sunny place 〜彼女の隣が私の居場所〜   作:律乃

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最近の悩みは、[戦姫絶唱シンフォギア]の切ちゃんこと暁切歌ちゃんにハマりすぎてることと、最近涙もろくなったことです…

と、余談から始まった今回の話ですが…今回はやっとあのメンバーが参戦します!
そして、ついに始まる女子会ですが…そこは陽菜荼にとって、苦難ばかりで…(汗)

では、本編をどうぞ!!


004 現実での女子会

陽菜荼の身長事件から長らく続いている沈黙を一つの効果音が破った。

 

ピンポーン、と控え目に部屋へ鳴り響くその音は…

 

まるで、その訪問者を表しているようで、みんなが苦笑する中、陽菜荼は何故かいじけていた。みんなが自分の身長にショックを受けたことにショックを受けてるようで、膝を抱えて、「どうせ、あたしは大きいですよ〜だ」とぶつぶつと呟いていた。そんな陽菜荼のモチベーションを元に戻そうと両隣に座っているひよりと珪子が言葉をかけ続けていた。

そんないじけている陽菜荼が出れるわけもなく、陽菜荼の代わりに、今度は詩乃が出る。

 

「はーい」

 

ガチャっと開けた先には、腰の辺りまで伸びた薄茶色のストレートヘアーに、同色の少し垂れ目の瞳が特徴的な少女が立っていた。少女の名前は枳殻虹架。この女子会の最後の参加者である。

 

「ごめんね、バイトが長引いちゃって…。…みんな…集まってるよね?」

「みんな、集まってそんなに経ってないから大丈夫よ。虹架も入って」

「うん、失礼するね…」

 

遠慮がちに、詩乃の脇を通り抜けて入った虹架をみんなが出迎える。そんな虹架をからかうように、里香が大きな声を出す。そんな里香をショックから立ち直った陽菜荼が嗜める。

 

「もう、虹架!遅いわよ!」

「ご、ごめんね…」

「もう、里香。虹架が悪いわけじゃないんだからさ。虹架、ここ空いてるよ」

 

ひよりとの間に空いている隙間をポンポンと叩く陽菜荼の横へと腰掛けながら、虹架は陽菜荼に礼を言おうとして、自分の失言に気付き、口を抑える。そんな虹架へと微笑んでから、陽菜荼が気にしなくていいの意を伝える。

 

「…あっ、うん…ありがとう…陽菜荼くーーあっ、ちゃん」

「言いにくいんだったら、くんのままでいいよ。ちょっと、複雑な気持ちにはなるけど…」

「ごめんね…陽菜荼くん…」

 

虹架の「ごめんね」を聞くたびに陽菜荼は苦笑いを深めていき、虹架の頭へとポンと手を置くとナデナデしながら、優しい声音で謝らなくていいと虹架を諭す。

 

「もうぉ〜ごめんねって。こっちに帰ってきてから、虹架って、ずっと謝ってるよね。そんなに遠慮とかしなくていいんだから、ね?」

「う、うん…」

 

陽菜荼に頭を撫でられながら、コクンと首を縦に振る虹架という光景はとても心温まるものであったが…周りにいるメンバーの視線が少しずつだが、穏やかではない方へと向かっていく。

その理由は二人の顔の距離感が普通よりも近いからだ。そして、何よりも二人を包み込む雰囲気がまるで恋人同士のような感じだったからだ。

彼氏が泣き出しそうな彼女を慰めているようにも見えるその光景に、陽菜荼の向かい側にいた本物の恋人・朝田詩乃の表情が目に見えて険しくなる。それを見ていた里香が助け舟を出す。

 

「そこのお二人さーん、そろそろやめないと詩乃さんの顔がとんでもないことになってるのだけど〜」

「ちょっ!里香!私、そんな顔してないわよっ」

「痛っ、痛いって詩乃」

「あはは、何やらかしたのさ!里香」

 

真っ赤な顔にした詩乃が里香をポカポカとグーで殴る。殴られている里香は痛くて声を上げるが、陽菜荼はそんな里香を見て、大笑い。里香は大笑いしている元凶へと文句を言う。

