FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ   作:キャラメル太郎

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いや~、なかなか書けずにすみませんでした。
諸事情によりエンジェルは強化することにしました。





第一六刀  反転魔法

 

 

リュウマがコブラの相棒の毒蛇の毒に犯されてからといもの、同盟ギルド達は各々行動に移していた。

 

途中、オラシオンセイスの傘下ギルドなどが邪魔をしたりしてきたが、持ち前の戦闘能力でそれぞれ撃破して進んで行った。

 

グレイはオラシオンセイスのレーサーと出会い、不利の状況につくも、兄弟子のリオンと共闘をして見事レーサーを破ることに成功した。

 

ナツは己の相棒であるハッピーと連れ去られたウェンディを救い出すことに成功するが、ウェンディが回復させて復活を遂げたジェラールと対面する。

 

ジェラールに飛びかかったが痛い反撃をくらい、起き上がったときにはジェラールはもうおらず、仕方が無いのでウェンディを連れてリュウマの元へと急いだ。

 

ヒビキの魔法の古文書(アーカイブ)は情報を圧縮することによって、離れた相手にも様々な情報を与えることが出来るサポーターとして使い勝手良い魔法で、ナツにリュウマがいる場所を教えて向かわせた。

 

ナツ達は気絶しているウェンディを起こし、リュウマの体を犯している毒を消してもらうように頼み、見事リュウマの毒を消し去ることに成功した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毒に犯されていた体が軽くなったような気がして意識が元に戻ったリュウマは、目は開けずに耳をすますとナツ達の声が聞こえてくる。

 

毒はすっかり消えたが、まだ体が上手く動かず本調子ではないので少しだけ横になって休憩する。

 

ウェンディの声も聞こえてくることから、どうやら救出に成功してウェンディが自身の毒を消してくれたことを理解した。

 

「しばらくは目を覚まさないかもですけど…もう大丈夫です」

 

「へぇ、本当に顔色が良く治ってる…これが天空魔法なのね」

 

「ルーシィちゃん近くないかい…?」

 

治ったことを確認するように顔を近づけるルーシィだが、その距離が近すぎた。

リュウマが心の中で驚いているが話しは進んでいった。

 

「いいこと?ウェンディにこれ以上天空魔法を使わせないでちょうだい。見ての通りウェンディの魔法は魔力をたくさん使うの」

 

「わ、私のことはいいから…」

 

ウェンディの治療魔法はサポートとしてとても優秀ではあるのどが、残念なことに本人の魔力が少ないため連続使用が出来ないのだ。

 

「リュウマさんが目を覚ましたら反撃の時だね」

 

「うん!打倒オラシオンセイス!!」

 

「おーーー!!ニルヴァーナは渡さないぞー!」

 

気合いを入れ直したこの瞬間…膨大な魔力の渦を離れた場所で察知した。

ニルヴァーナが発動してしまったのだ。

 

「ジェラールがいる!!」

 

ナツが遠くにいるジェラールの匂いを感じ取って叫んだ。

 

「ナツ!?ジェラールってどういうこと!?」

 

「わ、私の…私のせいだ……」

 

「会わせるわけにはいかねぇんだ!エルザとリュウマには…!あいつはオレが潰す!」

 

そう言って走り去ってしまうナツ。

それを見てルーシィ達も追い掛けようとする。

ナツが行く方向にはジェラールもニルヴァーナもあるからだ。

 

「ナツ…ジェラールとか言ってなかった?」

 

「私が…ジェラールを治したせいで…ニルヴァーナが見つかっちゃって…ナツさんやエルザさんや……」

 

──ま、マズい…!このままでは…!

 

寝っ転がっているリュウマは、まだ怠い体を起こしてウェンディの後ろに瞬時に移動し、当て身をして気絶させた。

 

「リュウマ!?」

 

「アンタいきなり何すんのよ!!!!」

 

リュウマは気絶させたウェンディを背負い、ルーシィ達に着いてくるように言ってから走り出した。

 

「驚かせてすまん。気絶させただけだ」

 

「どうして!?てかもう大丈夫なの!?あと何で走ってるのーー!!??」

 

現状があまり理解し切れていないルーシィは、リュウマに叫ぶように質問を投げかけていく。

 

「納得出来ないわね…確かにウェンディはすぐぐずるけどそんな荒っぽいやり方」

 

「オイラもそう思うよ?リュウマ」

 

