果たして、アスナが考えた作戦とは!?シノンはカナタをデレさせることが出来るのかーー?
それでは、本編をどうぞ!
5/29〜誤字報告、ありがとうございます!
「本当に、これで大丈夫なんでしょうね…この作戦…」
シノンは鏡に映る自分を見つめて、「ふぅ…」とため息をつく。それはそのはずだろうーー鏡に映る自分はこげ茶色のショートヘアからふさふさの三角耳を生やし、剰え 黒い半ズボンと黄緑色の服の隙間からはふさふさの細長いしっぽがシノンの意思とは無関係にしゅるりしゅるりと左右へと動く。
“これが可愛いを結集させたものって…言われたけど…。明らかに違うわよね…?”
そう、今の自分の姿は猫耳としっぽを付けたーー恐らく、可愛いではなく萌えを結集させたものだとシノンは思っている。
“まさか、自分がこんな姿をすることになるとは思わなかったわ…”
シノンは肩を上下させると、恋人が帰ってくるのを緑色のソファーに腰掛けて待つ。その間に、昨日の会話を思い出して…再度、作戦の重点をおさらいする。
〜*
アスナ『あっ、なら…こういうのはどう?』
シノン・女性陣『どうって?』
アスナ『うん。シノのんがカナちゃんに甘えるの』
ルクス『甘える?シノンさまがカナタさまに?』
アスナ『そう。シノのんって、私たちにもだけど…カナちゃんにもあまり甘えたことがないと思うの。だから、シノのんのそんな表情を見たら…流石のカナちゃんも照れるかな〜って思ったんだけど…ダメかな?』
シリカ『ダメというわけじゃないですが…、あのカナタさんにシノンさんが甘えるっていうのが…油に水を注ぐというか…。カナタさんの暴走を強めるといいますか…いよいよ、シノンさんの身に危険が…』
アスナ『あぁ〜、そうだよね…。ごめんね、この作戦は忘れて!また、みんなで一から考えよう!』
シノン『なるほど……甘えるね…。確かにいいかもしれないわね』
リーファ『シノンさん、やるんですか?危険ですよ、あのカナタさんにその作戦は…』
シノン『手がかりがないんだもの、なんでもやってみなくちゃ!それに…せっかく、アスナが出してくれた案だもの。無下にするなんて…私には出来ないわ』
アスナ『シノのん…。うん、絶対!成功させようね!』
〜*
その後、みんなと考えて…何故か、甘える=可愛いの方式が成り立ってしまい…終いには、こんな格好をしなくてはならなくなってしまった。
“まぁ…確かに、普通に甘えるよりかは…この方がいいかもだけど…”
「…ヒナタ、照れてくれるかな…」
前の作戦みたいな結果だけにはしたくない。少しでも、彼女を照れさせる手かがりを…あわよくば、この作戦で照れさせたい。だが、正直この作戦で、あのヒナタが照れてくれる様子が思い浮かばない…。
“まぁ…、悩んでいても仕方ないわよね…”
肩を上下に動かして、この作戦を成功させるために意気込んでいるとーー
「ーーただいま〜、シノ!」
噂をすればなんとやら、どうやら 彼女が帰ってきたらしい。声がした方へと立ち上がり、羞恥心を奥へと引っ込めて、自分の出せる最大の甘えた声で彼女へと抱きつく。
「おかえりなさい、ヒナタぁ〜」
「うおっ!?シノ…?どしたの?もしかして…さみし…かっ………た………。…ーー」
突然、抱きついてきたシノンに帰ってきたカナタは驚いた様子だったが…、目の前にピコピコと動く三角耳に視線を収めた瞬間 凍りつく。身体をすり寄せてきては、上目遣いでカナタを見てくるシノンにも無反応なカナタにシノンは頬を膨らませる。
「すごくさみしかったのよっ。今まで、どこで何をしていたの?今日はキリト達とダンジョン攻略してくるって言ってたわよね?」
「ーー」
「ヒナタ?私の話、聞いてる?」
「ーー、…あぁ…ん…聞いてるよ?今日はキリ達とダンジョンのボス部屋まで攻略しに行ってたんだ。だから、いつもより遅くなっちゃった…。ごめんね?シノ」
「本当にごめんって思ってる?」
「おっ、思ってるよ…」
「なら…その、キス…して」
「ーー」
シノンが頬を染めながらそう言ってくるのに、カナタは再度身体を固めると…ゆっくりと目を閉じるシノンの前髪へと左手を伸ばす。
「…シノ。キスの前にごめんね」
「へ?」
シノンに断りを入れてから、カナタの左手がシノンの前髪をかき上げると、右手で同じく自分の前髪を上げて…おでことおでこをくっつける。カナタの突然の行動に、今度はシノンが動きを固める。いつになく、真剣な眼差しでシノンを見つめてくるカナタに…シノンの頬がゆっくりと赤く染まっていく。