 

「あんたの無自覚たらしのせいでこっちは殴られてるのよ?わかってるのかしら、この女たらしは」

 

里香に文句を言われる意味が分からないと首を傾げる元凶に、里香は横を向いてボソッとマジのトーンで罵倒すると、それを聞いていた元凶が里香を指差して、みんなに問いかける。だが、みんなもその元凶が里香の言う通りだと思ってるので、ただ静かに首を縦に振る。

 

「?」

「これだから、このたらしは…」

「そこ、たらしたらし煩いぞ!みんなも思うでしょう?」

『…』

「何故、またそこで黙るの!?そして、なんでそこで首を縦に!?」

「それがみんながあんたに思ってることよ」

「今日一番のショックだよ…」

 

そんな事があり、いよいよみんなが全員集まったことで現実世界での記念すべき第一回の女子会が開催となる。

 

「さて、これでみんな揃ったわね。それじゃあ、始めるわよ!女子会!

ほら、陽菜荼。あんたが乾杯の音頭を取りなさいよ」

「えぇー!?あたし!?」

『…』

 

里香から指名された陽菜荼はキョロキョロと辺りを見渡して、みんながコクンと頷くのを見て立ち上がると、ポリポリと頭をかきながら、照れたように頬を染めながら音頭を取る。

 

「えーと、その…指名を受けた香水陽菜荼です。その…みんなと出会ったのは、今から一年前となりますが…あたしはみんなに会えてよかったと思います。本当にそう思います。ここにいるみんな、ここに来てない男性陣のみんなもあの世界で出会ったみんなも…あたしはみんなみんな大好きです!本当に大好きです!この気持ちに偽りはないです!えーと、何を言いたかったのか忘れたので…カンパーイ!!!』

『カンパーイ』

 

アタフタとスピーチしていた陽菜荼は最後はヤケクソになり、カンパーイと叫ぶ。そして、みんなのコップへと自分のカップをコツンコツンとぶつける。

陽菜荼の乾杯の音頭が終わると、陽菜荼・直葉・珪子の三人で作ったご馳走はあっという間にみんなの胃袋へと落ちていった。その三人がお皿を洗い終えると、里香が陽菜荼と詩乃へと問いかける。

 

「さて、それじゃあお楽しみのゲームをするわよ」

「ゲームって…」

「陽菜荼もきっと大喜びのものよ」

「…あぁ、どうしよう。その回答を聞いて不安しか浮かばなかったんだけど…」

「まあまあ。それじゃあ、陽菜荼、詩乃。ここに割り箸あるかしら?」

「んー?あるよ」

「なら、それをここにいる人数分出してくれるかしら?」

「OK」

 

ここに集まっているみんな分の割り箸を持ってきた陽菜荼へと、里香は割り箸の一つの先を赤く塗って欲しいとその他に番号をうってほしいと告げる。その通りに一つの割り箸を塗り、残りの割り箸へと番号を書いた陽菜荼は薄々とこれから行うであろうゲームが分かってきた。

そして、その割り箸を里香へと渡すと、いつの間に取り出していたのか分からない箱へと陽菜荼が手渡した割り箸を全部入れる。そして、ガシャガシャと左右に揺らして、割り箸をかき混ぜるとみんなへと差し出す。

 

「よし、これで準備は出来たわ。これから、みんなも知ってるであろうあの王様ゲームをするわよ。だけど、一つだけルールが違うわ。この王様ゲームはみんながどの番号を持っているか見れるわ」

『…』

「……」

 

目を輝かせている周りと違い、陽菜荼は一人思う。

“あれ?あたしの知ってる王様ゲームとなんか違う”と……




ということで、次回は王様ゲーム回です。果たして、どんな王様ゲームへとなるのか?
恐らく、大混乱となることでしょう…主に陽菜荼と詩乃が(笑)

最初に二人へと言っておきます、ご愁傷様です…(礼)

番号が見れるという斬新な王様ゲームの中で翻弄される陽菜荼をお楽しみに♪

ではでは〜( ´ ▽ ` )ノ

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