引用してみた。
タイトルを思い出せないけどとても面白かった記憶があります。
またぐだ男君は魔力が馬鹿みたいに多くないと、例えカルデアの補助があっても6人ものサーヴァントを運用出来ないと思いました。
最終的にLV130とか行くしね。
「それでは今から第3回カルデア賢人会議を始める。」
其処は今や全人類の命運を握る文字通り最後の砦であるカルデアの一室。
現在室内には会議室などでよく見られるテーブルが配置され、そこに数人ほどの男女が着席している。
「前回の議題は確かカルデアの資源調達についてが議題だったね。結論から言うと、葉山君チームが加わったことで人手が増えたため、仮に多少サーヴァントが増えても問題ないだろうね。」
現在音頭を取っているのはカルデアの技術局特別名誉顧問にして世界に知られる「万能の天才」レオナルド・ダ・ヴィンチである。
「そうだね。医療部門でも最初の爆破事件で消費されたものの大半は補給出来たね。ただ使用頻度は低いけどカルデアのプラントでも製造できない特殊な薬品などが何種類か不足している。可能ならまた冬木の病院跡地、もしくは化学系の工場などを探索してもらいたいかな。」
普段のふざけた態度とは異なる「出来る男」といった雰囲気の男。
医療部門のトップにして現在のカルデアの暫定的トップのロマニ・アーキマンが発言する。
彼の言う通り、爆破事件当初は紛失もしくは使用した医療品の量は多く、何かと不足気味の状況であった。
ぐだ男君に探索を頼むという手もあったが彼は聖杯探索という最優先目標を遂行中であり、
そもそも専門知識がないので医療品を見分けられないということもあり、伸ばし伸ばしになっていたのだ。
まあそれを言うならば医薬品を必要とする真っ当な人間がカルデアにはほとんど残っていないのでよほどのことが無ければ問題ない、ということも後回しにされた理由でもある。
「そうね。マスターの魔術の鍛錬と知識の教授、護符程度だけど簡単な礼装も持たせたわ。
ただやはりマスターは魔術師の家系ですら無いから魔術を使用できるレベルには達しないわ。とてもでないけど時間が足りない。葉山については元々魔術師の家系で本人も基礎鍛錬は欠かしていなかったみたいだから現状は問題ないわ。」
次に発言するは神代の魔術師メディアである。
彼女はサーヴァントとしてマスターであるぐだ男と特異点探索を行う傍ら、普段は臨時魔術顧問として一般人であるマスターへの魔術的知識の教育、魔術の鍛錬を行っている。
「うん。ぐだ男君に関しては予想通りだ。魔力こそ大幅に増えているが、通常外道な手段でも取らなければ一般人を魔術師に育てるなんて無理だからね。それにマスターにはサーヴァントが居るから戦力は必要ない。正確な指示を出すための知識や精神力の方が重要だ。」
その他にもメンテ部門、総務部門、オペレーター部門などゲームには登場しなかった各部門の実質的トップたちが発言していき、会議は進む。
因みに我らが葉山も警備部門の暫定トップなのだが、現状彼にはマスターとしての職務が有る上、ぶっちゃけ外部の世界が焼却された今警備部の仕事はないに等しい。
警備日誌に毎日「異常なし。」と書き連ねるだけの簡単な仕事だ。
「では、今回の議題について議論をかわそうか。」
自然と沈黙が落ちた。
「今回の議題は。「ぐだ男君、葉山君マスター両名の異常」についてだ。」
議題「ぐだ男君、葉山君マスター両名の異常」
「まず彼らマスターの身体には様々な異常が見られている。例えばぐだ男君なら魔力量の異常な増大だな。まあ基本サーヴァント達の現界はカルデアからの供給で賄っているわけだけど宝具など急激な魔力消費についてはマスター依存にどうしてもなるからね。魔力増大については良い変化ともいえるのだけど。」
「これについては医学的には問題ない、と言えるよ。バイタルも正常だし先日の過労についても体力的、精神的な原因だしね。」
「魔術的にも一応は問題ないといえるけど、正直彼に関しては急激な変化の原因もなんとなく分かっているから心配いらないわ。むしろ葉山の方が原因が推測は出来るけど確証がないわ。」
メディアはそう言うと頬に手を当てため息をつく。
自分の一応は弟子という立場の男。
それなりの対価も貰っているし、メディアも彼自身の人格も嫌いではない。
彼がいくらサンプルとして興味をそそられても、流石にモルモットにしない程度は自重しなければいけないのが悩ましい。
因みに対価はXの撮影会で、メディアは即堕ちした。
「私たちにぐだ男君の変化の原因も含めて葉山君の状態を教えてくれないかいメディア?」
「分かったわ。まずマスターの変化、コレは恐らくアラヤの後押しを受けている。何せ人類を守るという目的のためなら詐欺まがいのことをして守護者を作るような存在よ?正しく人類の命運を握っている彼を後押しするのは理に適っている。」
「今風に言うと「僕と契約して守護者になってよ!」だね。」
ロマンの出来る男スキンは僅か数分で剥がれてしまった。
後に残るのは唯のドルオタ兼アニオタであった。
「・・・それにこれは葉山にも言えることだけど一人のマスターが長期に渡って複数のサーヴァントと契約を結んでいることの弊害でもあるわ。」
