GGOでの誕生日エピソードとなる今回は"レンちゃん"と"ユウキちゃん"の誕生日をお祝いするエピソードとなっております。
あいも変わらず、ハチャメチャな展開になると思いますが、最後まで楽しんで読んでもらえるように書いて行こうと思うので……どうかよろしくお願いします!
本編をどうぞ!!
【SBCグロッケン】
2026年 5月 23日 土曜日 PM 10:02。
朝の10時からの呼び出しというのは、実を言うと朝が弱いあたしからすれば拷問に近いものだと思っている。ま、そう思い、タイムリーにその愚痴を口から吐き出してみたら、きっとあたしの周りにいる恋人や友人が口うるさく説教してくるだろう。
“でも、眠いもんは眠いもんな……”
そう思い、口を一文字にしようとした時には既に遅くて、あたしは真横に依頼人が居るというのに大欠伸をしてしまう。
「ふっわ〜ぁ……」
赤い指空き手袋が覆われた左掌を口元にあてがいながら、乙女らしからぬ喉元が覗き込めそうなくらい大きな口を開けて、大欠伸をしているあたしを見上げるのは今回ご指名いただいた依頼人である。
大きな欠伸をかますあたしの横顔を見上げるのは、まん丸な赤い瞳でGGO特有の荒風に遊ばれている腰まで伸びた髪の毛は鮮やかな紫色で年相応の可愛らしい顔立ちは純粋な驚きに満ち満ちている。そんな可愛らしい表情から視線を下ろせば、少女特有の未成熟な肢体を身体のラインがはっきりとわかる紫色の戦闘着に真っ赤なホットパンツを履き、黒いニーソックスが白く細っそりした美脚の形を行き交う通行人へと見せつけている。
“あとは白い太ももがニーソックスに押されて、プニってなっているところが魅力だよな”
あたしの同居人かつ恋人の朝田 詩乃ことシノンは
なので、あたし自身恋人殿のけしからん戦闘服によってセクシー路線の服装には免疫力がついたようにも思えるのだが、どうもニーソックスや太ももに絡みついている紐みたいな装備品によってプクッと膨らんでいる太ももなどをみてしまうと……こうっ、ドキドキしてしまう……。
「うわー、大きな欠伸。そんなに早く、僕、カナタのこと呼び出したかな?」
“あたしは本当何やってるんだろうな……”
そう言って、あたしを見上げる赤い瞳には純粋な疑問の色しか浮かんでない。
なのに、あたしはこの可愛らしくも頼もしい友人かつ依頼人・ユウキの太ももへといかがわしい視線を送ってしまった。
“これは反省すべきだな”
ユウキとの用事が済んだら、詩乃に頼んでニーソックス履いてもらって、このドキドキとともに受け止めてもらおう。
というで、いつものごとく誤魔化そう。
「へ?あぁ……この欠伸はいつものことだから気にしないで、ユウキお姫様」
「いつものことってそんなにカナタって毎日眠いの?ま、確かにカナタはいつも欠伸しているイメージだけど……」
そこまで言い、何故かクスクスと笑い出すユウキの頭をポンポンと撫でる。ポンポンに"さっきまで太ももへといやらしい視線を送ってしまいすいませんっ"という思いを込めて。
しかし、された側とすれば"何故か頭を撫でられているのか"分からないわけで、案の定ユウキがキョトンとした表情で問いかけてくる。
「……えーと、なんで今ポンポン?」
「いや、これからよろしくねって意味の」
「ん?んん?そう……よく分からないけど……」
“ん……だよね、あたしも自分が何を言っているのか分からない”
その後は、ユウキに連れられるがままに《グロッケンの酒場》を横切り、《総督府》まで連れてこられたあたしはそこで宿敵に会うのだった……。
今日、ユウキに呼び出されたのは〈自身のレベリングと所有武器を強くさせる為の素材集めに付き合ってほしい〉と事だったので、総督府で適当なクエストでも受けようかという事になり、入り口付近に備えてあるタッチパネルをユウキの意見を取り入れながら、クエストのボタンをポッチリポチと押していると背後から可愛らしい声が聞こえてくる。
「あーー!!」
嫌な気配を感じとり、まるで錆びついたからくり人形のようにギッギッと後ろへと向くとそこには想像通りの子がいた。
あたしを指差す手袋の色はピンク––といっても、女の子らしい真っピンクというわけでなく、明度を落とすために茶色を混ぜたくすんだ色−–で150センチにも満たない華奢な体躯をこれまたそのピンクで染め上げているばかりか、その子は全身をそのくすんだピンクで染めているのだ。そう、愛用している銃すらも。
「お客様、ここはお子様だけの来店をご遠慮させていただいております。保護者様をお連れになって、またのご来店をお待ちしております」
これ以上この子に関わり、面倒ごとに巻き込まれたくないと思い、あたしは咄嗟に総督府に配置されているNPCのモノマネをして、あたしと真っピンクな子を交互に見ているユウキの手首を掴んで、深いお辞儀をした後にスタスタと総督府から出ていく。
しかし、同じ手では騙されないようで……パッサパッサと肩までのところで切り添えている焦げ茶色の髪の毛を揺らしながら、スタスタと歩くあたしの前に飛び出る。
「って、同じ手に二度と引っかかるか!あんたはスタッフでもなんでもないじゃん!」
「ちっ、騙されなかったか」
横を向いて舌打ちした後に白い髪をカキカキと掻きながら、目の前に仁王立ちしている真っピンクな子・レンへと問いかける。
「今日は何の用?一昨日みたいに不意打ちするならそのピンクを隠せるところにした方がいいよ」
「う、うるさい!!あと、そのめんどくさそうな顔が更にイライラするっ!あの砂漠の時も一昨日だってわたしの胸を鷲掴みにしたくせに!!」
レンがそう口走った瞬間、興味津々にあたしとレンの顔を見て、会話へと聞き耳を立てていた妖精の国では《
「ーー」
「あ〜、ユウキ、さ……ん?ウィンドウをお開きになって、何をなさるおつもりですか?」
「シノンにカナタが小さい子相手に欲情してたって報告しとこうと思って……」
「いや誤解!!やめて、報告しないで!!報告されたら、間違いなくあたしに未来はない!!」
ユウキの腰に抱きつき、なきじゃくりながら懇願するあたしを冷たい視線で見続ける。
「ロリコンカナタに明日なんてなくていいんじゃないかな?ここで許しちゃったら、リアルで犯罪を犯しそうだし」
「違うからっ!!あたしがピンクな妄想するのはシノンだけだから!!」
「へー、シノンという人が居ながら、あんな小さい子に手を出したんだ?」
「弁解する余地すらない!?」
その後もあたしはひたすら弁解して、最後の最後にユウキがクスッと笑ったことから今までのやりとり全てがたちの悪いジョークだった事を知るのだった。
今回の話で気をつけたのは、レンちゃんの口調とユウキちゃんを小悪魔な感じにしてみたことです。
あと、作中のニーソックスや太ももに巻いてあるベルトの太ももがプニってなった所が好きというのは私の趣味です。
好きなんですよね、プニってなったところ……可愛いといいますか、思わず押したくなるというか……。はい、変な事を喋っちゃいましたね……すいません……(大汗)