sunny place 〜彼女の隣が私の居場所〜   作:律乃

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すいません、長い間更新出来なくて……(大汗)

久しぶりの本編だったので、どう書けばいいのか迷ってしまいまして……ここまで時間が経ってしまいました……(汗)

すごく久しぶりなのでどこかおかしなところがあるかもしれませんが、最期まで読んでもらえると嬉しいです。

それでは、本編をどうぞ!!


【★】カランコエを添えて011

【GGO首都 SBCグロッケンの酒場】

 

ビリヤード台に腰をかけて、足を組むと台に置いた右腕越しに黒い棒を構えると穴に向かって勢いよく棒を突き出す。

 

「ふっ」

 

すると、ガタンとボールとボールがぶつかり、ビリヤード台に取り付かれている穴へと吸い込まれるように4と書かれたボールが落ちていく。

 

「凄いです! カナタさん」

 

隣で嬉しそうに拍手するピンクと白の戦闘着を愛用して桃色の髪をサンドテールしている友人・クレハへと両手を突き出すとポンッとハイタッチを行なうと背後から近づいてくる全身を真っ黒なゴスロリ衣装に身を包んだ友人・スキアへと黒い棒を差し出す。

座っていた真っ赤なビリヤード台から飛び降りるあたしを出迎えるのはスキアの相棒で自称有能かつ高性能なAIであるアファシスのマフユだ。

 

「ほんとに凄い。カナタにこんな特技があったなんて、人は見かけによらない」

 

眠たそうに開かれた水色の瞳は長めの黒髪によって隠されており、パチパチと両手を叩いてくれてはいれるものの上のセリフ通り、彼女にとってマスターでもなんでもないあたしのプレイなんて些細なものなのだろう。実際、あたしがマフユに何をしても彼女は無表情を崩さないし口数も多くならない。

 

「えへへ〜、凄いでしょう? って、マフユさんのそれは遠回しの悪口で?」

「どう捉えるかはカナタ次第。それよりボクはマスターの技の方が見たい。やってみて、マスター」

「それ扱いされてる時点で馬鹿にされてるよね……」

 

時々、マフユのソルト対応が悲しく、必要以上に胸に来ることがある、本当どうしてだろうか……。

そんなあたしの心境を知ってか知らずかスキアはあたしの赤いジャケットをくいくいと引っ張るとビリヤード台を指差す。

 

「カナタさん、その技はどうやってなさいますの? こうですの?」

「ちゃうちゃう。スキアはまず肩の力を抜くことにした方がいいよ。ほら、リラックス〜」

 

スキアの真っ黒なゴスロリ衣装に包まれた細っそりした肩へと不躾に両手を添えたあたしを目ざとく見ていたのは我が恋人殿でその性格を表しているような鮮やかな水色の髪を揺らしてあたしに近づくとムギュと耳を摘まみ上げる。

 

「遅れて来た癖に何楽しく遊んでるのかしら?」

「すびまぜん、シノン様」

 

耳を引っ張られながら、半強制的にさっきまで座っていた席へと座らさせたあたしの隣に腰掛けているクラインが"ざまぁみろ"とニヤニヤ笑っているので思いっきりブーツで足を踏んでおいてからズズッとジンジャーエールを啜る。

因みに椅子の座り順はあたしから右にクライン、キリト、アスナ、リズベット、シリカ、シノンといったもので、その向かい側に座るリズベットにツンツンとツネを突かれる。

 

「ね、本当にあんたって遅れて来たの? シノンの説明だとまるでどっかの茂みからシノンがピンチになるのを待ってたみたいじゃない」

「いやいや本当にタイミングよくあの場所に駆けつけたんだって」

「本当に〜〜ぃ? なんだか怪しいわね」

「……何が怪しいってんだ……」

 

頭を抱えるあたしへとニヤニヤと意味深な笑みを浮かべているリズベットへとムスーと頬を膨らませながら見つめる。

 

「だって、シノンがピンチの時にカッコよく助けに入ったらいいところを見せられるじゃない。冷え切ってしまったシノンの中のカナタの評価を上げるチャンスじゃないかしら?」