「・・・やっぱりね。私もその可能性は考えていたけど引っ張られているんだろう?彼らは?」
「ええ、そうよ。」
メディアとダ・ヴィンチちゃん分野こそ違えど二人の天才はお互いの言いたいことを、言葉少なくとも理解しているようである。
だがそれは議論を交わす場においては不適合であった。
そこで二人の天才のやりとりを理解できない秀才代表の各部門の人間、そして全く分からない凡人代表の読者の為にロマンが一肌脱ぐ。
やはり彼は出来る男だった。
「御免。よく分からないから説明してもらえないかな?」
「すまない。詳しく説明するよ。」
「ええ、ごめんなさい。通常聖杯戦争では一人のマスターに1騎、多くても2騎しかサーヴァントは契約を結ばないわ。」
といっても冬木の聖杯戦争やアポ世界線の亜種聖杯戦争基準だが。
「しかもその契約も長くても一月ほどの短期だから。仮に長期でも恐らくマスターには何も影響はないわ。」
「マスターとはサーヴァントに魔力を供給する役割の他に、本来世界の外側の座に属する存在であるサーヴァントをこの世界に括り付ける、そう、楔のような役割を持っているの。要するに座に戻ろうとする力に逆らってサーヴァントをこちら側に引っ張っているのよ。」
「でもこのカルデアのように一人のマスターが複数のサーヴァントと契約したらどうなると思う?」
「まさか・・・逆に彼らは世界の外側に弾きだされる、いや引きずり込まれてしまうのか!?」
「通常なら例えそんな状況になってもマスターのように毒が効かないとかその程度の影響でしょう。ただ人理が燃え尽きたこの世界で、人類が存在するこのカルデアはある意味特異点のような、酷く不安定な場所よ。引き込まれることは無いにしても何かしらの変調をきたす可能性は高い。
恐らく彼らの人間の限界を超えるような成長は神秘の濃い英霊に引っ張られてるせいで制限がガバガバになっているのでしょう。」
喋り終えてメディアは紅茶で唇を濡らす。
会議室には再び沈黙が落ちる。
「・・・今後は経過を密に観察することにしよう。現状、ぐだ男君たちも特異点の攻略に有利になることはあっても足を引っ張ることにはなっていない。それで次に葉山君の方はどうなんだい?」
「そうねえ・・・。段階を追っていくけど、当初目を覚ましてから復帰するまでは特に無いわね。彼は元々婚姻の為の駒として魔術を知り基礎鍛錬自体は欠かさずやっていたみたいだから。血筋的にも問題ないし、ちゃんとした師について鍛錬すればそりゃあ急激に成長するわよ。」
ロマン達は彼の経歴が書かれた書類を読み、納得する。
「葉山 慎二」
日本を拠点とする一般的な魔術師の一族の出である。
一般的に魔術師は神秘の拡散を防ぐため長子のみに魔術を教える。
だがそれも絶対ではなく、逆に双子という特徴を利用するためにあえて双子を育てたり、歴史のあるロード級の大家ともなると他の魔術師との婚姻、所謂政略結婚のための駒として教えられることがある、単純に長子よりも次男以降の方が才能が有った、といった様々な理由から長子以外も魔術を知る機会はあるのだ。
ただ彼の一族がそこまでの規模があると思えないが。
唯一特徴として、魔術師としては五代と少し浅い歴史であるが家自体は古くからあり、日本特有の退魔組織と繋がりがあるといった記事が書いてあった。
つまり葉山は物凄く、化粧する前の女子の眉毛並みに薄いが、混血だったりするのだ。
「でも復帰してからの彼の成長は異常でしょうね。本人の才覚というのでもギリギリ行けなくもないけどマスター同様複数のサーヴァントと契約したことでアチラ寄りになっているのでしょうね。」
「だがそれでも彼の成長力は説明しきれない。彼の場合、ぐだ男君ほどでは無いにしろ魔力も一般的魔術師の何倍もの量に増大しているし、身体能力も依然と比べてはるかに向上しているよ。彼もアラヤからバックアップを受けているのかな?」
ダ・ヴィンチちゃんは最近の鍛錬の様子やバーサーカーの攻撃に反応は出来ずとも知覚していたという本人のコメントを思い出しながら質問を重ねる。
まあ彼女もその変化の原因を一つは特定しているので、それを言いたいがための布石だろう。
天才とは地味に教えたがりなのだ。
「何かしら調査する方法がないから予想になるけど、恐らく彼は受けていない。受けていてもマスター程の影響はないはずよ。」
「じゃあ!?彼はなぜあんなに成長しているんだ!?アラヤからの後押しでないなら逆に彼の成長は説明できない!」
「落ち着きなさい、ロマニ・アーキマン。彼を信じたいのは分かるけれどトップが慌てては他の所員にも不信がるわ。」
「!・・・すまない。僕は信じたいが、所員の中には彼らの急激な成長に魔術王に関係あるんじゃないか、と不信感を抱く者もいるんだ。冷静に考えれば分かるはずなんだけど彼らも正直いっぱいいっぱいでね・・・。」
「構わないわ。ねえダ・ヴィンチ、貴女、何か原因知っているんでしょう?葉山の身体を熱心に調べてたみたいだし?」
「ふふ、まあね。ああ出汁に使ったみたいで済まなかったよ、許してほしい。でもよく私が彼の身体を調べてるって知っていたね?」
葉山さん!メディアさんが気づいてますよ!
