※ 〜*はシノンと女性陣の会話です
5/13〜少しセリフを足すのとセリフを一部変えました(礼)
「ヒナタっ、起きて!朝よ」
「ん〜?もう少し〜」
「ダメに決まってるでしょ!ほら、起きるっ」
「むぅ〜、シノのケチぃ〜。なら、いつものして」
「はぁ…。あなたはそれがなくちゃ起きられないの?」
「ん、それで一日のシノ成分を補給してるんだから…」
「意味がわからないわよ、もう〜。…チュッ。………これで、いい?」
「ん、大満足」
シノンは隣で自分に抱きついて眠るカナタを揺さぶって起こしながら、昨日のやりとりを思い出していた…
〜*
アスナ『カナちゃんが照れる作戦ね…』
リズベット『意外と難しい議題ね…』
リーファ『んー、シノンさんが実行するならどれも効果がありそうなんですが…問題はあのカナタさんですからね』
アルゴ『リーファの言うとおりだナ。カー坊なら、シーちゃんからのアプローチには全て喜びそうだガ…シーちゃんの求める赤面まではいきそうにないからナ〜」
フィリア『んー?でも、カナタなら…シノンが好きって言ったら、一発だとわたしは思うよ!』
フィリアの言ったその一言にみんなが賛同して、最初のカナタでれでれ作戦の第一号は、それになったのだった。
〜*
簡単なキッチンの前に立ち、料理を行っている最中にシノンは作戦のおさらいと注意点を頭で再度確認して…完成した料理を手にカナタの元へと向かう。
“素直に好きって伝えるのが大事って…みんなが言ってたものね。恥ずかしいけど…ヒナタをデレさせるためだものっ、それくらいの羞恥心あってないようなものだわ!”
密かに意気込むシノンの決意など知らないカナタは、いつものように大あくびをしながら…シノンが作ってくれる朝ごはんをアイテム欄を整理しながら大人しく待っている。緑色のソファに座って、いつものようにウィンドウを操作しては難しい顔をしている。
「ん〜っと、この武器は倉庫に入れてOKと。こっちは使うから…」
「ヒナタ、少しいい?」
料理を置いたシノンはカナタの隣に腰掛けると、その空のように透き通った蒼い瞳を真剣な眼差しで見つめる。そんなシノンの様子に眉をひそめつつも、カナタはウィンドウを消すとシノンへと向き直る。
「ん?なあに、シノ?」
シノンはスゥ〜と息を吸うと、カナタへとついにそのセリフを口にする。照れずに、真剣に彼女に好意を伝えるーー
「ーー私ね、ヒナタの事が好きよ。愛してる」
「???あたしもシノのこと好きだし、愛してるよ?」
“あれ?反応が薄いわね…”
しかし、シノンの期待とはうらはらで…カナタはシノンを何を今更って感じで呆れた顔で見ている。そんなカナタの反応にシノンは焦る。
「ねぇ、ヒナタ。本当に私の事、愛してる?」
「へ?もちろんっ、愛してるよ!そうじゃなきゃ、毎朝毎晩 おはようのキスとおやすみのキスを要求しないでしょう?」
「ーー」
“あぁ…そういえば、この子って…。そういうのを要求してくるんだった…”
シノンは今さっきのやりとりを思い出すと苦笑いを浮かべる、そんな人に好きといっても無駄というわけだ。それなら、この作戦は失敗したということで確定だろう。
シノンはカナタから視線を逸らすと、アスナにメッセージを送ろうとウィンドウを開こうとした、だがーー
「ーー…シノ」
「!?」
いきなり、耳元でアルトよりの声が聞こえたかと思うと…目の前にはもう既にカナタの整った顔立ちがありーー
チュッ…
ーーと唇が合わさると、驚くシノンに体重をかけるようにのしかかってくるカナタ。そんなカナタと背もたれにサンドイッチにされてるシノンは目を丸くしながらも、激しさを増すカナタのキスを受け止め続ける。ようやく、唇が外れた時には、いつの間にかカナタがシノンの膝の上にちょこんと座っていた。
