この素晴らしいゆんゆんの幼馴染になってイチャイチャしたいだけの人生だった 作:孤高の牛
お待たせし過ぎて申し訳無い
今回でパンデミック☆病んでミック編は終了
「おー、良い感じに撹乱してるなー流石トライアングルスターズ」
とてつもない連携だ、と素直に思った。
幾ら実戦経験の少ないゆんゆん相手とはいえ一瞬の隙も見せずに、且つゆんゆんに被害が出ない様に絶妙に魔法を相殺している三人を見て感心してしまう。
俺は一応魔力は高い方と自負しているが精密な一点に向けたコントロールはまだそこまで上手いとは言えない……そもそも俺の得意魔法は得意属性の氷と相性の良い広範囲殺傷系制圧魔法だから分野が違うと言ってしまえばそこまでだが。
それはそれとしても羨ましく感じてしまうのが男心ってものな訳で。
「ほほほほほ本当にやるんですかコレ……」
「おうやるんだよお前が」
「……私が言うのもどうかと思いますが、火力以外なら学園最強はゆんゆんだと思うんですよ」
「そりゃそうだろ俺の妹だぞ」
「その自信はどこから来るんですか……」
まあ、今は男心云々より隣でビビってるチビッ子何とかしないとだな。
確かに火力はめぐみんが最強で他のバランスを考えればゆんゆんが最強なのは自他共に認める事だ、特に俺としてはゆんゆんは自慢の妹で最愛の人なんだから当たり前だ。
「俺の全身からだよ」
「はぁ……本当に愛されてますねゆんゆんは……妬けちゃいますよ」
「ま、ゆんゆんには勝てないがめぐみんの事ももう一人の妹と思うくらいには可愛い存在だと思ってるがな。因みに本音な」
「うっ……らんらんはまたそうやってサラッと変な事言うんですから……諦めきれなくなったらどうするんですか全く……」
勿論めぐみんの事も家族愛として好いてるのもまた事実だ。
前々から言ってる事だが、身近にいる頼れる年上ってのが現状俺しかいないのが脳裏に俺の前世を思い出させてどうにも放っておけないのもそうだし、純粋に良い子で可愛いからつい甘やかしたくなってしまうのが本音だ。
この世界にゆんゆんがいなければ自動的に俺はめぐみんに惚れていただろうと思う程には魅力的だ。
惚れていたとしても俺は諦めていただろうがな。
横目で顔を赤く染めながらぷくーっと顔を膨らませる可愛い妹分を見ながら『スマンな』と心の中で謝罪をする。
どう足掻いたってコイツの気持ちには答えられない、いざという時引っ張ってやれる、めぐみんを覚醒させられるカズマとくっ付くべきだという決定事項はどうしたって揺るがないのだ。
なんで俺みたいなのに惚れてしまったのかと溜め息が出てしまう。
「ったく、自惚れるみたいな事言う様で悪いがなんで俺みたいな絶妙に冴えない男に惚れちまったのかねお前は」
「……あのですねらんらん」
「なんだよ」
「らんらんは自分が思ってる以上に女の子にモテるという事をもう少し自覚した方が良いと思います」
「……嘘だろ?」
「嘘じゃなきゃらんらんが女子教室から異動なんてまず有り得なかったと思いますよ?」
驚愕の事実だった。
ゆんゆんに好意を持たれるのは分かるがそれ以外に関しては初耳も初耳過ぎたのだ。
モテる?俺が?女子に?前世陰キャで今世もこれと言って目立ったところは無かったはずなのに?