確かに荒っぽい手かもしれなかったが、それは仕方のない事だったのだ。

 

率直に言ってしまえば…リュウマはニルヴァーナという魔法を知っているのだ。

 

「まあ、ヒビキ?だったか。お前も知っているだろう」

 

「まあね…」

 

「あんたも!?」

 

ヒビキもニルヴァーナのことを知っており、言ってきたリュウマに肯定した。

 

そもそも、ニルヴァーナのことは言わなかったのではなく、言えなかったのだ。

 

魔法の()()()誰にも言うことができなかった。

 

このニルヴァーナという魔法は一度意識すると危険なものであり、故にナツやグレイにエルザ、ルーシィにハッピーも知らず、リュウマだけが知っていた。

 

そう聞いてルーシィはまだいまいち理解できていないようだ。

 

「どういうこと…?」

 

ルーシィに聞かれたので、リュウマはニルヴァーナの魔法の詳細を教えていく。

 

「これは恐ろしい魔法だ。()()()()()()()()()、それがニルヴァーナだ」

 

「「「!!??」」」

 

「光と…」

 

「闇が…」

 

「入れ替わる…!?」

 

ルーシィにハッピーとシャルルは驚いているようだ。

だが、魔法によって入れ替わるが…

 

「入れ替わるのは最終段階だ。まず最初に封印が解かれると黒い光が空へと上る、まさにあの光だ」

 

リュウマ達が走っているその先に、その黒い光の柱が上っており、ニルヴァーナの封印を解かれたという確固たる証拠がある。

 

最初に出る黒い光は、手始めに光と闇の狭間にいる者を逆の属性へと変換させる。

 

強い負の感情を持った光の者は()()()()()

 

「そ、それじゃあ…ウェンディを気絶させたのって…!」

 

そう、あの場でウェンディを気絶させたのは…

 

 

『私の…私のせいだ…私がジェラールを治したから…』

 

 

“自責の念”は負の感情であるためだ。

 

もいあのままウェンディに後悔させたりしていたら、今頃は確実に闇へと落ちていた。

 

彼がそう説明するとルーシィは焦ったように叫んだ。

 

「ちょっと待って!!それじゃあ“怒り”は!?ナツもヤバいの!!」

 

「俺からはなんとも言えん…その怒りが誰かの為というのであれば負の感情とは言い切れんのだが…」

 

知っているというだけで理解しているわけではないため、判断がつかないのだ。

 

もしかしたら怒りなどでも反転させられてしまうかもしれないし、反転しないかもしれない。

 

「どうしよう…オイラ意味が分からないよ…」

 

「あんたバカでしょ…。つまり、ニルヴァーナの封印が解かれた今、正義と悪とで心が動いてる者が性格変わっちゃうってことよ!」

 

シャルルはなかなか頭がいいようで、未だに分かっていないハッピーに対して分かるように説明した。

 

今説明したことが、この魔法を黙っていた理由である。

 

人間とは物事の善悪を意識し始めると…思いもよらぬ負の感情を生む…。

 

最初から知っていたら、今のようなもしもの場合…大多数が闇に落ちる可能性もあった。

 

それを防ぐために、必要最低限の者がニルヴァーナの情報を持っていたのだ。

 

「そのニルヴァーナが完全に起動したら、あたし達も皆悪人になっちゃうの?」

 

「でもさ、それって逆に言うと闇ギルドの人達はいい人になっちゃうってことでしょ?」

 

善人が悪人になるならば、悪人は善人になるのではないか?

 

そう口にしたハッピーの疑問は確かにそうだ。

しかし、ニルヴァーナの恐ろしいところはそんなところでない。

 

ニルヴァーナはその善悪反転を()()()()コントロールすることが出来るのだ。

 

例えるならば、ギルドに対してニルヴァーナを使った場合…仲間同士の躊躇などない殺し合いに始まり、他のギルドとの理由なき戦争…そんなものが簡単に起こすことが出来る。

 

やろうと思えば、悪人はそのままに…善人だけを悪人へと反転させることだって出来てしまう。

 

「う、ウソ…」

 

「一刻も早く止めなければ()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

リュウマ達は今まさに…危機に瀕している。

 

このままニルヴァーナの封印を完全に解かせるわけにはいかない。

 

 

 

彼等は事の重大さに焦り、走る速度を更に上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼等が少し走っていると川の近くに着いた。

