なので、皆様も久しぶりにカッコいい陽菜荼にドキドキして貰えればぁ〜と思います!
では、今回も読みにくいかもしれませんが…本編をどうぞ!
※作者は東京に行ったことはなく、イメージのみで書いてあるため…多少おかしいところがあるやもしれません(汗)
コンポタージュを片手に街を練り歩いた陽菜荼と珪子が結局のところ行き着いたのは、待ち合わせに指定していた《ダイシー・カフェ》から徒歩30分のところにあるショッピングモールであった。
そこに立ち寄った二人は上の階から攻めていくことに決めたらしく、エレベーターへと乗り込む。
しかし、既に中に人が居たうえに二人の他にも10名ほど乗り込んだ為、エレベーターはキッツキツとなっていた。少し動けば、他の人の肩に当たるほどに狭いエレベーターの中で意識してボタンを押す向かい側の角を陣取った陽菜荼は珪子を他の客---万が一の痴漢対策---から守るように角へと押しやると、自分は壁へと右腕を置くと左手で珪子の華奢な背中を自分の方へと密着させる。
その際、珪子の鼻腔をシトラス系の酸味と甘みがミックスされた香りが刺激し、思わず上を向くと陽菜荼が珪子へと苦笑いを含めた複雑な笑みを浮かべていた。
「…うぅ…きつぅ〜…ごめんね、珪子。狭くない?」
「いえっ!ぜんっぜん、むしろどんとこいって感じです」
「ふっ…何それ。流石に珪子を押しつぶすなんてことはしないよ。ほら、この階で降りるから…右手貸して」
「は…はい」
余りの人の多さにエレベーターで最上階まで行くのを躊躇った陽菜荼は3階になった途端、珪子の右手を引っ張ってエレベーターから降りる。
人混みから解放された陽菜荼は珪子の右手を繋いでいる左手を恋人結びに変えると颯爽と歩き出す。
暫く歩くと雑貨屋さんや洋服屋などが現れ、自然と珪子の身体が陽菜荼よりも前々へと進み出す。目の前に広がる
γ
「陽菜荼さん、見てください。これ、可愛いですよ!」
「んー?おっ、本当だね。可愛い」
エレベーターから降りて、すぐの雑貨屋さんへと足を踏み入れて…早2時間が経過していたが、珪子の好奇心はまだ満たさせることはなく…パタパタとあっちらこっちらに出向いては、ブラブラと頭の上に両手を組んで歩く陽菜荼へと見せに行っていた。
いつもの数倍キラキラした光を放つ紅の大きな瞳に見つめられ、陽菜荼は連れていかれたところにあるネックレスを見ていた。
何気ない感じで、無造作に吊るされたそのネックレスは確かに女子力皆無の陽菜荼から見ても可愛いデザインと言えた。
そのネックレスというのは、鉄で出来た鎖の先にリボンと猫の形を象った飾りが付いている。リボンが真っピンクなのも珪子の心をくすぐっているのかもしれない。
“ふぅ〜ん、一万ちょいか…。つぅーことは、にゃんこさんとリボンにはめ込まれているあのキラキラしたものは宝石かな?”