「俺目立つ様な存在じゃなかっただろ?」
「寝言は寝て言えくださいですよほんと……らんらんは顔が比較的整ってる上に魔法も強くて面倒見が良くて……私の事も気に掛けてくれる様な……その、優しいところも多いじゃないですか……身近にいる兄的存在なんて思えば憧れる人が多いのも不思議じゃないんですよ」
「……スマン全く考えもしてなかった。俺がモテるとかちょっと現実味が無さすぎて……な、ははは」
「らんらんって頭良い割にはおバカですよね」
正直何も言い返せなかった。
実際俺がモテてる実情だのなんでモテてるだのという事について全く知らなかったから当然だ。
というか面倒見が良くて優しいのはそりゃ年上だから当然だから知る由が無い訳だがそっちより顔が良いって発言の方が俺にとっちゃ衝撃的だった訳で。
「あー……あと聞き返す様で悪いんだが…………俺って顔良いの?」
「ほんと……ほんとらんらんって人は……!!」
「そんな怒る事かよ……」
「そりゃそうですよ!! 一応幼馴染補正抜きにして客観的に見てもこれで顔が良くないなんて言ったら世の男は95%程度は嫉妬で死滅しますよ!! そもそも学校でだって特に同級生なんかは『恋人にしたい教師ランキング』でらんらんが圧倒的に首位なんですよ!! あ、因みに私とゆんゆんもらんらんへの投票常連ですが」
「死ぬ程返答に困るエピソードをありがとうそして比較的顔が整ってるみたいな発言がどこかに飛んでった気もしてるんだが」
吹っ切れためぐみんが思った数百倍吹っ切れていた件。
95%が嫉妬ってなんだよ95%って、比較的の範囲ロケット噴射で飛び越えてったじゃねえかよ。
確かに俺の事が好きとバレてからのめぐみんはまあまあフルスロットルかましてたがここまでぶっ飛んでたとは思うまい。
紅魔の里一番の常識人グッバイ。
ゆんゆんもめぐみんも原作じゃかなりの常識人枠だったのにどうしてこうなった。
あと俺の知らない間に勝手に俺をランキングに入れるな、恥ずかしいだろうが。
まあ、ゆんゆんが投票入れてくれてた事は素直に嬉しいし良いんだけど。
「っと、それはそうとそろそろゆんゆんがある程度消耗してぶっころりー達がこっちに誘導してくる感じだな。この話は後でじっくり聞いてやるから詠唱始めとけ」
「あ、気になるには気になるんですね……」
「当たり前だ、何せゆんゆんが投票常連なんて話聞かされたらお前らでどんな話してるか興味湧くだろ。何にしても生きて帰って来れたらの話だがめぐみん、もう緊張は解れただろうな?」
「お陰様で完全にいつも通りですよ! さぁ始めちゃいますかららんらんは私を無傷で帰してくださいよー!!」
「へーへー分かってますよ!」
話してる内にぶっころりー、ゴリーさん、グラさんがこちらに誘導してくるのが見えた為こちらも臨戦態勢に整える。
今回は対魔王軍とは違い相手を傷付けられない作戦な為に魔力消費と単純なスタミナ消費での消耗戦だから時間が掛かったがトライアングルスターズは余裕綽々といった様子でこちらに向かってきている。
ぶっころりー、ニートでさえ無ければ絶対モテるのに……と思わずにはいられないまでの繊細で巧みな魔力コントロールを駆使している。
ニートでさえ無ければ尊敬出来るのになあ。
そんな事をボヤきながら横をチラリと見、めぐみんが詠唱を開始したのを尻目に俺はめぐみんから離れゆんゆんの背後にある茂みに即座に隠れる。
これで俺はターゲットから完全に外れたはずだ。
「よし、らんらんはまずは上手く隠れられたみたいだな」
「じゃあ俺らは安心してめぐみんのアシストしてりゃ良いって訳だ」
「そうなるね、もう少し耐えててねめぐみんちゃん」
「ひえーーー分かってますよおおおおお」
……我ながら結構酷い事めぐみんにしてると思わされる。
理性を失ってるから容赦ないゆんゆんの洗練された中級魔法がめぐみんに襲い掛かりそれをぶっころりー達が淡々と消す。
分かってても怖いもんは怖いよなあ、ご愁傷さま。
後で少しくらいは優しくしてやるか、なんて思いつつ遠目で合掌。
奴は尊い犠牲になったのだ。
「さーてそれは良いがこっからは文字通りの命懸けだぜ俺よ」
そろーりそろーりほふく前進且つ魔力完全オフでゆんゆんへと近付いていく。
魔力消してたらただの人間だが、こうしないとゆんゆんの感知系魔法で魔力探知されてお陀仏なのだ。
この場合でも見つかったらほぼ即死だろうけど……
「ええいしっかりしろ俺、ゆんゆんのお兄ちゃんだろ! 兄なら妹を助けてやらなくてどうする!」
心の中でもう一人の強気な俺を作り出す。
ゆんゆんもだがめぐみんの詠唱にもタイムリミットがある、それまでにやってやらなきゃめぐみんの兄貴分名乗ってる意味も無いだろ。
大丈夫だ冷静になれ、俺なら出来る出来る……
よしっ!