「どうやら、あたしのシノが好きって気持ちが伝わってなかったようなので…いつもより長くキスしてみました♪シノさん、ご感想は?」
にっこりと笑って、そんな事をいう恋人にシノンはさっきのディープキスで朦朧とする思考の中で答える。
「へ?…そ、その…ごちそうさま?」
「ふっ、何それ〜、キリみたいっ。でも、あたしはシノの真っ赤な照れ顔をより近くで満喫出来たのといつもはお預けの濃厚なキスが出来たので満足です♪」
「〜〜ッ!!?」
カナタのセリフに赤面するシノンに、カナタはシノンに抱きつくとその頬へとキスをする。嫌がるシノンに抱きついて、頬をすりすりしてはキスをするを繰り返すカナタをどうにか止めようとするシノンだが、ここまで興奮したカナタを止めれる者はまず居ない…
「あぁ〜ぁ、もうっ!今日のシノっていつもより可愛いねぇ〜。ギュッてしたくなる!ねぇ〜もっとキスもしていい?していいよね?!」
「ちょっ、ヒナ…くすぐった…っ。やめ、やめなさいって!」
「なして?あたしがシノにキスしたいんだもん〜。チュッ、チュッ」
「あんた、だんだんストレアに似てきてるわねっ!あんたがそんなんだから…ストレアがーー」
「ーーストレアは、あたしの娘だもん。似て当然でしょう?それに今はあたしとシノの話でしょう?ストレアは関係ないよ」
「だとしても…ッ!だから、離しなさいって!!」
「い〜ぃやぁ♪今日は満足するまで、シノに甘えまくるし…そして、キスしまくるよ。いつも、攻略頑張ってるんだし…それくらいのご褒美貰ってもいいよね?」
そう言う恋人の蒼い瞳が怪しい光を放つのを見て、いよいよ身の危険を感じたシノンはカナタの興味を逸らそうとするが…あえなく、それも失敗に終わる。
「ご褒美って!…なんで、私をソファに押し倒すのよ!?」
「この方がシノが逃げないかなぁ〜って…」
「待って、ヒナタ。まず、朝ごはんを食べまーー」
「ーーあたしの朝ごはんはシノだから。大丈夫♪」
「私が大丈夫じゃないっ、大丈夫じゃないから!!それに私、朝ごはんじゃないわよっ!」
「ん?朝ごはんじゃないなら…スイーツ?」
「意味がわからなーーん…」
その後、シノンはカナタに捕まり…カナタの溢れる愛情とキスの雨をその身に受け止め続けた…
〜*
その夜、シノンはアスナの部屋へとお邪魔していた。そこには、既にシノンの結果を聞くために…あの時集まっていた女性陣が席についていた。そして、そんな女性陣の期待に満ちた眼差しを受けながら、シノンが疲れたような声を漏らす。ザッと作戦の失敗とその後に起こった出来事まで話したシノンは疲れたような表情を浮かべる。
シノン「ってわけで…、今の今まで解放されなかったわ…」
女性陣『あぁ…、うん…。やっぱりね…』
そんなシノンに周りの女性陣は苦笑いを浮かべる。何故、苦笑いかというと…安易にその状況が想像できるからだ。カナタが嬉しそうにシノンに抱きついて、キスしてる様子がーー
フィリア「シノンの素直な好意は、カナタにとっては好物または私欲を引き出すトリガーってことね。カナタも強くなったのね…。誇らしいといえば誇らしいけど…強敵になったわね…」
リーファ「フィリアさん、なんかお母さんみたいな発言ですね…」
アルゴ「しかし…カー坊も困ったもんだナ。変なところが強化されたせいか、どこを攻めればいいのカ…オレっちもわからないゾ」
アスナ「あっ、なら…こういうのはどう?」
シノン・女性陣「どうって?」
アスナ「うん。シノのんがカナちゃんに……」
ー その三へと続く ー
果たして、アスナが考えた作戦とは!?そして、シノンさんの身体は持つのか!?
次回に乞うご期待!