FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ 作:キャラメル太郎
髑髏会3人とか少なすぎ…
エルザの話を聞いてショウは、8年という長い年月の間…ただ只管にジェラールに従っていたが、その実…裏切られていたと理解して酷く混乱している。
しかしそれも無理もないのだろう。
裏切っていたと思っていたエルザが実は自分と同じ被害者だったのだから。
「正しいのは姉さんで、ジェラールが間違っているとでもいうのか!!」
「そうだ」
「「「!!!!」」」「シモン!?」
ショウの悲観的叫びに答えたのは身体の大きな男、シモンであった。
リュウマにとっても久しぶりの顔だ。
ホテルでの暗闇は、シモンの使う魔法であった。
そして誰も殺すつもりはなかったが故に、身代わりを造ったグレイに気づいていたが、態と見逃した。
「お前もウォーリーもミリアーナも皆ジェラールに騙されているんだ、機が熟すまでオレも騙されているフリをしていた」
「オレは初めからエルザを信じてる、8年間ずっとな」
「会えて嬉しいよ…エルザ、心から」
「シモン…」
エルザとシモンは感動の再会から熱い抱擁をする。
シモンはジェラールの元にいながらも優しく、逞しく成長していた。
そんな2人を見守っていると、シモンがリュウマを見て訝しげな視線を送る。
「お前は…どこかで…」
──…っ!バレたか…?
「なんで俺は姉さんを信じられなかったんだ!くっそおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!何が真実なんだ!!」
ショウが叫んで視線が切れてホッとした、ここでバレてしまうのは不本意なためだ。
気づかれたのならば仕方がないのだが、出来れば知られなくはないというのが本音だ。
そして、シモンが言うにはナツの力が必要とのことだ。
ナツはさっき一人で走って何処かに行ってしまい、ウォーリーとぶつかるかもしれないということで急いで探さなくてはならなくなった。
ナツを探して道を進んでいると…壁のそこら中に口が現れ、独りでに喋り出した。
「なにこれ!?」「気持ち悪い!?」
『ようこそみなさん、楽園の塔へ』
「しゃ、喋り出しましたよ!?」
「ジェラールだ、塔全体に聞こえるように話している」
「塔全体にこの口が…」
塔全体に口があると考えると、流石に気持ちが悪くなってしまったルーシィだが、それは他の者も同じだった。
『俺はジェラール…この塔の支配者だ、互いの駒は揃った、そろそろ始めようじゃないか』
『楽園ゲームを』
どうやら塔の中にいる人間を駒と考え、ゲームと見立て戦うようだ。
ジェラール側には3人の戦士を配置しており、倒しきらなければ目標であるジェラールの元へは行けなくなっているらしい。
しかも、評議会がここに
エーテリオンとは、評議会が最終兵器として使う『超絶時空破壊魔法』だ。
評議院が保有する兵器の一つで、現評議員9名の承認と上級職員10名の解除コードで発射することができる。
上空に描かれた
その威力は、やろうとすれば1つの国を跡形も無く消すことの出来る程。
詳しい説明が終わった瞬間、ショウがエルザをカードに変え、そのまま連れ去った。
それを視認した時にはもうリュウマが追いかけていた。
「ショウ!?何をする!?」
「エルザ姉さんには指1本触れさせない!!」
「お前達!ショウは俺が追う!お前達は他の奴等を倒してこい!」
少し走った所で、後ろからナツの声が聞こえてきたのだが、あそこにはシモンもいることだし大丈夫だろうと考え、そのまま追いかけることにした。
ショウがどこに向かっているか分からないが追いかけてしばらくすると、ルーシィとジュビアの魔力が融合した。
それから考えられるのは
世には合体魔法を使うことすら出来ないまま生涯を終えたりするほどの超高難度魔法でもある。
──合体魔法を放つということは…髑髏会の誰かと戦っていたのだろう、仲が悪そうに見えて実際は仲がいいようだ。
