俺の名は倉部涼太(クラベ リョウタ)東京都にある中学校に通う2年生だ。
なんの力もない、ただの中学生だ。
そう、なんの力もない...と言うよりは、捨てたって行ったほうが正しいかな。
俺は昔、ブレイン・バーストの世界で戦う、1人の戦士だった。
名は《Clarinet・clock》レベルは5だった。
クラリネット。そう、楽器のクラリネット。
まぁクラリネットとは名ばかりな物で木っぽさもなく、実際は普通のアバターだ。
黒色に手の甲や足が銀のノーマルカラーとメタルカラーの両方を持ち合わせた割と珍しいアバターだ。
その他にも腕や首等に銀の装飾が施されていている。
フォルムも普通の人型で、珍しい以外に特に特徴はなく、武器も何も持たなかった。まぁ手の甲が銀だから多少攻撃力は高いが。
俺は“親”にコピーインストールして貰ってからたった半年程度で5レベルに成れた。
その理由は、俺のアバターが持つアビリティ《The world》時間停止アビリティと、現実で培った空手スキルだった。
時間停止アビリティは必殺技ゲージを消費しつつ時を止める。という代物で、使い方としては、相手からの避けきれないような攻撃の回避、攻撃を避けられないように相手に当たる寸前まで回し蹴りをし、時間を動かし始めたら即相手に当たるなど、とても便利なその能力で、俺は勝ち星をあげ続けていた。
必殺技は特に無く、武器も無いので、それが1番の弱点だった。
俺は“親”がマスターを務めるレギオン《イクシオン》という10人弱のレギオンに所属し、決まって土曜日には無制限中立フィールドで談笑をしていた。
あの頃はこの世界で皆といる事がとても楽しくて仕方なかった。
だがしかし、幸せは、長くは続かなかった。
レベル5になって間もなく、世間は夏休みを迎えた
家族旅行で三泊四日の旅行をして、東京に戻り、“親”である親友に電話をした時の事だった。
「よう、これから上にダイブしないか?」
俺が明るい声で話しかけると、彼は不思議そうな声で、「上?」と言った。
「無制限中立フィールドだよ、エネミーでも狩ろうぜ?」
俺はそれを気にせず親友を誘うと、彼は更に「無制限...?エネミー...?」と呟いていた。
「訳のわからない事言うのやめろよ、俺はゲームしないぞ」
と言って彼は電話をブチッと切った。
俺はそれが何なのか理解出来ず、咄嗟に一つのコマンドを呟いた。
「アンリミテッド・バースト」
周囲がビシッと青い空間...初期加速空間に入り、次に通常アバターがバトルアバターに変身する。
そして降り立った自分の家のフィールドの壁を正拳突きで突き破り、俺は外を走った。
5分位走ると、そこには交流のある大レギオン所属の知り合いがいた。
そのアバターはコチラに気づくと、哀しそうな声で俺に話しかけてきた。
「おう、その、気の毒だったな...」
彼が何故自分を慰めてくれるのかが理解出来ず、俺は彼に問いかける。
「おい、何で慰めるんだよ?」
俺の言葉に彼は驚いた仕草をみせる。
「お前、二日前の話、知らないのか!?」
彼のその驚きようは、更に俺の謎を深めた。
「?あぁ、あまり言わない方が良いと思うが、昨日まで旅行してたんだ」
その言葉に「あぁ、そうか...」とまた声が低い哀しそうな声になった。
「実はな...」
「お前のレギオンメンバーはお前以外全員、全損したんだ。目の利く奴がそれを見て、その場にいたヤツが応援に行ったが...ついた頃には、皆、やられてたよ」
衝撃の事実に、頭が真っ白になる。
「...俺はその場にいなかったし、応援に行った時には誰もいなかったらしいが、目の利く奴の話だと、やられては直ぐに蘇生され、殺され、蘇生されを繰り返してたらしい...」
そこで目の前も真っ白になり、次にふと気づくと、俺は自分のベッドの上で寝ていた。
恐らくあの後無意識にポータルへ行ったらしい。
...その後、俺はブレイン・バーストで対戦及び上にも行っていない、たまにカンニングする為に初期加速空間には行くけど...
その事件があったのが2042年だったから...もう5年もダイブしてないのか...
普通ならアプリをアンインストールしたりするが、俺はブレイン・バースト自体が彼らの形見と思っているので、大切に残してある。
が、乱入等はされたくないため、自分の家や学校以外はグローバルネットワークに接続していない。
そのため、今加速世界がどんか事になっているのかもさっぱりだった。
そして、ふと対戦してみようかな、と思った俺は、今日が日曜日という事を利用し、青のレギオン『レオニーズ』の領土の新宿エリアに向った。
久々にグローバルネットワークに接続し、乱入待ちをしていると、急に加速し、アバターに変身する。
これは乱入された証だ。
アバターに変身すると、ステージに降り立ち、相手と自分の名前とゲージが出現する。
相手の名前は...《cobalt・blade》青のレギオン、レオニーズの幹部《二剣《デュアリス》》の片方だ。
彼女とは昔よく対戦した。
あの時も凄まじい刀捌きだったが、5年たった今ではどうなったのかと考えていると、目の前にコバルトが歩いてきた。
「貴様、生きていたんだな。5年間噂すら聞か無かったから全損したのかと思ったぞ」
青銀の装甲を持つ女武者は、以外にも話をかけてきた。
「まぁ、事情があったんだよ。それよりも、5年降りの対戦なんだから、いい勝負にしたいな」
俺の陽気な言葉を言い終わると、彼女は抜刀の準備を、俺は空手のフットワークを刻み始めた。
彼女を登録しているのであろうギャラリーも、シン...と静まる。
そして静寂を切り裂くかの如く飛びだし、勝負が始まった。
戦闘の感はあまり鈍ってなかったらしく、避けては攻撃、相手もそれを避けては攻撃の戦闘が行われた。
どうも、うp主のCl.と申します。
この作品は、脳内で思いついた事を色々変えて出来た作品です。
まぁ大体が主人公の所属先なんですが、オリジネーターだったり、無所属だったり、紫の王が親だったーてのを最初は各予定だったんですが、それだと黒のレギオンと接触が出来ませんし...で、まぁ色々考えていたらこんな形になってました。
あとチート気味の主人公の能力を如何に弱くするか...
クオリティのとても低いssですが、どうぞよろしくお願いします。
あと、緊張誘うような終わり方してますがタダのコピーミスです。