この素晴らしいゆんゆんの幼馴染になってイチャイチャしたいだけの人生だった   作:孤高の牛

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まず初めに、こんな年明けからいきなり話数の大幅削除をして困惑やら動揺やら心配を万が一掛けてしまっていたら本当にごめんなさい

そして第十七話の番外編を除いた第十九話までの削除及び第十三話の大幅改稿に付いてお話をここでさせてください

何回か本作を自分自身で読み返して、そして付けていただいた一言評価をじっくり見て
「本当にやりたかった事はこれなのか」「完結させられるのか」「完結させられたとして自分が思う良い作品になるのか」「自分の代表作として上げられるか」
と考え、一言評価でいただいた「期待していたのにどうしてこうなったんだ、残念だ」という言葉が一番胸に刺さりました。

俺自身どこかでそう思っていた事をそのまま直球で言われ、目が覚めました。
楽しく書いていたはずの自分自身が楽しめていないのに完結はさせられないと。
ですが作品自体の削除は自分自身初めて1000人以上の方に見ていただいている事、最初の頃心から楽しく書いていた事を思い未練が残り、こんな中途半端な削除になりますが温かい目で見ていただければ幸いです。

そして、またここから構想を練り直すのでまた時間が掛かってしまうと思いますがたまにでもこの作品の事を思い出して見ていただけたら、それに越した幸せはありません。

長々とごめんなさい、路線としてはギャグコメディ系統八割以上シリアス二割未満にしていきたいと思います、よろしくお願いします。
番外編の十七話は削除分少なくし十三話、十三話を削除後改稿とするので十四話とさせていただきます、本当に申し訳ありませんでした。


孤高の牛


第十四話「パンデミック★病んでミックIV」

「……で、まだ話せないのか?」

 

 

 

「な、何のこったよ」

 

 

 

「とぼけるなよ同志……ゆんゆん大好きで有名なお前が二日間も俺の家に泊まり、あまつさえ家から一歩も出ないとは何があった?」

 

 

 

 俺は苦笑いする余裕すら無く、兎に角目を逸らすより他無かった。

 

 

 

 パンデミック事件解決から数日が経ち、今では殆んどの人間が何事も無かったかの様に過ごしている……が、俺とゆんゆんとめぐみんだけはそうお気楽に過ごせる事態になっていなかったのだ。

 

 それもそのはず、助ける為とは言え俺はゆんゆんに無断でキスを……のはずだった、本来ならそうなるべきだった。

 

 

 

「……何処かで。何処かで、役得なんじゃね? だとか思ってしまったのが間違いだった、か。やれやれ俺もバカが回ったかな……本当は分かってたはずなのに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キ、キス……? じょ、冗談って事は……流石に無いですよねーそうですよねー」

 

 

 

 ウィズさんから聞かされた唯一の打開策、それは俺にとってあまりに過酷な条件であった。

 

 その人の事を好きな人が唇にキスをすれば、連動して全員の暴走も止まるらしいが、他の男連中に関しては話を聞ける余裕は愚か生き残っている面々すらもう少ない。

 

 よって生存者で唯一余裕がある俺しか無理……と言う事態らしい。

 

 

 

 しかしよりによって俺しかいないとは、全く神様の悪戯にしたって陰湿過ぎる。

 

 俺は確かにゆんゆんの事がこの世の誰よりも、いや前世の中ですら一番に好きだと言える。

 

 だが俺は今の今まで一度すらもゆんゆんに『異性として好きである』と明確に示した事が無い。

 

 

 

 ……いやまあ同じベッドで寝たり本命チョコだとかストレートに言っておいて今更だと反論されそうだが、仲の良い兄妹間なら本命チョコとか言ってもおかしくは無いだろうし、何よりそのキスによって嫌われてしまうのが怖くて怖くて仕方なかった。

 

 勿論嫌われる事よりゆんゆんの無事が一番だと頭で理解している、そんな事は分かっている。

 

 それでも、考えただけで、脳裏に過るだけでゾッとしてしまう、動けなくなってしまう、俺と言う人間はそう言う弱い人間なのだ。

 

 

 

「それでも、やるっきゃないって事っすよね」

 

 

 

「……早く治したいと、そう願うのならそれしか無いです、ごめんなさい」

 

 

 

 ウィズさんが、苦虫を噛んだ様な顔で言う。

 

 情けないながらも、俺は覚悟を決めるより無いらしい……それこそ、ウィズさんを泣かしたらゆんゆんに合わせる顔が無くなってしまう。

 

