FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ 作:キャラメル太郎
あと、原作見て思うけど、ジェラールってハーレム作れんじゃね…?
クソッ…イケメンめ…!
私も心肺停止すれば人工呼吸してくれますか?(白目)
リュウマは今までにも、ありとあらゆる相手に化けて真似をする奴等と戦い、打ち倒してきたが…。
彼自身も相手の技を盗むため皮肉にしか聞こえないかもしれないが、自分と戦うというのは実に面倒だと感じていた。
ましてやジェミニは性格がなかなかに悪いのか、戦っている最中ルーシィに斬撃を飛ばす。
それを受け止めると、隙ありと言わんばかりに攻撃してくる。
しかもこっちの思考も読んでくるため本当に面倒であった。
黄道十二門の星霊はどれも強力だが、ジェミニほど相手にしていて疲れる星霊はいないはずだ。
「考え事なんかしてていいの?」
「どちらの攻撃も打ち消しあっているのだから仕方あるまい」
ジェミニは喋りながらも刀で刺突をしてくるが、刀の腹で受け流すことによって回避。
そして今度はリュウマが首を狙って横に薙ぎ払うように斬りつけるが、ジェミニは軽々と受け止めた。
「斬り合いの最中にルーシィに向かって斬撃を飛ばすな」
「しょうがないじゃん。命令なんだもん」
──チッ、エンジェルめ…。ルーシィの方は大丈夫だろうか…?
構えながら横目で見てみると、羊を連想させるような姿をした星霊のアリエスとレオが戦っていた。
その他にも機械のような星霊も呼び出している。
それはつまり、エンジェルは今現在2体同時開門しているということになる。
オラシオンセイスのメンバーであるだけあって、魔力もあるようだ。
早く加勢に行かなくてはルーシィが危険である。
エンジェルが2体だけではなく、3体同時開門出来ないとは限らないのだから。
そういったことを考えていると、その思考をジェミニは読んで感心した風な顔をした。
「頭の回転が早いね?ボクたちを相手にしながらそれだけ考え事できる君は強いよ」
「生憎だが、真似されているだけで負けるつもりなど欠片もない」
「ふ~ん、けど。ボクたちも負けるつもりない…よ!」
ジェミニが近づいて袈裟斬りをしてくるが余裕を持って受け止める。
そこから素速い攻防を繰り返すが、本物なだけあってリュウマが押し勝つ。
彼はジェミニの腹に、刀を持っていない左手で拳を叩き込んでダメージを与えると共に距離をとらせた。
「ガフッ!?…やっぱり強いや。でも、そろそろやられてもらうよ?」
「やってみるんだな」
「覚悟してね!『絶剣技…
リュウマはジェミニが絶剣技を繰り出す直前…刀を黒く変色させて硬化させ、ジェミニを真っ二つに斬り裂いた。。
「武装色硬化…黒刀・『
─────斬ッッッッ!!!!!
「やっぱりやられちゃったか~/やられちゃったね~」
「ただ真似するだけで勝てると思わないことだな」
ジェミニは光の粒子となって消えた。
星霊がやられたということは、オーナーであるエンジェルも理解しているだろう。
そうなると、新しい星霊を出される可能性もあるのでルーシィの元へと急ぐ。
リュウマはルーシィとエンジェルがいる場所へと走っていった。
───少し前のルーシィ達
足下が川が流れていたおかげで、ルーシィは自身の持つ星霊の中で、最強の攻撃力を持つアクエリアスを呼んだ。
しかし、エンジェルの呼び出したアクエリアスの彼氏であるスコーピオンと共に消えてしまった。
これでルーシィが呼び出せる王道十二門のアクエリアスを封じられた。
ジェミニはリュウマが相手をしてくれてるからいいものの、ジェミニは星霊を2体同時開門している。
ルーシィは現時点で2体同時開門はまだギリギリなのだが、流石のオラシオンセイスメンバーでありエンジェルは手強い。
「…そうだ!もう一人いるじゃない!開け!獅子宮の扉・『ロキ』!」
「──王子様参上!」
──よし!これで…!