 

そこにはグレイとナツがいたが、何やら様子がおかしく、意味もないのにナツが乗り物の筏の上にいる。

 

「かかったなナツ…確かお前の弱点は乗り物だ」

 

「お…おま…うっぷ…」

 

「死ね…!」

 

どこか様子のおかしいグレイは、筏の上でナツに氷で造られた槍を突き刺そうとしていた。

 

そんなグレイがナツを突き刺す前に、ルーシィが呼んだ星霊のサジタリウスで槍を射貫いて止めた。

 

「何してんのよグレイ!!」

 

「であるからしてぇ~もしもし!」

 

「る、ルーシィ…うっぷ…!」

 

「邪魔すんなよルーシィ」

 

「な、なによこれ…まさかグレイが闇に落ちちゃったっていうの…?」

 

──いや、こいつは恐らくグレイじゃないな。

 

リュウマが今目の前にいるグレイが、本物のグレイではないことを看破すると同時…ハッピーがナツの元へと飛んでいった。

 

「ナツ!今助けるよ!!」

 

──パキィン! 「ホゲ-!?」

 

そして飛んでいった所を偽者のグレイに攻撃され、氷付けになってしまう。

 

「オスネコ!」

 

「ハッピーに何すんのよ!!」

 

「ハッピーは空を飛ぶ。運べるのは一人。戦闘力は無し。情報収集完了」

 

──ハッピーの情報を集めているのか…!

 

「グレイから見たルーシィ…ギルドの新人。ルックスはかなり好み。少し気がある」

 

「は、はぁ?な…何言ってんのよ…そんなこと言われてもあたしは…」

 

言われた内容は少し嬉しいが、頬を少し赤く染めながらリュウマのことをチラッと見るルーシィ。

そんなルーシィに、何故か頬が熱くなるリュウマだった。

 

「見た目によらず純情。星霊魔導士。ほう…星霊ね…面白い!」」

 

「!!」

 

偽者がルーシィを攻撃をするが、傍にいるリュウマがウェンディを背負いながらではあるが…脚で魔法を蹴り飛ばして防御した。

 

「やはり貴様はグレイではないな。闇に落ちたわけでもない」

 

「え?グレイじゃない…!!??」

 

「グレイから見たリュウマ、フェリーテイルの魔導士。男前。かなり強い。頼りになる。憧れている。女にモテる。武器を召喚して戦う。剣術が強い。体術もこなす。情報収集完了」

 

そう言ったあと、偽者はルーシィの姿へと変えた。

 

「君、頭悪いだろう?今更ルーシィさんに化けても意味もない」

 

ヒビキの言葉にニヤリとしながら、偽者のルーシィは服の裾に手を当てた。

 

「本当にそう?アンタみたいな男は女に弱いでしょう?うふっ♡」

 

と、言うと偽者は服を捲って上半身を露出させた。

それにはヒビキとサジタリウスが目を白黒させる。

 

「もしもしもしもしもしもし!!??」

 

「……………!!!!!!」

 

「きゃあああああああああ!!!???」

 

──俺は見ていないからな?ギリギリだったが後ろを向いたぞ。

 

決してチラリとだが見えてしまった訳ではない。

 

リュウマは捲った瞬間には後ろを向いた。

なのでギルドで1、2を争う程の豊満な胸部など見ていない。

見ていないと言ったら見ていない。

 

「リュウマありがとう…てか、あんたらは少しは眼を逸らしなさいよ!リュウマを見習え!!」

 

「星霊情報収集完了。へぇ…すごい…」

 

「!!」

 

服を元に戻した偽者のルーシィは、何かに感心するように声を上げる。

 

「サジタリウス()()()()

 

──ドスッ! 「ガッ!?」「フッ!」「え?」

 

突如横にいるリュウマとヒビキに向かってサジタリウスが矢で攻撃してきた。

 

リュウマはまだウェンディをおぶっているため腕は使えないので脚で蹴り砕いたが…ヒビキはやられてしまった。

 

「な、何よこの馬!?裏切り…!?」

 

「ち、違いますからして…それがしは…!」

 

「ぐっ…」

 

「ヒビキ…!」

 

──チッ…ウェンディはシャルルに頼むか。

 

「シャルル!ウェンディを連れて離れろ!」

 

「言われなくても分かってるわよ!」

 

