FGOクリアしました、リアルで。   作:チョコラBB

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マルタ加入部分を追加しました。


マスターは霊基再臨しました。

謎のヒロインXが来てから早1週間が経過している。

ゲームと違い、現実ではかなり暇な時間が多い。

俺やぐだ男君はその期間訓練や再臨素材集めを行っている訳なのだが・・・

 

素材集めの最中、サーヴァント2騎だと一人は俺の護衛で実質一人で敵を倒すため、殲滅速度が遅いことに気づいた。

流石にそれでは効率が悪いため3人目を召還することに。

だが運悪く、現在のカルデアは石も呼符も不足しており精々2~3回分ほどしか余裕がない。

その為、前回の俺の主張を覆すようだが、今回はカルデアに保管されていた触媒を使用しての召喚に挑戦してみた。

保管されていた触媒を確認すると4つも特異点を巡るとかなりの数が保管されていた。

 

① クー・フーリン自身が刻んだルーン入りそこらの石

② マルタの聖骸布の切れ端

③ ジャンヌの聖骸布の切れ端

④ エリちゃん直筆サイン

⑤ DEBUの第二ボタン

⑥ 赤セイバー直筆サイン

⑦ ジャックちゃんのナイフ(予備)

⑧ ジキル氏の霊薬の残り

⑨ ダビデ象

 

・・・まず⑨は除外だが、コレ触媒?

掘った彫刻師とか召喚されない?

 

次に⑦と⑧も除外。

ゲームならジャックちゃん可愛いよジャックちゃんなのだが現実となった今怖くて手が出せない。というか油断すると解体されそうだ。

ジキル氏とハイド氏も同様。

残りは悩むな・・・。

少し観点を変えて考えてみよう。

今俺のチームには回復役もしくは盾役が欲しいところだ。

そう考えると②③か・・・

次に単純に性能面なら①だ。

だがクー・フーリンの供給過多ではないだろうか?

④⑥もどうせ他の特異点で会えるし、あ!エリちゃんも忘れてたけどジャックちゃん枠だからヤバそうだわ。

というか彼女を呼んだらハロウィンイベントが発生しそう。

⑤は微妙。DEBUはもう少し戦闘面を充実させてから作戦立案などの役割で呼ぶ方が合理的な気がする。

 

「難しい。しかし能力を無視して考えると、ヤバそうなのと、面倒くさそうなのが多いな。しかも数少ない真っ当な英雄もジャンヌちゃんとか絶対俺と会わないだろうな。」

 

ジャンヌちゃんペロペロしたいくらい好きだけど、現実で会うとすると絶対合わないだろう。

いや彼女自身は良い子だと本気で思うし、守りという面では優秀だと思うよ?

だが作中彼女はフランスを恨んでいないと言っていたがその点が俺には理解できない。

だって本人もやりすぎたとはいえ、裏切られて魔女の汚名をかぶせられて殺されたのですよ?

普通なら恨んで当然、オルタちゃん的側面とか生じても全然おかしくないとプレイ中も俺は思っていた。

だから俗人たる俺には彼女に共感出来ないし、理解出来ない。

端的に言うと、あんな目に遭って悲しみはしても、少しも憎しみを持たないなんて気持ち悪い。

逆に贋作とはいえオルタちゃんの方が俺には共感できるし理解できる。そのため好感度は一方的に絆LVMAX近いのだ。

え?どこぞの贋作英霊イベントをダ・ヴィンチちゃん焚き付けて起こしてもらおうかなあ・・・。

・・・ジャンヌの触媒でオルタちゃん召喚出来ないかなあ、流石に出来ないよなあ。

 

 

冷静に考えると俺と合う危険度の低いサーヴァントって意外と少ないかもしれない。

騎士道とか聖女とかガチの反英雄とか無理ですわ。(白目)

 

その後丸半日悩んだ末、マルタを召還しました。

理由は回復役兼護衛役という必要な役割をこなせること、速攻でマスターを殺しにこないこと、聖女((笑))であることが挙げられる。

 

 

そんなこんなで戦力を充実させてから何度目かの素材集め

 

「私以外のセイバーぶっ殺す!!」

 

「デュフフフ!拙者ライダーで本当に良かったでござる!流石にどこぞSA○のように聖剣と魔剣を二刀流で振り回すキチガイ系女子とか無理ゲーですからな!」

 

「二人とも軽口も良いですけどまだ戦闘中です。集中しなさい。・・・なんでこの二人なのよ、マスターには不満はないけど他の二人がコレじゃ私まで色物に見られるじゃない。」

 

