転生したハイスペック彼女   作:綾南

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1話

ハロー!漫画の世界に転生してしまった元地球人の女子高生ことベル・フルバスターです☆

・・・ダメだ。自己紹介でテンションを使い切ってしまった。いつも通りに直そう。

生まれてすぐの時に主要キャラの姉だと思ったけど違う可能性にかけていたら、先日グレイと言う名の弟ができておよそ3年の現実逃避がついに終わってしまいました。

考えてみたらこのポジションは数年後に悪魔によって死に確なんじゃないかと思いたち絶望したのは数日のこと。考えてみたら、悪魔が来るまで私が生きてられる確信がなかった。

 

そうです!私、今世ではとてつもなく病弱でした!!

 

原作知ってるやつは救済とか考えちゃうんだろうけど、私の場合はそれどころじゃない。

なんせ下手したら明日の朝には毛布の中で冷たくなって・・・、をやらかしかねないくらいの生まれつきの病弱っ子なのだ。比喩でもなんでもなく、明日は我が身である。

この世界の人って地球より強くて丈夫なはずなのに前世より低スペックボディなんてほんとついてないわー。

 

今世の両親には本当に感謝してる。

明確な病名なんかも分からず少し目を離していたら死んでしまいそうなほど体の弱い娘に、特別裕福というわけでもないのにたくさんのお金をかけてめいいっぱいの愛情を注いでくれた。

この人達のおかげで高熱が出て苦しい時でも生きてやるって思えた。

そんな人たちを見捨てるのは心苦しいが、結局私には何もできやしないんだ。

 

・・・それはそうと話は変わるが、私の弟がめっちゃくちゃに可愛い。

なんだこの子は。下界に舞い降りた天使かよ。

弟の名前がグレイに決まった時は軽く絶望したけど、ただ無邪気にこっちに手を伸ばす赤ん坊は比べられるものがないほど可愛らしくて尊い。未来だとか何だとかの難しいことも、この笑顔を見てたらどうでもよくなる。

将来イケメンなのは確定してるけどまさかこんなに可愛いとは、お姉ちゃんびっくり。

こんなに可愛い弟の成長も見守っていけないかもしれないなんて、ほんとなんで私は病弱に生まれたんだろうか。

あの管理人とかいうやつも私たちが精一杯もがき生きてるのが見たいっていうなら特典がなくても、丈夫な体くらいくれていたって良かっただろ。

 

 

 

最近、今まで以上に身体が重くて辛い。熱もずっと下がらない。

まだグレイは小さいのに父さんと母さんは私につきっきりになってしまっている。私のことは放って置いていいのに。

明日大きな街からこの近くにお医者様がくるらしくて、2人は私を見せるつもりみたいだ。そんなことしたってお金の無駄なんだから、もう私のことなんて諦めればいいのにな。

あー目の前がぼやけてるし意識が朦朧としてる。私も潮時かな。

 

 

「お医者様!お願いします。この子を助けて下さい!」

「生まれつき身体が弱くて、熱が下がらないんです」

「これは・・・魔力が高すぎることが原因でしょう」

「魔力、ですか?」

「はい、小さな身体を魔力が圧迫して熱が収まらなくなる症状です。この症例ならば、専門の施設があります」

「治るん、です、か?」

「ええ。娘さんは治りますよ」

「ベル、ベルが助かる!あぁ、ありがとう神様!あなた!」

「良かった!ベル良かったな!ミカ!」


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