「・・・・来たれ、我が円卓の騎士たちよ。」
どこかから鈴の音を連想させる美しいがどこか冷たい声が聞こえる。
その声を聴き、私は歓喜し、世界の外側に有る英霊の座から此処、第六特異点へと現界した。
私の視界が晴れて周りを見ると其処には懐かしき顔ぶれが揃っていた。
アグラヴェイン、モードレッド、ランスロット、ガレス、ケイ、トリスタン・・・
ベディヴィエールやギャラッハド、人間の屑を除きかつての円卓が揃っていた。
我が王、アーサー王は私が知る御姿よりも成長し女性的になっていた。
たわわに実った美しい巨乳、素晴らしい。
惜しむらくは全体的に成長成されてるが、個人的には以前の青い果実的なお姿のまま、たわわになってほしかった・・・。
「・・・では我が意に賛同する者と反対する者に分かれて雌雄を決せよ。」
騎士王改め獅子王(巨乳)が我らを召還した理由。
それは魔術王による人理焼却から善良なる人間だけを神槍ロンゴミニアド内に保管し残す、
簡単にいうと「人類補完計画with円卓」を行うための手伝いで会った。
正直思う所もあるが王に忠誠を果たせる絶好の機会なので、私は速攻賛同の意を表明した。
そして今師子王の命によりケイを初めとする反対派の騎士との戦いを始めた。
ボゴオ!!
メキャァ!!
今私の目の前で、私の命により円卓同士が戦いを始めた。
私はかつての円卓と決別するための戦いから眼を離さぬことを覚悟していたのだが・・・何か私の思っていた戦いと違う。
アベシ!!
今ガウェイン卿が剣を抜くこともなくケイたち反対派の騎士たちを腹パンしているのだ。人体が出してはいけない音や奇怪な声を発しながら・・・
ヒデブ!!
グハア!?何故私まで!?
何故かランスロットも腹パンされた。
流石はランスロット、反対派の騎士たちは一撃で血反吐を吐き、消滅した拳を耐えきっている。
素晴らしい・・・吐血して生まれたての小鹿のように震えているが。
「ガウェイン卿・・・私の記憶と少し・・・違う気がするが何かあったのか?」
「いえ?特には。強いて言うなら、毎日大量のポテト&ビネガー&ブレッド。そしてエールを飲んで身体を鍛えているからでしょうか?あとは野菜ですね。ひたすらニンジンを食べればよろしい。」
ガウェインはそう言いつつポージングを取り筋肉を強調する。
そう、何故かガウェインは鎧を付けず、ピッチリとした全身タイツ姿である。
気のせいか私の知る彼よりもガッチリしている気がする。
「そ、そうか。で、では獅子王の円卓よ、リチャード一世なるものを討つぞ(震え声)」
「「「ハッ!!(震え声)」」」
「ハッ!!」
「
ガラティーンを空中に投げる。
ガラティーンはくるくると回転しながらガウェインの下へと降りてくるのだが、彼はソレをキャッチせずにそのまま全力で偽リチャード一世に殴りかかり殴殺した。
ちなみにガラティーンはそのまま地面に突き立った。
「な、何故投げたし・・・ガクッ」
全くだ。
何故剣を投げたし。
ま、まあ偽リチャード一世を倒したし、此処に聖都を建てよう・・・。
「・・・オイ今宝具の発音可笑しくなかったが・・・?」
「・・・勘のいいガキは嫌いだよ」
「アバア!?」
モードレッドがガウェインの発音にケチを付けたため、無言の腹パンを受けて部屋の隅で嘔吐している。
あんな・・・ヘソ丸出しの鎧を付けているから・・・・
私は急いでモードレッドの下へ行き水を飲ませてやる。
アグラヴェインが背中をさすり、トリスタンも声を掛けている。
ランスロットは何故かガウェインに腹パンされ、彼の妹のガレスは白目をむいている。
なんだこのカオスな状況は・・・。
私の人類補完計画が間違っているような気がしてきた・・・。
アレからしばらくして聖都が完成し、砂漠のファラオとは不可侵条約を結び、日々聖別を行っている。
だがそんなある日、門が騒がしくなったので見てみると其処には人理修復を行っているカルデアのマスター二人と、驚くべきことにギャラハッドの盾を持つ少女、そしてベディヴィエールが円卓の騎士から無辜の民を守っていたのだ。
私はなぜか涙が出そうになり、真剣に彼らを見ていると・・・
「
「
どこぞの脳筋は構わず拳を振るっていた。
既に剣すら投げていない。
そして宝具名にツッコミを入れたトリスタンが荒野で犬神家されていて、私は泣いた。
「・・・私の
「ガ。ガウェイン卿・・・?ガウェイン卿ですよね?半裸ですけど。」
「ですが・・・ふん!!」
「な、突然夜から昼に!?」
「私は獅子王より“不夜”のギフトを賜っていました。まあ常に明るくて眠れないと聖都で多数の苦情を受けて封印しておりましたが、今は非常事態。許されるでしょう。」
「!」
「そして私には逸話より聖者の数字というスキルを持っています。コレの効果は分かりやすく言うならば太陽の下では私のステータスが三倍になるというモノです。」
「!?」
「・・・つまりどういうことかというと・・・今から先ほどの三倍のステータスで攻撃します。」
「!!!?」
「
偶々マシュを見かけ助けに入ったランスロットがボロくずのように吹き飛んだ!
