FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ   作:キャラメル太郎

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とりあえずあげますが…面白くなかったらすみません。




第二八刀  男が今…動き出す

 

 

天狼島に侵入者が現れ、フェアリーテイルのメンバーがそれぞれ見つけた敵と戦っている時、ルーシィとカナは運良く強敵と遭遇しないでいることが出来た。

 

そのうち見つかる、又は見つけて戦闘になるのはどちらも分かってはいるが、出来れば戦いたくないというのが本音だった。

 

カナは敵どころではなく、一刻も早くS級になりたいため。

 

ルーシィはただ単純に自分では敵に勝てるとは思えないためであった。

 

途中降ってくる雑魚は2人で協力して倒したが、本隊がいると聞いて当たりませんように!と、心の中で叫んでいた。

 

カナは不意にルーシィに第二次試験の問題が分かったとはなんだと聞いた。

 

実はS級昇格試験の第二次試験は、6時間以内にフェアリーテイル初代マスターのメイビス・ヴァーミリオンの墓を見つけ出せ。

と、いうものだったのだ。

 

それをルーシィは1時間程で第二次試験の問題を解いた。

 

残念ながら、カナはそれを聞く前に敵が現れ、聞きそびれてしまっていた…。

 

故にカナは今聞いておこうと思い、ルーシィが推測にすぎないと言っている考えを聞いた。

 

ルーシィの推測は満点で、実際にルーシィの考え通りに行けば初代マスターの墓はある。

 

だが、カナはルーシィが言い終えると同時に魔法で眠らせたのだ。

 

何故そんなことをしでかしてしまったのかは分からないが、ルーシィは茂みの中に連れて行って寝転がせてから、1人で行ってしまった。

 

 

直ぐ近くに本隊のうちの1人がいるというのに。

 

 

眠ってしまっているルーシィに現れた大男は踏みつけて殺そうとするも、ルーシィはギリギリで起き上がり、回避することが出来た。

 

「じじじ自分は悪魔の心臓(グリモアハート)七眷属の一人、華院=ヒカル!つ、強いっスよ」

 

「あたし達のギルドでは立ち向かう事の方が大事なの!相手になるわ!かかってきなさい!!」

 

内心では少しビビっているが、顔には出さずに叫び、同時に自分を鼓舞する。

 

「いいっスよ。自分の魔法、“丑の刻参り”見せてやるっス」

 

そして懐から出したのは、どこか不気味に感じながら、額の部分に『呪』とかかれた人形だった。

 

この人形に対象者の髪を付けることで、持っている人間が人形を動かせばその通りに動かすことのできるとても強力な呪殺魔法なのだ。

 

因みに、この人形の説明を信じなかったルーシィに対して、華院ヒカルは自分の髪の毛を人形に付けて渡し、ルーシィによってめちゃくちゃ遊ばれた。

そして自分でやったのに怒り出してルーシィを本格的に攻撃し始める。

 

「開け!『金牛宮の扉・タウロス』!」

 

「MOーーーーーーーーー!!!!」

 

「どどすこーい!!」

 

「がふぁ!?」

 

ルーシィはタウロスを呼んで攻撃させるも、華院ヒカルの張り手によって一撃で倒されてしまった。

 

「そんな…!?魔法使わない方が強いってなんなのよこいつ!」

 

追いかけてくる華院ヒカルからどうにか走って逃げながらも星霊を召喚して戦う。

 

「開け!『天蠍宮の扉・スコーピオン』!」

 

「ウィーアー!『サンドバスター』!!」

 

「どどすこい!」

 

ルーシィはジェミニやアリエスと同じく、倒したエンジェルから手に入れた黄道十二門のうちの一つ、スコーピオンを呼び出して攻撃させる。

だが、華院ヒカルには全く効かず、それどころかスコーピオンも張り手でやられてしまった。

 

「ば、バカな!?オレっちの砂が…!」

 

「何も…効かない…!?何なのコイツ…!」

 

「人形にはまだ自分のゴワ毛がついたままっス。その人形の材質を変化出来るとしたら?」

 

「…!まさか…!」

 

そう、華院ヒカルは自分につけた人形の材質を自由に変えることによって自分自身を強化していた。

確かに呪いの力は強いが、髪がないならば無意味。

だが、他の使い道として自分の髪をつけて自分の強化に使えばいいのだ。

 

