艦CORE −海原を統べる者は戦わない− 【本編完結】 作:miketango
どんな話にするか迷って放置してたけどとりあえず書いてみたよ。
そしてタイトルの通り(本人は)戦ってないね。
でも戦闘シーン書くのが苦手だからクオリティはこんな程度なんだ......
あ、そういえばグナーといつもいる妖精は「エル」と呼ぶことにしました。
18/6/9:一部修正
現在、先程まで転げ回っていたグナーは真面目な顔をして連合艦隊をどう迎え撃つかを考えていた。
「とりあえず今からはACその他兵器類は本来の名称で呼ぶことにするよ。
......面倒臭いから。」
「最後のは余計です。」
スパナを素振りしているエルを見たグナーはエルから目を逸らしつつオペレートシステムを見る。
「......手加減なしの全力でやるなら
そんでもってサンシャインが気を引いてる間に......
よし多分これで行ける!」
「それじゃとっとと説明。
どうぞ。」
「妖精ェ......
まあいいや。
じゃあ作戦をするね―――」
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海上を進む深海棲艦の連合艦隊の旗艦であるレ級は
もう一隻のレ級もボーッと雲を眺めてながら航行していた。
「......アー面倒臭ェ。」
「......同感ダナ。」
「ッタク、何デコンナコトヲ俺達ガ......」
「何カアルンダロウガ、俺達ニ空母棲鬼様ガ何ヲ考エテルノカナンテ分カル訳ナイダロ。」
「マアソウナンダガナァ......」
レ級達は戦闘力はトップクラスだが指揮をとれるのは連合艦隊程度が限界であり、全体を指揮するのには向いていないということを自覚しているので空母棲鬼に対して悪感情は抱いていない。
しかしこんな場所に連合艦隊、しかも全力の編成をしている理由が分からないため愚痴ってしまうのも仕方がなかった。
「ン?偵察機ガ落トサレタ?」
「......空母棲鬼様の話ノ通リナラ多分落トシタヤツガ作戦目標ダ。
大体ノ方向ハ分カルンダロ?
行クゾ。」
「ヘイヘイ。」
呑気に話す二人だったが、この先に待ち構えている滅茶苦茶な敵のことを知るよしもなかった。
■□■□■□■□■□■
グナーはオペレートシステムをじっと見つめ、深海棲艦の連合艦隊が作戦領域に入ってくるのを確認する。
「......やっと来たか。
前衛の皆は準備はできてる?」
「こちら00オーケーです。」
「こちら01問題なしです。」
「えっと02いけるです。」
「うー、面倒そうな敵なんて嫌です。
03帰っていいです?」
「03今帰ったら飯抜きの刑です。
04いけますです。」
「03と04余計なこと言うなです。
05問題ないです。」
「05軽口ぐらい許してやるです。
06快調です。」
「眠いです......
07、良好です。」
「相変わらず君たちフリーダムだね......
さて、本来なら撤退とか考えるんだろうけどそれは何か
120秒後に全機出撃して後は作戦通りにお願い。
まあ予定外の事態が起きたら諦めて爆発四散してもらうしかないんだけど。」
「「「「「「「「おい何言ってんだです。」」」」」」」」
「何でもないよーだ。」
相変わらずな妖精達についため息をついてしまうグナーだったが、何となく妖精達を煽るとガチトーンで返されて(´・ω・`)ショボーンとなっていた。
だが何を思ったのかグナーは通信機を操作してどこかへ繋げる。
「あー、あー、えっと、深海棲艦の人、聞こえてるかな。」
「ッ、誰ダ貴様!?
ドウヤッテ俺達ノ通信ノ周波数ヲ割リ出シタ!」
グナーが通信を繋いだ先は深海棲艦達であり、彼女達は突然の通信に驚きを隠せなかった。
「ああ、聞こえてるんだ。
ちょっと挨拶しとこうかと思って。」
「質問ニ答エロ。
何者ダ。」
「ごめん!時間ないから要件だけね。
君達にプレゼントがあって。」
「貴様、何ヲ言ッテル!?」
滅茶苦茶なことが起こったことで一周回って冷静になったレ級はグナーに質問する。
しかし当然グナーからはスルーされ、さらに滅茶苦茶なことを言い出した
「そろそろでしょエル?」
「うん。
そうだよグナー。
あと10秒です。
......5・4・3・2・1、全機出撃するです!」
エルのカウントダウンと共にグライドブースト、オーバードブーストを起動準備状態にさせていたAC達は出撃の合図で機体を飛び上がらせた。
そして一気に敵連合艦隊との距離を縮めていく。
「じゃあ頑張ってね!