「冷え切っているってなんだ、冷え切ってるって。そもそも、いいところ見せる前に仲間がピンチなんだから、カッコつけている場合じゃないでしょ」

 

そう言ってから"もうこの話は終わり"という意味を込めてから左手を横に振ってからジンジャーエールを啜る。

そんなあたし達の会話というか会議を聞いていたのか、さっきまでビリヤードを楽しんでいたスキア、マフユ、クレハが階段から降りてくるとあたし達の輪へとひょっこりと顔を出す。

 

「何の話をしてますの?」

「おう、スキアにクレハ、それにマフユか」

「こんにちわ、クラインさん」

「マスター。ボク、カナタの方に行きたい」

 

ひょっこりと顔を出すスキアの脇から同じく顔を出すクレハは揃ってクラインの隣に並んでおり、丁度クラインの目線の先に二人の胸元があり、顔には出さずともクラインの中でほんの少しほどやましい気持ちがあったのだろう…そのやましい気持ちを敏感に感じ取ったマフユはくるりと身を翻し、すぐ隣のあたしを壁にするような位置に移動するのを見届けた後は苦笑いを浮かべる。

 

"あたしってマフユの中で使い勝手のいい用心棒か雑用係なのだろうか?"

 

もしそういう認識ならば少し……いいや、かなり辛い。でも、まあ……どんなように認識されてようが助けを求めてくれたら、何があっても駆けつけようとは思う。だって、あたしにとってここに集まっている仲間達、そしてここに参加してない仲間達と一緒に体験した事はあたしにとってはかけがえないものだから。

 

「あらら。それではカナタさんの方行きましょうか」

「待って、ならあたしもカナタさんの方行くから」

「おいそれってないだろ……」

 

そんな湿っぽい事を考えているといつの間にかマフユのところへとスキアとクレハも集まっており、ガクンとクラインが落ち込んでいるのを見ていると流石に可哀想になり、ポンポンと背中を叩いてあげる。

 

「それで、皆で何の話をしているの? シノン」

 

あたしの隣へと移動した仲良し三人組はシノンへとさっきまで話していた事を尋ねる。

その質問にシノンは手に持っていたアイスコーヒーを机に置くと三人へと振り返ってからさっきまで戦っていた妙なスコードロンの話をするのを聞いてから、スキアは細っそりした指を顎に添えると形の良い黒い眉をしばしひそめてから話題に上がっているスコードロンを思い出そうと記憶の引き出しを開けていってから遂に思い出そうとしていた記憶を思い出すとスコードロンの特徴を言う。

 

「ここ最近でフィールドに現れるようになったPKスコードロンの話をしていたの。周りでも話題になっているでしょう?」

「あー、あのPKスコードロンですの。確かに有名ですわね、普通のPKスコードロンはアイテムやお金が目的なのに倒してもそれらを一切取らずにプレイヤーを襲い殺す事だけを淡々と行なっているらしいですものね」

 

淡々な口調ながらも苦々しい顔になるスキアにアスナはハッとしたような顔になると恐る恐る尋ねる。

 

「スキアちゃん達ももしかしてあったことあるの?」

「わたくし達は今のところはあった事ないですわね。それに狙われたところで其々ソロプレイには慣れてますもの、そんな簡単にやられはしないですわ」

 

不敵に笑うスキアの隣で大人しく話の流れを聞いていたマフユが気になることがあったのか、長めの前髪に隠れている眉をひそめる。

 

「もって事はアスナ達はそのスコードロンと戦ったことがあるの?」

「アスナ達は戦った事は今回が初めてじゃないかしら? 私とカナタはしょっちゅう鉢合わせちゃうけど」

 

そう言って、責めるような視線を左横から感じて、あたしはその視線から逃れるように宙を彷徨うと乾いた笑い声を浮かべる。

 

「あははは、そんな怖い顔しないでよ、マイスイートガール」

「貴女が余計な面倒事を増やしてくるからでしょう」

「……すんません」

 

シュンと肩をすぼめた時に視界の端にあった黒い塊が右隣へと傾いていくのが見えて、顔を上げると長い黒髪を揺らしてからキリトがアスナの肩へと頭を乗っけてからスヤスヤと寝息を立てている。

