FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ   作:キャラメル太郎

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遅くなってしまいすみません。

如何せんリアルが忙しくてですね…九月頃までは更新が大分遅れます。

把握よろしくお願いします。

あと、なっがいセリフのところがありますが、ある程度跳ばしてもらって構いません笑






第八十刀  翼の青年

 

「お父…さん?」

 

「ふっ…~~っ!…はぁ……余りの騒々しさに目が覚めてしもうたわ」

 

「──────お父さんっ」

 

「んっ…ふっ。甘えん坊よな、イングラム」

 

「お父さぁん…!」

 

 

目が覚めた翼のある青年は、眠気が今一つ残る目を擦り、背筋をゆっくりと伸ばして起き抜けの伸びをし、イングラムと呼ばれた子竜はそんな青年の胸元に跳び込んだ。

醸し出される尋常ではない気配とは裏腹に、青年はイングラムに向けて優しげな微笑みを浮かべ、その頭を表情に比例するような、優しげな慣れた手つきで撫でる。

気持ちよさげに小さな翼をぱたぱたと揺らし、一月振りの愛撫に酔い痴れた。

 

仲睦まじい光景がそこには広がっているものの、この場へと原因不明に近い現象の原因を探しにやって来たエルザ達は、その光景を何時までも見ている訳にはいかない。

無駄な話などせず、直ぐ本題に入ってどうにかしてもらおう…又は原因が何か知っているかどうかの是非を聞こうと、エルザが一歩踏み出そうとした瞬間であった。

よりにも寄って後ろでボコッておいたナツ(KY)に、何もするなと釘を打っておく事を失念し、当の本人は既に青年へ食って掛かっていた。

無論、エルザの額には更なる怒りのマークが浮き出た。

 

 

「おいお前!」

 

「───ッ!…貴様は…」

 

「オレ達に掛けた魔「こいつらここまでボクを追い掛けてきたやつらなんだ!」おい!」

 

「……ふむ。成る程」

 

「しかも寝てたお父さんに攻撃したのもこいつなんだ!」

 

「然様か。怪我は無いか?イングラム」

 

「え、ボク?ボクは大丈夫だよっ」

 

「ならば良い。我のことは心配無用だ」

 

「で、でも──────」

 

 

「無視すんなァ──────────ッ!!!」

 

 

無視されて話しを続けられたことが気に障ったのか、ナツは本当に性懲りも無く青年へと突撃した。

 

子竜であるイングラムはナツが発した大声に驚き、青年はナツからイングラムを庇うように腕の中に抱き込めた。

炎を拳に纏わせ、後ろでやめろと叫んでいる仲間達の声をほぼほぼ聞き流し…というよりも右から入って左に抜け、静止の声を掛けた時には既に…青年に向かって跳んで殴り掛かっていた。

 

ルーシィは、何で得体の知れない人物に向かって早速とばかりに攻撃してんのよと嘆き、ウェンディはどうなるのか困り果ててしまい手で顔を覆う。

跳び上がって威力を付けた破壊力抜群の鉄拳が、美しい青年の顔へ入れられるとなった刹那──────ナツは青年を通り過ぎて倒れた。

 

 

「「「「────ッ!? ナツ!!!」」」」

 

 

一瞬何が起きたのか理解出来なかったナツ以外のメンバー全員は、呆然とした表情をしていたが、直ぐに異常事態にハッとして名を叫んだ。

あれ程の元気有り余る無鉄砲男が、一度殴り掛かったにも拘わらず、言っては何だが殴る前に倒れるということは無いに等しい。

つまりは、前に居る青年が何かしらのアクションを起こして、向かってきたナツを攻撃し、剰えこの一瞬でギルド内でも屈指のタフさを見せるナツを気絶させた。

その証拠に、体の前面から不時着したナツは、倒れてから起き上がることも無くその場に倒れ伏している。

 

