FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ   作:キャラメル太郎

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そういえば、祝!お気に入り500件!

ほんとにありがとうございます。
頑張ります。




第二六刀  攻略せよ 死の難門

 

「どうすんのよこれ…」

 

「ご、ごめんカナ…」

 

ルーシィとカナは絶賛ピンチである。

試験が開始され、行こうと思えばフリードの術式に阻まれ、解けて向かえば出遅れる。

 

いざルートを選択して進んでみれば“闘”…からの“死”。

完全な厄日として自分のカレンダーに記載出来るほどの出来事を30分という短い時間の間に味わっていた。

 

「さあ、始めるぞ」

 

だが、現実(リュウマ)は非情。

2人が少し絶望していることを知りながらも嗤いながら試験の開始を促す。

そんなリュウマを前にしてルーシィとカナは…

 

「…!よし!行くよルーシィ!」

 

「うん!絶対に負けない!」

 

諦めてなどいなかった。

それどころか気合いを入れ直し、2人の目はどんなことがあろうと負けないと言わんばかりの闘志が見て取れる。

そんな2人を見てリュウマは少し目を丸くしながらも構えた。

 

「俺が相手となると少しは気後れすると思ったのだが…思いの外そうでもないか?」

 

「当然だよ!あんたが知ってる通り、私はどうしてもS級にならなきゃいけない理由があんだ!」

 

「あたしはカナをS級にするって決めたの!相手がリュウマであろうとあたし達は諦めない!」

 

「…素晴らしいが本質に気づかなければ意味はない」

 

「…?」

 

リュウマが思ったことを口にするも、カナとルーシィはそんなことはないと言い返す。

最後にリュウマがボソリと言葉を溢した。

カナは聞こえなかったがルーシィには聞こえ、どういう意味かと思ったがとりあえず戦闘になるため気を取り直した。

 

「リュウマならこれだろ!『セクシーお姉さんカード』!」

 

「む…」

 

カナは先手必勝と言わんばかりにカードを投げた。

そのカードからは男なら必ず反応してしまうようなとても美人でセクシーなお姉さんが5人程出て来てリュウマを囲む。

リュウマは眉を顰めて…

 

 

「くだらんな…」

 

 

手刀でお姉さん達の首を全て斬り落とした。

 

手刀によって首を斬り落とされたお姉さん達は光となって消滅していく。

 

余りのことに2人は絶句した。

当然とも言える。

いくらカードの魔法で出来たお姉さんとはいえ、躊躇いなく首を斬り落としたのだから。

 

「今の俺は試験官であるため、私事は挟まない」

 

最悪の展開である。

 

だが、そんなことは想定の範囲内。

いくらリュウマとはいえ、試験官としているのでそんなことにひっかかってくれるとは思っていない。

…心に受けた期待心へのダメージは別として。

 

「ルーシィ!」

 

「うん!開け!『処女宮の扉・バルゴ』!」

 

ルーシィが黄道十二門のバルゴを呼び出した。

 

「サービス精神全開ばあじょん」

 

…何故か水着仕様で。

 

「また水着か…」

 

リュウマはまた女が相手ということでつい言葉を溢す。

 

「バルゴの心得のバ・バスルームの清掃の清掃もお任せあれ。ル・ルーシィ様に今日もご奉仕。ゴ・ゴミの分別大切です」

 

「何がしたいんだ…」

 

──ゴン…!

 

「あん」

 

「弱っ!!??」

 

バルゴの心得なるものをし始めて最後に決めポーズをとるも、呆れ顔のリュウマのチョップによって沈んだ。

ルーシィも思わず叫んだ。

 

「なんであんなの呼んだの!!」

 

「やっぱり女の子がいいのかと…」

 

ツッコミを入れるカナとまだちょっと諦めきれないルーシィだった。

 

「バルゴ…何がしたかったんだ?」

 

「私の心得を…と。お仕置きですか?」

 

「…ほう?仕置きがされたいのか?今は敵であるからしてやってもいいぞ?ン?」

 

「お、お願いしまふ♡」

 

「バルゴ強制閉門!!!!」

 

嗜虐的な顔をしたリュウマに顎を持ち上げられながら見つめられ、仕置きをされそうになっている(恍惚とした表情の)バルゴを急いで強制閉門した。

最近女性に対して耐性がついてきて時々(女性にとって)いけない感じになるリュウマである。

 