人形(ノーロさん)チェンジ!材質を鉄から光源体へ!『シャイニングどどすこーい』!」

 

「きゃあああああああ!!!!」

 

光源体へとなった華院の素速い突っ張りに吹き飛ばされるルーシィ。

 

「そして、人形(ノーロさん)の材質を光源体から綿へ!」

 

華院ヒカルは体を綿にすることにより、巨体に似合わずフワフワと空へ飛んで行く。

 

「これでとどめだー!材質を鉄へ!潰れろーい!」

 

「んうぅ…!」

 

上から材質を鉄に変えたことにより、巨体と相まって猛スピードで落下してくる華院ヒカル。

ルーシィは突っ張りの時のダメージが大きかったのか動けず、思わず目を瞑る。

 

本来ならば助けてくれる人が近くにいるのだが、今は一人…誰も助けに来れない。

 

もうあたしはここでお終いなのかな…。

 

脳裏に浮かぶのは大好きな人の姿だった。

 

瞑った目から涙を流しながら心の中で呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──助けて…リュウマ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────ドカアァァァァァァァァァァン!!!!

 

 

 

「ゥウウェーイ!!!???」

 

 

「ぇ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か?あと、怪我はないか?」

 

 

「ぁ…リュウマぁ…!」

 

 

 

 

 

リュウマはルーシィの心の声に応えるかのように、華院ヒカルを何かで吹き飛ばしながら現れた。

 

ルーシィは心の底から安心した。

 

何故なら…

 

 

「助けに来たぞ」

 

 

この人がいれば怖いもの無しなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──時を遡ること数十分前──

 

 

 

 

 

 

 

「ガアァアァアァアァァアァアァアァッ!?」

 

島の端側…つまり岸の方からアズマははるばる吹き飛んで、天狼島の中央に生える大樹にぶつかりめり込んだ。

 

──な、なんなのかね…この威力の()()は…!!

 

そう、リュウマはアズマが魔法を使い攻撃しようとした瞬間…ただ純粋な脚力による蹴りだけでアズマを大樹の所まで蹴り飛ばしたのだ。

 

「なかなか吹き飛んで行ったな?まぁ、どうでもいいが。立て…貴様が望んだ通りの強者との闘い(一方的な蹂躙)をしてやる」

 

「ぐっ…す…さまじいね…!実に心躍るというものだね!」

 

アズマは直ぐに起き上がりリュウマに向かって駆け出していく。

 

「フハハ!『ブレビー』!」

 

片手をリュウマに向けた途端リュウマは横に回避。

避けた後、リュウマがいたところが爆発した。

 

「シッ!」

 

リュウマは回避した瞬間から駆け出しており、アズマに向かって拳を叩きつけた。

アズマは魔法で操った天狼島の大樹の根を使い、盾のようにして防ぐ。

だがリュウマはそこからまた拳を振り上げた。

 

「無駄だね!」

 

アズマは同じく大樹の根を曲げて防ぐ。

 

「無駄だ。『二重の極み』!」

 

「なっ!?ガッ!?」

 

一瞬のうちに二度拳をぶつけることにより、一度目で殴った対象が拳に対して反発する力を打ち消し、二度目に拳の全エネルギーを浸透させる技がある。

 

それを使って根を粉々に破壊し、無防備のアズマの腹に『二重の極み』を応用した蹴りを叩き込む。

 

アズマは完全に全エネルギーが乗った蹴りをまともにくらい、くの字になりながら勢い良く吹き飛んでいく。

 

体勢を空中で立て直して着地する。

顔が苦渋の表情になるも、口元は笑っている。

 

「血が滾るね!『枝の剣(ラームスシーカ)』!」

 

天狼島の根から鋭い枝を多数作り出して発射する。

一つ一つがエルザの『金剛の鎧』を削るほどの威力を秘めているため、当たれば重傷では済まない。

 

「数はあれば良いという物ではない。そんな物は当たらん…『見聞色の覇気』」

 

だが、リュウマはその枝を全て避けてゆく。

まるでいつ何処に何が来るのかが全て分かっているかのように避けるのでアズマは驚きながらも笑う。

 

「全て避けるかね。なら…この数ならどうかね!」

 