まだ魔力が残っていたため、アクエリアスを除いた星霊の中で最強の星霊であるレオを召喚した。
「お願い!あいつを倒さないとギルドが…!」
「お安い御用さ」
「クス…星霊の相関図は知っておかないとダメだゾ。開け…『白羊宮の扉…
「え!?」「!!」
────アリエス』」
「──ごめんなさい…レオ」
「あ、アリエス…?」
アリエスとは、前の契約者であるカレンの元にいた星霊であり、レオが2年もの間人間界にいることになった時に関係のあった星霊だ。
「なんでアンタがカレンの星霊を…」
「アタシが殺したんだもの。コレはその時の戦利品だゾ」
「あぅ…」
そう、エンジェルは無理して仕事に来ていたカレンを殺し、王道十二門であるアリエスを奪ったのだ。
折角の再会が敵同士であるということで、レオを強制閉門して星霊界に戻そうとするルーシィであるが、レオ自身がそれに待ったをかけた。
「例えかつての友だとしても、
「例え恩ある相手だとしても主の為ならば敵を討つ」
敵であるアリエスもレオと同じ意見であるようで、かつての友であるレオに鋭い視線を送っている。
「「それが僕たちの…/私たちの…」」
「「誇りだ!/誇りなの…!」」
ロキとアリエスは互いに殴り合い、蹴り合う…。
ルーシィは友達同士がぶつかり合う光景など見てられないと感じていた。
──折角会うことができたのに、次会ったら戦わなきゃいけないなんて…
「あっれ~?やるんだ?ま…コレもこれで面白いからいいゾ。でも…流石に戦闘用のレオ相手じゃ分が悪いか…『カエルム』!」
────ズドォォン!!
「がっ!!??」
「いぎっ!!??」
カエルムから出たレーザーがロキとアリエスを同時に貫いた。
──…え?仲間の星霊ごと…
「見たかしら!これが3体同時開門!まあ、3体は流石に長時間は無理だけど、一瞬さえあれば十分だゾ」
仲間であるアリエスごと攻撃したことに呆然としたが、次には怒りを覚えた。
星霊は物ではなく、自分と同じ生き物であるというのがルーシィだ。
「あんたそれでも星霊魔導士なの!?」
ルーシィはすぐにタウロスを呼んで攻撃するが、エンジェルがお色気をするだけで動けなくなって倒された。
次にキャンサーを呼ぼうとするけど、ふらついて座りこんでしまう。
「な、なんで…?あたし…ハァ…ハァ…」
「大して魔力も無いくせにそんなに星霊を出すからだゾ」
──う、ウソ…そんな……
「あぐっ…!」
魔力切れによって動けないところを、近寄っていたエンジェルに蹴りを入れられる。
「ジェミニはリュウマとやってるし、他の奴いちいち呼ぶのは魔力が勿体ないから、私が直接やってやるゾ」
ルーシィは体が動かすことが出来ない故に、エンジェルに蹴り飛ばされる。
だが、そんな彼女の目には諦めの感情はない。
「なぁに?その目。生意気な目だゾ」
「アリエスを開放して…」「はぁ?」
「ロキと一緒にいさせてあげたいの…!」
「タダで?」
──そんなことは言わない…だから…
「鍵以外ならなんでもあげる…!」
「じゃあ…“命”ね」
エンジェルがカエルムを握りながら近づいてくる…
────ギュウゥゥ……
と、その時…誰かが後ろからルーシィの首を絞めた…。
この状況で残りの人物は…
「あはは!!リュウマはとうとう闇に落ちたか!!あはは!傑作だゾ!!」
──ウソ…リュウマなの…?そんなぁ……
「り、リュウマぁ……」
「そんな悲しそうな声を出すな…罪悪感が酷いことになる」ボソッ
──え…?リュウマ…?
「じっとしておけ。…動くなよ?俺がかつて読んだ魔道書にあった超魔法の知識を…お前に移す」
──覚えたはいいが、星霊魔導士でないと使えなかったからな…
「くっ!闇に落ちてなかったのか!!おのれぇ~!カエルム!やるよ!!」
「一度しか移せないからな。『
な、なにこれ…!?あたまの中に知らない知識が…!