「・・・まあ良いわ。私も彼の師ですからね、対価を貰ってる以上半端はしないわ。」
「簡単に言えば彼はワイバーンやキメラ、一部の霊基再臨素材をレイシフト時に摂取しているからだよ、厳密には違うけど霊基再臨、いや霊基改良してるんじゃないかな彼?」
「はあ!?あり得ないよ、そもそも神秘の薄い現代の人間が比較的神秘が薄くても魔獣や竜種の末端であるワイバーン等を取り込んで体調を崩さない訳がない!」
「さあなんでだろうね?其処は私にも分からないが一応混血だからじゃないかな?
個人的には彼が何を誤解したのか粉末状にした骨や角などの素材を白米にかけて吐きそうになりながらも食べていたことに笑ったけどね!」
「本当に何をやっているんだ彼は!?」
「・・・そういえばマスターもワイバーンのステーキとか「コードキャスト」や「優雅たれ」ていう概念礼装を貰って使用してたわね。」
「ぐだ男君、お前もか!?」
――――――――― しばらくお待ちください。 ―――――――――
「・・・ふう。もうこの件はおいておこう。ところで礼装なんだけど何で彼はあんなに礼装を当てれるんだい?あの的中率は異常だよ?」
ロマンはまさかそれも霊基改良の影響なのかと内心戦々恐々としたいた。
「それは多分冬木の聖杯の影響でしょうね。」
「「「聖杯?」」」
「私は冬木の聖杯戦争に参加したことがあるのだけど、確か冬木の聖杯の担い手であるホムンクルスの魔術は聖杯の影響なのか「理論を無視して結果を実現する」という特性があったわ。葉山は偶々聖杯を取り込むことでそのホムンクルス、回収した遺体と類似した状態なのでしょう。」
ホムンクルスの少女の遺体はXやエミヤの希望もあり、カルデアに回収されていた。
簡単な調査の後、埋葬される予定となっている。
「まあ聖杯用に調整された肉体では無いから、精々魔力タンクか魔術行使の補助、無意識下の願望の成就位しか効果はないけど。」
「願望の成就ってソレは大丈夫なのかい?」
「成就と言っても「こうなればいいな」って考えたことに対して僅かな幸運補正がかかる程度だしね。それに元々彼は魔術回路はあっても魔術刻印は継承していなかったから聖杯が完全に融合して魔術刻印の役割をしているわ。摘出するなら詳しく調べないと分からないけど二度と魔術が使えなくなることも覚悟するレベルよ?」
ロマンは葉山が予想よりも厄介なことになっていることに頭を抱える。
ぐだ男もだが、彼も友人として、部下として本気で心配しているのだ。
「・・・そうかい。じゃあ彼が礼装しか引けないのも実は彼の願望なのかな?」
「え?」
「「「え?」」」
しばしの沈黙の後、メディアが口を開く。
「・・・業じゃないかしら?」
ロマン達は葉山のために泣いた。
蛇足
とある特異点での鍛錬において
ぐだ男はつい先日葉山から貰った礼装から覚えた魔術を使用して、自らのサーヴァントへと補助をかける。
今までも服に登録されている魔術で支援を行っていたが、やはり三種類しか使用できないのは不便な面も多い。
そのため彼は仲間の為にもこのコードキャストを使いこなしたいと考え、鍛錬では積極的に使用することにしているのだ。
「heal(16);、heal(16); 、heal(16);、 heal(16);、 heal(16); 、heal(16);・・・・」
「ガア!?」
常時回復するジークフリートに切られるキメラ。
それを近くで見ていた葉山は呟く。
「酷い物を見た。」
ダ・ヴィンチちゃんはエロ目的以外にもマジメな目的でも葉山の身体を調べました。