何故か、書いていると百合展開へと発展してしまうんです…純粋に友情を書きたいだけなのになぁ…(笑)
百合ってタグ入れた方がいいかなって、今本気で悩んでいる私です。
お気に入り登録・60名となりました!本当にありがとうございます!!
ゆっくりと更新して行きますので、どうかよろしくお願いします(礼)
※多くの方に感想を頂き、改善した点があります。
①本作のタイトルが、他の作品とタイトルが似ている為…タイトルを返しました
②この#6で、間違えていたところを書き直しました。
本当に至らぬ点ばかりで…申し訳ないです(汗)
以後は、こういうことがないようにしたいと思いますので、これからも応援の程をよろしくお願いします(礼)
※※4/23〜誤字報告、ありがとうございます!
私の幼馴染はガサツで、面倒臭がり屋である。
例えば、彼女は料理は得意であるが掃除が苦手というのは…多分、いや確実にこの性格ゆえであるだろう。彼女の面倒くさがりは度を過ぎていて、彼女をほって置いたら、部屋中がゴミだらけになるほどである。彼女曰く、自分が必要としているものを効率良く手に入れる為に構築されたポジションとの事であるが…はっきり言おう、な訳あるか‼︎と
しかし、彼女の性格を知っている私からして、この面倒くさがり屋を直すことは絶対に出来ないであろう。ならば、私はこれまで彼女に迷惑を掛けてきた分、彼女の世話を引き受けよう。それで、彼女への恩を返せるかどうかは分からないが……
γ
中学校生活の約三分の二を終えた今日この頃。
私と陽菜荼は、いつもの如く屋上に居座っていた。二人して、いつかのときに大喧嘩したベンチへと腰掛けて、昼ごはんを食べるのが日課となっていた。
そして、日課となっている屋上のお昼ご飯を食べ終えた私たちは、自然と卒業後の話へと花を咲かせていた。
「いやぁ〜、もう卒業って早いもんだねぇ〜、詩乃」
「えぇ、そうね」
「なんか、素っ気ないな、今日の詩乃。まぁ、いつもの事だし、いいけどさぁ〜。
ちなみに、詩乃はどの高校に行くつもり?」
「私は働くつもりよ。お爺ちゃんとお婆ちゃんにはまだ言ってないけど」
「ふーん、そう……えぇえええええ!?!?」
陽菜荼が問いかけてくるのを、淡々と受け答えしていると左耳からつんざくような声が聞こえてきた。私は、左耳を押さえて、その声がした方を睨むと空のように透き通った大きな瞳をまん丸にした幼馴染が凄い勢いで、私の両肩を掴んできた。
「なんで!?」
「なっ、なんでって…?」
私の答えが余りにも衝撃的だったのか、陽菜荼はユサユサと無意識に私の身体を揺さぶりながら、自然と私へと顔を近づけてくる。
“なんなのよ、もう”
彼女から漂ってくる異様な熱意と、いつもの行為に呆れと戸惑いを隠せない私はグイグイと近づいてくる陽菜荼の顔をあちらへと押し返す。
最近になって気付いたのだが、どうやら顔を近づけてくるのが、彼女マイブームらしく……私としてみれば、幼馴染といえど気恥ずかしいのでやめてほしいと思っている。
「あたひといっひょのこうひょうひってくれるひゃないの。こにょ、うらひりもにょお」
「何言ってるのよ。言葉噛みすぎてて、意味が分からないわよっ」
私が顔を押さえつけているにも関わらずに喋るので、正直に彼女が私に何を伝えたいのかがよく分からない。私がつっぱっている両手を離すと、私へと倒れこんでくる陽菜荼。そのまま、抱きついてくる陽菜荼に私は終始困惑。
「……ぅっ、ぅぅ……」
「……」
「ぁああああ」
固まったままの私にグイグイと近づいて、更に強く抱きついてくる陽菜荼は、終わりには泣き出してしまう。
“泣きたいのは私の方よ…”
全く、意味がわからない。本当に意味がわからない…。身に覚えないし、何ゆえに泣かれているのかも見当がつかない。
“でも、珍しいわね”
そう、彼女がここまで涙を流しているところは見た事が私に無かったのだ。本来なら、立場が逆なのだが……何故か、今は陽菜荼が私の胸へと顔を埋めて泣いている。
流石にここまで泣かれると罪悪感に苛まれるので、私は陽菜荼の癖っ毛の多い栗色の髪へと右手を乗っけるとゆっくりと撫でる。
「陽菜荼…私が悪かったわ…。だから、泣き止んでよ…ね?」
「……いや、詩乃が高校行くって言うまで、大泣きする…」
“え…、そんな子供みたいなタダをここで……?”
彼女がタダをこねることも余り無いのだが…、どうやら私の就職希望が余りにもショックだったらしい。しかし、私としてみても、このまま泣き続けられると精神的に参ってくる。そんな私の気持ちを知ってか知らずか、いきなり大声を上げて泣き出す陽菜荼。
「うっああああん」
「ちょっ、何、突然大声で泣いてるのよ!」
「ぁああああん」
「分かったわ、分かったわよ!どうせ、お爺ちゃんとお婆ちゃんには反対されそうだったし、高校に行くわ。だから、泣きやーー」
「ーーやったぁ♪大好きだよ、詩乃」
“オイッ”
満面の笑みで私から顔を上げた陽菜荼の頬には、一筋も雫が通った道が着いていなかった。
どうやら、私はまんまと彼女の嘘泣きに騙されたらしい。ガクッと肩を落とす私に、陽菜荼はしてやったりといった感じで笑っている。パタパタと両脚を動かして、下を向いている私の顔を覗き込んでくる。そんな陽菜荼を睨みつける私は、深く溜息をつくと、こくんと頷く。
「女に二言は無いからね、詩乃っ♪」
「……はぁ…、陽菜荼が行くところに一緒に行く……でいいかしら?」
「充分だよ、あたしが勉強を教えてあげるからさ。二人で必ず、受かろうね〜」
「えぇ…、出来る限りのことはするわ」
やる気満々の陽菜荼と、シブシブと言った感じで高校を目指すことになった私の受験生活が始まった…
γ
結果的に言うと、私と陽菜荼は第一希望としていた東京の高校へと受かったのであった。
私が家に帰って、それを告げると、お婆ちゃんとお爺ちゃんは喜んでくれたが…その瞳に一瞬だけ、複雑な色が浮かんだのを私は見逃さなかった。
東京へと向かう当日、荷物をまとめているとお婆ちゃんが私の部屋へと来た。ゆっくりと片付いていく部屋をさみしげに見たお婆ちゃんは、ポツンと呟く。
「本当に行ってしまうのかい?詩乃」
「うん…心配しないで、お婆ちゃん。陽菜荼も一緒だもの…大丈夫よ」
「そうね、陽菜ちゃんもいるものね…」
お婆ちゃんは、近くにある物を手に取ると
「これはこっちのダンボールかね?」
「うん、そうだよ。ありがとう、お婆ちゃん」
「二人でした方が早いもの」
「うん、そうだね」
お婆ちゃんのおかげで、片付いた荷物と共に私は新たな生活を送ることになるマンションへと向かう、幼馴染と共に……
変な終わり方?
しかし、原作でもこんなやりとりがあったのではないかなぁ〜って私は勝手に思ってます(笑)