大丈夫だ、ポケモンセンターにいる間、コスモ団がポケモンタワーにいるという情報を聞いた。」
ポケモンタワーはシオンタウンにある、ポケモンの墓地で、タワーになっている。
「ショーンも意外とできるとこあるじゃない、じゃあ、早速ポケモンタワーに行こう。」

—ポケモンタワ—

「着いたわ、早速中へ・・・どうしたのショーン?」
ショーンはその場から動けなくなっていた。
「いや、もう今更コスモ団なんて良くね?・・・俺たちなんも、コスモ団に悪いことされてないし、第一にコスモ団になんの恨みも無いじゃないか。」
「そもそも、コスモ団追いかけようとしたのはあなたでしょ。」
「気が変わった、やめたよ、こんなことしてる暇があったらさっさと、ジムリーダーを倒すほうが優先だよ。」
シルフィーが少し俺を嘲笑うように
「もしかして、怖いの?」
「いやー、全然全然全然そそんなことは無いよ、別に幽霊が怖いと理由でポケモンタワーに登りたくないわけではない、というよりそもそもシオンタウンからもう出たほうがいいんじゃないか?だってこの町ヤバイよきっと一万人以上死んでるよ!この町にテーマソングを作るとしたら、ホラゲーのbgmに使えるよ。」
「怖いんなら、怖いって言いなさいよ。」
アイシアは少しあきれていた。
「じゃあ、そういうことで、そんなにポケモンタワーに行くんなら、二人で行ってきて、俺はポケモンセンターで待ってるから。」
俺はポケモンタワーから後ずさりする。
「ショーンも行くわよ。」
「全く、私が守ってあげるからついてきなさい。」
「いやだー!いやだー!おうちかえる!おうちかえるー!」
その場で俺は駄々を捏ね始めた。
「注射が嫌いな子供か!」
「まるで、大きな子供だわ。」
誰だって一つは苦手なものはあるだろ。
「にんじん、ピーマン、お化けッ!! 誰にも好き嫌いがあって当たり前だろ!!!」
「ところがどっこい!私はみ~んな好きだよ〜!」
「好き嫌いは無くそうって・・・ショーンはお母さんに教えてもらわなかった?」
「知るか!俺は帰る!」
そのとき青いジャージを着た男がやってきた。胸ポケットにコスモ団のロゴが入っている。コスモ団のロゴはアルファベットのCをモチーフに作られたものである。着てる服に別に決まりは無いが、共通しているのがこのロゴと服がどれも絶望的にダサいのである。
「おい、お前らなんでここにいる。」
「これから私たちコスモ団を倒しに行くのよ!」
おいおい、なんで喧嘩を売るんだ、こいつに売ってもいい値段で買い取ってくれないぞ。
「いけ!」
コスモ団の下っぱが勝手にポケモンを出し、戦いを始めようとした。出したのは、スリーパー族の少女である。
「催眠術であいつらを眠らせろ。」
「えー、私、12歳以下の男の子にしか興味ないんだけど。」
「お前の好みは聞いてない、いいから眠らせろ。」
「誘拐する気が無いのに、催眠術かけたくないけど・・・」
この女、黙っていれば美人なのだが、あいにく12歳以下の男の子にしか恋愛対象にはならないらしい。
そんなことを考えてる場合ではない。このままじゃ眠らされてしまう。スリーパーが催眠術をかけ始めた。俺はシルフィーをなんとかボールに戻した。
「・・・アイシアのボールはどこにやったっけ。」
普段出し入れしないから、どこにしまったか忘れてしまった。そうこうしてるうちに眠気が襲い・・・
「明日、朝八時に起こしてね、おやすみ・・・・・」
俺たちは催眠術で眠ってしまった。

「・・・・・・寝てたのか。」
催眠術で眠らされて、気がついたら夜中になっていた。
「あれっ!?アイシアがいない!!」
その場で倒れていたのは俺一人だった。幸いボールに入ったシルフィーは無事だった。ボールには指紋認証が付いていて、俺以外が空けられないようになっている。シルフィーがボールから出てくる。
「どうするの、ショーン?」
「・・・・・行くぞ、アイシアを取り戻す。」
さっきまでとは、人が変わったように彼は言った。
「さっきまで、帰ろうとしてたくせに。」
こうして俺はアイシアを探すためポケモンタワーへ入った。