「まあまあマルタ、あれが二人の持ち味みたいなものだから・・・その分俺を守ってくれるマルタには本当に助かってるから・・・うん・・・マジで。」

 

「・・・マスター」

 

現在俺と基礎的な訓練をシュミレーターで終えた後、ぐだ男チームと交代で各特異点にて霊基再臨素材や食料、その他資源の収集を行っている。

因みに俺はまだマスターとしては新米のため比較的エネミーの弱い「特異点F 炎上汚染都市 冬木」や「第一特異点 邪竜百年戦争 オルレアン」での探索がメインとなっている為、今現在もこの荒廃した冬木で調味料やレトルトなどの食品や衣料品、医療品及び骨の収集をメインとしている。

尚、何度も探索しており、既に今回のノルマは達成している為、今は自由に戦闘訓練を行いつつ今後常に不足するであろう凶骨を集中的に収集している。

 

「マスター!凶骨を無駄に破壊しないようスケルトンを倒しました!一体当たり何十本か確保出来ますから大量ですね!」

 

「相手がスケルトンとはいえ、可哀想ですね。ですが狩りによる剥ぎ取りは基本です。注意して素材を確保しなくてはいけませんね。」

 

「剣を持っていたセイバーっぽいスケルトンだけ塵も残ってねえな。」

 

いやあ!本当現実って良いよね!工夫次第で沢山素材とれるから!

最後らへんの特異点ではエネミーが強すぎて難しいかもしれないけど初期なら工夫次第で素材とり放題だね!骨とか牙とか爪とか翼とか!

後、ワイバーンのステーキっておいしいね!

 

そんなこんなで順調に素材を集めていると突然ロマンから通信が入った。

そろそろ帰還の時間かな?

 

『大変だ!葉山君!そのエリアから急いで離れるんだ!シャドウサーヴァントの反応が急速に接近している!』

 

「シャドウサーヴァント?確かに今までのエネミーに比べれば強敵ですがこちらには三騎ものサーヴァントがほぼ無傷で居ます。逆に奇襲の恐れもないのですから此処で打ち取っては?」

 

「あ、葉山君は聞いてないんだっけ?!取りあえず其処から離れ・・ああ!もう無理か!!よく聞いて葉山君!その特異点Fを修復するさいに協力してくれたキャスターからの情報なんだが、」

 

ああキャスニキのことね。

 

『ぐだ男君たちが倒したシャドウサーヴァント達から考えるに今君たちに向かってきている敵は唯一残っているであろう【ヘラクレス】」だ!』

 

「ゑ?」

 

「宝具こそ無いがその力量は大英雄相当でしかも狂化されている。かなりの強敵だろうから油断してはいけない!!」

 

あかん

 

「あかん」

 

口にも思ったことが出てしまった。

俺は周りの英霊を見回す。

マルタと珍しくXも顔を引き締めて覚悟を持った顔をしている。

逆に第3特異点で接点でもあったのか黒ヒゲは「FXで有り金全て溶かした人」のような顔をしている。

うん個人的にヘラクレスを知っている人の反応としては黒ヒゲの方が正しいと思う。

だが逃亡は無理だ。

となれば避けれるものならば全力で避けたいが、今は戦わなければ生き残れない。

 

「悪いがイキナリのボス戦だ。皆悪いが全力で行くぞ。」

 

「「「ええ!(分かったぜ!)」」」

 

5分もしないうちに黒い霧のような物を纏った人影、シャドウサーヴァント、バーサーカー・ヘラクレスが自動車ほどのスピードで駆けてきた。

こちらは周囲よりも僅かに高い位置、高台の上の公園だったであろう場所に陣取っている。

Xが前衛、マルタが俺の護衛兼後衛、黒ヒゲは前衛よりなのだが足も遅くヘラクレスとは打ち合えないため近隣に隠れておりイザとなったら宝具で支援攻撃である。

アサシンとかもう一人前衛が欲しいお。

 

「■ッ■■■■■■■■!!」

 

俺たちを見つけたバーサーカーは魂すらも凍るような雄たけびを上げながら更に速度を上げて此方に突進してくる。

だが甘い。

こちらには5分ほどとはいえ準備時間があり、地の利があり、そして騎士道精神なぞ持っている奴はいないのだ。

 

「■■■!?■■■■!!」

 

俺たちの手前、高台への階段を上がり切った辺りに着地したバーサーカーは突如動揺したような咆哮を上げる。

それもそのはず。

バーサーカーが着地した瞬間、その両足が踏みしめていた地面が崩れて自分の下半身が完全に埋まってしまったのだ。

今は焼却されてしまったが古来から人理の中に存在してきた罠の一つ、「落とし穴」である。

こういうアウトローなことが得意な黒ヒゲが3分でやってくれました。

尚、セイバー忍法により更なる偽装が行われて傍目には全く落とし穴があることが分からない上に、内部に賢人バベジンの作成した特製トリモチが設置されてる仕様となっている。

 

「更にセイバー忍法 フグペイン!!そしてセイバアァァ!!」

 

Xは身動きの取れないバーサーカーに毒を付与し、躊躇なく二刀流で切り付ける。

正に外道、もっとやれ!

