凄い、前投稿したのが四ヶ月前!?こんなに短いことがあったでしょうか(困惑)
無限の闇とも思える深夜の空に個々を主張し合う星達が輝き、建物はおとぎ話に出てくる様な西洋の城に変わり、あたり1面は花乱れる庭園が出現する。
バトルアバターがそこへ現れると、花は風と共にブワッとたなびいた。
ここは《妖精郷》ステージ 。その名に相応しい美しさを持つかなりレアなステージだ。
ステージを見回しそれを確認すると、次に俺は対戦者をの大まかな位置を示すシステム《ガイドサークル》に従い、サークルが示す方向へ歩き始める。
少し歩くと、そこには既に全員集まっていた。
女武者の《コバルト・ブレード》に《マンガン・ ブレード》と俄然とした態度で王と呼ぶに相応しい風格を漂わし、腰には異様な存在感を現す、加速世界における最強の強化外装
「やっと来たか…まぁ、こんな所で立ち話もなんだ。ここは建物の中に椅子とかあったし、とりあえずそこで話そう」
そう言うとブルー・ナイトとそれに付き添い
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城の中、西洋風の椅子にブルー・ナイトが腰を掛け口を開いた。
「さてと、まずはレギオン加入の事だ」
そう言うと、ブルー・ナイトは手元のウィンドウを操作する。
すると俺の目の前にレギオン加入書が転送された。
俺はサッと注意書きを流し読みし、《加入》をタップする。
この瞬間、俺は《無所属》から青のレギオン《レオニーズ》の一員となり、同時にレギオンマスターからの《断罪》が有効化された。
俺がゴクリと生唾を飲んでいると、彼が再び口を開く。
「所で、クラリネット・クロック。いきなりで悪いが、能力を明かしてもらえるか?」
…え?
なんか、凄い事が聞こえた気がしたぞ?
「えーと、今なんて?」
「能力を明かしてもらえるか?と言ったんだ。お前の能力は未知数だからな、まぁ彼女等からの信頼の厚いおまえさんだが、万が一裏切ったり不可侵条約を犯した時、俺はお前さんを《断罪》しなきゃならんからな。その時の為だ」
えー…生命線である能力の詳細を話す…かぁ…
話さなかったらあんまり信用されなさそうだよなぁ…まぁでも何処ぞのバナナと違って口固そうだし、何より王の信頼は何者にも代えがたい。
「分かりました」
了承し、俺は自分の能力を話し始める。
「まず、俺には見ての通り強化外装はありません。いわゆる徒手空拳ですね。リアルで空手をやってるので、それが俺の戦闘スタイルです。必殺技もありません」
「確かに、貴様とは何度も対戦しているが、武器はもちろん1度も必殺技は出されてないな」
話していると、昔の事を思い出すかの様にコバルト・ブレードが話す。
「あるのはアビリティだけ、アビリティ名は《The world》。皆さんご存知の通り、時を止める能力です。必殺技ゲージMAXで10秒程止める事が出来ます。時を止めている間はプレイヤーは《破壊不能》つまり攻撃が出来なくなる。だから俺は攻撃が当たる直前でアビリティを解除して攻撃を当てます」
興味津々で俺の能力を聞くブルー・ナイト。
「弱点はそれだけなのか?」
「いえ、ある程度実力のある者とかは、背後に移動しても読まれる事があります。話を聞く限りじゃ、殺気とか気配が移動したのを感じるとか」
ふぅ…あらかた話したなぁ…改めて自分の能力見ると、やっぱりチートだよ。
「すると、お前さんはレベルアップボーナスを全てアビリティにつぎ込んでいるようだな。初期が2秒で、強化事に2秒ずつ増えている感じか」
《レベルアップボーナス》その名の通りレベルアップ毎に設けられるもので、新アビリティや既存アビリティな強化、強化外装の入手及び強化、新必殺技等を手に入れれる素敵なイベント、かの緑の王や2代目赤の王はそれを一つにつぎ込み、とてつもない力を獲得してるだとか。
そんな俺が選んだボーナスとは…
ん?