魔法陣を構築…成功…標的を捕捉…魔力不足の為停止…外部からの有機生命体による魔力補助により再構築…成功…発動及び詠唱開始…。
「天を測り天を開き・あまねく全ての星々よ…その輝きをもって我に姿を示せ…」
「な、なんなの!?」
「テトラビブロスよ・我は星々の支配者・アスペクトは完全なり・荒ぶる門を開放せよ…」
「な、何よこれぇ…ちょっ!?」
「全天88星………光る…!」
「『ウラノ・メトリア』!!」
「きゃあああぁぁあああぁああ!!!」
ルーシィはハッとして辺りを見渡すと、空からエンジェルがボロボロの状態で落ちてきて川へと沈んでいった。
「よくやったなルーシィ」
「リュウマ!あ、ヒビキとハッピーとナツが…!」
エンジェルの呼び出したサジタリウスによって負傷しているヒビキや、凍ってしまっているハッピー、筏の上でグロッキーになっているナツのことを思い出して焦る。
「ぐっ…く…ま、負けないゾ…
すると、やられた筈のエンジェルがまた立ち上がってカエルムで攻撃してくる…
ルーシィは無意識下で放った超魔法により体が動かせない。
やられる…!と思ったその時…
「やらせるわけがないだろう。大人しく寝ていろ」
──バキィ!! 「ガフッ…」
リュウマがエンジェルのことを殴り飛ばした。
そんな光景に、容赦が無いと思っているのも束の間…筏につけられていた紐が解け、川の流れに沿って流されていってしまった。
ルーシィはナツの所に急いで向かい手を伸ばす。
「ナツ!しっかりしなさいよ!!」
「う、動けな…うっぷ」
──もう!世話が焼けるんだから!
弱りきったナツの手をどうなか掴むことが出来たが、意図せず一緒に乗ってしまい流されてしまう。
「急流~~~!!!???」
「まったく…いきなり助けに行ったと思えばこれか…」
急流で落ちそうになったところを、リュウマがルーシィとナツを抱き締めて落ちないようにして支えた。
因みに、ルーシィは抱き締められている状況に顔を赤くしている。
ルーシィはエンジェルにやられた傷の痛みと、リュウマに抱き締められている安心から筏の上だというのに気を失った。
──はぁ…ルーシィが気絶したと思ったら…まさかすぐに滝で落ちるとは思わなかったぞ…。
筏に乗って流されてから少し、いきなり滝となっていたので気絶したルーシィとナツを抱き抱えて飛び、安全な場所まで運んでいった。
ナツはただ筏の上で酔っていただけだから外傷はないが気絶している…。
問題はルーシィだ。
エンジェルにやられた切り傷が悪化仕掛けているため、リュウマが回復の魔法をかけて傷を癒しておく。
「『回復魔法・
あとは、戦闘によってボロボロになった服なのだが、そこにルーシィの星霊のバルゴが現れた。
「リュウマ様。私が姫のお召し物をお持ちしました」
「バルゴか…自分の魔力で扉を通って来たのか…?」
「はい。姫は今魔力が少ないため、私自身の魔力で来ました」
──ほう、それは助かった。
「では、ルーシィの服は頼んだ」
「はい、お任せを…それと、ナツ様とリュウマ様の分のお召し物もございますがいかがいたしますか?」
ナツのものはリュウマが着替えさせるとして、自分のはどうしようか悩んでしまう。
今着ている和服がお気に入りだからだ。
「俺は今来ている和服の物以外は着なくてな、すまないが「和風バージョンもございます」…あるのか」
用意周到なことに、和服バージョンもあるということなのでお言葉に甘えることにした。
リュウマはバルゴから受け取った服をナツに着させてから自分の分の服を着たのだが…何故かサイズがピッタリだった。
「…どうだろうか…?」
「…とてもよくお似合いです…//」
──そうか…サイズのことは気にしないでおくとして、これはなかなか着心地がいいな…。
「礼を言うぞバルゴ」
「お仕置きですか?」
「いや、何故お仕置きをしなくてはならんのだ…」
「そうですか…」
されないと言われて何故か残念そうにするバルゴに苦笑いを溢す。
そうやってバルゴと話していると…突如ニルヴァーナの光が黒から白へと変わった。
これはニルヴァーナの封印解除の段階が進んでいることを示す。
「バルゴ。俺は今すぐニルヴァーナの所へ向かう!ナツとルーシィのことは起きるまで頼んでいいか?あと、5分か10分といったところで起きるだろう」
「承りました。気をつけて行ってらっしゃいませ」
「あぁ、ありがとう」
リュウマは急いでニルヴァーナの方へと駆けていった。
このままだとすぐにニルヴァーナの封印が解けてしまう。
──エルザはどこにいるんだ?ジェラールがいるならばエルザもいるはず…だというのに封印の解除が進んでいる…一体どうなっているんだ…
ニルヴァーナの光が上る場所へと走って行き、ある程度近づいたところで地響きが起きた。
───ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!