 

「ガ、ガ■■■ッ■■■■■!!!」

 

バーサーカーさんまじおこである。

だが、しかしそんなこと気にする余裕がないので気にせずXはスター・バー○ト・ストリームで切り付けつつ、フグペインやらタタミウォールを使用している。

マルタもスキルによる回復をXに飛ばしつつ、謎の光弾をバーサーカーの顔面に発生させてチクチク顔面を焼いている。

黒ヒゲ?

やることないのでこっそりバーサーカーの背後に迂回してる。

 

 

「瞬間強化!ガンド!」

 

とはいえ宝具のないバーサーカーにはダメージ自体は通るので俺も魔術で支援している。

ダメージソースたるXの強化を送りつつ、ガンドでほんの数秒動きを阻害する。

ゲームと違って多少連発できるのは素晴らしいな。

まあヘラクレスさんピンピンしてて吠えてるけど。

 

「■ッ■■■■■■■■!!」

 

「ファッ!?」

 

そんな風に余計なことを考えたせいだろうか。

怒りによりパンプアップしたバーサーカーが力任せに落とし穴周辺の地面を吹き飛ばした。

尚、Xは誰もが見て見ないふりをするが、どう見ても騎○王なので直感持ちのため、

バーサーカーを挟んで俺達とは反対側へ無事回避している。

 

「刃を通さぬ竜の盾よ」

 

躍りかかってきたバーサーカーをタラスクの甲羅を部分召喚することで防御するマルタ。

同時に絶えず光弾を発生させ続けている。

 

「■■■■■■■■!」

 

しかし通常壊れないはずの強固な竜の守りを、宝具も持たない劣化サーヴァントとはいえ大英雄ヘラクレス、剛力と本能に染みついた武芸を以って砕く。

 

「嘘でしょ!?タラスクの甲羅よ!?」

 

余りに予想外の状況に俺は勿論、マルタの動きも一時止まる。

だがそれは致命傷だ。

マルタを斧剣の一撃で吹き飛ばし、返す刃を以って俺をミンチにせんとするバーサーカー。

 

「ま、?」

 

俺は咄嗟に切り札を切ろうとするが、目の前でバーサーカーが水平に吹き飛ぶ。

慌てて周囲を見回すと黒ヒゲがマルタの真似をしたのか大砲の身を部分召喚していた。

砲口から煙が昇っているので大砲によりバーサーカーを打ち落としてくれたのだろう。

 

「さっさと離れやがれ!坊主!あの化け物にゃ大して効いてねえ!!」

 

「!すまん助かった!X!宝具使用も許す、全力でバーサーカーを倒せ!!」

 

「分かりました!マスターたちはマルタのことをお願いします!ハア!!」

 

令呪を使用してXに魔力を過剰供給する。

俺単独の魔力だと宝具は精々2発が限界である。

だがもう四の五言っていられないので令呪による補助を受けながら全力を尽くす。

 

「マルタ!大丈夫か!?」

 

「・・・大丈夫よマスター!・・・っていうかあの筋肉ダルマ痛っいわねぇ。」

 

「「え」」

 

 

「んっん。いえ何でもありませんよマスター。それに黒ヒゲもあなたちは何も聞かなかった。良いですね?」

 

「「サー!イエッサー!!」」

 

まあ俺は前世の知識でマルタの素を知っているんだけどね。

その後マルタの回復を終えた俺達は更にもう一画令呪を使用して魔力を補い、大砲を複数召喚。

そのままXのスキル支援砲撃による謎の砲撃を含めて全方位から飽和砲撃によりバーサーカーの動きを強制的に止めてXがトドメの一撃を放った。

 

「星光の剣よ……赤とか白とか黒とか消し去るべし! ミンナニハナイショダヨ! 『無銘勝利剣えっくすかりばー』!!」

 

白と黒の斬撃がバーサーカーを微塵に切り、星の光が薙ぎ払う。

光が収まった後には何も残ってはいなかった。

 