「あまり痛めつけたくないからな。降参してくれると助かる(まぁ、しないだろうが)」

 

「冗談!諦めないよ!」

 

カナはリュウマに向かって8枚のカードを投げる。

カナが使うカードは丈夫で、投げると…投げた人にもよるが普通に壁に突き刺すことができるカードだ。

 

「武器としていただこう」

 

だがリュウマは指と指の間に挟む形で一瞬のうちに全てのカードをキャッチした。

 

「チッ!こんな所で負けるか!『祈り子の噴水』!」

 

カナは噴水が描かれたカードを地面に叩きつけた。

そこから水が鋭く尖った状態でリュウマに向かって突き進むが、リュウマは先程キャッチしたカードを一枚使って水を斬り裂いた。

 

「全刀流・『完全刀一(かんぜんとういつ)』」

 

「本当に使うのかよ!」

 

本当にカードを使って水を斬り裂いたのをみてカナは声を上げた。

完全刀一は手にした物をすべて刀として使う技で、それはつまり手に取られてしまえばリュウマに武器をあげたも同然だということだ。

そのことにカナは悔しそうにする。

 

「水だ!」

 

「ルーシィダメよ!これは攻撃用の水!触ったら危「大丈夫!んっ」ルーシィ…!?」

 

カナの攻撃用の水の中に鍵と一緒に手を突っ込んだルーシィ。

 

「開け!『宝瓶宮(ほうへいきゅう)の扉…!

 

ルーシィが態々攻撃用の水の中に手を入れてまで呼んだのは…

 

 

       アクエリアス!!』」

 

 

自身が持つ星霊の中で唯一召喚条件があるが故に最強の星霊のアクエリアスを呼ぶためだった。

 

「ほう…なかなかの魔力…」

 

リュウマは感心しながらさっき防いで使い物にならなくなって捨てたカード以外の7枚のカードを構える。

 

「くらいなァ!!」

 

「カナ!何かに掴まって!」「何ィ!?」

 

もう既に岩に掴まってばっちしスタンバってるルーシィに驚きながらも、急いでルーシィに掴まるカナ。

 

「うおおおおおォ…!らァ!!!!」

 

そしてアクエリアスは自身が持つ壺から膨大な量の水を津波のように出してリュウマに向かって攻撃した。

……ルーシィとカナを巻き込みながら…。

 

そして向かってきた津波張りの水にリュウマは…

 

「フッ…!」

 

──ズバアァァァァァァァァン!!!!

 

持っていた7枚のカードを投げて津波を7分割に斬り裂いた。

 

「なっ!私の水を斬り裂いた!?」

 

自身の水をカードで斬り裂かれたアクエリアスは驚きの声を上げた。

 

「オイ!てめぇ!?なんて事しやがる!?」

 

「あん?」

 

「ちょっカナ……」

 

リュウマが斬った時に運良く斬られなかったことで水から脱出したカナはアクエリアスに文句を言って、ルーシィはアクエリアスの恐ろしさを知っているのでアタフタしている。

 

「敵と味方も分かんねーのかよ!」

 

「ハンッ小娘は全員敵だよ敵!プリプリしてりゃあ正義だとでも思ってんだろ!」

 

「あぁ…」

 

ルーシィは心配そうに2人を見ている。

因みにリュウマも取り敢えず見て待っている。

 

「あ~…そんなんだから彼氏出来ねーんだよ。0点だな、女として0点」

 

「男がいるくらいで上から目線かよ?底が知れるやっすい女だねぇ」

 

「なんか似てるわね…2人とも…」

 

青筋を額に浮かべながらも、にこやかに会話する2人を見て変に冷静になるルーシィだった。

 

そして気を取り直して向かい合う3人。

 

「そろそろ俺からも行こうか」

 

「…っ!来るよルーシィ!」

 

「うん!」

 

その言葉に構える2人。

 

「クク…『焔の風(ほむらのかぜ)』」

 

リュウマは右腕を振りかぶってから振り抜き、炎による風を出して攻撃する。

 

「くっ!」「うわぁっ!」

 

2人はどうにか躱してやり過ごした。

 

「開け!『巨蟹宮(きょかいきゅう)の扉・キャンサー』!」

 

「呼んだか…エビ」

 

「リュウマを攻撃して!」

 

「了解…エビ」

 

「蟹で…エビ?」

 