あ、あれ?
俺、ボーナス取ってなくね?(汗)
「えーとですね、非常に言い難いのですが〜」
「なんだ、いきなり改まって?」
「レベルアップボーナス、取ってません」
は?その言葉と共に一瞬の静寂が訪れたあと、マンガンがそっと尋ねてくる。
「それは、Lv.5のボーナスと言うことだな?」
若干不安混じりのその声に、俺も震えた声で返す。
「いえ、レベルアップボーナスを一つも取ってません…」
そこから長い沈黙が訪れる。とても気不味い。
ヤバいよ、この空気もう耐えられない、穴があったら入って4泊位したいくらいだよ。
「だから貴様新手の事をしてこなかった訳か」
コバルトが今までの対戦を振り返りそう言う。
そういや俺の能力って強化しても解んないよね、時間止まるんだもん。
そんな事を考えていると、青の王が「とりあえず今どんなのあるか確認して見たらどうだ?」と言うのでレベルアップボーナスのウィンドウを開く。
「えーっとですね…」
Lv.2 レベルアップボーナス
時間停止アビリティ強化:留められる時間を10秒間伸ばす。
強化外装:elude・sword:敵の攻撃に対して受け流しをすることが出来る両刃剣。
必殺技:strength punch:相手に強いパンチを繰り出す技
「ですね」
ぶっちゃけアビリティ強化強すぎんだろよくとらなかったなレベルアップボーナス。
そんな事を考えているとコバルトに「結局どれを取るんだ?」と聞かれた。
んー。必殺技は論外として、強化外装の剣は結構良いなぁ。徒手空拳は高レベルになると辛い、その上高レベルによる察知からの反撃って結構怖いから受け流し能力は強い。
だが、時間停止アビリティ強化も良いんだよな。20秒も止められれば出来ることも増える。
だが、まぁここは無難に時間停止アビリティ強化かな。
と言うことで時間停止アビリティ強化を選択する。
「と言う事で、Lv.2のボーナスは取りました。けど、まぁ後のはまた後に」
てか、押しちゃったけど剣惜しかったなぁ…
名残惜しそうな顔をしているとブルー・ナイトが思いついたように提案をする。
「ところでクラリネット・クロック」
一々長いアバター名言われるのもなと思い、「クラ」で良いですよ。という。
「クラ、折角青のレギオンに入ったんだから剣でも使ってみないか?」
「剣をですか?」
「あぁ、時間停止アビリティを持っているお前は通常対戦に出始めたら当然名が知れるだろう。腕は家の幹部と同レベルだしな。ウチの幹部は知っての通り剣を使うからな。幹部クラスの奴が徒手空拳じゃ示しもつかないし、どうだ?強制はしないが」
確かに、強化外装は欲しいけど、うーん、ボーナスで取るのもなぁ。
とか思ってるとコバルトが「なら我々の不必要な強化外装を譲渡するのは如何ですか?」
「そうだな。それでいいいか?」
俺は即決に「はい」と言うと三人それぞれが強化外装を実体化する。
「まず私からだな」
そう言うと、マンガン・ブレードが出してきたのは刀だった。
「固有名は《ムツキ》だ。我等が使う刀には及ばないが、それでも中々の名刀だ。」
次にコバルト・ブレード。出してきたのは両刃剣だ。
「固有名は《Brave・Sword》巨獣級のエネミーからのドロップ品だ」
最後にブルー・ナイト。出てきたのは黒く深みのある紫色の大剣だ。
「固有名《Twilight・Blade》新宿都庁のダンジョンを再攻略してる際に神獣級エネミーがレアドロップとして落とした剣だ。」
翻訳すると黄昏の剣。確かにその剣の鮮やかな黒紫色は夕暮れの終わりを想わせる。
それに、この剣が放つ圧は《
「俺はもう既に《ジ・インパルス》持っていたから1度も使った事はないけどな」
「さぁ、どれを選ぶ?」
提示された3振りの剣。その中から俺が手に取ったのは────
何時になるかわかりませんが、皆様またいつかー