FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ 作:キャラメル太郎
恐らくありきたりな内容と駄文であるからだと思われ(白目
一応のコンセプトとすれば、敵に容赦せず、敵を命をかけて助けたりもせず、「なんでそこでいうこと聞いちゃうの!?」っていうのを無視する私好みの主人公なのですが、そんな場面ありませんでしたから分かりませんよね…。
ですが、面白いと言って下さる方々やお気に入りしていただいている方々がいるので頑張って書きます。
面白くなかったらマジですみません。
リュウマとルーシィが華院ヒカルを下した後のこと。
リュウマは他の七眷属を倒しに行くと…ルーシィはナツやウェンディ達の事が心配だと互いに言い、二手に別れることにした。
その後、ルーシィは傷ついたマスターマカロフを背負うナツとハッピー、ウェンディとシャルルと合流を果たす。
その間にロキが七眷属の一人のカプリコーンを倒したり、ジュビアとエルザが同じく七眷属のメルディを倒した。
他の場所でもフリードとビックスローにエルフマンが力を合わせて七眷属の一人、ラスティローズを倒している。
七眷属のザンクロウはナツが最初に倒し、あとはウルティアとブルーノート、マスターハデスの三人だけだ。
ウルティアは天狼島にいた黒魔導士ゼレフを見つけて撃破したところをグレイに見つかり、嘘を述べて自滅させようとするも、嘘を見破られて戦闘へと移行した。
ブルーノートは偶々見つけたナツ達を自分の使う強力な重力魔法で地面に貼り付けにし、フェアリーテイル三大魔法の一つ、
ナツ達はそんな物知らないと答えるがブルーノートは信じず重力魔法を更に強くしていく。
ナツ達は今、絶体絶命のピンチに陥っていた。
一方、ルーシィを置いて行ってしまったカナは…
──この先にメイビスの墓が…やっとS級になれる…やっとお父さんに会える…!
ルーシィが出した答え…最初の一次試験の際に早い者勝ちで選んで通っていた洞窟の入り口、そのEルートを進んでいた。
そして奥へと進むこと数分…カナはメイビスの墓へと到達した…。
「なによこれ…お墓が…光ってる…?」
そこにあったメイビスの墓は…神々しく光り輝いていた。
まるで辿り着いた者を歓迎するかの如く光り輝き、堂々と建てられていた。
「何…?この光…」
カナは不思議に思い、光り輝く墓に触れる。
──バチィ!
「うっ!?」
が、触れるなと言われているかのように弾かれた。
だがそれと同時に墓の前に魔法のディスプレイが出現し文字が刻まれていく。
『妖精三大魔法が一つ…
最後にはそう刻まれ止まった。
まさしくこれこそがフェアリーテイル三大魔法の一つ…ナツ達を今尚襲撃しているブルーノートが欲しているフェアリーグリッターだった。
「私が欲しいのは魔法なんかじゃない!!試験はどうなってんのよ!マスター!何処に居るの!?」
だが…カナが欲しているのはフェアリーテイル三大魔法なんかではなく、S級昇格の合格だけであった。
見回しても何処にも居ないマスターマカロフに焦り叫ぶ。
「この試験には私の12年が詰まってるんだ!」
カナが言う12年…。
これはただの過ぎ去った時に非ず…。
この数字は…今から昔…フェアリーテイルのカナという人間が誕生した時の話だ。
───カナの過去についての独白
12年前…。
病気で死んだ母の遺言で私には父親がいることがわかった。
私は父を探すために
──実の父親…その名は
「ん?お嬢ちゃんこんな所で何してんだ?」
ギルダーツはまだ小さく…フェアリーテイルのギルドの前に立っていた私に気づいて声をかけてきた。
私はやっと会えた事に目に涙を溜め…嬉しさに体を震わせながらギルダーツに言おうとした…。
──お父さ…
「早く家へ帰んな。こんな所にいたら服が酒臭くなっちまうぜ?ガハハハハハ!」
「…………」
だがギルダーツは私という実の娘の存在に何も言わず…。
そればかりかそこら辺にいる子供に言って聞かせるように言って…
私はその場で呆然とした。
──あれ?何で?何で私に気づかないの?
