fate/kaleid liner ~転生の士郎~   作:kimito19

4 / 9
あ、どうも作者です。お気に入り登録、感想、評価して下さった読者の皆様ありがとうございます。これからもよろしくお願いします


第三話 懐かしく平和な日常

side士郎

 

俺が衛宮家の養子となり早五年が経とうとしていた。俺も養子になった直後は小学一年だったが、今では立派に(自分で言うのもなんだが…)最上級生だ、イリヤも一歳だった年齢も今年で六歳幼稚園の年長だ。親父たちは相変わらず色々なところを旅をして、何らかの仕事をしている。何をやっているのかは、セラやリズに聞いてもはぐらかされて教えてもらえない。たまに帰ってくる親父たちに聞いた時はボランティアだとか言ってはいるが、仕事なんだからボランティアなわけがない。まあ、教えてもらえないならそれでもいいんだが。ちなみに親父たちは俺たちの行事にはギリギリ間に合うように帰って来る、流石に参観日までは無理っぽいがイリヤの入園式や俺たちの運動会なんかには帰ってくる。入園式の時にかなりギリギリだったから俺もセラもリズも心配したし、イリヤも心細いのと親父たちがいないから泣きそうだったりで心中穏やかじゃあなかった。その後も俺たちと一言二言喋った後すぐに仕事に戻ったりとかなり忙しい様だ、俺的には俺のことは良いからイリヤの行事には行ってほしいところだ。俺はこれで二度目の小学生で、これからも二度目の中学生や二度目の高校生がある。(高校三年からは初めてだが…)正直気恥ずかしいのも本音だ。まあ親父や母さんには無理せず頑張ってほしい。

鍛錬は衛宮家に来た翌日から始めている。まず筋力は筋トレや走り込みそしてリズに戦闘訓練の相手になってもらっている、もちろんリズには何か武術を習得していてそれを教わっているとかそう言う訳じゃあない。乱暴な言い方をすると、ケンカの仕方やケンカの時の身体の動かし方を実戦形式で教わっている感じだ。イメージしやすく言うなら、セイバーと剣の鍛錬をしている感じだ。けれど、驚いたことに当時からボッコボコにされることはなかった、その理由は魔術回路にあった。魔術はハッキリ言ってかなり驚いた、というよりも人間の限界を超えている感じだった。魔術を使えるようになり、一番最初に使用した魔術は身体の解析だった。俺の身体にあったのはセイバーの鞘全て遠き理想郷(アヴァロン)があった、安心した俺と彼女の繋がりはまだ切れていないのだと…そして俺の魔術回路の事だが、前の世界の十倍つまり二百七十本更にサブだけで百本あった。よくよく思い出してみたらあの時、俺が聖杯の穴に吸い込まれた時に聖杯の奴が俺を死ににくくしてやると言っていた。つまりあいつは、俺を化物みたいに強化して死ににくい身体を造ったという事か?いや、この身体自体はこの世界の士郎という人間の肉体だ可能性があるとしたら、この世界の俺の前の両親というか家系はアインツベルン並みの魔術の名家なのだろうか?というか一つ思ったのだが、アインツベルンは今でも健在なのだろうか?親父たちの話が本当ならもう聖杯戦争が起こらない、つまり聖杯の器となるホムンクルスが無い。アインツベルンが滅んだのなら聖杯に入れるための中身を用意したところで意味が無い、つまりアインツベルンが滅べば聖杯戦争が自然消滅するのか?だが、もし間桐が別世界の様に桜の様な聖杯を用意していたら?けれどあれは不完全な聖杯だったやはりそれくらいでは戦争は起きないのだろうか?確かあの時は、あの妖怪ジジイが桜の中に前回の聖杯の器で外壁の役目をしていた母さんの欠片を、桜に埋め込んだために起こった出来事だったはず…この世界では母さんは生きているつまりあの妖怪ジジイの手では自力で聖杯の器を作ることは不可能という事なのだろうか…

まあ、聖杯戦争の事は自力で調べれるだけ調べることにした。だが、俺の出生については流石に自力で調べるのは酷なため、親父に頼むことにした母さんに頼んだら変な誤解して泣かれそうだし母さんに頼むのはやめることにした。

