sunny place 〜彼女の隣が私の居場所〜   作:律乃

64 / 205
なんとか間に合ったぁ…(大汗)

ひとまず、ハッピーバースデー、ヒナタ!!o(`ω´ )o

年はストーリーが進まないと取らないけど…君が生まれてくれたこの日に感謝を!!

ということで、かなり長めですが…ゆっくりと楽しんでください!

※二人の誕生日エピソードは簡潔に書きましたが、なるべく甘さをふんだんに詰め込みました!
読まれる際はブラックコーヒーをお供に読まれてください!

では、本編をどうぞ!!


020 A man of high caliber

ひんやりした青い氷が引き詰められた床に後ろ手に縛られることもなく、倒れこむ小さな肢体が特徴的な音楽族妖精(プーカ)・カナタに呆れや憐れみ、鬼胎(きたい)を含んだ視線を向ける中、そんな視線すら感じてないようにその小さな身体へとブーツをのせるのは、さっきまでそのプーカとこのボス部屋でお仕置きという名の命をかけた追いかけっこをしていた鮮やかな水色のショートヘアーからシャープな三角耳を生やしている猫族妖精(ケットシー)・シノンである。

 

“…あたし、何してるんだろ…”

 

シノンにブーツの踵の部分と全体を使い分けながら、小言も共に踏まれているあたしがこうして何も出来ずに無様に氷の床に倒れているのかというとシノンに捕まった後、チクッと橙の着物越しに麻痺する薬が塗られた(やじり)をアバターの背中に突き刺されたというわけだ。

 

「だいたい、貴女はいつもそうなのよ。私が目を離せば、知らない女性を連れてきたり、優しくしたりして…私がどんな気持ちでそれを見てると思うの」

 

“…ゔぅ…胸が痛い…。シノの小言が胸に刺さる…”

 

今の今まで溜め込んでいた憤りが破裂したのだろう、シノンが言い続ける小言に耳を傾けながら、あたしは長い時間かかりそうなシノンのお説教を早く終わられせるために態度も良くしようと今まで氷の床一点を見つめていた視線をシノンへと向ける。

 

しかし、今思えばそれがいけなかった。

 

そう、あの時のあたしはシノンの方見るべきではなかったのだ…だって、そこにはあたしにとっての楽園が広がっていたのだからーー

 

「……」

 

ーーまず初めに目に入ったのが、あたしのちっこい身体を踏みしめているシノンの細っそりしつつも健康的な筋肉がついている芸術的な脚、そしてその白い健康的な太ももへと食い込む黒いタイツ型の短パンとその下にある黒い輪っか。その更に上には緑色と黄色を基調とした弓使いらしい服装はこれまたSAO(あの世界)と同じくらいにセクシーであり、パックリと空いたお腹の部分にはその美しいお臍が丸見えでそのお臍を中心に薄っすらと縦筋が作られている。

そう、普段からのシノンの戦闘着はエロいのである…だがしかし、今のあたしの視線は地面側からシノンを見上げている。そして、シノンはいつもの怒りからあたしを踏みつけているイコール片足を上げているという事だ。脚を上げているということはそちらの方に重心が掛かる…掛かるということは、太ももや美尻へとヒットしている黒い短パンが食い込んでいるって事だ。

 

しかも、黒い短パンは布地が薄いものらしく、その短パンの下に履いているショーツの形が丸見えとなっているし、更にいうと筋もバッチリと目視出来る。

 

“あかん…これは絶景やわ…”

 

本来なら目をそらすのが常識なのだろう。だがしかし、その魅惑的なシワ達があたしの視線を引きつけてやまないのだ。なので、あたしは不躾に…普段はお目にかかれないローアングルからのシノンの姿にニヤニヤが止まらない。

 

「ねぇ、私の話聞いてる?」

 

そんなあたしの姿に疑問を覚えたのか、シノンが眉をひそめるとあたしを不機嫌そうに見下ろす。

見下ろしてくるシノンもこれまた中々に味があり、あたしの気持ち悪い笑顔が更に強くなる。

 

「聞いてる。聞いてるよ、でへへへ…」

「聞いてないでしょう、その顔は」

「聞いてるってば。そうだ、シノ、もう少し前のめりにあたしを踏んづけて」

「…へ?」

 

あたしの私欲まみれのリクエストと表情にいよいよ訝しがるシノン。しかし、そんなシノンなどには気に留めずに…あたしは私欲を満たそうと試みる。

 

「ほらほら早く。遠慮なんてしなくていいからさ、ね?」

 

身体を動かし、更にシノンの魅惑的なシワを凝視するあたしの視線を辿り、そして今の今まであたしが何を見ているのかに気付いたシノンが訝しがっていた表情を一瞬で激怒で染め、続けて羞恥に染めるとあたしの背中へと鋭い蹴りを入れる。

 

「なんでいきなりそんな事を……って、どこ見てるのよ!ヒナタ」

 

鋭い蹴りの後は素早くあたしの頭へとかかと落としを放ち、華麗な回し蹴りまでお放ちになられたうちの恋人殿が、その際に放った台詞が以下の通りである。

 

「こ…この変態プーカ!!人が真剣に説教しているっていうのに、そんな変なところばかり見て…少しは反省なさい!!」

 

シノンが怒鳴り声を上げつつ、あたしを蹴飛ばす中でもあたしはシノンのそこを凝視し続け、ダメージをまともに食らうことになったがシノンの知らないセクシーポイントや恥ずかしそうに頬を染めつつもあたしへと回し蹴りする姿にキュンキュンしたので、こういうお仕置きもいいなぁとあたしは麻痺か切れるまで終始ニヤニヤしたままだった。