値段を見て、チラッと珪子の方を見た陽菜荼の視線に気づいてない様子で値段とネックレスを熱心に交互に見ている珪子の頭をワシワシと撫でた陽菜荼は、びっくりした様子で見上げてくる珪子へと笑いかける。
「そのネックレス買ってあげるよ」
「えっ…いえ、いいですよっ!?陽菜荼さんにそこまでして貰うわけには…」
「いいって、あたしが珪子に買ってあげたいんだから」
そう言って、抵抗する珪子からネックレスを奪った陽菜荼はあっという間に会計を済ませると、申し訳なそうにしている珪子の後ろへと回り込むとさっき買ったばかりのネックレスを付けてあげる。
そして、ネックレスを付けた珪子を見て、グッと左手の親指を立てた陽菜荼はドヤ顔で下のようなことを言う。
「ん!すっごく似合うよ、珪子!流石、あたしが見立てただけあるね!」
「そうですか?あたしには勿体無いような気がして…ならないんですが…」
「もう、珪子は遠慮深いんだからぁ〜。さて、そろそろ12時になるから…ご飯にしよ?」
陽菜荼がベタ褒めしても、やっぱり今の今まで奢ってもらってばかりと言うのが気がひけるのか…自信無げにそう尋ねる珪子の右手を握った陽菜荼はにこにこしながら、食堂へと歩いていく。
その様子から本当に気にしてないと感じが伝わってきて、珪子もこれ以上は気にせずに陽菜荼との折角の二人っきりのデートを楽しもうと小さく意気込む。
γ
「きたきた!オムライスあぁーんど唐揚げっ!!」
「陽菜荼さん、声が大きいですよ。みんな見てます」
「う…ごめん、どうもオムライスとなると興奮してしまう…」
同じ階にあった食堂で《オムから特大盛り》なるものを頼んだ陽菜荼はさっきまでの凛々しい雰囲気がすっかり幼い子供のような雰囲気へと成り代わっており、珪子は大好物を前にはしゃぐ陽菜荼へと小声で注意する。
珪子からのお叱りにしょんぼりする陽菜荼が可愛らしく、珪子はつい口元が緩んでしまう。
因みにそんな珪子が選んだのは《エビピラフ》なのだが、この食堂はサービスがいいのか…ワカメスープとちょこんと小さな皿でデザートまで着いてきた。それだけならいいのだが…量が多めときた。珪子は心の中で“これ…食べれるかな?”と密かに思い、汗を一筋流す。もちろん、その汗は食べた後に体重計に乗る際にも流れるであろう。
そんな珪子には目もくれず、陽菜荼は真っ赤なマグマと真っ白な湧き水が溢れ出す真っ黄色い山の攻略を進めていた。別の皿で付いてきた唐揚げもパクパクと美味しそうに食べていく陽菜荼の頬が赤と白に染まっていくのを見た珪子は思わず「ふふ」と笑ってしまう。
そんな珪子にキョトンとしている陽菜荼の頬を珪子が手に持ったおしぼりで拭いていく。
「陽菜荼さん、ほっぺたにソース付いてますよ。拭きますから、じっとしててくださいね」
「んっ、あんがとね、珪子」
「どういたしまして」
そこまでしたところで、珪子は自分がしでかした事に今更ながらあたふたし始める。
“はっ!?あたし、なんて事を!ひっ…ひひひ陽菜荼さんの頬を拭いてあげるなんて…っ!まるで、これって…こいびーー”
そこまで考えてしまい、珪子の顔がボッと一気に真っ赤に染まる。そんな珪子を見た陽菜荼がある事に気付き、珪子へと声をかける。
「…!珪子、左頬をこっちに向けて」
「へ?こ…こう、ですか?」
「ん、そうそう」
そう言って、珪子の左頬へと〈自身の顔〉を近づけた陽菜荼はパクッと珪子の頬についていたエビピラフのご飯粒を口へと含む。
その際に陽菜荼の唇が僅かに触れた左頬からその感触を感じとった珪子は余りにも突然起こったイベントに脳が思考するのを諦めて、フリーズ状態へと陥っていた。
そんな珪子の様子に首を傾げながらも、フリーズしてるとは気づかない陽菜荼は三分の一となった黄色い山を胃へと収めていった…
え?詩乃さんよりも珪子さんの方がヒロインっぽい?
いえいえ、何をおしゃっているのですかぁ〜、読書の皆様方。
この小説は詩乃さんがメインヒロインですよ?(´∀`*)
珪子さんの方がヒロインっぽいなんてあるわけ……な…い……(大汗)
…………うん、今回の話は少し陽菜荼をイケメンにしすぎたのと…甘々要素を入れすぎたかな?(苦笑)
そして、次回はもっと甘々になる予定なので…詩乃さんファンの皆様、本当に申し訳ありませんっ!!(汗)
オマケで…【オムライスデート】なるものを更新しようと思うので、どうかそれでご勘弁下さいm(_ _)m
そして、こっから先には独り言なんですが…
アリゼーションのアニメで《友永 朱音》さんと《水瀬いのり》さんが出演してくれないでしょうか…?
サブキャラでも構わないので…(汗)
saoでこの二人の方の声が聞きたいですっ!
というのが…saoファンとしての私の心の声だったります…(´∀`*)