避け続けるリュウマの周りにある全ての根からラームスシーカを飛ばして攻撃する。

数は最初の六倍に及ぶ。

 

だが、それでもリュウマは全てを完全に避けながら、それどころか前に進んで行く。

これでもダメなのかと思い、魔法を重ねがけする。

 

「『葉の剣(フォリウムシーカ)』!!」

 

かなり数が増えた事により眉を寄せて鬱陶しそうな顔をするリュウマはその場で攻撃を避け続けながらも魔力を籠め始めた。

 

「鬱陶しい。七つの星に裁かれよ…」

 

リュウマはその場で右手で二本の指を立て、左手の平の上に置き構えた。

この技はかつてジェラールがナツに放った隕石に相当する威力を持つ破壊魔法。

 

ジェラールが元祖の魔法かもしれない…だが…それが使えて尚且つ、籠める魔力量が桁違いのリュウマとなると…

 

 

 

       「『七星剣(グランシャリオ)』」

 

 

 

ラームスシーカを全て消し飛ばしつつ、アズマも巻き込み、辺り一面を吹き飛ばす大爆発を起こした。

 

 

リュウマは吹き飛ばされたアズマの所まで行き、上から無表情で覗き込む。

 

「ゲホッ…この魔法は…」

 

「俺はどんな魔法であろうが能力であろうが、全てを模倣し、貯め込み、何時でも自由に使うことが出来る」

 

「なるほど…だが…」

 

倒れているアズマは…リュウマの足をガシリと掴んだ。

逃がす気がないのか、これでもかという程に握り締めている。

 

「……ッ!」

 

「倒れているとはいえ、オレはまだ戦えるのだがね…!」

 

アズマは大樹のアークをありったけの力で使用し、島の魔力を制御する。

 

 

「天狼島に眠りし魔力を…今!解放する!!」

 

 

天狼島全体が膨大な魔力によって大きく揺れる。

 

天狼島はフェアリーテイルの紋章を刻む者に加護を与え、島の中で死なないようにする他、魔力を高める力を持つ。

 

つまり、島自体が内包する魔力は計り知れないのだ。

アズマはそんな天狼島の魔力をたった一点に集中させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「受けるがいい!『大地の叫び(テラ・クラマーレ)』!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

今この瞬間…島の魔力がリュウマたった1人に対して集中し、大爆発を引き起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…島の魔力をこの距離で受けたんだ…人間ならば耐えられまい…」

 

──本来ならば戦いを楽しむところだが…マスターハデスの命令がある…仕方ないね…。

 

 

アズマはリュウマを倒したということに達成感を絶大に感じ、余韻に浸る。

 

 

だが…忘れてはならない…

 

 

──人の気配…まさか!

 

ゆっくりと顔を上げる…。

 

「…っ──────ッ!」

 

 

リュウマは人間ではあるが…

 

 

「効いたぞ…」

 

 

()()()()()()()()()

 

 

()()だがな?…クカカ…」

 

 

リュウマは島の膨大な魔力による大爆発を受けきったのだ。

 

リュウマは大抵の場合(ミラとリサーナを助けた時は咄嗟だったため出来なかった)は体の表面全てを魔力で覆っており、それを突き破られない限りはダメージが入らないようになっている。

 

今回は突き抜けたが、膨大な魔力で覆っていたので殆どダメージなど入っていない。

 

故の「少し」なのだ…。

 

構造を簡単に言うならば、どこぞの破面が使う鋼皮(イエロ)

 

もっと簡単に言うならば、魔力で出来た鎧だ。

 

 

      「今度は俺の番だな?」

 

 

「何故生きて…!──ガァ!?」

 

リュウマは肩で息をしているアズマの顎を殴り上げて上空へ上げる。

 

次に空中に吹き飛ばされた所を追いかけ、追いついた所で殴りつけることで下へと叩きつける。

 

「ぐっ!『タワーバースト』!」

 

アズマは魔力を籠めて一気に放ち、炎の柱を出してリュウマを焼こうとする。

 

体を捻って空中で方向転換をし、タワーバーストの真横スレスレを落下しながら右手を…態と炎の柱の中に突っ込んだ。

 

「血迷ったのかね!」

 

アズマは何故態々炎の中に腕を突っ込んだのか理解できず叫ぶ。

 

「こうするためだ」

 

「なっ!ぐっ…うっ…!」

 

リュウマは一瞬でアズマの目の前までくると焼け焦げた右腕で首を掴み持ち上げる。

 

剥がそうとするも、万力な如くの力でギリギリと締め上げられて振り解けない。

 

──ピシッ!

