sunny place 〜彼女の隣が私の居場所〜   作:律乃

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火曜日ではないですが、皆さんこんばんわ!

まず、今回の話の簡単な説明をすると…ある出来事で容姿も記憶も4歳児になってしまったヒナタさんを新米ママレインさんが育てる話です。
ええ、それだけの話です…

純粋にママしてるレインさんが読みたかったのです…私が(笑)

なので、読者の皆さんは「また律乃がやらかしてる」みたいな感じで笑いながら…このepisodeは読んでください。

では、4歳児になったひなちゃんの可愛さにご注目しながら…本編をどうぞ!

※間違えていた部分を書き直しました


001 ままだいすきっ!

「ーー」

「すぅ…すぅ…」

 

朝、目を覚ますと隣で見知らぬ子供が寝ていました。

しかも、私のダボっとしたシマシマのパジャマをギュッと握りしめており、その容姿と相まって愛らしいです。

 

因みに、その子の容姿はというと…癖っ毛の多い栗色の髪を腰のところまで伸ばしており、ふっくらとした頬が年相応の幼気を残しながらも…既に整った顔立ちなのはこの子の両親がよっぽどの美形なのだと思います。

そこまで、この子ーー少女を眺めて…私は片眉を上げます。

 

“ん…?あれ、私…”

 

この子に似た人知ってるかも…と思った時、ぱちくりと瞼を持ち上げた少女が片目をこすりながら起き上がりました。

まだ眠たそうにうとうとしながら、私を見つめてくるまん丸な瞳は空のように澄んだ蒼色であり、真正面から少女を見ると…やはり、見たことある顔立ちで私は不躾と知りながらもまじまじと少女を見ます。

 

「…おはよう、まま」

「えっ…と、おはよう…」

 

しかし、それも少女のその一言で狼狽えてしまい…私は戸惑いつつも、淡く微笑みながら少女に朝の挨拶をします。そんな私をじぃーと見つめてくる少女はその幼さを残しつつも整った顔立ちへと苦痛の色で歪ませると…丁度もみじの葉と同じくらいの掌を恐る恐る私のお腹へと触れさせると円を描くように撫でます。

少女のその行動にびっくりしている私をチラチラと見上げてくる少女は小さく訪ねてきます。

 

「…まま、おなかいたいの?」

「え…と、その…」

「…それとも…また、ひなちゃんがわるいことしちゃった?だから…まま、おこってるの?」

 

そう言って、蒼い瞳をうるっとさせる少女を見て、流石に罪悪感に苛まれ、私は慌てて両手を振るとその小さな手を撫でます。

 

「ううん、君は悪くないんだよ。ただ、突然のことでわたーーママ、驚いちゃったんだ。ごめんね、ひな…ちゃん?」

「…まま、おこってない、ほんと?」

 

そう訪ねてくる少女の癖っ毛の多い栗色の髪を撫でながら、私は少女を安心させるようににっこりと笑いかけます。

 

「…うん、本当だよ。え…と、ひなちゃん。ママね、色々と混乱してるところがあるんだけど…質問してもいいかな?」

「ん、いいよ」

 

こくんと頷く少女ーーひなちゃんへと私は疑問に思っていることを何個か質問してみます。それに素直に答えるひなちゃんは私が言うのもなんですが…可愛らしかったです。

 

「まず、ひなちゃんのお名前を聞いてもいいかな?」

「お名前?こしみずひなた、だよ」

「へー、こしみずひなたちゃんで…ひなちゃんね。可愛らしいお名前だね」

「ん!ままがつけてくれたこのなまえ、ひなちゃんだいすき!」

「そっか…ひなちゃんって今何歳になったところ?」

「ひなちゃんよんさいになったよ」

「そう、4歳…」

 

そこで私の中に引っかかるものがあったのです。

それがなんなんなのか分からないまま、ひなちゃんへの簡単な質問タイムを終え…そこで私は気付きました。

ひなちゃんへと最初に質問した時に聞いた名前《こしみずひなた》の《ひなた》の三文字をどこかで聞いたことがある…それもひなちゃんによく似た人から直接聞いたのです、私が。それもごく最近に。

 

『ねぇ、カナタ君のリアルの名前ってどんなの?』

 

直球で質問する私に彼女は苦笑を浮かべながらも答えてくれました、私にとって意味のあるその名前を。

 

『ちょっ…この世界でリアルの話ってしちゃあダメって話でしょう?』

『…因みに私の名前は枳殻 虹架(からたち にじか)だよ』

『レイもやるようになったよね。はぁ…分かった。こっちに耳貸して』

『うんっ』

『あたしの名前は香水 陽菜荼(かすい ひなた)だよ』

 

そう、あの時彼女は私の耳元へ囁きました《かすいひなた》と。そうです、確かに言ったのです…彼女の現実(リアル)での名前は《かすいひなた》と。

 

それを踏まえた上で目の前にいる少女を改めて見てみると…腑に落ちる点がいくつもあります。

まず、こっちを見つめてくる大きな空のように澄んだ蒼い瞳は大きくなった彼女のままでしたし、腰近くまで伸びている癖っ毛の多い栗色の髪も肩近くまでに切り揃えているのをイメージすれば…彼女とそっくりです。

ということで、やっぱりこの子は私が想いを寄せているカナタ君ということになります…ですが、そうなるといくつもの謎が残るのです。

 

まず、なぜカナタ君が4歳児の姿になってしまい、記憶もその頃にまで遡ってしまっているのか?

次に、なんで私のことをカナタ君のお母さんと間違えてしまっているのか?

そして、最後にどうやって私のところに潜り込んだのか?の三つが主な謎と考えられます。

 

その謎解明へと精を出している私のパジャマの袖をくいくいっとひなちゃんが引っ張ります。ハッとして、ひなちゃんの方を見ると不安そうな表情をしてます。

どうやら、ひなちゃんへと心配をかけてしまった様子です。

 

「…まま?」

 

“この子がカナタ君?それを確かめるには…カナタ君のことをよく知る人に聞いてみるしか…”

 

心配そうにこっちを見てくるひなちゃんへと微笑みながら、私はひなちゃんの小さな肩へと両手を添えます。

 

「ひなちゃん、ちょっとママとお出かけしようか?」

「おでかけ?」

「そう、お出かけ」

 

ひなちゃんに合う服がなかったので、私が持っている服で一番小さい服をぶかぶかですが着てもらい、ひなちゃんを抱っこすると私は通い慣れた町の外れにあるお店へと足を踏み入れます…その店内に黄緑の複雑な服と蒼いマフラーをいつも着用している弓使いがいることを願いながら……




というわけで、次回は《かすいひなた》ちゃんのことをよく知るアノヒトへとアポします、新米ママのレインさんが(*´꒳`*)

そして、話がズレてしまうのですが…前に私の好きなヘアスタイルはポニーテールと思いますが、それには続きがありましてーー

リーファさんのような髪の長い子がするポニーテールも好きなのですが…私が好きなポニーテールというのが、フィリアさんのような感じの髪型の人が…しているポニーテールの方がもっと好きなのです!

もっというと、ショートヘアーの人が結ぶ必要がないのに結んでいるのが好きなのです。
それがポニーテールでもツインテールでもおさげでもサイドテールでも…なんでもとんどこいです(興奮)

というわけで…なんだかんだいって、私もヒナタさんと好みが似通ってるってことですね(*゚▽゚*)



次回の更新は火曜日か木曜日ですm(_ _)m
そして、最初が『episode8 後編』を更新し、その次が『キャリバー編』を更新出来ればと思ってます!

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