呼び出したキャンサーに攻撃を指示し、向かって行き攻撃したキャンサー。

リュウマは語尾にエビということに疑問を浮かべながらも迎え撃った。

 

「カット…エビ…っ!オレのハサミが…!」

 

「『武装色・硬化』…髪を切られるのは少し嫌だからな。『焔の風』」

 

キャンサーが髪を切ったと思えば硬質化した髪に負けてハサミがボロボロになっていた。

呆然としているキャンサーに、さっきと()()()()使()()倒した。

そしてカナとルーシィは気づいた。

リュウマが『焔の風』を放ち終わった時に、右から振りかぶり左に腰を捻るように放つため、最後は2人に向かって少し背を向けるのだ。

カナは次はそこを狙おうと画策するが、ルーシィは違った。

 

──リュウマが隙を見せる技を態々2回も使う?…これ、何かあるわね…それに始めるときに小さく言った言葉が気になる…まさか…!

 

「ハァッ!」

 

ルーシィが何かに気づいた時にはカナはリュウマに飛び掛かり攻撃していた。

そしてその瞬間がまた訪れた。

 

「まだまだだな。『焔の風』」

 

「それを待ってたんだよ!」

 

カナはダメージ覚悟で魔法に飛び込み、隙が出来たリュウマに向かって攻撃を…

 

 

「待ってカナ!!攻撃しちゃダメ!!」

 

 

「──っ…くっ!!」

 

「…!」

 

ルーシィの攻撃するなという大声に何でだと心で叫びながらも攻撃をギリギリで逸らせることに成功した。

 

その時のリュウマの顔は少しだけだが目を見開いていたのでルーシィは自分の考えに確信を持った。

 

──やっぱり!ということはリュウマには…

 

ルーシィは頭の中で作戦を立てる。

 

この絶対に突破できないと思われた“死”の関門を()()()()()()()作戦を。

 

「ぐっ!…ルーシィ!一体何で止めたの!もう少しでリュウマを…!」

 

「ごめんカナ。でも聞いて」

 

「…分かった。何?」

 

「うん。あのね───」

 

途中で攻撃を逸らしたことで無防備になってしまい、蹴り飛ばされながらもルーシィの方に戻ってきて、少し非難する目で見てくるカナに謝りながらも、ある事を確信したことにより勝つという強い意志を宿した力強いルーシィの目に負けて承諾したカナ。

ルーシィはカナに作戦を伝える。

 

 

 

 

その一方リュウマはそんな2人を見ながら思考していた。

 

──あのタイミングでカナを止めた。もしや()()()()か?だとしたら良く気づいたな。カナが突っ込んできて試験官である俺が焦ったぞ…。

 

リュウマは狙いがあり同じ技を使っていたのだ。

そしてまさかのその狙い通りに来たカナに対して()()()のだ。

 

──ふむ、カナは本当に良いパートナーを見つけたな。これはもう…

 

リュウマは大方確信したことにより、表情を見えないようにしながら少しだけ綻ばせた。

 

 

 

 

 

「───ってことなの!どう?」

 

「…そっか…確かにそうだ、そうすると辻褄が合うね…ありがとうルーシィ。私を止めてくれて」

 

「ううん。大丈夫だよ?だってあたしはカナのパートナーだもん!」

 

「…本当にありがとう」

 

作戦と自分の考えを伝え終えたルーシィはお礼を言うカナに笑顔で返す。

カナはそんなルーシィを見て心からの感謝の言葉を述べた。

他の人から見たらそんな2人はとてもチームとして良い関係だろう。

そんな2人を眩しそうに見ながらリュウマは切り出した。

 

「して?考えと作戦は決まったか?」

 

「態々待ってもらって悪かったね」

 

「もう大丈夫よ!」

 

ほう?と言い、薄く笑いながら構えるリュウマ。

 

「ならばゆくぞ?」

 

「私は絶対に()()してS級になるんだ」

 

「あたし達はこの試験に()()するのよ!」

 

「…!」

 

「開け!『白羊宮(はくようきゅう)の扉・アリエス』!」

 

「もこもこですみませ~ん…」

 

リュウマに勝つと言わずに合格と言ったことにより少しだけ動揺したリュウマの隙を突いてルーシィはオラシオンセイスの時にエンジェルが契約していた星霊のアリエスを呼び出した。

 

「やってアリエス!」

 

「はいぃ!う、『ウールミスト』!」

 

「これは…」

 

