FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ   作:キャラメル太郎

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エドラス書くことにしました。
エドラスのリュウマの立ち位置どうしよう…




パラレルワールド~エドラス~
第一九刀  帰ってきた男 抑える感情


 

 

オラシオンセイスの討伐から数日が過ぎたフェアリーテイルは…今日も今日とて騒いでいた。

 

数日前までには大陸中の光のギルドの一大事だったというのに早い切り替えである。

 

ウェンディはフェアリーテイルに来た後、マスターマカロフに事情を話し、すぐに快く加入させてもらった。

 

尚、今まで会えなかった分を取り戻すかの如くウェンディがリュウマにアプローチをしているのを見て、シャルルが「こんなウェンディ初めて見たわ…」と言っていたり、フェアリーテイルの女魔導士が大いに焦り私も!といった感じで気合いを入れてリュウマに迫り、リュウマが美少女や美人に囲まれて照れながらも対応していたのは余談である。

 

リュウマは最近よく女性に迫られることで女性に対して免疫が少しだけだがついた模様。

 

数多の美少女や美人に言い寄られて羨ましいことこの上ないマジ羨ましいちくょう爆発しやがれイケメンめ顔か顔がいいのかでも性格もいいから全体的に負けてる気がす…ハッ!?…ん”っん”!…。

 

何はともあれ、フェアリーテイルはいつも通りである。

だが今回はとある者が数年ぶりに帰って来るようだ。

 

既知の者は期待を…知らぬ者も胸に期待を…

おや…?リュウマの様子が…?

 

 

 

 

では…お楽しみ下さい。

 

 

 

 

   ◆      ◆      ◆

 

 

 

 

 

 

オラシオンセイスとの戦いから数日が経ったが、フェアリーテイルの内部はいつも通り。

あんなに鮮烈な戦いをしたというのに、いつも通りすぎてどこか夢だったように感じているルーシィ。

 

ふとそこで、入ったばかりであるウェンディがギルドに慣れたのか気になり、聞いてみることにした。

 

「どお?ウェンディとシャルルはこのギルドに慣れた?」

 

「フンッ、別に?」

 

「もぅシャルル?私はもう慣れました!」

 

「まあ、女子寮があるのは気に入ったわ」

 

フェアリーヒルズとは、フェアリーテイルの女魔導士

専用の特別な寮のことで、大抵の女メンバー達はそこに部屋を借りている。

内部も新品同様でとても綺麗であり、一つ一つの部屋の広さも十分なのでとても人気なのだ。

 

「そういえば、ルーシィさんは寮じゃないんですか?」

 

「女子寮の存在は最近知ったのよね…てか、寮の家賃って10万(ジュエル)でさ…入ってたら払えなかったわよ…」

 

因みに、ルーシィが借りている寮の一ヶ月の家賃は7万Jだ。

 

この家賃は寮の中では比較的安く、中も広くて綺麗であるため優良物件なのだが…ルーシィは毎月毎月家賃の納金に手間取っている。

 

「えっ…でもナツさん達と同じチームなんじゃ…?」

 

「そうね、癪だけどあのオス共は強いもの」

 

ウェンディの考えは最もで、ナツ達はギルド内でもトップクラスの実力を持っている。

しかし…持っているからといって仕事を完璧に遂行するとは限らないのだ。

 

特にギルドの問題児にして破壊王であるナツは。

 

「ナツとグレイは喧嘩で周りの物を壊して…エルザは喧嘩止めようとして尚更周りの物を壊して…結局報酬貰えなかったり…ハアァ…おかげであたしはいつも家賃がピンチよ…」

 

「そ、そうだったんですか…」

 

「まあ、ほんとにピンチになったらリュウマの仕事に着いていったりするんだけどね?リュウマは物を壊したりしないし、2人で行くから高い報酬半分貰えるしさ!」

 

本当に危険になった場合は、いつもリュウマに助けてもらっていた。

彼に助けてもらわなかったら一体今頃何ヶ月ぶんの家賃が溜まっていることか…考えたくもなかった。

 

周囲の物を壊すこともなく、女であるルーシィをエスコートし、仕事自体は直ぐに終わらせて早期解決、お金が無いルーシィにはご飯だって奢ってくれる。

これだけのことをしてくれれば、ついつい頼ってしまうのは世の常と言える。

 