 

 

τ

 

 

なんだか、スリュムはあたしとシノンの痴話喧嘩もとい夫婦喧嘩の尊き犠牲者となって、天に召されたらしい。

あたしはそれを聞くと心の中でスリュムのご冥福をお祈りした。そして、改めて思ったのは、シノンさんを怒らせてはいけないという事であった。

 

そんなシノンさんからのお怒りをその身に受けたあたしは今はメンバー総出でフレイヤさんの探し物を探していた。

 

がっちゃんこがっちゃんこ

 

と黄金の山を手でのけながら、あたしはフィリアと雑談していた。

 

「へ?つまり、フレイヤさんに惚れたとかじゃなかったの?」

「だから、そうだって。あたしの心は昔も今もブレずに一人の女性へと向いてますから」

 

そうひつこく聞いてくるフィリアにあたしは胸を張るとポンと胸を叩く。

 

「はいはい、ご馳走様」

「…聞いててその反応はどうかと、フィリアさん」

「あんたの惚気話は無駄に長いし、同じ事を続けて言ったりするから、聞いてるこっちが怠くなるの」

「…はい、ごめんなさい」

 

おさがりにそう言われれば、何も言えなくなる。

それ以降は無駄なことは口にせず、あたしもフィリアも黙って黄金の山からとあるもの…フレイヤさんの探し物を捜すために手を動かす。

 

「なんだか複雑だわ」

「その…気を落とさないでくださいね、シノン様」

「大丈夫よ、ルクス。心配してくれてありがとう」

 

そんなあたしのそばで黄金の山を掻き分けるシノンは顔を曇らせる。どうやら、一大事に自分を頼ってくれたのは嬉しいが、その頼る理由がこのメンバーの中で一番強烈な一撃を放つという意味から使われたというのが乙女心に傷ついたのだろう。

そんなシノンを宥めるルクスから攻めるような視線を向けられ、あたしはそっと二人から視線を逸らすとより一層黄金の山を掻き分ける。

 

「…しっかし、こんな山から黄金の金槌(かなづち)を探せって…少し無茶ではないかな?」

 

愚痴るあたしの向かい側にいたキリトへとリーファが声を掛けている。

 

「お兄ちゃん!雷系のスキルを使って!」

 

声を掛けられたキリトは一瞬戸惑った声をした上で右手の剣を大きく振りかぶると黄金の山へとその剣を突き刺した瞬間に青紫色のスパークが全方位へと疾走し、あたし達はそのスパークが止まっているところへと視線を向けると、そこに向かってキリトと共に走る。

 

「カナタ!」

「OK、相棒!なんも言わなくても分かってるって」

 

二人してがっちゃんこがっちゃんこ、と黄金の山を掻き分けてから探し出したさっき放ったスパークを帯びている細い黄金の柄と宝石をちりばめた白金の頭を持つ小さな槌…金槌を持ち上げ、フレイヤさんへと手渡す。

 

「はい、フレイヤさん」

「………ぎる…………」

「…へ?」

 

フレイヤさんから発せられたその声は明らかに彼女では無かった…むしろ、女の人でなく男性らしいハスキーボイス…って、えぇええええェェエエエ!!!??

 

「みな……ぎるうぅぅぅぉぉおおオオオオオーーーーーー!!!」

 

とハスキーボイスで叫び声をあげたうら若き女性…いいや、いつの間にか三メートル…五メートル……と大きくなっていき、腕や脚は最早大木のように逞しくなり、胸板も男性のように盛り上がり、右手に握られた金槌もまた持ち主に合わせてどこまでも大きくなっていき…フレイヤさんには無かった角張った頬と顎から髪と同じ色の長〜い、長〜いおヒゲが生えていた。

 

「…オッ…」

「サン」

「じゃん!?」

 

見事に重なる三人…あたし・キリト・クラインの声に振り返る元フレイヤさんだった巨人の姿を見たリーファとシノンが何か気づいたように声を上げる。

 

「"Freyja"から"Thor"になったということは…フレイヤさんは雷神トール?」

「そうです!この展開どこかで見たことがあると思いました!」

 

納得する二人とあの綺麗な女性がゴツい男性に変わり果ててしまった事によって驚きが隠せない三人組へと手に持った"雷槌(らいつい)ミョルミル"を小さくしたものを差し出すトールに更に微妙な顔をする三人組。

 

後々、シノンに聞いたのだが…トールが女神フレイヤに変装してスリュムの妻になると偽り、宴の席で何度もボロを出しそうになりつつも同行したロキの機転でやり過ごして、とうとうハンマーを取り戻すやその場にいたスリュム以下の巨人たちを片っ端から叩き殺すというほのぼの話と見せかけての残酷話を聞いたあたしは聖剣エクスキャリバーが突き刺さっている部屋へと続いている階段を降りながら微妙な顔をしたのだった…

 

 




というわけで、本編とエピソードはどうだったでしょうか?

二人のイチャイチャをなるべく詰め込まれたと思うのですが…読者の皆さんはニヤニヤ出来たでしょうか?

出来たのなら嬉しく思います!!



と、折角なので雑談を一つ…

メモリー・デフラグでアリス出ねぇ…(号泣)
アリスが欲しい…シノンも欲しい…でも、来ない…。

石を貯め直さなくては…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。