 

──なっ!?焼け焦げた右腕にヒビが…!

 

リュウマは驚いた顔をするアズマを見てニヤリと嗤うと…

 

「焼き焦がした我が身を触媒としてのみ発動できる禁術。…犠牲破道」

 

「かひゅっ…っ…待っ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   「破道の九十六・『一刀火葬(いっとうかそう)』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この瞬間…まるで天狼島自体を刀で貫き…貫通させたかのように、刀の切っ先の形をした莫大なエネルギーが立ち上った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しずつエネルギーの塊が小さくなっていき…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………はっ…あ……ぐっ…」

 

「ほう…?これでもまだ生きているのか」

 

そこには未だにアズマの首を掴んだままのリュウマがいた。

 

それ即ち…掴んだままアズマを逃がさずに莫大なエネルギーの中心地に押し止めていたのだ。

 

だが、先程のアズマとは違い、体中がボロボロであり、傷がないところを探すのが困難である程の重傷だった。

 

因みに、リュウマの焼け焦げた右腕は全身と合わせて既に『自己修復魔法陣』で完治されていた。

 

 

「つ、強い…ね…やはり…といったところ…か…ね…」

 

「そんなことはどうでもいい」

 

リュウマはアズマの言葉を興味がないと切り捨てる。

そして…

 

 

「言い残す言葉はあるか?」

 

 

──ゾクッ!

 

 

リュウマはアズマを無表情で見つめ、当前な事の確認でもしているかのように、至極自然に…当たり前とでも言うように問うた。

 

そんなリュウマを見た瀕死の状態であるアズマは、自分の心臓が凍り付いたかのような錯覚を感じた。

 

「…おまえは…強い…だが…マスターハデスには…勝て…ないね…大魔法世界が…始まる…」

 

「然様か」

 

──む、あそこにいるのは…なるほど…ちょうどいい。

 

「ではな、アズマとやら。精々あの世を満喫するといい」

 

掴んでいるアズマを、自分の体の向きを少し方向を変えながら、変え終わった前方の空中に放り投げる。

リュウマ自身も後ろへと一気に下がり、一本の刀を召喚して突きの構えをとった。

 

 

「一歩音越え…!」

 

 

そして第一歩を踏みしめて爆発的推進力をもって駆け出す。

 

 

「二歩無間…!」

 

 

更に一歩踏みしめて地を蹴り上げ…第二加速。

 

今もなお…第一歩目の音しか聞こえず。

 

 

「三歩絶刀…!」

 

 

落ちてきたアズマに向かって跳び、目の前まで来た。

 

今の距離…射程範囲内。

 

足音は遅れて最後に一歩分だけが…鳴った。

 

 

 

 

    「『無明(むみょう)三段突き』!!」

 

 

 

 

放たれた三つの突きは()()()()()()アズマの鳩尾に吸い込まれるように美しく入った。

 

 

一度目で刺し貫かれ。

 

 

二度目で深く抉られ。

 

 

三度目で円形に()()()()

 

 

 

「………───────」

 

 

だが突きの威力はとどまることを知らず。

アズマは真っ直ぐに…()()()()()()()()()()()向かって飛んでいった。

 

リュウマはアズマが()()()当たったのを見て、ニヤリと嗤いながら飛んで行き、着地して告げた。

 

 

 

「大丈夫か?あと、怪我はないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──そして今に至る。

 

 

 

 

リュウマはルーシィに近づいて手を引っ張り起こしてあげる。

 

「助けに来たぞ」

 

「うん!ありがとう!」

 

ルーシィは目に溜まった涙を拭いて立ち上がり礼を言った。

 

「ぐっ…なんなんスか…?ん?アズ…マ?こ、これは…!?」

 

華院ヒカルにぶち込んで吹き飛ばしたのはアズマ()()()者。

大樹のアークを使いすぎた反動からなのか、体が木と化して死んだのだ。

 

「お前がアズマさんをやったっスか」

 

