sunny place 〜彼女の隣が私の居場所〜   作:律乃

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お久しぶりです!
また、ハッピーハロウィンです、皆さん!

ハロウィンも終わりに近づいている今日この頃、皆さんはどのように過ごされているでしょうか?

私はごくごく普通の生活を送っております…(笑)


さてさて、今回の話は聖剣エクスキャリバーを引き抜こうとキリトさんが頑張るシーンです。
なので、陽菜荼は活躍しませんが…楽しく読んでもらえると嬉しいです!

では、本編をどうぞ!!

※短めです


021 A man of high caliber

「やっと付いたね」

「あぁ、そうだな」

 

あの大きい女神さんに頼まれ、トンキーとキーボウの仲間を助けたいが為に乗り込んだ逆ピラミッド型のダンジョンのボス部屋から続く階段を降りた先にあったのは…真円形のフロアの中央に、立方体の氷が鎮座してある。

その氷を取り込むように、計12人+1名が並び立つ様子は第三者からすれば圧巻であろう。

並んでいるあたしすらもそう思うのだから…と、並んでいるみんなを見て、惚けている場合じゃない。

 

あたしは左横に立つリーファへと問いかける。

 

「リー、ペンダントの光はどう?」

「小さい光が三つしか残ってないです。恐らくあと15分もないと思います」

 

まだ、余裕はあるけど…猶予はないと。

 

「これもそれもあたしがおふざけに全力疾走してしまった結果と……面目ない」

「分かってるならもうするなよ」

 

肩と落とすあたしの肩を呆れ顔のキリトがトントンと叩き、氷の内部に根付く細く柔らかそうな根元が繋がり、太くなっている根元を切断している黄金の剣の柄を握る。

キリトが掴んでいる剣の刃には小さなルーン文字が彫られており、眩い黄金の光を放つその長剣は垂直に伸びては氷の台座のかなり深いところまで突き刺さっており、キリトが掴んでいる握り(ヒルト)は黒革を噛み込んで作られており、柄頭(ボメル)には大きな虹色の宝石が輝いている。

 

その美しい長剣へと微笑みかけ、引き抜こうとするキリトの顔が瞬時に歪む。

 

「ぐっ…」

「キリ、どした?」

 

その歪む顔を見ながら、眉をひそめるあたしにキリトは踏ん張った表現のまま、答える。

 

「固く突き刺さってるのか…ビクとしないッ」

 

“マ…マジすか”

 

黄金の剣はあたしやキリトが思っているよりも深くに突き刺さっているらしい。しかし、このメンバーの中でその深く突き刺さった長剣を抜けるのはキリトしかいないだろう。

何故ならば、このALOというゲームはあたしたちが生死を共にしたデスゲーム・SAOと違い、筋力や敏捷力などの数値的ステータスがウインドウに明記されてない。なので、とある武器や鎧が今のレベルで装置可能かどうかの境界も曖昧で、"楽に扱えるから"とか"やや手応えがあるから"とか"体が振り回せる"とか"持ち上げるのも困難"などなど、プレイヤーの無意識というか…感覚に頼っているところがある。故に、明らかに自分に合ってない武器を鎧を使用し、逆戦略を落としているものを見たことがある。

だが、プレイヤーの感覚に頼っているといっても、ここはシステムが管理する仮想世界…だから、プレイヤーの筋力等を管理しているはずで…つまりそれは"隠しパラメータ"ということになる。種族や体格で決定される基本値が、スキルでのブーストやマジック装備のボーナス、支援魔法等で補われるというわけだ。もっというと、基本値だけ見れば、あたしが選択した音楽族妖精(プーカ)は一番ひ弱だろうし、キリトが選んでいる影族妖精(スプリガン)はクラインが選んだ火族妖精(サラマンダー)よりも劣る。

しかし、クラインは技のキレが身上の刀使いとして、スキルや装備の補正を敏捷力に振っている。かくいう、あたしもクラインより重い刀が好きで…この腰に吊るしてある愛刀もクラインに比べると重いのだが、あたしは選んだ種族上、攻撃も当たってはいけないという弱点(ハンデ)を伴っている故に筋力へと半、敏捷力へと半って感じに割り振っている。なので、"重い剣"と黒をこよなく愛するスプリガン殿と比べると必然的に筋力は劣る。

ということは、そのスプリガン殿が顔を歪めるくらいめり込んでいる黄金の長剣《聖剣エクスキャリバー》を台座から引き抜くことはここには誰もいないというわけだ。

 

それをみんな理解しているらしく、エクスキャリバーを引き抜こうと力を込めるキリトへとそれぞれ応援の声をかける。

 

「頑張って!キリトくん」

「ほら、もうちょっと!」

「頑張ってください、キリトさん!」

 

などなどと黄色い声援が狭い部屋の中響き渡り、あたしも戦友を応援しようと声を張り上げる。

 

「キリっ!この瞬間この時だけにその無駄に鍛えた筋力を使い切る時が来たんだよッ!!!」

「オイそれどういう意味だ!」

 

両手をエクスキャリバーで掴み、身体を極限まで反り返りながら、踏ん張るキリトがあたしの応援を聴き、キレ気味に振り返った時にその手に持っているのは黄金の長剣で---

 

「…あっ…」

「おーっ…」

 

---キリトは手に持った長剣をパチクリと見つめ、あたしはヒュー…と口笛を吹き、長らく沈黙が続いたのだった……




というわけで、何ともいえぬ所で終わった今回の話ですが……この何ともいえぬ話を含めて、あと4話くらいとなったこのキャリバー章ですが、アリゼーション編の1話にGGOのシーンやフェイタル・バレットのキャラが出演していましたので…私も簡単ながらも"死銃編""オーディナル・スケール編"を書かせていただきたいと思います。
出来るだけ早く…アニメに近づけるように更新できると思うので、よろしくお願いしますm(_ _)m

また、土曜日か日曜日に…キャリバー編の残りの話を連続更新しようと思ってます。
所々長い話もあるかもしれませんが、楽しんで読んでもらえるように書けたらと思います!

そして!!メモリー・デフラグの方でハロウィンアリスをゲットすることができました!!
いやぁー嬉しい!!
あとは☆6のシノンとレインちゃん、そしてシリカちゃんをゲットするのみです!!
それまでガチャらないと…(笑)

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