 

 

「……ウィズさん」

 

 

 

「何ですか?」

 

 

 

「一つ、お願いがあります」

 

 

 

「……」

 

 

 

「…………めぐみんの足止め、やってもらえますか? アイツに見せるには……この現実は、辛すぎる」

 

 

 

 思えば、カズマとくっ付けさせるが為に色々とめぐみんにしてあげた事も多いが、結局はアイツの事、心配で堪らなかっただけだったのかも知れない。

 

 だからこそ、億が一にでもめぐみんが俺に恋愛感情を持っていたらガスがどんな副作用をもたらすか分かったもんじゃない。

 

 

 

 ウィズさんは、何も言わず頷く。

 

 

 

「すみません、お願いします」

 

 

 

 走れ、振り向くな。

 

 今はただゆんゆんの事だけを考えろ。

 

 

 

「……いた」

 

 

 

 見付けた、探し人。

 

 俺を求める様に徘徊し、時折涙声になっているゆんゆんは、見てられないと言う表現で収まらないくらいに居たたまれない状態だった。

 

 

 

 一つ大きく深呼吸をする。嫌われる覚悟、拒否される覚悟……そして俺がまた一人ぼっちになってしまう覚悟。

 

 ゆんゆんを助ける為ならば、全て犠牲にしよう、全て背負おう。

 

 

 

「……ゆんゆん」

 

 

 

 いつもの様に、優しく語りかける。

 

 ゆんゆんの震えていた肩が落ち着く、それだけで心にゆとりが持てる。

 

 それでも心臓が張り裂けそうなくらい緊張しているし、怖い。

 

 手も足も、顎もガクガクと情けなく震えている。

 

 

 

「……ランラン」

 

 

 

 光が宿ってない目で俺を見つめるゆんゆん。

 

 覚悟した癖に、そうして見つめられただけでたじろいでしまう自分が嫌いだ。

 

 

 

「ええいそんなんでどうする! こう言うのは勢いが大事ってやつだ! そして最初に謝っとく、ごめん!」

 

 

 

 それでもゆんゆんへの愛が勝った俺は勢いそのままにゆんゆんへと飛び込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこまでは良かったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………あ、これごめんですまん展開だわ」

 

 暴走して飛び込んで来ためぐみんにファーストキスを奪われるまではな!

 

 

 

 

 

「お前って奴は……お前って奴はどうしたらそんな事態になるんだ……俺ですらならないんだぞ……」

 

「うるせえお前はなるならない以前にチャンスすら無いだろうが」

 

「申し訳ないが俺の傷を抉るのはやめてもらえないか」

 

「……素直にすまないと思っている」

 

 余談だがぶっころりーのところにはやはりそけっとさんは来なかったらしい、流石にかわいそうであるが残念ながら当然だろう。

 

「ごっほん、まあ俺の事は良い……で、その後どうしたんだ」

 

「まあ……その、アレだ」

 

「と、いうと?」

 

「暴走状態と化したゆんゆんから逃げてきた、死にたくなかった、後悔と反省しか無い」

 

「オイ」

 

 いつもの大人しいゆんゆんはどこへ消えたのか、いやもう最早パンデミックにやられてたから仕方ないといえばそうなんだが顔にモザイク掛かるレベルの女の子がしちゃいけない形相で、しかもとんでもない速さで追い掛けてきたのだ、そりゃあ逃げるだろ。

 いくら大好きな女の子相手でも逃げるだろ、死にたくないし。

 

「だから匿ってもらってた訳だ……だがここもいつ見つかるか分からねえ……」

 

「……どうするつもりだ。まさかこのままという訳にもいくまい」

 

「それを考える為に今こうして匿ってもらってるんだろ」

 

 ゆんゆんはこの村……というか一族の中でも優秀な子だ。

 年齢が年齢で経験不足なのもあり中級魔法までしか使えないが並大抵の上級魔法使いより強い。

 魔法の特色を上手く使いこなし多種多様な魔法でしっかり攻めていくスタイルな為に弱点という弱点は上級魔法使いと比較した場合に火力不足という以外は特に無い。

 

 そんな子を止める手立てというのが見つからないのである。

 

 いや強引に倒そうと思えば相討ち程度には出来るだろうけど、そもそもゆんゆんを傷付けるのは俺の本望ではない。

 傷付けず、更に言えば囮になってくれる奴さえいればキスも出来るのだが……

 