一体何をしたのか、攻撃したのか将又(はたまた)魔法による効果なのだろうか。

それら一切悟らせる事無く、ギルド内トップクラスの実力者であるナツを沈めた。

いくら射られた矢の如く、一度放てば先ず間違いなく手元に戻っては来ない、正しく向こう見ずな性格であるナツから仕掛けた事とはいえ、仲間をやられたからには黙っていられない…それこそが妖精の尻尾(フェアリーテイル)である。

 

 

「ヤロウ…!ナツをやりやがった!」

 

「ウェンディは後方で支援!ルーシィは援護だ!グレイは私と攻め込む!ハッピー隙を見てナツを回収しろ!」

 

「あいさー!!」

 

 

エルザの瞭然とした的確な指示に従い、グレイは手を添えて魔法を放つ準備を整え、ルーシィはサジタリウスの星霊衣(スタードレス)に換装して弓に矢を番えて構える。

後方支援を言い渡されたウェンディは一旦その場を下がり、『攻撃力倍化(イルアームズ)』と『防御力倍化(イルアーマー)』を全員に付加した。

ハッピーは翼を生やして上空に飛んで行くと、青年の直ぐそこに倒れているナツを何時でも回収出来るように機を窺う。

シャルルはハッピーたけだと不安が残ると思いつつ、自身はいざという時の為にウェンディの背後に待機していた。

 

エルザの号令によって準備が整うまでの、時間にして約10秒…翼を携える青年はその場からジッとして動かず、かといって動きを観察するでもなく、ただその場に佇んでいた。

 

腕の中に居たイングラムを適当な所に逃がした事以外動かない青年に対し、最初に仕掛けたのはグレイであった。

 

 

「アイスメイク・『氷槍騎兵(フリーズランサー)』ッ!!」

 

 

一種のルーティンとして組まれた手を解き、氷の造形魔法で造り出した槍が、ウェンディのイルアームズのバックアップも有り高速で迫る。

後少しとまで迫った時、何かしらの行動(アクション)を起こすはず、その時に隙が出来ればエルザが一気に斬りつけ、それさえも避けられた時の為にルーシィが援護射撃をする。

長年のチーム戦で培った、チームワークを発揮した掛け声無しでの即行攻撃はしかし…発揮しきる事が出来なかった。

 

最初に飛ばしたグレイの槍は避けられる訳でも無く、迎撃されて砕かれる訳でも無く…青年を目前とした所で()()()

忽然と姿を消したとでも言える現象に、グレイは多少驚きながら次々と槍を生み出して向けるものの、どの氷で造られた槍は一定の範囲に到達すると消えてしまう。

何がどうなっているのかと困惑しているグレイを余所に、エルザがここに来る前に戦った猿戦の時のように脇を走り抜ける。

 

走りながら天輪の鎧へと換装したエルザは、一度に三十もの剣達を背に従わせ、自身が到達する前に剣を差し向けた。

全方位からの無数の剣による圧制攻撃、グレイの槍を消している原因である障壁か何かが、仮に正面のみならば横サイドや背後から迫る剣に何かしらの動きを見せる筈。

 

思惑に沿ったように、青年は前方にある剣を消し去りつつ、横と真後ろから迫ってきた剣達を必要最小限の極小の動きで全て避けきった。

見事にして軽やかな足運びと空間把握能力に内心舌を巻きながら、エルザは両の手に持つ剣を使って最後の剣を避けた途端の青年を斬りつけた。

 

 

「がは…ッ!?」

 

「……………。」

 

 

だが…エルザの攻撃が届く前、エルザの体は空中でくの字に曲がり鎧が粉々に砕け散った。

一瞬胃の中にある物を吐き出しそうになる嘔吐感が彼女を襲うが堪えきり、着地したと同時にバックステップで距離を取った。

何が起きて鎧が粉々に砕け散ったのか、衝撃からして恐らくは殴打による破壊だろうと当たりを付けてみるものの、青年が動いた素振り等無い。

見えなかったという線も無きにしもあらずではあるが、これでも剣士である以上動体視力にはそれなりに自身がある。

そんな自分の目を欺く程の速撃が、踏み込みも無しに可能なのかと考察していた。

 