ポケモンタワーに入ると、中にはポケモンのお墓が並んでいた。時刻は午前二時をまわった頃だった、丑三つ刻と呼ばれる時間帯だった。
「・・・・・・・・・・・」
彼は完全に黙り込んでいた。
「・・・・・・・あ、あのさ、シルフィー、ちゃんと手を握ってるか・・・?」
「握ってるわよ、やっぱり怖いのね。」
「全然全然全然こここっ怖くなななないいいいよよよいよ。」
かなり動揺しているうえ、さっきからシルフィーの手を絶対に離さないようにしっかり握られている。
「・・・・・あ、あのさ、多分アイシアはもうここにいないんじゃないか?俺は違う場所探すから、シルフィーはポケモンタワーの中を探してくれ。」
「ポケモンタワーで探すって言ったのはあんたでしょ。」
「・・・・・何もこんな時間に行かなくても、朝になってからでも遅くないだろ。」
「一刻も早く、アイシアを取り戻すんでしょ、それに今ならコスモ団もそんなに人は居ないからチャンスじゃない。」
「・・・・・・何かに取り憑かれそう。」
「大丈夫よ、私がついているし、ここらへんはそんな気配はしないわよ。」
誰もいない、ポケモンタワーを登って行く。肝試しみたいで、俺は生きた心地がしなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ショーン、大丈夫?」
完全に青ざめている。
「ああ、別になんともないが・・・それよりもう出よう!?きっとここ死体が1万体以上あるよここ!!!」
「そりゃそうでしょ!周りお墓なんだから!」

階段を上がり、どんどん進む。
「シルフィー、ここにいるよな?」
「いるって、さっきからその質問何回してるの!夜中に一人でトイレに行けない子供か!」
「・・・ポケモンタワーへこの時間に来るのは間違っているよ。」
わずかな蛍光灯の光がある以外に明かりは無い。中はとても薄暗かった。

————————————
「・・・・・・・・・・来てくれたのね!ちょっと驚かそうっと。」
「今度は違う女がいる・・・・・どういうことなの!」
————————————
だいぶポケモンタワーを登ってきた。
「お、おいもう帰ろうよ・・・結構登ったけどさっきからコスモ団の姿は見えないじゃないか。」
「さっきからその台詞も1分に一回は言ってるじゃない!」
「・・・・・だって、こんなところに真夜中に行こうとするなんて正気の沙汰じゃないよ・・・・・俺もう夜中に一人でトイレに行けないじゃないか・・・・・」

その時俺の首筋に生暖かい風が吹いた。
「・・・っっ!!!??いぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!?????」
俺はシルフィーに思いきり抱きついた。
「なに急に叫んでるのよ・・・って///どこ触ってるのよ!///」
俺の手がシルフィーの平たい胸に当たっていたが、そんなことを気にする余裕は無かった。
「風が・・・生暖かい風が・・・・・もう出ようよ、ここやばいって、俺殺されるよ・・・」
「手を退けろ・・・こ ろ し て や ろ う か?」
シルフィーにさっき感じた以上の恐怖を感じ、俺は腰が抜けその場に倒れた。

————————————
「そういえば、ショーンはお化けが苦手だったっけ・・・でも私とは普通に遊んでいたから、ゴーストタイプはそんな苦手じゃなかった。」
—————————

すると今度は薄暗く光る蛍光灯が全部消え、火の玉が見え、青い炎が灯っていた。
「火、火の玉・・・・・」
俺はその場から金縛りに遭ったように動けなかった。

更に、追い討ちをかけるように声が聞こえてきた。
「タチサレ・・・・・ココカラタチサレ・・・・・タチサレ・・・・・ココカラタチサレ・・・・・」
「€\.!%%.:/::@!!.\€\*€\'\$\*=_$\|.';:.:/.'$!~$%| ?%{*€'*.'\*!!!!!!!!!!!??????」
言葉にならない悲鳴が初めて俺の声から出た。俺はシルフィーのスカートに潜り込んでいた。
「っ!?何やってんのよ!///変態!!!」
もうシルフィーのパンティーの色が何かを確認する余裕は無い。

「・・・殺される・・・お化けに殺される。」
「・・・早く出ないと、あんたの言ってることが正しくなるわよ・・・私お化けだし・・・・・」
「というか///いいから早く出ろ!」
シルフィーは俺を無理矢理引きはがし、俺に攻撃した。
「・・・まってよ、わざとじゃないって。」

「最低・・・・・」

「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・・・」

ショーンは 倒れた

後の"ぽかぼかフレンドタイム"である


しばらくして目が覚めた。
「・・・・・ショーン、大丈夫?」
目の前にいるのはシャンデラだった、それもこの前イワヤマトンネルで見た奴である。
「・・・・・なんとか」
「ごめんなさい・・・・・驚かせ過ぎたわ。」
さっきの生暖かい風や火の玉や不気味な声は彼女がやったらしい。