ギルダーツに伸ばした腕が…手が…空を切る…。
──言いそびれちゃったな…。
それからというもの…父の帰りを待って何度も出入りしているうちに、そんな私を見かねた…当時はまだ入ってそんなには経っていなかったリュウマに…
「カナ…であっているな?そう何度も出入りしているのは面倒ではないか?お前が良いならば折角だ、ギルドに入ってみるのはどうだ?入るならば俺がマカロフに進言してやろう」
という言葉に頷き、私はフェアリーテイルに入ったんだ。
お父さんは一度仕事に行ったら、なかなか帰ってこないし、帰ってきてもすぐに違う仕事に行っちゃう…。
「大きくなったな!カナ」
「あ…」
「ギルダーツ!列車が行っちまうぞ!」
「はいはい!じゃあまたな、カナ」
「あっ…待っ…行っちゃった…」
「……大丈夫だ、直ぐに帰ってくる」
「リュウマ…うん…」
あの時も…。
「次はこれにすっかな~…よし!行くかァ」
「あ、あの…」
「おっ!カナか!俺ァちょっくら仕事行ってくるわ~じゃあまたな」
「ぁ…待っ…おとうっ…うぅ…」
「……時間がかかりそうなものを選んだか…。俺も同行して直ぐに帰ってくる、遅くはならんから待っていろ」
「…ありがとう」
あの時も言えなかった一言が…時が経つに連れて大きく…大きくなっていった…。
途中…どうやってか分からないけど…リュウマが私とギルダーツは実の親子なんじゃないかって気づいてくれて…私の話を聞いてくれたりしてくれたっけ…。
でも、お父さんはみんなの人気者で…ギルド1番の魔導士で…。
私とは…比べものにならないくらいに…いつもキラキラと輝いていた…。
本当のことが言い出せないまま時は流れていき…いつしか私は…本当のことを伝えるのが怖くなってしまっていた…。
だけど、そんな私にも転機が訪れた。
きっかけはS級魔導士昇格試験。
「え、私が?」
「おぉ!とうとうカナも選ばれたか…がんばれよ?」
「ぁ…うん!!」
決めた!この試験に合格したらお父さんに真実を…私のことを伝えよう!って。
でも、結果は4年連続不合格。
私より後にギルドに入ったエルザやミラが次々と合格していく…。
私は落ちこぼれなんだ…。
私はお父さんとは…釣り合わない。
私は…心からそう思った。
だから今回で本当に最後にしようって決めた。
『ギルドやめようと思うんだ…』
今回がダメなら私は、きっとギルダーツの娘である資格なんてない。
ギルドを辞めて…街を……出る。
『あたしがパートナーになる!!絶対ギルドを辞めさせたりなんかしない!!!!』
『良いパートナーと一緒にここまで来い。俺は応援しているぞ、カナ』
────ッ!!!!!!
──ピコーンピコーン!
「……!」
カナが持つカードの1枚が音を出しながら光った。
『何?このカード?』
『ルーシィの危険を同じカードを持ってる私に知らせてくれる特注カードさ。もし試験中にこいつが光ったら、たとえどんなに離れていようと…』
『私が助けに行くから』
それはルーシィに危険が迫ったときに、同じカードを持っているカナへと知らせるカードだった。
手に今も尚、光りつつルーシィの危険を知らせるカードを
手を震わせながら持ち、ルーシィとの過去の会話を頭の中でフラッシュバックさせた。
『あたし運ならいけるかも!』
『あたし運だけはいいからねっ』
『これは攻撃用の水!触ったら危険『大丈夫!んっ…!』ルーシィ…!?』
『あたしは絶対に…カナをS級にする!』
『絶対にS級になろうね!カナ!』
「何を…何をやってるんだ私は…」
カナはルーシィとのことを思い出して今の自分にハッとした。
己は一体何をやっているんだ…と。
あそこまで自分をS級にしようとしてくれて頑張ってくれたルーシィに…一体自分が何をした?何をしてやった?それどころか…一体何をしでかした?…と。
「う、うぅ…うあああぁああぁあああぁああぁああああ!!!!!」
カナはあまりの自分の愚かさに涙を流しながら思いっきり叫んだ。
もう、心の底から…大声で叫んだ。
「うっうぅ…ち、違う!!こんなはずじゃなかった!!仲間を裏切るつもりなんてなかった!!……私は…もう…ダメ…」
カナはメイビスの墓の目前で膝を折り、跪いた…。
──……ガリ…!