一方エルザが弾かれた所を見ていたルーシィは、残念ながら剣を避けた時以外の動いた瞬間を見た訳でも見れた訳でも無いため、唯エルザが空中で向かっていった方向とは反対方向に弾かれた様にしか見えなかった。

だからこそ彼女は弓に番えている矢を引き絞り、エルザがやっていたように背後にも届くような曲射を放った。

 

ルーシィが青年に向けて射った矢の数は全部で八本。

光で造られたような光り輝く矢は、半数の四本が正面から向かい…当然のように掻き消される。

代わりに曲射で曲線を描いた残る四本の矢は、途中で更に半分の二本に別れ、一方は背後から、もう一方は頭上から狙う。

 

 

「う…嘘でしょ…!?見ても無いのに…!」

 

「……………。」

 

 

背後から迫る二本は当たる寸前で姿を消し、頭上から狙った二本の矢は青年が右手で悠然と掴み取った。

その手には既に矢が四本握られ、それはつまり恐るべき速度で背後から迫る二本を掴み取り、そのまま頭上から迫る二本を同じく掴み取ったのだ。

多少の時間差を付ける為に射った矢は、何の苦も無く防がれてしまった。

 

手にした光の矢を簡単に握り潰して破壊し…青年は緩やかな足取りで、だが確実に一歩ずつ…グレイやルーシィ達に向かって歩み進めて来た。

動かず攻撃を躱していった青年が動き出したのを皮切りに、更なる警戒を敷いたルーシィ達だが…青年の背後ではハッピーがナツを回収するために急降下していた。

 

 

「ぎゃッ…!!」

 

「……………。」

 

「────ッ!ハッピー!!」

 

 

しかし、ハッピーがナツに辿り着くといった手前で、青年が右手を肩の高さまで上げてから指を一度だけ鳴らした。

すると背後のハッピーが、狩猟者に撃ち落とされた鳥のように力無く墜ちていった。

不幸中の幸い、固い地面の上に墜ちずに倒れているナツの上に墜ちた。

起き上がってナツを回収しない辺り、ハッピーも今の一撃で気絶してしまったようで、ナツの回収は絶望的と言って良いだろう。

ただし、青年はナツとハッピーの両名に興味は無いのか、倒した後に矛先を向けることは無い。

代わりに狙う標的は、今も尚戦闘に入っているエルザ達だということが明らかである。

 

本格的に相手は相当な実力者だと認めたグレイは、右腕に刻まれた滅悪魔導士(デビルスレイヤー)としての証の紋章から、黒く不気味な痣を右半身へと拡大させながら両手を左腰に付けて構えた。

デビルスレイヤーとしての力は、こと悪魔という存在に対して特攻効果のある力であると同時に、使用者の魔力を増大させる特殊な力を持つ。

痣を広がり終えつつ魔力の充填を完了させたグレイは、青年との距離約五メートルを瞬時に詰め寄った。

 

 

「──────『氷魔零ノ太刀(ひょうまゼロのタチ)』ッ!!」

 

 

瞬きを一度する瞬間には、グレイは既に青年の背後へと駆け抜けていた。

左腰から抜刀するように抜けられた氷の太刀が青年を襲い、右脇腹から左肩へ向かって大きく斬り込む──────

 

 

「……がふッ…──────」

 

「……………。」

 

 

──────こと等無く…グレイは黒い痣を消しながら前のめりに倒れてしまった。

 

背後で気絶したグレイの攻撃は青年には届いてすらおらず、剰え何らかの攻撃によって意識を刈り取られた。

 

 

「グレイ…っ!」

 

「ルーシィッ!一度下がれッ!!換装…ッ!」

 

 