「無論。片付ける瞬間、ルーシィがやられているのを見て、そいつを貴様目掛けて吹き飛ばしたんだ」

 

「そうだったんだ…」

 

華院ヒカルはよくもやってくれたっスね…と言いながら人形に付いた髪を黒から()()()へと変えた。

 

「自分の仲間にやられるといいっスよ」

 

「…?何故ルーシィにやられブッ!?」

 

「えっ!?きゃあああ!?ごめんリュウマ!!」

 

疑問に思い何を言っているんだと口にした瞬間、リュウマはルーシィに横っ面を思い切り殴られた。

 

「な、何故今殴ったんだ?ルーシィ…」

 

殴られた頬を抑えながら何とも言えない顔で見るリュウマ。

 

「ご、ごめん!違うの!アイツが持ってる人形!あれのせいなの!」

 

「なに?」

 

そこには華院ヒカルがルーシィの髪をつけた人形の腕を右に突き出させていた。

 

「…見るだけで効果が分かる人形だな…」

 

「お前は仲間の女にやられるがいいっす!それ!」

 

操られているルーシィがまた殴りかかるが、リュウマは避けてルーシィを後ろから羽交い締めにする。

だが、傷つけるわけにはいかないので全力で拘束できず、しかも、操られている効果なのか力がものすごく強い。

 

「あん…っ…ちょ、苦しいよリュウマ…」

 

「し、かたないだろう…!力が強いんだ…!…ハッ!?」

 

もう完全に後ろから抱き付いていることに気がついたのか少し顔が赤くなるリュウマ。

 

「な、なに?どうしたの?…ぁ…」

 

そして後ろを振り向いてリュウマの顔が超近くにあったために、現状に気がついて同じく赤くなるルーシィ。

 

「あ″あ″あ″あ″あ″あ″!イチャつくんじゃないっスよ!」

 

「貴様がやっているんだろうが!」

 

「あたしはこのままでも別に…///」

 

「ルーシィ!?」

 

なんとも言えない空気に叫んだ華院ヒカルだがやっているのは本人だ。

 

──まぁ、つまりはあの人形をどうにかすればいいんだな。

 

リュウマは頭の中でそう考え…

 

「──っふ!」

 

実行に移した。

 

リュウマはルーシィから手を離して少し離れた所に行く。

 

「ふむ、しかし…なかなかどうして面白そうな魔法だな…」

 

そう言って()()()()()()()()見下ろす。

 

「…あれ!?ノーロさんがねぇっス!?…あ!いつの間に!?」

 

「あ、本当だ…」

 

「クク…『強奪(スナッチ)』少々手癖が悪くてな」

 

そう言いながら嗤うリュウマ。

手癖が悪いのではなく、態とである。

 

「ふむ………あ…ククク…!」

 

「あ、あのぅ…リュウマ?」

 

そしてとても面白いことを考えついたリュウマは少し離れた木に背を付けて座り、人形を構えた。

 

「(ルーシィの前に)召喚・六爪の刀」

 

「はぇ!?」

 

「な、なにするつもりっスか…」

 

リュウマは自分の武器をルーシィの前に召喚してルーシィを人形で操って武器を持たせる。

因みに、人形にも小さいバージョンの刀を持たせている。

 

 

 

「さぁ、ゆくぞ?ルーシィがな!」

 

「あたしぃ!?」

 

※ここからのルーシィはリュウマが操っています。

 

ルーシィは華院ヒカルに向かって走り出す。

 

「よく分かんないっスが女もお前も殺すっス!」

 

華院ヒカルの突っ張りがくるが…

 

「わっきゃあ!?」

 

「ウゥーウェ!?」

 

腕を掴み、突っ張りの勢いを全て使い背負い投げをした。

そして倒れたところですかさず上に飛んで華院ヒカルにのし掛かる。

ただでは軽いが、今のルーシィは『重金属(ヘビィメタル)』なので重量数百キロだ。

 

「ゴフゥ!?」

 

そしてルーシィは横に蹴り飛ばしてから、腰に付けた六本の刀を引き抜いた。

片手に三本ずつの計六本だ。

 

「ちょっ!これ指痛い!?」

 

「調子にのるんじゃねぇっス!」

 

「きゃあ!?」

 

華院ヒカルが起き上がり再び突っ込んでくるが…

 