アリエスはリュウマにモッコモコの雲のような物を出して周りを囲み視界を0にした。

 

「…周りが見えん…っ!なんだ!?」

 

「す、すみま~ん…!」

 

周りが見えないと思っていると背中に何か張り付いてきた…と思ったらアリエスが抱き付いていた。

 

「周りと同じ色で見えなかったか…って…いつまで抱き付いている!?」

 

「ふわぁ~すごい…硬くて…(背中が)大きい…いい匂い…///」

 

「ブッ!?やめろ離せ!?」

 

何かとても勘違いしそうな事を天然で言っているアリエスと、いきなりのことに少し赤くなりながら吹き出して剥がそうとするもなかなか離せないリュウマ。

 

「隙あり!」

 

そして上空から突如落ちて現れたカナ。

 

「マズい…!そォら!」

 

「きゃっすみませ~ん!」

 

「うわっ!」

 

「残念だったな…『焔の風』!」

 

攻撃をどうにか避けてからアリエスを振り解いて着地した瞬間のカナに目掛けて投げる。

2人まとまった瞬間に『焔の風』を叩き込んだ。

 

「今です~!」「「今だよ!ピーリピーリ」」

 

光になって消えていったアリエスと()()()()()()()()()()()()

ルーシィはアリエスが視界を遮断した後、ジェミニを呼んでカナに化けさせていたのだ。

 

──ボフンッ!

 

「残念だったな…なんてね!」

 

「…!」

 

そしてアリエスが放った『ウールミスト』から勢い良く出て来た本物のカナ。

突き破ってきた穴の向こうからルーシィが『星の大河(エトワールフルーグ)』──エドラスでタコになった敵を倒した時に使っていた鞭──を振り抜いているのが見えた。

 

カナが近づく中、リュウマはなるほどと思った。

いくらモコモコしているといえども、これは歴とした魔法…。

普通に突っ込んだだけでは線密性が高いこの魔法を突き破れない。

故にルーシィは鞭をカナに巻き付けて振り回し、遠心力を加えてカナに突っ込ませたのだ。

結果はこの通り成功…見事隙だらけのリュウマの前に躍り出たのだ。

 

これがルーシィが考えた作戦だった。

先ずはアリエスにより視界の遮断、次にアリエスによって行動を制限、そこからのカナに化けたジェミニによる特攻と見せかけた錯乱、そしてルーシィに勢いを付けさせたカナの本命の特攻。

どれかズレていたらリュウマが『ウールミスト』を吹き飛ばして視界を確保し、作戦失敗に繋がった賭けであった。

 

 

──よくぞ…よくぞ見破った!見事なり──

 

 

リュウマは心の中で賞賛を送った。

 

 

そしてカナは手に持ったカードを振りかぶりリュウマに向かって振り下ろし────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────────………………」

 

 

「─────────………………」

 

 

 

 

 

体に当たる寸前で()()()

 

 

そしてそこから動かずジッとリュウマを見るカナとルーシィに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───……フッ…合格だ」

 

 

 

 

第一次試験“死”のルート合格を言い渡した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今は2人に出来た傷をリュウマに治してもらい、今回の試験について聞いていた。

 

「フゥ…当ってて良かったぁ…」

 

「でもなんでこんな試験だったんだ?私はてっきりリュウマを倒さなきゃいけないと思ってたんだけど…」

 

「誰が試験は戦いだと言った?俺は始めるぞとしか言っていないぞ?」

 

「……あ…」

 

リュウマは少し笑いながらカナの質問に答える。

 

「マスターはリュウマは神出鬼没で出会ったら戦うとは言ったけど、それはあくまでマスター。リュウマは自分自身が試験官って言ってた、つまりリュウマと当たった場合は、本来とは違うリュウマの試験が適用される…って事よね?」

 

「うむ、その通りだ」

 

ルーシィの自分なりの答えにリュウマは肯定した。

確かに第一次試験は当たった人と戦闘にはなるが、リュウマが当たった時はリュウマが試験官となり、第一次試験のテーマに則って試験を出すのだ。

フリードとビックスローはリュウマとの戦闘だけだと勘違いしてそのまま戦い、リュウマにやられた。

 

「じゃあなんで“死”なんて言ってんだよ!?分かりづらいわ!」

 

「それはあたかも俺と当たったら戦闘になる…と、思わせるためだ。態と大きな壁に当たらせ、その壁に相対しても冷静でいられるかを判断するためだ」

 