プレゼント、気に入ると良いけど。」
「何ナンダ今ノハ!」
「落チ着ケ!
情報通リジャミングガ始マッタゾ!」
レ級aは怒鳴るがレ級bの言う通りで連合艦隊のどの艦の電探も使用不可に陥っていた。
「クソッ!
何ダカヨク分カンネエガヤルカ!」
「トリアエズ艦載機ヲ全機発艦サセロ!」
レ級bの声と共にレ級二隻とヲ級一隻が艦載機を出し惜しみすることなく発艦させていく。
その形は丸く角が生えたような形のそいつは海軍ではたこ焼きと呼ばれている特殊な艦載機だ。
その性能は折り紙付き―――
「何ダト!?」
―――のはずだったのだが遠距離より飛来した
「残ッタ機体ハ島ヲ調査シロ!
コンナコトヲデキルナラソレナリの設備ガアルハズダ!
設備ハ発見次第破壊シロ!」
「オイ、来タゾ!」
レ級bが艦載機に光通信で指示を出していると島から何かが飛んで来ている何かをレ級aが捉える。
それが何なのかよく分からない彼女達だったがこの状況では敵なのは確実なので砲撃を開始する。
しかしソイツら――AC達は蒼炎を撒きながら砲弾を完璧に回避する。
「全機援護よろしく頼むです。
00、突撃するです!」
「「「「「「「了解!」」」」」」」
AC達は弾幕を避けながらさらに接近すると小型の7機は減速し中央の大型の機体が連合艦隊へと突っ込んで行く。
2mという巨体からは考えられない機動性で突っ込んだサンシャインは十分に接近したことを確認すると同時に両手の武器を使用する。
「ッ!?」
サンシャインからの攻撃を見たレ級達はその武装の高威力さに舌を巻く。
なぜならレ級達の前方に展開していたネ級1隻とニ級2隻がまたたく間に撃沈されたのだ。
ネ級は大口径のバズーカで腹に大穴を開けられ、ニ級達は小口径だが連射力の高いガトリングで穴だらけにされていた。
「回避ヲ最優先ニシロ!
当タッタラ沈メラレ―――」
レ級bは慌てて指示を出そうとしたが目の前に蒼白く輝く何かが現れたのを視認したのを最後に意識が途絶えた。
その様子を間近で見たレ級aにレ級bに直撃したと同時に溢れた膨大な熱が襲いかかる。
「うひゃー、さすがは
「02よくやったです。」
「あとはライフルとかでボコるです。」
そう、02が発射しレ級bに直撃したのはACですら直撃は避けたいと思う
「ッ―――」
「汚物は消毒です!」
「ヒャッハーです!」
そこからはもはや蹂躙としか言いようがなかった。
ただのライフルですらあっさりと装甲を貫くというのに8機のACから襲われた深海棲艦の連合艦隊が壊滅するのに時間はそうかからなかった。
一隻、また一隻と沈んでいき、島に向かわせた艦載機達もタンクAC達の
最後に残ったレ級aはボロボロになりつつも砲撃していたがそれらはすべて避けられていた。
「ナンダカ分カラネエクソ共ガ!
コノ俺ガ、貴様ラ、ゴトキニッ!
ガァァーーー!!」
レ級aは奮戦していたがACの前では赤子も同然であり、呆気なく蜂の巣にされて沈んでいった。
「あれ?
これで終わり?
案外大したことなかったね。」
「こんなことになるなんて、信じられないです......」
エルが呆然としたような声で呟いているのはまあ仕方のないことだ。
こんなに呆気なく連合艦隊を殲滅できてしまうとはさすがに誰も思っていなかったのだから。
「......帰還してくれるかな皆。
これはちょっと計画を練り直す必要がありそうだ。」
作戦もほとんど意味がなく、肩透かしをくらったような空気の中、グナーは珍しく本気で困った顔をしながら帰還の指示を出していた。
グナーの考えていた作戦はサンシャインを突っ込ませている間に他のACでリンチするという適当なものでした。
グナーは別に頭良いわけではないからそんなすぐにすごい作戦なんて思いつかないんだよね。