だがカナは、地面についた手に強く力を込めて握り締める。
「S級魔導士なんかになれなくていい…」
少しずつ立ち上がる。
「お父さんに気持ちを伝えられなくてもいい…」
己の脚に力を入れ…立ち上がった。
「それ以上に私は……仲間を守りたいんだ!!」
そしてカナは最初に触れようとして弾かれたメイビスの墓に触れようとする。
だが、同じように弾かれようとする…が、カナはそれでも力を抜かず…尚力を込める。
「もう何もいらない!!このギルドにいられなくてもいい!!私がどこにいようと…!心はいつも…!同じ場所にあるから!!」
「だからお願い…!私にギルドを守る力を貸して!……私は…私は…!」
「このギルドが…大好きなんです」
『ならば何も恐れることはない』
「────ッ!!!!」
どこからともなく声が聞こえた。
『
『心を育てる糧である』
──この声は…もしかして…。
『さぁ…行きなさい。
──マスターメイビス…
「…っ…はい!!」
──私は1番大切なものの為に戦うんだ!これが最後の戦いになるかもしれない!でも、12年分の恩返しするからね!
カナは来た道に振り返り、全力で走る。
カナのその腕には…大きな魔力を放つ紋章が刻まれていた。
カードの道案内に従い…全力で駆けていった。
そして見つけた…ルーシィ達をまさに今襲撃しているブルーノートを…!
「お前かァ!!!!」
「おっ…」
「カナ!」
「カナさん!」
ルーシィ達は現れたカナに反応した。
「
カナはフェアリーグリッターを発動させながら、ブルーノートに向かって飛び掛かった。
「…!!!!」
「光?なんだあの魔法…!」
「まさか…」
だが、あと少しで発動する…!という時にブルーノートの重力魔法によって叩き落とされてしまった。
墓にあるはずのフェアリーグリッターにナツは「まさか試験は…!」と言うが、カナにそれは今は置いておいて欲しいと言われて黙った。
ブルーノートは魔法でカナ達を吹き飛ばして体勢を崩させ、また重力魔法によって地面に貼り付けにした。
「まさか探してた魔法が向こうからノコノコやってくるとはな…その魔法はオレがいただく」
その言葉にカナはギルドの者にしかこの魔法は使えないと反論する。
だが、ブルーノートはその事実に対しても反論した。
「“魔”の根源を辿ればそれはたった一つの魔法から始まったとされている。いかなる魔法も元はたった一つの魔法だった」
──たった一つの魔法…?あれ…この話…昔どこかで聞いたことあるような…
ルーシィは重力下にあって動けずにいるが、昔どこかで聞いたことがあると思い出そうとするもなかなか思い出せずにいた。
「魔道の深淵に近づく者はいかなる魔法も使いこなす事が出来る」
「ぐっ…!」
カナを魔法で浮かび上がらせて締め付けながら言い放つブルーノート。
「逆に聞くが小娘。てめぇこそフェアリーグリッターを使いこなせるのか?」
「あ…たり…前…だ…!」
「太陽と月と星の光を集め濃縮させる超高難度魔法…テメェごときに使えるわけねぇだろうが」
そしてカナを攻撃して魔法を無理矢理奪おうとするも、ナツがその場で地面に顔を突っ込んで下から火竜の咆哮を放ち、隙を作る。
カナはその隙を逃さずに…構えた。
──私にはこの魔法が使える…!
「…!!」
「集え!妖精に導かれし光の川よ!!」
──
「照らせ!!邪なる牙を滅する為に!!」
「ま、まさか…!?」
カナの紋章が刻まれた右腕に膨大な魔力が集まり…濃縮されていく。
「『
「ぐおおぉぉぉぉぉぉ!!」
発動した時にはブルーノートの周りを金色に輝く光の輪が取り囲んでいた。
「すごい光!!」
「これがギルドの三大魔法の一つ…」
「消えろォォォォォォォォォ!!!!!!」
ブルーノートを取り囲んだ輪が大爆発を…
「オォォォォォォォォォォォォ!!!!!!落ちろォォォォォォォ!!!!!」
引き起こさなかった。
ブルーノートが重力魔法を使い、フェアリーグリッターを地へと叩き落とした。
その威力も相まって地に向かって魔法がコースを変更され…大爆発を起こした。
「…この程度で
──そ、そんな…
ブルーノートはカナへと近付いていく。
「知ってるか?殺した後でも魔法を取り出せるって」
──私の…力不足で…
「カナ…!」
「やめ…て…」
「おね…が…い…」
「オレは今日も飛べなかった。だが、お前は地獄に落ちろ」
ブルーノートはカナに向かって手をかかげ、カナは目を瞑った。
そして…
───ドゴッ!!!!!!!!!!!