「セイバーに遭えばセイバーを斬る…… 神に遭えば神を斬る…… 主にセイバーばっかり増やす神を!」

 

バーサーカーなど全く関係ない勝鬨をあげるX。

まあ彼女が居なければ絶対に勝てなかったのだ。

良しとしよう。

俺は一息ついて座り込む。

正直もう限界で、ヤバい。

 

「お疲れ様ですマスター。シャドウサーヴァントとはいえヘラクレス。大金星ですよ!」

 

「そうですな!この勇姿を見ればマスターも拙者ももうモッテモッテのうっはうっはで、カルデアの女性陣は放っておかないでしょうなあ!!」

 

「ありがとう。二人とも。御蔭で生き残ることが出来たし、本当二助かった!」

 

 

「マルタもありがとう。イチャイチャしたい。」

 

「いえこちらこそ・・・え?今なんて?」

 

「マスター!マスター!やりましたよ!やっぱり時代は青ですね!赤とか白とか黒とか桜とかやっぱり要らないんですよ、青こそ至高なのです!」

 

めっちゃハシャいで駆け寄ってくるX。

能力的には非常に優秀なんだよなあ、彼女。

ゲームと違って、某騎士王様から自重を抜いてその分セイバー忍法とかアサシンのスキルとか漆黒の意思とかぶっこんだのが彼女だから。

 

「ああ、Xのおかげでマジ助かったよ。三人ともいなかったら勝てなかっただろうけど今回は間違いなくXがMVPセイバーだよ。ありがとう。」

 

「え?え、いやそんな普通にお礼を言われると何か照れますね・・・。これからもヨロシクお願いします!」

 

「おう。」

 

「マルタや黒ヒゲもヨロシクお願いします!やはり二人の援護がなければ勝てなかったでしょうから・・。どうですか二人とも新円卓に入りませんか?マスクド・タラスクとか七武海とかどうです?」

 

「そんな聖女のせの字もないようなコードネーム嫌よ!」

 

「ソレ違う黒ヒゲだから!一つなぎの財宝のやつだから!」

 

強敵を協力して倒すことで親睦も深まったようである。

 

「(マルタは名前が嫌なだけなのかな・・・。)と、ところで流石に疲れたから戻ろうか、此処じゃあ落ち着かないしね。Drロマン?」

 

中空にロマンの姿が映し出される。

背景にはぐだ男君たちも見えている。

どうにも俺たちの救助準備をしていてくれたようだ。

 

『いやあ皆お疲れさま。本当に素晴らしい戦いっぷりだったよ。取りあえず怪我はなくとも葉山君の疲労も激しいし、今からレイシフトの準備をするから待っていてくれ。』

 

「了解しました。」

 

ロマンの映像が消えると、少し離れていたところに居たXが遠慮がちにやってきた。

 

「ところでマスター。そのーバーサーカーの居たところでこれを確保したのですが・・・。」

 

「ん?これは?」

 

手渡されたのは薄汚れた紫の布のだった。

手に取りよく見ると劣化しているがかなり上等な帽子のようである。

だが特別魔術的な品物でもないし、なぜバーサーカーはこんなものを持っていたのだろうか?

どこかで見たことがあるような・・・?

 

「・・・私はどこかで見たことがある気がしますが・・・う~ん?」

 

Xも布を見るために顔を近づけてくる。

近い近い。

 

「私は見覚えはありませんね。ただかなり手の込んだ帽子の切れ端のようですね。この素材加工するのに手間がかかるんですよね。」

 

マルタもよく見ようと切れ端を自分の方へ引っ張る。

俺の腕にマルタの胸が当たる。

俺嬉しい。

 

「拙者は見たことないでござるが、確かに高価そうなものでござるなあ。」

 

黒ヒゲもさりげなく切れ端を手に取ろうとして、マルタの胸に腕を近づける。

だが黒ひげの一手を俺は通さない。

俺と黒ヒゲが譲れない願い(胸)を賭けてメンチを切り合った。

 

話は戻るが俺とXだけが見覚えのあるモノって何だろうか?