 ……そもそもゆんゆんにキスしたところでどうにかなるのか分からないが。

 

 

「……まあらんらんが一概に悪いとは言えんから良いが……早めにしてk」

 

 早めにしてくれよ、とでも言いたかったのだろうがぶっころりーの声を遮って断末魔に近い声がした。

 

 

 

「私はまだ、死にたくなーーーい!!!」

 

 

 

「今の声は……」

 

「めぐみん!? アイツ真っ先に逃げ切ったんじゃないのか!?」

 

「あんまりにあんまりな情報をありがとうらんらん」

 

 暴走していたとはいえ最大の原因たるめぐみんは落ち着いたら必ず謝るからと言って一番に逃げていった、まあ俺より先に殺られそうだったから賢明な判断だろう。

 しかしそんなめぐみんが死にたくないという断末魔を上げながらぶっころりーの家……つまりはここに突撃してきているのだ。

 

「チィ……ともかく何がどうしてあんな事になってるか全く分からんがぶっころりー

! めぐみんを中に!」

 

「あ、ああ!」

 

 死に物狂いという表現が合うくらいの形相で猛ダッシュしてくるめぐみんにぶっころりーがドアを開け入れ入れとジェスチャーで示すと、前世の高校野球で良く見た9回2アウトから一塁に決死のヘッドスライディングをするバッターの如くめぐみんが家に飛び込んで来た。

 勿論ながら女の子の顔に傷が残るといけないから俺がそのロケット頭突きを腹にダイレクトアタックされたのは言うまでもない。

 

「ナイス……ストライク……ショット……グフッ」

 

「し、死なないでくださいらんらーーーーん!!!」

 

 人というものは弱い、いくらゆんゆんのタックルに慣れていようと火事場の馬鹿力で突撃してきためぐみんのロケット頭突きには耐えられなかった。

 

「茶番をするな茶番を」

 

 ぶっころりーのツッコミで思い出したがそうだ、今はそれどころではなかった。

 初っ端に逃げ切っためぐみんがどうして今頃になってこっちに助けを求めてきたのか、或いは何かから逃げてきたのかについて聞かないといけない。

 

「すまんすまん……で、めぐみんは何がどうして逃げてきたんだ」

 

「それが……その、ゆんゆんに見つかってしまいましてね……」

 

「なるほど、災難だったな」

 

「助かりましたよ、ぶっころりー……」

 

 うん、まあゆんゆんに見つかったなら仕方ない。

 しかしそうなると本格的にここでの潜伏にもリミットが出来るって事になるか。

 

 はぁ……どうしたもんか……せめてゆんゆんの注意を引けて尚且つ脅威にもなるがスキもデカい奴さえいれば……ん? んん?

 

「いた……」

 

「いきなりどうしました?」

 

「いたんだよ、ゆんゆんを止められるかも知れない切り札が!!」

 

「え!? どこです!?」

 

「お前だよ!!」

 

 そう、そうなのだ。

 コイツこそ最大級の『囮』になり得る存在……!!

 だがしかし、それを決行するには確証も無くてはならない……普段ならな。

 

「ど、どういう事ですか?」

 

「良いかよく聞け、俺はゆんゆんに傷を付けたくない、しかし助けたい。そこで囮を用意したいんだ」

 

「はいはい」

 

「そこでゆんゆんへの脅威になり尚且つゆんゆんが狙ってくれるスキ、つまりは詠唱してる間を狙ってくれるスキが必要。そんなデカいスキがあるのはお前だけだ、めぐみん!」

 

「ええ……まあやりますけど……」

 

 囮とか最低な事を女の子に頼むのは気が引けるがコイツにも原因があるのは確かなんだ、ここはまず是が非でもやらせてやる。

 俺にキスとかした真意とかなんちゃらはその後で聞いてやる。

 

「良いか、お前への尋問は後回しにしてやるから取り敢えずは共闘しろって話だ。あ、間違ってもゆんゆんには撃つなよ!? 絶対撃つなよ!?」

 

「分かってますよ!」

 

「お前ら意外と余裕無いか?」

 

 キスして止まるとも限らないのに余裕なんてある訳がないだろうが。 

 まあめぐみんがいてくれるお陰で多少なりとも絶望感は晴れてるのは確かだがな。

 

「……待ってろよ、ゆんゆん」

 

 ともかく、希望は見つかった。

 やるっきゃない。




改稿した結果病んでミックがらんらんだけ続いてしまいヘタレ度合いが爆上げする悲劇

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