偽者のルーシィは本物のルーシィの星霊を操れると悟ったリュウマは、サジタリウスを強制閉門するように促す。

 

「ルーシィ!サジタリウスを星霊界に戻せ!」

 

「うん!サジタリウス強制閉門!」

 

これでウェンディとシャルルを狙われる心配はない…と思われたその時…

 

 

「開け人馬宮の扉・『サジタリウス』」

 

 

「お呼びでありますか?もしもし…って…あれ?」

 

「えーーーーーーー!!??」

 

なんと、偽者のルーシィが本物のルーシィの星霊であるサジタリウスを呼び出した。

 

「あの飛んでる猫殺して」

 

「いや、しかしそれがしは…」

 

──させるか…!

 

リュウマはサジタリウスに近付いて殴り、光の粒子に変えて消した。

サジタリウスは消えてしまうが仕方ない。

 

「すまないサジタリウス…」

 

「いえ…助かったでありますからして…もしもし──」

 

 

「もういいゾ。ニルヴァーナの場所が分かったからあのガキの役目も終わったゾ」

 

 

そこに現れたのは…エンジェル。

ルーシィの姿をしていたのは、相手の容姿や能力をコピー出来る星霊のジェミニだ。

 

「は~いルーシィちゃんにリュウマ。エンジェルちゃん登場だゾ」

 

「やはりこいつはジェミニだったか」

 

「そうだゾ。この子達はその人間の容姿・能力・思考の全てをコピーできる双子のジェミーとミニー」

 

「やっぱりリュウマが言ってた通り…」

 

ルーシィが戦恐していると、エンジェルがジェミニに指示を出し、ジェミニが姿を変えたら今度はリュウマの姿に変わった。

 

「コブラにやられて弱ってたから、リュウマをコピーすることに成功してたんだゾ。やれジェミニ」

 

「そ、そんな…!?」

 

本来、ジェミニは契約者である者よりも強い相手はコピーすることが出来ないのだが…リュウマは先程まで毒に犯されて弱体化していたのだ。

 

実は毒に犯された瞬間をジェミニに触れられており、コピーされていた。

 

「分かった~、『絶剣技…

 

──絶剣技…!?マズい…ルーシィを…!!

 

「ルーシィ…!」「きゃっ」

 

 

───魔水衝(ますいしょう)』」

 

 

危険を察知したリュウマは、ルーシィを巻き込んで一緒に横へと避ける。

 

するとすぐ横を水の斬撃が進んでいき、直線上の物を()()()()()()

 

「ひっヒイィィィィィィ!!??」

 

「すごい威力だゾ…」「ピーリピーリ」

 

──危なかった…ルーシィに当たっていたら今頃真っ二つだった…

 

「ルーシィ、俺はあのジェミニの相手をする。ルーシィはエンジェルを頼んだ」

 

「あ、あたし!?」

 

「別に俺がエンジェルでもいいが…そうなるとルーシィは…」

 

彼はそう言ってチラリとジェミニの方を見ると、つられてルーシィも見る。

 

そこにはジェミニがリュウマの姿で居合の構えをして殺気を飛ばしていた。

 

「む、無理無理無理無理!!??」

 

「そ、そうか…ヒビキはやられてしまいナツもダメだ。俺はジェミニの相手をしなくてはならんから…ルーシィにしかエンジェルを頼めない…頼む」

 

「リュウマ…分かった。あたしやってみる!」

 

「うむ、どうしても危なくなったら呼べ。加勢しに戻ってくる」

 

「分かった。気をつけてね」

 

「あぁ、任せておけ」

 

リュウマはルーシィと頷き合ってからジェミニの方を向く。

 

「ジェミニ、お前の相手は俺がしてやろう」

 

「前回はやられちゃったけど…今度はやられないよ」

 

「さぁ?どうだろうな?」

 

リュウマはそう言ってニヤリと嗤いながら構えた。

 

ジェミニはさっさと片づけてルーシィの加勢にいくとしよう。

 

 

 

 

1人と一体は構えた所から同時に動き、斬りかかった。

 

 

 

 

 




ルーシィあっぶねぇ…真っ二つになっちゃうところだったよ笑笑
新しく書いてある番外編どうでしたか?
ハガレンファンで、こんなのじゃない!と思わせてしまったら申し訳ないです…
ただ、相手と同じ姿になるやつが思いつきませんでしたので…





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