しばらくしてショウに追いつき話しかけた。
ショウはまさかずっと追いかけていたとは思わず驚いている。
「どこまで行くつもりだ?」
「なっ追いかけて来てたのか!エルザ姉さんには指1本触れさせないぞ!」
「少しは落ち着け」
すると通路の先に女が立っていた、十中八九髑髏会のものだろう。
「うちは斑鳩と申しますぅ、よしなに」
「どけよ、なんだこのふざけた奴は」
「あらぁ~…無粋な方やわぁ~」
「てめぇになんか用はねえ!!」
そう言って斑鳩という女に向かってカードを投げつける。
…が、相手が持っている刀を抜くのを見て気づいた。
こいつは、なかなかの手練れだ…と。
しかも、剣士としても強いと。
リュウマはショウでは歯が立たないと思い叫んだ。
「やめろ!そいつは──」
だが、1歩遅かったようで、相手はもう斬りつけていた。
常人では当然視認すら出来ない程の速さだ。
「バ…カな!?」
「うちに斬れないものはありません」
投げたカードが真っ二つに斬られ、ショウの身体も斬られてしまった。
「ガハァ!?」
倒れた拍子にエルザのカードが懐から出てきてしまう。
ショウがカードには外部から攻撃しても意味はないと言っているが、斑鳩はカードの中にいるエルザに一太刀いれた。
エルザはガードしたが、カードの中では不利だ。
斑鳩がまた攻撃しようとしたのを見て、リュウマはエルザのカードをキャッチしながら大凡20の斬撃を召喚した忍者刀で受け止める。
「あらぁ~、お兄さんやりますな~…でも──」
音を立てながら召喚した忍者刀の刃の部分が砕け落ちた。
咄嗟だったが故に、耐久度が弱い物を召喚してしまったが、リュウマが、召喚した忍者刀はそこらで売っているやつよりも断然強い。
──これを砕くとは…中々どうして楽しめそうだ。
リュウマは斑鳩を見ながらニヤリと嗤った。
「それはほんのあいさつ代わりどす、あれ?もしや彼の有名なリュウマ殿は見えてませんでした?」
「随分いらない挨拶を貰ったが…俺もちゃんとあいさつを返したぞ?」
「ん?──なっ!?」
リュウマがそう言った瞬間、斑鳩の結んでいた髪のゴムが切れて髪が下に下ろされた。
──あの瞬間にリュウマも攻撃していたのか…やはりリュウマは強いな…。
エルザは心強く思いながらカードの中で戦いを見ていた。
──ど、どんな速さの剣なんだよ…どっちの剣も全く見えなかった…!
ショウもあまりの剣戟の速度に驚がくしている。
「お兄さんやはり強いどすな~、流石はリュウマ殿やわ~」
「貴様も中々やるではないか、まあ…まだ発展途上だがな」
「リュウマ殿は厳しどすなぁ」
リュウマは相手に向かい合いながらエルザ喋りかけた。
「エルザ、ここは俺が相手をする。お前は先に行け」
そう言ってリュウマはカードと化しているエルザに魔法を使い解除した。
エルザはどうやったのか分からないが解いてくれたことに感謝する。
「なっ!?オレの魔法を解いた!?」
「こんなもの、いくらでも解くことはできる」
ショウは自分の魔法が一瞬で解かれたことを驚いているようだ。
「ありがとう、助かった。…だが…」
「お前はジェラールと戦うんだろう?ならこんな所で魔力を使うわけにはいかないだろう、気にせず行け。…すぐに後を追う」
──そう…だな。今はジェラールをどうにかしなければ…
「…すまない、助かる」
エルザはリュウマに礼を言って先に進んで行った。
目指すはジェラールただ1人である。
エルザを見送ったあと、リュウマは斑鳩と睨み合う。
見送るまでの間、態々待っていたことから剣の腕に自信はあることが窺える。
「すぐに行くとは言いますな?貴方はここでおわりではりますよ?」
「お前は確かに強い、剣速は早いが…それだけだ」
そう言いながらクナイを4本召喚してもう一つ、またも同じ忍者刀を召喚して右手に持つ。
「武器の召喚どすか?いくら召喚しても無駄どすよ?」
「お前の相手はこれだけで十分だ」
「そうどすかぁ、なら…ぼちぼち始めますか」
そう言って斑鳩が斬りつけに突っ込んで来る。