──リュウマはやっぱりあいつらとは違うわね…。

 

因みにだが、件のリュウマは今、仕事に行っていてギルドにいない。

 

「私も今度一緒に行って来よっかな?ね、シャルル」

 

「私はどうでもいいわ」

 

──あたしも誘っとこ!ウェンディに先越されちゃうし…

 

もちろん、ただ楽が出来るからというだけで一緒に行っているのではない。

 

恋する乙女としての負けられない戦いが…そこにあるのだ。

 

 

 

 

 

「大変だーーーーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

フェアリーテイルのギルドのメンバーの1人が、顔に汗をかきながら大声で叫び、転がるように勢いよく入って来た。

 

一体どうしたんだ?と思って聞こうと思ったその時…大きな鐘の音がマグノリア中に響いた。

 

 

────ゴーーンゴゴーーン……!!!

 

 

そしてその鐘の音は、どこか独特の音の鳴らし方であるので、この鐘の合図が何であるのかはルーシィやウェンディなどの新しい新人には分からない。

 

「なに!?」

 

「鐘!?」

 

ルーシィと同じくウェンディが驚いていると、ナツ達は興奮したようにギルドの外に駆け出しながら叫んでいた。

 

「この鳴らし方は…!」

 

「あい!」

 

「おぉ!!」

 

「??」

 

「まさか!!」

 

同じく新人であるジュビアも分からないようで、興奮するみんなを不思議そうに見ている。

 

「ギルダーツが帰ってきたァ!!」

 

「あいさー!!」

 

「ギルダーツ?」

 

ルーシィがS級とは何たるかをミラから聞いた時に、少しだけ話に出て来た程度なので会ったこともなく、余り詳細を知らないのだが、取り敢えずウェンディには強い魔導士とだけ説明しておくことにした。

 

「ものすっごい強い魔導士なんだって…」

 

「わあぁ!」

 

どんな人なんだろう…!と期待で胸を膨らませているウェンディに、ギルダーツの事を教えてあげようとカウンターにいたミラがやって来た。

 

「皆が騒ぐのも無理ないわ。3年ぶりだもん…帰ってくるの」

 

「えぇ!?3年ぶり~!?」

 

「3年も何してたんですか…?」

 

「ウェンディがいるからもう一回説明するわね?ギルダーツはもちろん仕事よ?S級の上にあるSS級クエストっていうのがあるんだけど、その更に上の10年クエストって言われるクエストがあるの…10年間誰も達成した者はいないから10年クエスト」

 

「そんなクエストがあるんですね…」

 

「それだけじゃないの、ギルダーツはその更に上の100年クエストに行っていたのよ」

 

「100年…クエスト…」

 

殆どのメンバー…というか、ギルダーツとリュウマ以外の者はSS級に行ったことがないが、SS級クエストはS級クエスト以上に危険であり、行く者を本当に厳選しなければ一瞬で死ぬような内容のものばかりだ。

 

10年クエストなんてのはSS級クエスト以上に危険であり、100年クエストというのは、最早普通の人間には達成不可能と言われる程の超超高難度依頼のことだ。

 

ギルダーツはその100年クエストに行っていており、3年という長い間帰ってきていなかったのだ。

 

リュウマもS級クエスト以上のものも指名といった形で受けたりしている。

 

頼めば早期解決をしてくれて、フェアリーテイルでは珍しい周囲の物を破壊したり、何かをしでかすという事が無いため安心して頼めるからだ。

 

その代わり、あっちこっちに引っ張りだこであるのでリュウマ自身が疲れてしまうのだが。

 

 

────『マグノリアをギルダーツシフトへ変えます。町民の皆さんはすみやかに所定の位置へ!繰り返します──』

 

 

ギルダーツシフト…というのが分からず、ポカンとしながら見合うルーシィとウェンディに、ミラはクスリと笑った。

 

「うふふ、外に出てみると分かるわ」

 

 

 

 

 

ミラに言われ、外に出たルーシィ達が見たのは…マグノリアの街が真ん中からパックリ割れてる光景だった。

 

「街が…割れたーーーーーー!!??」

 

「ギルダーツは触れたものを粉々にする魔法を使うんだけど…ボーっとしてると民家を突き破って歩いて来ちゃうの♪」

 

