今回の話は、長い階段を降りていくシーンです。
また、キャラの名前は、ヒナタの愛称となっているので…少し、いいえ、かなり読みにくいかもです!
なので、下にキャラ名と愛称の欄を書いておくので、読むときの参考となればいいなと思います( ̄^ ̄)ゞ
・シノン ⇒ シノ
・キリト ⇒ キリ
・アスナ ⇒ アッスー
・シリカ ⇒ シー
・リズベット ⇒ リト
・クライン ⇒ クラさん
・ユイ ⇒ ユー
・リーファ ⇒ リー
・フィリア ⇒ フィー
・ルクス ⇒ ルー
・レイン ⇒ レイ
・ユウキ ⇒ ユキ
では、長くなりましたが…本編をどうぞ!
マップに表示されないようなアルン裏通りの細い路地を総勢13名という大所帯で右左と進み、階段を上ったり下がったりとまるで迷路のような道を歩いていくと、その扉は存在していた。
見た目はなんの変哲もない円形の木戸であり、実際は開かない装飾的オブジェクトとしか思えないその扉は、大所帯の先頭にいるリーがベルトポーチから取り出した小さな銅の鍵が必要となる。
「…ふっ、わぁ〜〜…」
リーが鍵穴へと鍵を差し込み、開けてくれている間。あたしは口元へと左手を添えて、大きくこのアルンの大地の空気を吸い込む。その際、大きな口を開けてしまったのは、まぁ仕方ないことだろう。より多くの空気を吸い込む必要があったのだから…。
ゲームとは思えないほど、透き通った空気で肺を満たすあたしへと隣に立っていたキリとシノの同時に呆れ顔を作る。シノに至っては、膝であたしの横腹を小突いてくる。
「おいおい。今から攻略ってのに、大あくびする奴がどこにいるんだよ」
「もう、ヒナタ!しっかりしてよ。このパーティでは、前衛で貴重なプーカなんだから」
「ん!だいじょーぶ、大丈夫!キリもシノも任せといてって!あたしはそんなヘマはしない!!」
そんな二人へと綺麗な空気を肺に満たして、満足したあたしが自信満々にニコニコ笑って、二人へと。そんな二人の後ろで同じそうに不安そうな顔しているみんなへと親指を立てて答える。
そんなあたしをみて、みんなは心の中でこう思ったらしいーー
“ふ…不安だぁ……”と。
γ
開いた扉の向こうには、直径二メートル程のトンネルの床に造られている下り階段が現れる。そんな薄暗い階段を照らすのは、壁に掛けられた小さな青白い
そんな階段の一段目を降り始めたあたし達は早足で降りながらも、何分すぎても続く薄暗い階段に初めて挑むメンバーが目に見えて、嫌気がさしたような表情を浮かべていた。
「うわ、すごいねぇー、ここ」
そんなメンバーの中、あたしの後ろでアッスーと共に階段を降りているユキだけがどこかワクワクしているような声音で呟く。そんなユキの後ろにいるレイとリトの
「リズベットちゃん、この階段って何段あるのかな?」
「さぁ?あたしにもわかんないけど…間違いなく、もう数百段は降りたでしょうね。降りても降りても階段って、軽く地獄だわ…」
そんな3人の話し声を聞き、あたしはクルクルと左人差し指を回しながら、答える。
「んー、それはアインクラッドの迷宮区タワーまるまる一個分とかキリ、アッスーが言ってたよ〜」
それに、前攻略しようと乗り込んだメンバー以外が苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる。そんな表情を浮かべるみんなにコクンコクンとうなづきながら、あたしもこの階段を初めて降りたときの気持ちを思い出していた。
「あたしも最初はこの階段を降りた時は、みんなと同じ気持ちだったよ…。うん…長かった…」
「あの時のカナタ、すごい顔してたもんね」
「ん。でも、この道が一番最短なんだもんね!みんな、弱音を吐かずに頑張ろってこぉ〜!オォーー!!!」
自分で意気込み、自分で返事したあたしはハイテンションで階段を降りていく。時折、バク転やアクション俳優顔負けの技を決めながら、長い階段を降りていったあたしは最後の階段を降りた時には疲れていた。
攻略早々へたるあたしにシノが顔を覗き込みながら、優しく訪ねてくる。慈愛に満ちた藍色の瞳を見つめながら、あたしは淡く微笑む。
「あぁ…つかれた…」
「ヒナタがあんな馬鹿なことするからでしょう。みんな、あのアクロバットのおかげで楽しく降りれたのは事実だけど…。もぉ〜、これから、攻略なのよ?始まってすぐに死に戻りにとかは嫌よ」
「だって…あのまま、降りてても眠気がさぁ…」
薄暗いトンネルを抜けた先に広がるヨツンヘイムは極寒の地である。