「…ヒ、ナタ…?」
「…ん、こっちは大丈夫っぽい。ステータスは…ん、こっちも大丈夫だな。ならーー」
ガッシっと肩をつかんでくるカナタにシノンは目をパチパチさせる。目を丸くさせてるシノンの顔を覗き込んで、カナタは表情を険しくさせると声を荒げる。
「ーーシノっ!!あれだけ、リーファとストレアの料理は口にするなって言ったでしょう!!どうして、食べちゃったのさ!!」
何を言われるかと身構えていたシノンにとってそのセリフは想像の斜め上を行き、何故かドッと疲れをシノンへと与えたのだった。なので、シノンはカナタを呆れた表情で見るとため息を着く。
「はぁ…?………あなたは何を言ってるのよ…っていうか、それはリーファとストレアに失礼でしょうが」
「だっ、だって…あたしの記憶の中であの二人の料理が凄まじかったし…酷い目にもあったから…」
「…だからって…。もう〜」
なんだか、あの発言のせいで…これ以上 この作戦を行ってもダメな気がする…それよりも心配させてちゃったみたいだし…。
何を言わずに、上目遣いで睨んでくるシノンにカナタは気まずそうな表情を浮かべると弱った声音で訪ねてくる。
「シっ…シノ…?もしかして、怒ってる…?」
「怒ってないわ。ただ、今の私の姿を見て…感想が欲しかったなぁ〜って思っただけよ」
「…感想…。ん、すごく可愛いよ。こう、ギュッとしたくなるくらい!」
そう言ったカナタはシノンへと抱きつくと、何かを思いついた表情を浮かべる。その表情に、シノンは身の危険を感じる。
「そうだ、シノ。さっき、キスしてって言ったよね?」
「言ったけど。いいわよ、ヒナタも攻略で疲れてるんだし…」
「全然、疲れてないよ。猫耳シノのおかげで、すっかり元気になったし。……それに…もっと、この可愛いシノを愛でたいし…」
「い、今っ。愛でたいって言ったわね!いいから、ヒナタの愛は充分 私に伝わってるから!」
「伝わってないよ。ほら、シノ 行くよ。無駄な抵抗はやめて」
「ちょっ…ヒナタっ。やめ…」
その後、前の作戦と同じような展開が広がったのであった…
〜*
次の日の昼、シノンは女性陣が待つ店へと足を踏み入れていた。既に、勢揃いの机へと近づいたシノンは空いてあった席へと腰掛けると、作戦の結果を説明する。
シノン「って感じで、失敗に終わったわ」
アスナ「あはは…、想像していた展開だけど…。今回は心配させちゃったんだね」
シリカ「全く分かりませんね、カナタさんの弱点」
ルクス「甘えと可愛い系は心配させる。クール系はいつものシノンさまだもんね」
リーファ「他にある系というと…。ん〜っ」
リズ「ここはもう敵に直接聞くしかないわねっ」
フィリア「聞くって…カナタに?気づかれない?」
ストレア「ん〜、大丈夫じゃないかな〜。パパ…カナタってそういうことに関して、鈍感だから」
アルゴ「だナ、カー坊なら大丈夫だと思うゾ」
リズ「なら、各自 敵から弱点を聞き出すこと!皆でカナタをデレさせるわよ!」
女性陣「オー!!」
〜*
ー その4へ続く ー
ということで、次回は皆がカナタから弱点…どの系統が好きなのかを聞き出します!果たして、カナタはどんな系統が好きなのか!!おたのしみに、です!!
そして、この琴瑟相和での案を皆さんに募集したいと思っております。何故、募集したいかと思うと…どうしても三人ほど、ストーリーが思い浮かばない方達がいて…(汗)
まだ、この琴瑟相和で出てきてないヒロインは、アスナさん・フィリアさん・アルゴさん・ストレアさん・レインさんの五名です。ユイさんは…どうしようかな〜って思ってます(笑)
そして、そのユイさんをのけた五名で案が浮かんでないのが…下の方が書かれているアルゴさん、ストレアさん、レインさんの三名で…。
アスナさんは、料理するための素材集めのストーリーにしようかなぁ〜と思ってて…フィリアさんはトレジャーハンターなので、お宝関係のストーリーがいいかなぁ〜って思ってます(礼)
で、この二人以外の三人はというと…想像できるものがなくて…(汗)
アルゴさんの原作のクエストは…確か、犬関係のものが多いですよね…?ストレアさんは…洋服で…。レインさんは…ん〜、歌?かな…
と言った具合で、思い浮かばないのです…。なので、読者の皆さんでこの三名の方の案を頂ける方がいらっしゃるなら、是非とも貰いたいです!
思い浮かんだ方は…活動報告の【息抜き編のリクエスト】までよろしくお願いします(礼)