 

~~~☆~~~☆~~~☆~~~

そして、衛宮家で事件?が起きた。それはとある日の朝の事だった…

 

「この後は、洗濯して洗濯物を干して朝食を作った後にシロウさんとイリヤさんを起こして……」

「ああ、セラおはよう」

「お、おはようございますシロウさん。それで、キッチンで何をなさっているのですか?エプロンまでして…」

「ん?ああ、早く目が覚めてねすること無いから家事してるだけだよ。親父たちから俺のこと聞いてるんだろ?前の世界では朝からずっと家事してたからか、なんだか魂まで染みついてるみたいでさ落ち着かないんだよ。だからさ、セラもいつもいつも世話になっているから偶には手伝おうかと思ってね」

「そ、そうでしたか…それでは私は洗濯を…」

「ああ、洗濯ならもう終わらせておいたよ」

 

俺が朝食を作りながらそう言うと、セラは庭を見ながら何も言わずに固まっていた。どうしたというのだろうか?

 

「シロウさん…いえ、シロウ一つお聞きしますが私たち女性陣の下着はどうしたのですか?」

「どうしたもこうしたも、普通にあら…ひっ!」

 

セラを見ると彼女の背後に何か可笑しな凄いオーラを感じた。この感じ、この足が一歩も動けなくなるような恐怖、これはまるで…そうだまるでバーサーカーを相手にしたようなそんな感覚が俺を襲った。

 

"衛宮士郎いいか。お前は戦う者ではなく、生み出す者にすぎん余分な事など考えるな。お前に出来る事は一つだけだろう。ならば、その一つを極めてみろ。忘れるな、イメージするものは常に最強の自分だ。外敵など要らぬ。お前にとって戦う相手とは、自身のイメージに他ならない"

 

アーチャー!?お前どこから現れた!しかもそれ、俺聞いたこと無いんだけど!それ別ルートのお前が死ぬ前に俺に言った言葉だから、今お前ここに居ないから!

さて、どうする俺に何ができる?考えるんだ、ここで何か言い訳をしたって意味は無い。いや、それどころか逆効果になるセラをこれ以上怒らせるわけにはいかない俺の命にかかわる。ならば本当のことを言おう、謝ってそれから本当のことを自分が思っていることを素直に言うことにしよう。

 

「わ、悪かったよセラ…でもそれにさ自分の下着や他の服は洗ったのにみんなのは洗わないのはどうかと思うし、それに俺、前の世界で女性陣の下着洗ってたし今更感があるんだよね~……あ、そういえばセラって意外と下着は可愛いの付けているんだな♪」

 

その時、セラの目が赤く光った。声にならない怒声を上げると一瞬にして俺との距離を詰めた、そくざに俺は刃物とコンロの火を消した。

 

「この、天然ノーデリカシー男こここぉぉぉぉぉぉ!」

「なんでさささささぁぁぁぁぁ!」

 

ああ、前の世界の爺さん。この世界でも俺はこのでも何ら変わりない日常が幕を開けるようだ……

 

~~~☆~~~☆~~~☆~~~

 

とある日の昼下がり、俺はこの冬木市を調査とは名ばかりの散歩をしていた。柳洞寺に前回の聖杯降臨地である冬木市民会館(いまだ未完成)それからあまり行きたくないが教会にも足を運んだ、と言っても中にまで入ったわけではない。言峰がこの世界に居るにちがいない、ハッキリ言って俺はあいつが嫌いだからな。遠坂の話によれば、俺がアーチャーと戦っている時に遠坂を殺そうとしたり、遠坂の親父さんを騙しうちで殺したりと俺はあいつが気に食わないことだらけだからな。その後、間桐家の前を通ってみたり遠坂家の前を通ってみたりした後、当然といえば当然なのだろう。俺は前の世界での衛宮邸こと武家屋敷の前まで来てしまっていた。何だか懐かしい気分になっていた、確かにこの家にはもう何年も帰っていない。でも、何故かこのしまった門を開け玄関の扉を開けると、セイバーや遠坂それに桜や藤ねえの声まで聞こえてきそうだ……いかいかん、ホームシックになっている場合じゃあない。この世界ではこの家はもう俺の家じゃあないんだ、俺の家はちゃんとあるんだから……

 

「どうしたの君?迷子かな?」

 

横から声がし声のする方を振り返ってみると、そこにいたのは若かりし頃の藤ねぇこと藤村大河だった。驚いていないと言ったら噓になるが、考えなかったわけではない。この世界には切嗣にイリヤ、学校には実はさらっと慎二や桜更にはたまた遠坂まで居た。そんな世界だ、藤ねえがいる事を考えなかったわけではないが…まさかこんな風に出会うとは…