何者かがブルーノートを殴り飛ばした。
カナの絶体絶命のピンチを救ったのは…
「ぁ…」
カナの…
「ギルダーツ!!」
「ギルダーツだーーー!!!!」
実の父…ギルダーツだった。
──お父…さんっ…!
カナは助けに来てくれた己の実の父の大きな背中を見て涙を溢し…心の中でそう叫んだ。
例え…実の父が実の娘がいるとも知らずとも…。
例え…直ぐ傍にいるとも分からずとも…。
親子は見えない絆に結ばれているのだ。
それは今…実際に起きているのだから事実の理であるのだろう。
実の娘の窮地に颯爽と現れたギルダーツと、マスターハデスが強者であると認めるブルーノートの戦いが幕を開けた。
────所変わり違う場所にて
リュウマは目的地に向かって脚を進めていた。
元々…リュウマは七眷属を態々1人ずつ相手にするつもりなんぞ最初から毛頭無かった。
それは一体何故か…?
リュウマは既に誰よりも解っていたのだ。
いつの時代も戦いとは…その相手側の大将…つまり頭を潰すことで早急に終わらせることができる…と。
頭がやられれば兵士全体の士気が死に、機能せず、実質的な勝利へとなるからだ。
簡単に言うならば、人間が頭を潰されれば体が動かなくなり、死を迎えるのと同義。
それ故に今向かっている先は無論
他にも七眷属がいる事は分かってはいるのだが、ナツ達がやってくれると思い、自分はハデスを早急に潰すことに決めたのだ。
そして時が少し進みつつも場所を移りグリモアハートの舟の中…。
そこには七眷属達とは比べ物にならない程の魔力を内包した老人…マスターハデスがいた。
「ギルダーツか…マカロフめ、中々のコマを持っておるわ。私以外にブルーノートを足止めできる者がいようとは…」
ハデスは面白そうに口端を少し吊り上げる。
だが、直ぐに不可解だ…といった表情へとなる。
「しかし…アズマには天狼島の魔力を支配するように言っておいたが…まだなのか?それとも…」
「残念だがいくら待っても支配は出来んぞ。もう其奴は
「…っ!?」
最初に天狼島の魔力を支配するよう命令してあったはずだというのにも拘わらず、未だに健在である天狼島の大樹に疑問を持ったハデスであったが、突如後ろから話しかけられたことによって思考を中断した…いや、せざるを得なかった…。
──この距離に近付かれ…あまつさえ声を投げられるまでこの私が気づかなかっただと…!?一体何者…!
ハデスは心の中で、自分に対して一切の気配を感知させず、ここまでの接近を許したことに大きく驚きながらも後ろへと振り向いた。
振り向いた先にはリュウマがただ1人…静かに佇んでいた。
「
「…お主は…あの時の…リュウマか…!?何故ここに!?」
ハデス改めプレヒトは自分の記憶の中にいる人物と瓜二つな人物がここに居ることに驚愕していた。
一瞬偽者か?と思ったが、久方ぶりという言葉に完全な同一人物であると結論付けた。
「何故?…無論俺がフェアリーテイルに所属しているからだが?」
「…なるほど、アズマをやったのはぬしか。だがそれよりも…何故…何故その姿なんだ!ぬしのその姿…
「…ハァ…まったく、この場に彼奴らがいなくて助かった…。この姿については貴様に語る必要などあるまい?敵に己のことを教えるのは愚者のすることだ」
プレヒトがリュウマの姿が昔と…
「貴様はフェアリーテイルの奴等を傷つけすぎた」
「なんだ、情でも移ったのか?ぬしともあろう者が」
「さぁ、どうだろうな?…だが…この日は彼奴らがそれぞれの想いを…誓いを…その胸に抱え、迎えたS級昇格試験だった。それを…貴様等は踏みにじったのだ…」
リュウマの周りが高密度に高められた膨大な魔力によって歪み…震え…夥しい魔力に舟全体もが揺れる。
「許さぬぞ。
「言わせておけば…!ぬしであろうと私は止められぬわ!」
とうとうリュウマとマスターハデス…人知れず…
2人の頂上決戦が始まった。
いやー、カナのエピソードって感動するんで書いてみました。
感動が伝わらなかったら私の駄文を書く才能によるものなので申し訳ないですはい。