 

「……すぅ……すぅ……」

 

そういえば、あたしが"あの機械"から目を覚ました時に隣で同じようにテストプレイをしていたはずのキリトの様子がなかった……それに隣のシーン湿っているように思えた……これは憶測でしかないが、キリトはテストプレイの後に泣いていたのかもしれない。何に対して泣いていたのか? それはわからない、だってあの世界での出来事は現実(こちら)には持ってこれないのだから。

 

"でも、なんでだろ……あたし自身、あの世界に置いてけぼりにしてきたものがある……ような、気がする……"

 

それが大切なものだったのか、忘れたいくらいに嫌だったことなのか、それすらも思い出せない。

モヤモヤする気持ちごとこの問題を忘れようと試みているとあたしの名前を呼ぶ声が聞こえて、前を向くと心配そうな顔をしているシリカが居た。

 

「タさん……? カナタさん……?」

「……!」

「さっきからボゥーとしてますよ」

「…あはは、あたしもキリと同じで眠いんだろうね…」

 

実際眠いし、さっきから瞼重たいし……もうこうして話しているだけでも気怠く感じて、このまま机にふっしたい思ってしまう。

 

「もう〜っ、主要メンバーが二人揃って、体調不良なんてシャレにならないわよ」

「……あはは、面目無いっす」

 

カキカキと頭をかくあたしはログアウトしていくみんなを見送った後にシノンの用事が終わるのを待った後にようやく我が家の布団に潜ることが出来るのだった。




これまた久しぶりの登場のスキアちゃん、マフユちゃん、クレハちゃんの三人組。
変な口調なってなかったのか、心配ですが……個人的にはこの三人娘は書いてて楽しいのです(笑)
幼馴染だからこそなせる技といいますが、目と目で通じ合える仲っていいですよね〜(微笑)



最後に、この前Amebaさんにて【SAOシリーズ10周年記念】と約3時間特番がありましたねッ!!(うおおおおおおおおおおッ)

私は終わってから視聴させてもらったのですが……いやー、キャスト陣の皆さんの浴衣姿が眩しくって…… はぁ……やはり、和っていいですね……(しみじみ)
と、浴衣の話題は程々にして……肝心の内容についてですが、SAOファンからすれば嬉しい話題が盛りだくさんでしたね!

主な項目は【SAO1期、2期のキャスト陣が選んだ話数や他のところでの見どころと振り返り】【アリシゼーションの前半のキャスト陣の選んだ話数や他のところでの見どころ、そして War of Underworld最新情報】【10周年記念 SAO展 エクスクロニクル】の三つが主な内容で【松岡さんとヒロインでの二人っきりでの対話】というのもありましたね(微笑)

私が特に目を引いたのは【10月から始まるアリシゼーションの後半の新情報】【10周年記念 SAO展 エクスクロニクル】の事でしょうか。

まずは【アリシゼーション War of Underworld】のキービジュアルとPV どちらも凄い良かったですよね……もうテンションがマックスになりましたね〜♪ 映像綺麗だし、原作を読んでいる身からすればあのキービジュアルはね……また、前半が背景が青系統だったのが、後半は背景が赤系統なのですね……しかも禍々しい感じですもんね……あと、左上のあの人がね……あの人が、ね………とこれ以上書いてたら、ネタバレしちゃうと思うのでここまでにしようと思います(微笑)

続けて【エクスクロニクル】のコーナー説明はどのブースも魅力的でしたね!!
しかもバイノーラルマイクで録音したキリトくん、アスナちゃん、ユイちゃんの声が聞こえるんですよ!!絶対それだけでもテンションが上がりますね〜♪
また、小さい頃のアリスちゃんAIとお客様AIとの会話っていうのが心弾みますねっ。
他にもグッズもいいですよね……特に10周年記念のイラストが描かれているファイルのイラスト……アリスちゃんのドレス姿……特にスリットがかなりやばいところまで入っていることに目のやり場に困る一方、素足が綺麗だなぁと改めて思いました(微笑)

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