 

「えっと…その…あの…」

「ん?」

「どうかしたのかい、大河ちゃん?」

 

藤ねえの後ろから低く野太い老人の声が聞こえてきた。藤ねえと俺がその人物を確認してみた。

 

「あ、おじいちゃん!」

「ら、雷画のじいさん……」

 

そう、そこに居たのは藤村組初代組長。婿養子ではあるが、後を継げる藤ねえの父親が居るにもかかわらず、未だそのカリスマ性は失われておらず、彼の号令で藤村組全員を動かせるほどだ。

 

「あれ、うちのおじいちゃんのこと知ってるの?」

「あ、えっと(しまった…)ふ、藤村組の皆さんは冬木じゃあ有名ですから」

「あ~そっかそれなら仕方ないね!」

 

 

危なかった、この時は藤ねえのアホさ加減に感謝したことはない。

 

「まあ、そんな事はええじゃろう。大河ちゃんこれおこずかい、大学頑張ってくるんじゃぞ」

「うん、それじゃあおじいちゃん行ってきま~す!」

 

やっぱりこの世界でもこの人はまだおこずかい貰ってたのか!

 

 

 

~~~☆~~~☆~~~☆~~~

 

ここで、聖杯くんの豆知識のコーナー!

 

藤村大河、彼女はこの作品というか今回の話では、士郎くんが衛宮切嗣から助けられて五年後の世界というのは読者は分かっていると思うけど、この時の藤村大河の年齢は二十歳。そしてこの五年後には二十五歳、こんな年齢じゃルート何てできやしないよね受けるwwwww

更にこの五年後は西暦2004年、その年に第五次聖杯戦争が起きたんだけど…この駄目作者が書いている西暦は2017年、つまり士郎くんが当時十六~十七だからもし現実に居たら今頃三十歳くらいになるだろうから、もう世界に殺されて英雄エミヤになってるんじゃあないのかな?

 

そんな訳で聖杯くんの豆知識コーナーでした!また来世!

 

~~~☆~~~☆~~~☆~~~

 

 

 

あれ、今変なコーナーっぽいものが行われたような……まあ良いかそんなこと。俺はここから離れるためにこっそりと離れようとしたが、

 

「おい、何をコソコソしておる小童」

 

ダメでした。

 

「い、いえ、俺もそろそろ家に帰ろうかな~と思いまして…」

「そうか、一つ訊ねるがお前さんはこのボロ屋敷に何かようがあったのか?それとも本当に迷子か?」

 

雷画の爺さんはまっすぐな目で俺に質問を投げかけてきた。魔術の事は一般人に言ってはならない、けれどこの人には嘘を吐きたくはなかった。この人には、前の世界で俺も切嗣もとても良くしてもらいお世話になった。今ではただの赤の他人だ、お礼をすることはもしかしたら出来ないのかもしれない…ならばせめて魔術の事は隠し、噓を吐かないようにするのがきっと筋なのだろう。

 

「迷子ではないです、俺はこの屋敷やこの周辺を見に来たんです」

「ほう、理由を聞いてもよいか?」

「ええ、俺は昔この家によく似たこの町によく似た場所で住んでいました。それで少し懐かしくなって」

 

話が終わると、雷画のじいさんは「ふん、そうか」と言い踵を返し藤村組に帰って行った。

 

「小童、気を付けて帰れよ」

「はい!」

 

俺も元気よく返事して家路を急いだ。あんまり遅くなるとセラに馬鹿にされかねない。




やあやあ、読者諸君先ほどぶり聖杯くんだよ~

今回の話では僕の豆知識コーナーをやったけど毎話あるわけじゃあ気をつけてね~
さて、今回の話では士郎くんが送る平和な日常を綴ったお話しだったね。僕的にはもっと血みどろなお話を期待したいんだけどね~
あ、あとこれももう言っちゃおうかな。作者はとりあえず無印編が終わる頃に番外編で士郎くんと切嗣くんが共闘する話が書きたいそうだよ~みんなもそれに関して何か意見があったら、作者のメッセージに頂戴ね~感想に書いちゃうと無条件で消されちゃうよ~フゥフゥフ♪
それじゃあ次回「運命の夜」題名は変わるから気をつけてね♪

お気に入り登録、感想、評価等々よろしくね。
次回も読んでくれないと君の街を焼き尽くしちゃうかもよ、フゥフゥフ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。