刀による袈裟斬りをしてくるが剣速が速いため、忍者刀で受け止めるとまた砕かれると判断し、斑鳩の刀の刃を忍者刀の刃上を走らせるように受け流す。
その後も次々と切り結んでくるが…全て受け流す。
「なるほど?砕かれないように受け流しますか~、やはり技術が素晴らしいどすなぁ。ましてや、本命の武器でもないというのに」
「確かに本命の武器は貴様と同じ刀だが、これは滅多には抜かないのでな、貴様は抜くには役不足だ」
「それは悲しいわ~」
そう言いながらも顔は笑っているため、斑鳩も強い者と戦うのが楽しいようだ。
だが、残念だが相手はリュウマである。
それもエルザを早く追いかけなくてはならないのですぐに終わらせなくてはならない。
彼は斑鳩に向かって歩いて近づいていく。
斑鳩は近づいてくるリュウマに対して何かを感じ取ったのか構える。
左手に持ったクナイを四方八方へバラバラに投げる。
斑鳩は訝しげな表情をするが、リュウマがクナイに予め縛っておいた極細の紐を引いて軌道修正をしながら斑鳩に向ける。
途中から軌道修正されたにも関わらず、斑鳩はクナイを迎撃した。
「『
バラバラの位置から狙ったクナイを寸分の狂いもなくたったの一閃で全て砕き割った。
「『
体勢を立て直しながら炎を纏う斬撃を飛ばした。
それに対して同じように迎撃する。
「『絶剣技・
斬撃を忍者刀の刃全体を滑らせるように使って下から上へといなす。
いなされた斬撃は上へと飛んでいき、天井に斬痕を残しながら破壊した。
「まさかそうやって防がれるとは思っていまへんでしたわ~…でも、これからどすよ」
「この程度で驚かれても困るがな、来るがいい」
…なんなんだ…なんなんだこいつらは…なんという戦いをしているんだ…!
ショウが心の中で只管に驚がくしているのを余所に、彼と斑鳩は互いに見合う…。
お互い次の攻撃で決めようとしているからだ。
どちらも睨み合う中…最初に動いたのは斑鳩だった。
斬りつけにくるのを見てリュウマも走りだす。
「これで最後どす、覚悟ぉぉぉ!!!」
「楽しかったぞ、斑鳩…強き者よ」
互いに剣を抜いた状態で…すれ違った。
「終わりどすな」
「そうだな、『絶剣技・
『
相手の攻撃を刹那の内に受け流し、その威力を使い斬るカウンター技を使い…袈裟に斬った。
「ゴフッ!み、見事…うちの…負けどす…」
「斑鳩…その名を覚えておこう」
「かの男は…いい男どすなぁ…あと、10分」
「落ちてゆく~正義の光は~皆殺し~ぷ、ヒドい詩…」
──10分だと?エーテリオンのことか?マズいな…全く時間が残されていない…。
傷で動けないでいるショウに話しかける。
「ショウ、怪我は平気か?」
「えっ、あ…うん、なんとか」
「今すぐシモンや俺の仲間を連れてこの塔を離れろ」
「で、でも…」
エルザが先に行ってしまっているために、少し渋ってしまうショウ。
そんなショウにリュウマは優しく言葉をかける。
「いいな?ショウ」
『いいな?ショウ』
「あ、あんた…まさか…」
リュウマは気づいたと思われるショウに対し、口元に人指し指を添えながら釘をさしておく。
「シー…その言葉はお前の胸の内に潜めておけ」
「…!」
「俺は決着をつけなければならない」
彼はそう言ってエルザが向かった方向に駆けだしていった。
「まさか…そんな…!」
そんな駆け出していく後ろ姿を、ショウは目に涙を浮かべながら呆然と見ていた。
リュウマがジェラールがいるであろう部屋へ向かっているが…どうやら間に合いそうになかった。
しかし、仲間を置いて逃げるわけにもいかない。
エーテリオンはもう投下されるだろう。
その証拠に遥か上空にある魔方陣が膨大な魔力を放ちながら光り輝いている。
「『
目を複写眼に変え、エーテリオンの魔方陣を解析する。
すると発射まで…残り20秒であった。
彼は目を瞑り…来るであろう衝撃を待った。
エーテリオン投下。
複写眼でエーテリオン視ましたね~分かる人はどういう意味か分かるはずです笑笑
さ~て、原作崩壊しますよ~