are you ready?
「出来てるよッ!!」
ゆんゆんが魔法を打ち出す……と同時に背後の茂みから一気に魔力で肉体強化を掛け飛び出す。
正直専門外の無属性魔法だがある程度実戦レベルには整えられてるくらいには鍛えてある、その中でも一番得意とする肉体強化で脚に思いっ切り集中させ飛び出せば宛らロケット噴射だ。
決まった。
誰もがそう思った。
「……あ、今言ったの死亡フラグじゃん」
一人、本人を除いて。
結論から言おう、ゆんゆんの後ろを取って捕まえてキスする事には成功した、もうそれはあっさりと、感動的なものも何も無く成功した。
したにはしたんだが問題は今の状態だった。
「……なあぶっころりー」
「皆まで言うな、お前が変態厨二病なのは誰もが知っている事だ」
「……めぐみんさん?」
「バカだバカだとは思っていましたがここまでバカだとは思いませんでしたよ、ええ」
ぶっころりーとめぐみんははぁ、と溜め息を吐きゴリーさん、グラさんは無言で苦笑いを浮かべている。
俺も反論をしたいところだがどうにも状況がそれを許してくれない様子でして。
それもそのはずだ。
何せ俺は……
「ゆんゆん? これは違うんだ……その……なんか勢いでつい胸を鷲掴みにしちゃっただけで……」
「…………ら、らん……らん?」
そう、あまりに勢い付けすぎてキスしながら押し倒した上で胸を両手で鷲掴みにしてしまうという大失態を犯していたのだ。
そして正気に戻ったゆんゆんが見た最初の光景がこれである。
そけっとさんの占いここで回収しちゃうかそうかー……
「えーと……と、取り敢えず手退けるわ……」
「あ、はい……ひゃんっ……へ?」
あーまずいなーこれ、手退かそうとしてもその弾力のお陰で中々抜けずゆんゆんの卑猥な声が漏れ出て……
ゆんゆんがまだ脳の理解が追い付いてないから良かったのにこうなるともうね、多分ここにいる全員が察してると思うんですよ。
「ああ、なんか懐かしいな。懐かしくも無いはずなのに妙に懐かしさを感じてしまう」
「……です」
「……」
プルプル震えるゆんゆん。
最早俺に手立ては無い、逃げ場も無い。
ならば潔く受け止めようじゃないか、『いつもの』を。
「らんらんそれはまだ早いですぅううううううう!!」
「いや結構予想外の言bヘブライッ!?」
思い切り腹をエルボーされた俺は空中に舞い上がり予想とは大きく違う言葉に驚くと同時に地面に顔から突っ込んだのだった。
3年弱の間に今回のヤンデレ騒動の元ネタになったドキドキ病んでミックとこのすば原作が終了するという事態に追い込まれた作者の明日はどっちだ
※
are you ready?→出来てるよ
仮面ライダービルドより グリスブリザード使用時の猿渡一海の名言…ではあるが死亡フラグ(というか死を悟った上での発言)