それだけの魔法を使うのにボーッとして民家を破壊することに驚くも、1番驚いたのは…

 

「その為だけに街を改造したのね…」

 

「スゴいねシャルル!!」

 

「えぇ…スゴいバカ…」

 

何と言っても、その為だけに街全体を改造したという何とも言えない事へと驚きだった。

 

余談ではあるが、ギルダーツが使う魔法は超上級破壊魔法に認定されている『クラッシュ』という名の魔法だ。

 

ミラが言っていた通り、触れた物を粉々に破壊するという反則染みた能力を持つ。

 

 

────ガシャン…ガシャン…

 

 

「来たーーーーー!!!!」

 

「ギルダーツ!オレと勝負しろォ!!」

 

「いきなりかよ!?」

 

「おかえりなさい」

 

やって来たのはオレンジ色の髪をオールバックにし、少し薄汚れたローブを着ている40代程の…所謂おやじだった。

 

「む…お嬢さん、確かこの辺りに妖精の尻尾(フェアリーテイル)ってギルドがあったはずなんだが…」

 

「ここよ、それに私はミラジェーン」

 

「ミラ…?──ずいぶん変わったなお前ー!?つーかギルド新しくしたのかよーーーー!?」

 

──外観じゃ気づかないのね…フェアリーテイルのマークとかあった筈なんだけど…。

 

心の中でそうツッコミを入れたルーシィは悪くないはずだ。

いっつもボーッとしているので、前とは見違える程に綺麗になったフェアリーテイルの外装にすら気がつかないのだ。

 

「ギルダーツーー!!」

 

まだ来ないのか早く来い…とウズウズしていたナツがとうとう我慢の限界となり、やって来たギルダーツに炎を拳に灯しながら突っ込んで行った。

 

「おぉ!!ナツか!久しぶりだなァ」

 

「オレと勝負しろって言ってんだろーー!!」

 

近付いたナツは、下限も全くしてない全力の拳を顔目掛けて放つのだが…

 

─────バチイィン…!!

 

「ごぱっ!?」

 

「はっは!また今度な」

 

ナツは上に軽々と片手で弾き飛ばされ、天井まで吹き飛んでからめり込んだ。

実力は確かであるナツがたった1発でやられたことに、ルーシィとウェンディは驚いていた。

 

「いやぁ~、見ねぇ顔もあるし…ほんとに変わったな~」

 

「ギルダーツ」

 

「おぉ!マスター!!久しぶりーーーー!!!」

 

「仕事の方はどうじゃった?」

 

「がっはっはっはっはっは!!!!」

 

頭をかきながら大声で笑っていたギルダーツは、周りを驚愕させる事を口にした。

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだ。オレじゃ無理だわ」

 

 

 

 

 

 

 

なんと…フェアリーテイル最強筆頭であるギルダーツが、クエストを失敗してしまっていたのだ。

 

「何!?」

 

「ウソだろ!?」

 

「あのギルダーツが…」

 

「クエスト失敗…!?」

 

ギルドの最強筆頭であるギルダーツのクエスト失敗に、ギルド内にいるメンバー全員が言葉を失った。

ギルダーツとはそれ程の実力者なのだ。

 

「そうか…ぬしでもダメか…」

 

「すまねぇ…名を汚しちまったな」

 

「いや、帰ってこれただけでもよいわ。ワシが知るかぎりこのクエストから帰ってきたのは…お前さんとリュウマだけじゃ…」

 

今度はギルダーツが驚く番だった。

何時の間にかリュウマが100年クエストに行っており、尚且つクリアして帰ってきているのだ。

 

「…っ!へぇ…リュウマもか…で、リュウマはどうだった?」

 

「あやつは100年クエストをクリアして帰って来たぞ、半年でな。その後も似たようなクエストも受けて帰ってきおった」

 

「…やっぱり強ェなァ…!流石だぜ」

 

やはりあのギルダーツですらリュウマの強さ認めている。

なんせ、このギルドにギルダーツの相手を務めることが出来るのは…彼だけなのだから。

 

その後失敗したギルドについて話を聞こうとしたところ…ギルドの扉が開き、数日ぶりの魔力がした。

 

 

────ギイィィ…

 

 