「…!」

 

まさかそんな事が隠されていたとは思わずカナは驚きの表情を浮かべる。

ルーシィは大体予想着いていたのかやっぱり…といった顔をしている。

 

「確かにマカロフは第一次試験の説明をしたが、マカロフ以外に俺がそうするとは誰も言っていない。そして俺がこの第一次試験で見るのはまず、俺と相対しても闘う意志を消さない《諦めない闘志》」

 

リュウマは2人を見ながら話しを続ける。

 

「そして俺がどんな風に動き攻撃するのか、どのタイミングでやれば連携が取れるのかを判断する《冷静な状況判断》」

 

「俺が同じ技を使いつつ、隙があり…尚且つ()()()()()()()()()()()()、今の状態を分析する《的確な分析力》」

 

「「…っ!」」

 

ルーシィは自分がリュウマの発言を聞いて思い返していたことがバレていたことに驚愕し、カナはそこまで分析出来ていなかった自分を悔しく思った。

 

「…クスッ」

 

リュウマはそんな悔しそうにするカナを見て、バレないようにクスリと笑う。

 

「そして…例え片方が気づかずに突っ走っても、そのパートナーを止め、意思疎通をし、共に戦うための《仲間を信じる心》」

 

「…!」「あ…」

 

2人は全部自分達がしていたことに気がついた。

リュウマは先の戦闘の中で、自分達の全部を見て判断してくれていたのだ。

 

「カナ…お前は今回で5回目のS級選抜試験だろう?」

 

「…!覚えて…」

 

「無論だ。カナから聞いた話から…いや、試験に選抜してから今までの4回全部応援していた」

 

「……っ」「リュウマ…」

 

カナはリュウマがそこまで自分を思って応援してくれていたことに視界を少しぼやけさせた。

ルーシィは覚えていたリュウマに感心する。

 

「試験の本質にあまり気づかなかったのは悔しいだろう?だが、今回のことを糧に覚えればいい。それに…」

 

「ぅっ……?」

 

カナは少し声を漏らし始めながらも、言葉を区切ったリュウマを見る。

リュウマはカナを優しげな目で見てからルーシィを見た。

 

「それにお前には…良いパートナーがいるではないか」

 

「…っ!」「あたし?」

 

カナはもう涙を我慢できなかった。

少しずつ涙をポロポロと流しながら俯く。

ルーシィは突然の良いパートナーに嬉しく思いながら驚く。

 

──ぽすん…

 

「ぁ…っ…グスッ…」

 

リュウマは俯きながら涙を流すカナの頭に手を置いて優しく…割れ物を扱うように優しく撫でてあげた。

撫でられたカナは驚いて顔を上げ、涙に濡れた瞳でリュウマを見る。

 

「良いパートナーと一緒にここまで(S級という高みまで)来い」

 

頭を撫でていた手を下ろし、涙を親指で拭ってやりながら語りかけるリュウマ。

 

 

   「俺は応援しているぞ、カナ」

 

 

「…グスッ…うっうぅ…っ」

 

「おっと…仕方ないな…クク…」

 

カナは耐えきれずにリュウマに抱き付いた。

リュウマは仕方ないと言いながらも頭を撫でてやった。

ルーシィとリュウマはそんなカナを優しい目で見て、泣き止むまで待っていてあげた。

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん…あんがと…」

 

「なに、気にするな」

 

カナが泣き止んでリュウマから離れた。

 

「よし、この先に行け。先程も言った通り合格だ。だが、侮る事勿れ…試験はまだ一次…これからが本番だ」

 

「任せな!私は絶対にS級になるんだ!」

 

「あたしは絶対にカナをS級にする!」

 

「その意気だ」

 

 

 

 

そして2人は見事合格して奥へ続く道へと進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっリュウマ!あんたすっごい良い匂いだったよ!ニシシッ!」

 

「なっカナ!?むちゃくちゃ羨ましいっ(あたしも後で…)」

 

 

「ブッ!?さ、さっさと行け!!///」

 

 

 

 

……進んで行った。

 

 

 

 

 




どうでしたか?
お色気で倒すと思った人ちゃんと正直に答えなさい?笑笑

いやー、大変でした…。
面白いと感想で言ってくれたのでサービスで頑張っちゃいました笑笑(チョロい
他の7組は原作通りです。


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