「握力×体重×スピード=破壊力」!!
肉体への信仰はすべてを凌駕するッ!!
獅子王は遂に吐血した。
カルデアのマスター達を逃がした罰にゴリティーン卿にロンゴミニアドを見舞ったが、案の定無傷でポージングを取っていた。
私は再び胃に痛みを覚えたので急いで彼を聖都周辺の巡回に回した。
最近ストレスか胃が痛い日々が続く。
そんな私には素直になったモードレッドや同じくガウェインに悩まされているガレスを膝枕して頭を撫でることが癒しである。
だが、そんな私の癒しの時間は長く続かなかった・・・。
「王、王よ!カルデアのマスター達が攻めてきました!エジプトと山の民、平地の民たちも同盟を結んで攻めてきております。」
「・・・無粋な。アグラヴェインたちはどうした?」
「・・・ランスロット卿が裏切りました。それでその対応に向かわれております。」
「・・・ゴリ、ガウェインは?」
「正門にて砂嵐が発生。人為的なものとみられ、そこでサーヴァントと思われる敵と戦っておられます。」
「そうか・・・。」
私は二人を最後に撫でて甲冑を身に着けた。
同時刻 正門
「
ガウェインの宝具(物理)が化け物、シャイターンの頭部を打ち砕く。
「トリスタン卿を助けに来てみれば・・・なんなのだこの化け物は?まあ一撃で消滅させたから良いか。しかし、先ほど正門で戦った御仁・・・修行により強くなった私をして倒し切れないとは・・・一体何が起きているのだ・・・。」
「ついに来たかカルデアのマスター達、そしてベディヴィエールとギャラハッドの霊基を受け継ぐ少女よ!!」
同時刻 城内
「うぬう!まさか山の翁たる我と互角に渡り合えるとは・・・獅子王の側で無ければ・・・な。
「
第七特異点 最終決戦
「なんだありゃあ――――――!?」
ティアマトのケイオスタイドによる冥界の浸食がすすむ絶望的な状況。
生命を生む泥を花を咲かせることで無効化した人間の屑、花の魔術師マーリン。
翼を再生し冥界から地上へ飛び立たんとする女神の翼を切り落とし、更に“死の概念”を付加させて殺害可能な存在へと落とした幽谷の淵より参上した山の翁“ハサン・ザッバーハ”。
そして久しぶりに真っ当な方法で使用した宝具でラフムたちを薙ぎ払った第六特異点の特異点っていうかコイツもうただのゴリラじゃね?
円卓の騎士、ガウェイン。
「
そのまま地上から冥界へと身を躍らせてティアマトの弱点である頭部に一撃を入れて怯ませる脳筋。
それを見て死んだ目になるマスター達。
「さあ!俺の
「Aaaaaaa――――AaAa、AAAAAAAAAAA!!!」
終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン 最終決戦
「―――ゲーティア―――!」
ぐだ男の拳が半身が崩れかけた人類悪、ゲーティアに突き刺さろうとした瞬間、
「
魔神柱を駆逐し終えたにも関わらず気合で現界し続けていたガウェインの宝具(物理)が
ゲーティアを有無も言わさず打ち砕く。
「さあ!此処は私に任せて先に行け!!」
「えー」
そんな…ガウェインの言う通りにIFを書いたのに、原作が……崩壊した…!
お、俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇぇぇ!!