「まったく評議会め…意味の分からん魔法の解析なんぞに俺を呼びおって…まあ、使えそうな魔法だから覚えてきたが…」ブツブツ…

 

「「「「……………!!!!」」」」

 

中に入ってきたのはリュウマであった。

数日ぶりの期間なのでルーシィとウェンディは駆け寄ろうとしたのだが…

 

「おいやべぇぞ…」

 

「なんでこのタイミングで…」

 

「これいつものだよな…?」

 

「やっべ…!?」

 

「避難しとこ…」

 

突如周りの者達がザワザワと騒ぎ出したので足を止めた。

 

リュウマはいきなり騒がしくなったこっちを見て、それから視界にギルダーツを捉えてから固まった。

 

ギルダーツも同様で、帰って来たリュウマを見て同じく固まった。

 

そして──

 

 

 

「…………………。─────ッ!」

 

 

「…………………。─────ッ!」

 

 

 

そして2人は同時に駆けだし、ギルダーツは魔力を籠めた拳を…リュウマは抜いていない刀を振り抜いた。

 

 

 

────────ガアアァァァァァァン!!!!

 

 

 

「ぬおぉぉ!?」「やっぱり~!?」「キャアァァ!?」「吹き飛ばされるぅ!?」「やめてくれぇぇぇ!!」「ギルドが消し飛ぶ!!」「凄い衝撃だ…!!」

 

2人が衝突した瞬間…凄まじい衝撃波が襲い、周りの椅子やら机やらを全て吹き飛ばした。

 

他のみんなはその衝撃に吹き飛ばされないようにと、柱などに掴まってどうにか凌いでいた。

 

 

 

「久方ぶりだな?ギルダーツ…?」

 

 

「あぁ、久しぶりだなリュウマ?」

 

 

 

そして2人が睨み合いながら…次の攻撃に魔力を溜め始めて…

 

 

「やめんかバカタレ!!新しくしたギルドを跡形も無く破壊する気か!!」

 

「……。」

 

「……。」

 

マカロフが大声で叫ぶと2人は魔力を消して構えを解いた。

 

いきなり攻撃しあった場面を見て、ルーシィとウェンディは仲が悪いのかと思ったのも束の間…件の2人はさっきまでの事が無かったように話し始めた。

 

「いやぁっはっはっは!ほんと久しぶりだなリュウマ!!」

 

「クカカ…そうだなギルダーツ。クエストはクリアしたのか?」

 

互いににこやかに会話をし始める2人を見て、あれ?と思うのも仕方ない。

 

「まったく…毎回コレだとギルドがそのうち無くなるわい…」

 

実はこれ、会う度にやっているのだ。

被害はギルド内と言えども尋常ではなく、必ずギルド内の備品が吹き飛んでみんなで直す羽目になるのだ。

 

ぼやきながら椅子や机を周りが直している間にも、当の2人は呑気に会話を続けている。

 

「あ~クエストなんだがよ、オレじゃ無理だったわ」

 

「なんだ失敗したのか?俺に出来たのだ、ギルダーツには物足りないと思っていたのだがな」

 

「オイオイ…謙遜はやめろよな…お前に言われると皮肉にしか聞こえねぇよ。なんたって()()()()()()()()()()()()()()からなァ」

 

「ギルダーツが勝ったことない!?」「オイオイ…リュウマどんだけ強えんだよ…?」「やっぱりリュウマが最強か?」「戦ったことあんのかよ…」「化け物同士の戦いか…」

 

何気ない2人の会話の中で、フェアリーテイル最強が決まってしまった。

そんな会話を見逃すはずもなく、周りは興奮したように話を聞いていた。

 

「お主等はいったいいつ勝負したんじゃ?」

 

マカロフがみんなも気になっているであろう事を聞いた。

 

「あぁ、離れた所でやったんだが、前回は間違えてカラミア島消し飛ばし「それ以上言うなギルダーツ」あ…」

 

どこか「しまった…!?」と、言っているような顔をギルダーツがしいる。

 

補足しておくと、カルミア島というのは…今から大体()()()()突如として消えてしまった無人島のことである。

 

ここまで言えば察することが出来ると思うが…実は3年前にカルミア島で勝負した際に、勢い余って島一つ消し飛ばしてしまっていたのだ。

 