「シルフィー!?一体何が?」
シルフィーが傷だらけで倒れていた。俺はすぐにモンスターボールに戻した。
「どうしてこんなことに・・・何か知っているか?」
俺は倒れている間のことをシャンデラに聞く。
「え!?えっとそれは、その・・・・・コスモ団!コスモ団が襲ってきたの、それでミミッキュは倒れて、私がなんとか追い払ったわ。」
少し動揺していたようにみえた。
(本当は、私がミミッキュを倒したんだけどね。ばけのかわが厄介だったけど。)

—少し前—

気がつくとショーンがミミッキュにやられ倒れていた。
「ショーン!?」
「名前、知ってるの?」
シャンデラがシルフィーを睨んで。
「・・・ショーンになんでこんなことしたの?」
「いきなりスカートに潜り込んできたりするのが悪いのよ!」
「・・・・・許さない、私もショーンにスカートの中覗き込まれたいのに・・・おっぱい揉まれたいのに・・・それなのに、ショーンを傷つけるなんて最低・・・」
「言ってる意味があまりよく分からないというのが率直なところね。」
「ショーンを傷つける者は許さない!」
こうしてシャンデラは攻撃し始めた。

———————
「あなた、今ポケモンは他にいる?」
「いないよ、手持ちは今はこれだけだ。」
何故か目の前が真っ暗にはならなかったが、戦えるポケモンはもういない。
「私と一緒に行かない?」
ふと急にアイシアが言っていたことを思い出した。

"図鑑の説明ちゃんと読んだ?シャンデラは人間の魂を吸い取って燃やされるのよ。あいつは、以前どこかで会ったような雰囲気を出して、仲間になった人間の魂を吸い取って吸われた人間を燃やすつもりよ、仲間にならないうちに逃げないと魂を吸いとられるわ。"

「!?・・・来るな!こっち来るな!」
俺は後ずさりするもすぐ壁に背がつく。
「ど、どうしたの、いきなり拒絶するなんて・・・」
シャンデラは少し泣きそうだったが、近寄ってくる様子に恐怖が増大していった。万事休すかと思ったがその時、俺は逃げる方法を思いついた。

そうだ、もらった"ピッピ人形"を使えば!

俺はピッピ人形を思いっきり投げた。シャンデラが気を取られている瞬間に俺は逃げ出した。だが、下への階段の扉はいつの間にか閉まってて、開けることはできなかった。

「ショーン・・・・・な ん で に げ る の?」

その時のシャンデラを見た瞬間、俺はここで死ぬという絶望が支配した。
「もうダメだ・・・おしまいだぁ・・・」
「私と一緒に行かない?他にポケモンがいないのにコスモ団に殴り込みにいくなんて、無理があるでしょ。」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!逝きたくないっっっ!!!」
「・・・・・うっ・・・うっぐっ・・・そんなに嫌なの・・・ぐすっ・・・ショーン・・・そんな・・・ぐっ・・・」
シャンデラが急に泣き始めた。
「え!?泣いてまで、俺の魂を吸いとって、俺を燃やしたいの?」
「え?・・・何を言ってるの?私はショーンと一緒に旅したいだけなのに。」
「「え!?」」
どうやら俺は大きな誤解をしていたらしい。


「なんだ、俺と一緒に旅がしたいのか。」
「いいの?」
「断る理由は無い。」
俺はシャンデラをボールにいれた。ボールを登録した後すぐに出てきて、抱きついてきた。
「これからショーンとずっと一緒にいられるなんて幸せ。」
シャンデラは満面の笑みだった。
「ごめん・・・なんか、泣かせるようなこと言っちゃって。」
「いいのよ、だってあなたが誤解してただけってわかったから。」

「私は"シャロン"・・・って、もしかしたら覚えてるかもしれないわ?」
そういえばこの娘の名前を聞いてなかった。

"シャロン"・・・・・・・・・・!?

「思い出した!・・・シャロンお前だったのか。」
「久しぶり、俺もずっと会いたかった!」
「私も、ずっと会いたかったわ!」

"シャロン"は俺が小さい頃、友達がほとんどいない中、唯一、色んな所で一緒に遊んでいた人だった。その頃のシャロンはまだヒトモシの姿だった。

「また会えるなんて思ってもみなかった。」
「私も!」



数年ぶりの再会を果たした、"ショーン"と"シャロン"
はたしてこの二人はコスモ団に勝てるだろうか。














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