もう一度切れ端をしっかりと見てみる。

何か思い浮かびそうなのだが・・・・その時俺の脳裏に前世で見たPCの画面が蘇った。

 

「Dr!Drロマン!」

 

『な、なんだい急に!?何かあったのかい!?』

 

「至急、バーサーカーが普段いたエリアを教えてくれ!」

 

『え?なんでだい?』

 

「良いから早く!!」

 

それから15分ほどして人影は勿論エネミーすら居ない郊外の荒野に移動した。

紫色の帽子を見て思い出した。

確か前世でバーサーカーが唯一ストーリー上絶対に戦闘しなくても良い理由についての記事を読んだことがある。

確か彼は泥に犯されても尚、とある少女の遺体を守っていた・・・らしい。

仮に本当に遺体があったとして特にどういうわけででもないのだが、この時俺は無性に胸騒ぎがしたのだ。

 

荒野を探索すると、荒野の一角に眠るように横たわる少女の遺体を発見した。

特殊なホムンクルスであるためか腐敗や損傷などは見られず、心臓付近にのみ血痕が付着している。

 

「何故彼女が・・・」

 

Xいやアルトリアは冬木の聖杯に参加した記憶があるのだろう。

故に少女、イリヤスフィールの遺体を見て僅かに動揺している。

かくいう俺は原作キャラのの遺体以上の関わりがないが、やはり無垢な少女の遺体というのは精神に来るものがある。

だが今はそんなことよりもイリヤスフィールを見つけてから更に尋常じゃなくなった胸騒ぎが問題だ。

 

『大変だ!柳洞寺の大聖杯から膨大な魔力を観測した!一体何が起こってるんだ!』

 

イリヤスフィールをじっと見ていると、突如柳洞寺方向から膨大な魔力が観測されたようだ。

ロマンの動揺が酷い。

 

「あ。」

 

突如イリヤスフィールの遺体から杯、おそらく聖杯だろう、が浮かび上がってきた。

 

『何故聖杯が・・・、特異点を修復して聖杯も回収したはずなのに』

 

『・・・おそらくこれはソロモンが特異点のために作成した聖杯ではないのだろう。コレは冬木の聖杯だ。』

 

そこでみんな大好きダ・ヴィンチちゃんが説明役を買って出てくれた。

 

「冬木の聖杯でござるか?」

 

『そうだよ。ここからは予想だけど聖杯の泥に犯されたとはいえ元々の聖杯戦争の参加者たちは存在していた。だから未だに冬木の聖杯戦争の勝者は決まっていなかった。』

 

なるほど。

 

『だけれどぐだ男君たちによってバーサーカー以外の参加者は倒れ、ク-・フーリンも決戦の傷が原因でその特異点において帰還した。今いる彼はカルデアで再召喚された訳だしね。つまり残ったバーサーカーが勝者になった。とはいえ狂化して更に泥に犯されたバーサーカーには願いを叶えるという思考が存在しなかった。』

 

『そんな風に宙ぶらりんな状況に騎士王・・・じゃなかったアーサー王と偶々そっくりな謎のヒロインXを連れた葉山君が現れてバーサーカーを倒したんだ。おそらく今大聖杯は葉山君たちを聖杯戦争の勝者と誤認しているのだろう。』

 

「・・・ダ・ヴィンチちゃん。俺はこの聖杯を持って行っても大丈夫なのか?」

 

『たぶん大丈夫じゃないかな?この聖杯が無くなったところで特異点が解消された今勝手に辻褄を合わせるだろうね。っというか君が受け取らなきゃ聖杯がずっとここに残ることになる。どう考えてもトラブルの基にしかならないよ。』

 

「皆は何かあるか?無いなら俺が願っても良いか?」

 

「私には偽の聖杯に願うことはありません。」

 

「私も特にありません。」

 

「拙者も同じく。」

 

「じゃあとりあえず俺が願うぜ。」

 

一つ深呼吸をする。

心なしか願いを待ち望んでいるかのようにフヨフヨ浮かぶ聖杯。

俺はソレを見てつい悪戯心が浮かんでしまった。

 

「ギャルのパンティおー・・・・ブフォアアアッ!!」

 

某七つの球を集める漫画に倣って願い事をしようとしたのだが、不穏な気配を纏った聖杯が俺の腹部へシューットッ!超エキサイティング!!してきた。

 

『あれ!?何故か聖杯の反応が葉山君の中にあるよ!?』

 

「・・・(ゴミを見るような目)」

 

「・・・(ゴミを見るような目)」

 

「・・・(生暖かい同士を見るような目)」

 

俺は聖杯と各種素材を得て、女性サーヴァントからの好感度を失いました。

 

 

蛇足

数日後、なんとか冗談で祈ろうとしたと信じてもらい絆LVが上がりました。

 

新米マスターから一般マスター(聖杯内蔵型)へと霊基再臨しました。

 

 




ヒロインXと学生カップル風にイチャイチャしたい。
お姉さん風のマルタとイチャイチャしたい。
黒ヒゲや他の海賊と桃鉄したい。


・・・円卓とエミヤが揃ったらSNのセイバールートを上映したい。

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