ルーシィはその時、ちょうど読んでいた新聞でビックリしたので印象深く覚えていた。

因みに他のメンバー達も印象深い事件だったので覚えており、頬を引き攣らせている。

 

「な…なななな…なあぁ~!!??あれをやったのはお前達じゃったのか~!!??」

 

「島消し飛ばした…?」「どんだけだよ!?」「マジかよ…」「無人島で良かったな…」

 

「…よ、よ~しナツぅ~、オレん家来~い…土産だぞ~…?」

 

「ギルダーツ壁壊さないで扉から出ろよ!?」

 

額に脂汗を出しながら震える声でナツを呼び、壁を破壊して出て行ってしまった。

残ったリュウマはというと…

 

「リュウマ?どういうこと…じゃ…?って…どこ行きおった!?」

 

既にその場には居なかった。

 

戦闘中の移動も速ければ、必然的に逃げるのも途轍もなく速かった。

リュウマでも偶にはやらかしてしまうという事を学べたルーシィ達一行だった。

 

 

 

この日はこんな感じで過ぎていった。

 

 

 

  ◆       ◆       ◆

 

 

 

 

 

 

ギルダーツがマグノリアに帰ってきてから2日後のとある場所にて、リュウマは先日結局マカロフに島の件について怒られたことをぼやいていた。

 

「まったく…この前はギルダーツがうっかりマカロフに島を消したことを発言してくれたおかげで、俺だけが叱られる羽目になったぞ…」

 

まあ、消したのは事実であるために、何を言われても仕方ないのだが…その時は仕方がなかったのだ。

 

何せ勝負でボルテージが上がったギルダーツが、本気でリュウマを粉々にしようとしてきたのだ。

 

それを防ぐためにも応戦したら、彼等の魔力に島が耐えきれずものの見事に消し飛んだのだ。

 

確かにリュウマも悪いが、どちらかと言うと本気になったギルダーツも悪い…と思いたい。

 

 

 

 

 

 

「ハァ…最近は強き者…猛者がいないな…ギルダーツがいるが…俺が求めているのはそんな戦いではなく()()だ」

 

 

互いの命を掛け合う死合いがしたい…。

 

 

──過去にあった事は忘れたくも忘れられない事実ではあるが…あの時はあの時で違う意味で充実していた…。

 

 

リュウマは最近不完全燃焼を食らっていた。

 

確かに戦った中には強い奴もいた。

しかし…それでもリュウマを満足させる程の強さを持っている訳でもなく…命の奪い合いがしたかったのだ。

 

 

 

 

 

 

あァ…心ゆくまで闘い尽くし(愉しみ)たい……

 

 

 

 

 

 

 

 

──…ハッ!?ダメだ…!今は違うだろう…!俺は今は妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士だ…!あんな姿をあいつらには見せられない……そう…見せられない…あいつらに俺のあんな姿を……。

 

 

目を閉じたら瞼の裏に映し出されるは…フェアリーテイルのみんなだった。

 

 

『リュウマ~!勝負だーーー!!!!』

 

 

『リュウマ~この魚食べる?』

 

 

『リュウマ。こんな造形魔法どうだ?』

 

 

『リュウマ。この武器はどう扱えば──』

 

 

『リュウマ~!家賃のために手伝って!』

 

 

『リュウマおかえりなさい』

 

 

『リュウマさん。この仕事一緒に行きませんか?』

 

 

『やっぱり強ェ!!』

 

 

『リュウマ』『リュウマ!』『リュウマ?』『リュウマ…!』『リュウマ~!』『リュウマさん!』

 

 

 

   『『『『『リュウマ!!』』』』』

 

 

 

      見せられるわけが……

 

 

 

 

 

    『────よ』 『───ちゃん』

 

 

 

─────ッ!

 

 

 

 

 

「────ッ!!!!ハッ!?…ハァ…ハァ…ゆ、夢…?疲れが溜まっていたのか…ハァ…帰ろう…妖精の尻尾(フェアリーテイル)へ…」

 

 

頭を振り雑念を消しながら、()()()()()()()()()()()()()()から離れて歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

そして彼は、妖精の尻尾が…()()()()()()()消えているとはつゆ知らずに帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 




リュウマの過去にも少しずつふれていきましょうかね~…

まだ設定はあやふやなので、食い違いなどがあったら申し訳ないです…

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