彼も地響きかと思った瞬間…大地が盛り上がりニルヴァーナの全体が姿を現した。
リュウマは咄嗟に掴まり、ニルヴァーナの端の方に乗っているが、途中振り落とされそうになったので焦ってしまい冷や汗をかいていた。
──チッ…封印が完全に解かれてしまった…!
こうなってしまうと止める方法は限られてくるので、コントロールシステムを破壊してニルヴァーナを止めようと画策する。
正規の方法で止めるやり方は知らないため、それしか今は考えつかない。
分からなかったら壊してみるという考え方はナツみたいで少し…いや、大分後ろ髪を引かれる思いだが仕方ないということにした。
──コントロールシステムを破壊しよう。
彼はそう思いコントロールシステムを目指すのだが…
「どれもこれも同じ景色に見えるせいで道に迷った…」
どれもこれも同じような形をした建物のようなものしかないため、見事に道に迷った。
「『
──ニルヴァーナはなかなか広いな…むっ…このシルエットは…ホットアイにミッドナイト…?…何故仲間内で戦っているんだ…?
コントロールシステムの所に早く行きたいが、どちらにせよ標的は全員なため2人が油断したらまとめて早く片づけて目的地へと急ごうと考えた。
リュウマは気配を消しながら、ミッドナイトとホットアイの方へ向かって駆けだして行った。
2人がいる場所に着いたが、ちょうどホットアイがやられた瞬間だった。
「ぐああああぁぁぁぁぁ!!!!」
「ボクは父上をも超える最強の魔導士なんだ」
ホットアイはミッドナイトの前に倒れ伏し、ボロボロの状態で気絶しているにも拘わらず…ミッドナイトは無傷で立っていた。
「ボクがいる限りニルヴァーナは止まらないよ」
そんな光景を見ていると、ミッドナイトが現時点で最も有力な情報を呟いた。
それに対してニヤリとしながらミッドナイトの前に姿を現す。
「…っ!いつからそこにいたんだい?」
「残念だがたった今だ。しかし、そんなことはどうでもいい…貴様を殺ればいいのだな?」
「君に出来るのかい?その前に君のその顔を恐怖で染め上げてあげるよ」
「やれるものなら…やってみろ小僧」
リュウマは運が良いことに、ニルヴァーナを止める鍵となる者と接触した。
──どれ、さっさと片づけてニルヴァーナを止めるとしよう。
彼はニヤリと嗤いながら構えた。
──エルザとジェラール
エルザとジェラールはニルヴァーナの上にある建物の間を通って、とりあえず中央に向かっていた。
ニルヴァーナを止める方法が分からない以上、他のもの達と合流したいところだが、難しいようだ。
──ドオォォォォォォン!!
そんな時…中央に聳え立つ大きな塔から、大きな音と共に爆発が起きた。
「今の爆発はいったい…」
「どうやら中央の塔からのようだ」
エルザが何故爆発したのか疑問に思っていると、近くから破壊音が聞こえてきて、だんだん近づいて来ていた。
──ドゴオォン!バアァン!ガン!ギン!
「何かが近づいて来ている…気をつけろ」
「分かった」
エルザとジェラールは警戒していると、正体が分かった。
その音の正体とは、オラシオンセイスのミッドナイトという男とリュウマが戦っていた時に生じた音だった。
やがて戦闘していた2人が互いに距離をとると、リュウマが直ぐそこにいるエルザとジェラールの存在に気がついた。
「むっ…エルザに…ジェラール…?」
「あれ?まだ生き残りがいたんだ」
──しまった…!ジェラールのことをリュウマに教えなくては…!