「『CRAZY STREAM』」

 

ルーシィは突っ込んで来た華院ヒカルが間合いに入った瞬間に両手の六爪で左右への横凪攻撃で斬り裂いた。

それを続けて連続で斬る。

華院ヒカルは腕をクロスさせてガードするも、腕がどんどん斬られていく。

 

「う、ウーウェ…!」

 

そしてガードに徹している華院ヒカルに向かって斬る攻撃をやめて両腕を開いて回転してさながら竜巻のように斬りつける。

 

「やられねぇっスよ!」

 

華院ヒカルが後方に跳んだのを見計らい…

 

「『MAD DRIVE』」

 

六爪を地面にこすりつけるように走らせてから振り上げ、衝撃波を飛ばしてぶつけた。

 

──ドゴオォォォォン!!

 

「ウーウェ!!!!」

 

吹き飛ばされて体勢を崩した所をすかさずルーシィは空中に跳びながら追いかけて目前に着地する。

着地すると同時に…

 

「『GROUND DRAGON』」

 

「ウウウウウェウェウェウェ!!??」

 

ルーシィは地面に六爪を突き立てて地を這う龍のような電撃を華院ヒカルにぶつけた。

 

「あばばばばばばばっ!!??」

 

未だに電撃で痺れて動けないでいる華院ヒカルに向かって、又も目前で六爪のうちの五本の刀を地面に勢い良く突き刺す。

するとそこから複数の轟雷が落ちてきた。

 

1本目の雷に刀を1本投げて雷を纏わせて斬りかかり、右腕を斬る。

 

2本目の雷に刀を1本投げて雷を纏わせて斬りかかり、逆の左腕を斬る

 

3本目の雷に刀を1本投げて雷を纏わせて斬りかかり、左足を斬る。

 

4本目の雷に刀を1本投げて雷を纏わせて斬りかかり、逆の右足を斬る。

 

5本目の雷に刀を1本投げて雷を纏わせて斬りかかり、胴を袈裟斬りした。

 

最後の6本目の刀を上空へ投げると、今までとは比にならない轟雷が鳴り響き、雷が刀に纏う。

 

「『HEART BOLT』!」

 

最後に手にした最後の刀で…

 

 

 

 

 

        『斬ッ!』

 

 

 

 

 

「ぐわああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

 

 

      華院ヒカルを斬った。

 

 

 

 

 

 

 

 

華院ヒカルが完全に気を失ったことにより、リュウマはルーシィの髪を抜いて六爪を戻した。

 

「あ、あたし…あんな動き出来たんだ…今のあたし最強じゃなかった…?」

 

ルーシィは先程の戦いがものすごく圧倒的であったため、夢心地で余韻に浸っていた。

 

 

そして肝心のルーシィを操って絶技を繰り広げたリュウマはというと…

 

 

 

「…………………………………………。」

 

 

自分でやったのにも関わらず呆然&絶句していた。

 

 

因みに心の中の言葉を伝わりやすく、且つ分かりやすく表現すると…

 

 

 

──え…なにこれめっちゃ面白い楽しい──

 

 

 

と、いった感じだった。

 

なんかもう色々と残念すぎる。

 

そして同時にこの瞬間…ルーシィ最強説(ガチ)が浮上した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っ…ふ…ふふっ…んっ…ふ…っ」

 

「そこまで笑わなくてもいいじゃない!?」

 

「い、いや…ルーシィがあまりにも強くて…っ…」

 

「リュウマがやったんじゃない!?あたし自身じゃないし!?」

 

「…っ…ふぅ…だがよくやったな」

 

「ありがとう!リュウマも助けてくれてありがとう!」

 

「あぁ、気にするな」

 

「でも、ちょっとは先に言ってほしかったかな?」

 

「それは…すまん」

 

「じゃあお詫びとして買い物に付き合ってね!」

 

「買い物か…分かった」

 

「じゃあよろしく!(やったっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 




無明三段突きおかしかったらすみません。

バサラの伊達政宗クッソ難しかったです、てか、技の構成自体が分からないので私の想像になっちゃいました。

大樹を何故倒さなかった?
自然は大切にしましょう。

一刀火葬はここでやると決めてました。
後悔はしてませんはい。

ルーシィ最強説(爆笑)wwwwwwwwww

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