顔の周りを舞う氷の結晶。分厚い雪や氷に覆われたフィールドは真っ暗であって、照明は氷の天蓋から何本も突き出す巨大な水晶の柱が導く地上の僅かな光のみ。その他にも、フィールドのあちらこちらに点々と邪神族の城や砦のところに青紫や黄緑色の篝火を焚いているが、それも地面と天蓋の間の距離が1キロくらいにあるので、あたし達のいる中央部からはフィールドをうろうろしているであろう邪神の姿を視認できない。
「あんなに寝てたでしょう?まだ、眠たいの?」
「…ん、眠い」
訪ねてくるシノへと欠伸を噛みしめながら答えると、あたしは真下にある底無しの大穴《ボイド》を覗き込む。あらゆる光をも吸い込むような大きな穴から視線を真正面へと戻すと、そこには無数に這い回る巨大な根っこーー地上のアルヴヘイムに屹立する世界樹の根ーーを抱え込むようにして、薄青色の氷塊が天蓋から鋭く突き出している。その逆ピラミッド、そこがこれからあたし達が挑もうとしている《空中ダンジョン》だ。
それを見つめているあたしへと、フィーが話しかけてくる。
呆れ顔で窘められるあたしへと、クラさんがつっかかってくる。無造作に生えたヒゲを動かしながら、必要以上に近づいてくるクラさんへと不敵に笑いながら、含みのある言い方をわざとする。
「毎回の如く、どんだけ眠たいのよ、あんたって…」
「もしかして、お前ら。今朝までお楽しみだったんじゃないだろうな?このリア充どもめ!!爆発しろ!!」
「んー、それはみんなのご想像にお任せ、かな?」
そんなあたしの言い方に顔を真っ赤にさせて物申したいシノがあたしの和服をつかんでくる。そんなシノにも不敵に笑いながら、あたしは狼狽するシノの反応を楽しむ。
「なんで、含みある言い方するのよ!何もなかったでしょう!昨夜はっ」
「何も?…あぁ、シノはそうかもしれないねぇー。あの時のシノって、ぐっすり寝てたもんねー」
「え?何それ。私が寝てる時に、ヒナタってば、どんなことしてたの…?いいように、朝まで弄ばれてたの…?私の身体…」
「フッハハハハーーッ!!!それはどうかな?真実を知るのは、あたしのみってね!」
「…今度から、ヒナタより先に寝ないようにしないと。何されるか、わからないから…」
身体を抱いて、あたしから離れるシノをみて、満足そうに笑うあたしへとチョップを決めてから、キリが親指で自身の背後を指差す。
「相変わらずだな、そこのバッカップルは…。見ているこっちが恥ずかしくなってくる。それとそういう話は、レインやルクス、シリカとスグの前ではNGな。ほら、4人とも顔を覆って、真っ赤にしてるから」
「へ?」
キリに指さされた方を見ると、同じポーズを決めている四人の姿がある。真っ赤な顔して目を覆っているレイ、ルー、シー、リーの四人から次々と氷柱のような冷たさのあるセリフを受け取りながら、あたしは懲りずに軽口を開こうとするのをシノに邪魔される。
「ウゥ…カナタ君とシノンちゃんが…」
「あんなことやそんなこと…を…?」
「ハレンチですよ!カナタさんっ!そんなのあたしの知ってるカナタさんじゃないです!」
「シリカちゃんのいう通りですよ!そんないやらしいカナタさんはカナタさんじゃないです!」
「あらあら。なんか、一方的にあたしだけ攻められてる…なして?」
「それはそうでしょう。寝込みを襲うとか…普通の人はしないわよ…」
「マジすか!?でも、近くに可愛い顔してスヤスヤ眠るシノがいるんだよ!?それを見て、ムラムーー」
「それ以上はダメって、さっき言われたでしょう!このバカヒナタ」
「ムグムグ」
もごもごと恋人に口元を塞がれるあたしを見て、眠気が完全に飛んだと判断したこのパーティの総団長のキリが苦笑いを浮かべながら、あたしへと声をかける。
「あはは…ふざけてないでいくぞ、カナタ。みんなも準備はいいかな?」
「イェサー!総団長!」
「その元気は、これから現るモンスターへとぶつけてくれ、カナタ」
そう言った
中途半端なところで終わりましたが、あまり長くても読みづらいかなぁ〜と思い、ここで区切ります。
レインがリズベットを呼ぶ時って、「リズベットちゃん」と「リズちゃん」のどっちだったっけ?と思い、リズベットちゃんの方がレインらしいなぁ〜と思い、そちらへとしました( ̄^ ̄)ゞ
今回はギャグ要素を入れておきたいなぁ〜と思い、下ネタを多めに入れました…。
あぁ、R-15のタグくれた方がいいなぁ〜と、思う今日この頃でした(笑)
また、シノンのしっぽを掴むイベントは前攻略した時に済ませているので、今回は書きませんでした。その際に、ヒナタもシノンのしっぽをにぎにぎしたのは…秘密です(笑)