「君は誰だい?オレを知っているのか?」
リュウマに今のジェラールが記憶喪失であることを伝えようとする前に、ジェラールがリュウマに話しかけて致命的な事を言ってしまった。
「…何?ふざけているのかジェラール」
意味が分からない事を言われたことに、リュウマの眉間に皺が寄る。
仕方ないので、睨み合っているがジェラールのことを話しておくことにした。
「リュウマ、実は今のジェラールは記憶喪失だ。理由は分からないが、私が会った時から記憶がない」
「ほう、まあそれは後で聞くとして…今はこいつだ」
興味深そうな目をジェラールに向けたが、取り敢えず今はミッドナイトを打倒することにする。
「君達はボクが殺してあげるから待っているといいよ」
「残念だが、リュウマを相手にした時点でお前に勝機はない」
「勝つのはボクさ。ボクは最強の魔導士なんだから」
「ならばその最強の力…見せてもらおう…か!」
リュウマはミッドナイトに斬りかかるが、剣が当たる瞬間…剣閃が曲がった…。
リュウマが調べていた通り、魔法などを曲げることが出来る魔法なのだ。
「無駄だよ。ボクの
相手にするならば厄介極まりない魔法ではあるが、対峙しているリュウマからは焦りの感情は伝わってきていない。
それどころか余裕のような表情をしている。
「俺はもう既に一つ弱点を見つけたぞ」
「…なに?」
今まで誰にも知られたことのない自身の魔法の弱点を看破したというリュウマに、訝しげな表情をした。
「まずはこれだ」
リュウマはさっきと同じように斬りかかる。
「いくら早く斬りかかろうともボクのリフレクターは破れない」
袈裟に斬ろうとしたが、やはり剣閃は曲がった…が…
「これだ。『
────バキィ!!
「ガフッ…!!??」
今まで攻撃の軌道を曲げていたミッドナイトに、リュウマの攻撃が入った。
そのことにミッドナイト自身も驚愕としている。
「貴様のリフレクターは一カ所にしか展開することが出来ない、故に剣を曲げることが出来たが、その後の俺の衝底を逸らすことが出来なかった」
つまり、1度目の攻撃を逸らされるのを分かっており、態と逸らさせて第二撃を叩き込んだのだ。
「ぐっ…だけど、それだけじゃあ勝てないよ」
──ギュウゥゥ……!!!!
「…!!くっ…」
ミッドナイトがリュウマに向かって手をかざすと、彼が着ていた服が突如ねじ曲がった。
「ぐっ…これも弱点だ。そして…頭上と足下注意だ」
「なに…?───ッ!ぐあああぁぁぁぁ!!??」
ミッドナイトの足下と頭上から様々な武器が降り注いだり、突き出したりしてミッドナイトを攻撃した。
「これはさっき言った通り一カ所にしか展開することができないこと、そして…貴様は服をねじ曲げることが出来るが…人体をねじ曲げることが出来ない」
仮に魔法で人体を曲げられるならば、服ではなく人体を直接やった方が実に手っ取り早い。
「そしてこの服は先程ルーシィの星霊のバルゴから譲り受けた服だが、魔力を通す素材だったため俺の魔力を繊維の中に編み込んだ、故に…ふっ!」
リュウマが力を入れた瞬間、ねじ曲がっていた服が元の状態に戻った。
「ん?この服を入れると弱点は三つのようだな?クカカ…」
こんな短時間でありながら、相手の弱点を直ぐに調べ上げる観察眼にエルザは感心した。
──実にリュウマらしい、追いかけ甲斐のある背中だ。
「フフフ…ボクは真夜中でこそ真価を発揮する…モウドウナッテモシラナイヨ…?」
突如ミッドナイトの体がどんどん大きくなって膨れ上がり…最早人間の姿ではなくなっていた。
「無駄だ。『絶剣技…
リュウマは変わり果てたミッドナイトの懐まで一瞬で潜り込み、そのまますれ違うように斬った。
───
「ぐあああぁぁぁ!!??ぼ、ボクが…負けた…?幻術は完璧だったはず…」
「俺に幻術は効かない。相手を間違えたな」
そう言って見えたリュウマの目は白く…眼の周りに何本もの筋が入っていた。
何はともあれ、リュウマは苦労することなくオラシオンセイスのミッドナイトを撃破した。
とりあえずここまでにしときます。
もうちょっと敵いれば苦も無くぶつけられるのに…
6人はちょっと…