既に三人の仲間が為す術も無くやられてしまっている現状に、頭の中で最高レベルの警報を鳴らしているエルザは、歩み寄る青年とルーシィの間に入り込み、自身が持つ鎧の中でも最硬硬度を持つ『金剛(こんごう)の鎧』へと換装し、両腕に付けられた半々の巨大な盾を組み合わせ、そのままの状態で青年へと突進していった。

不可視の殴打が非情に強力なのは経験済みだ。

だからこそ最も硬い防御力をもつ金剛の鎧に付けられた盾で攻撃から身を守りつつ、ルーシィとウェンディとシャルルから一時的に距離を取らせながら態勢を立て直そうとしたのだ。

 

凄まじい速度で突進したエルザは直ぐに青年の元へと辿り着いた。

最初の時のように消滅する何かの障壁によって消滅しなかったのは、偏に青年がエルザを殺すつもりなど無く、前方に発動しなかったが故だろう。

 

確実に嘗めてかかっている…そう直感的に理解して遺憾の感情を抱きながら、青年に盾ごと衝突した…が。

 

 

「───ッ!!ぐッ…!ふんん…ッ!!」

 

「……………。」

 

 

唯一言で表すならば……押し込めない。

 

巨大な盾が付いているのもそうだが、防御に必要である弾かれない重量を金剛の鎧は併せ持つ。

でなければ攻撃を受けた際に耐えたとしても吹き飛ばされてしまい、防御した意味が皆無に等しくなる為だ。

何でも無い様に着込んで駆けたエルザだが、鎧の総重量は大凡300キロにも及ぶ。

そこに凄まじい速度で繰り出した正面衝突に併せ、エルザ自身が持つ腕力も合わせた突進は、瞬間衝撃一トンにもなるだろう。

 

然れど…青年は右腕で受け止めつつ直立不動であった。

慣性の法則や物理法則的な意味で不可能に近い芸当を、変わらずの無表情で遣り遂げている青年は…腕を少し引いた。

 

当然全力で押し込もうとしていたエルザは、突然の脱力によって前のめりになる。

盾が再び攻め入る前に、青年は話した右手の人差し指を親指で押さえ込み……盾を弾いた。

指の(りき)む力の筋肉的構成上、所謂デコピンというのは中指でやった場合が最も威力の高い弾きが出来る。

この場合でいうならば、薬指や小指でやるよりは強いが、そもそもエルザの最大防御を持つ鎧に対してやる事では無い。

 

 

「ぐあぁあぁぁ────────っ!!!!」

 

 

但し──────行ったのが青年でなかったら…の場合だ。

 

持つ鎧の中で圧倒的防御力を持つ金剛の鎧は巨大な盾ごと粉々に破壊され、更にはエルザ自身が衝撃でウェンディの方まで吹き飛ばされて来た。

盾の向こう側で起きた事が故に、ウェンディは何が起きたのか何をしたのか、それらについて分からないが…滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)故に強化されている聴力では、エルザが吹き飛ばされる際に相当な超重量同士を凄まじい速度で衝突させあったような…そんな破壊音か聞こえた。

 

急いでエルザに治療魔法を掛けるウェンディを、少し振り向いて目の端で確認したルーシィは、やるしか無いと…不安で震える手脚に気づいていないフリをして弓に矢を番えた。

 

 

「す、『スターショット』っ!」

 

 

射った後も立て続けに矢を番えては放っての繰り返しによって、光の矢による視界を埋め尽くさんばかりの弾幕を張った。

近付けば確実に意識を刈り取られると学んだルーシィには、サジタリウスフォームで遠距離を仕掛ける事しか出来なかった。

それでも凄まじい量の矢に、幾分かの足止めは出来るだろう…そう思っていた。

 

 

「う、ウソ……なんで…!」

 

 

矢は青年の居る場所目掛けて全て放った。

だからこそ、避けようとするなり迎撃するなり、最初の時のように消滅させたりするだろうとは思っていた。

なのに…目の前に広がり眼に映る光景は一体どういう事を現しているのだろうか、なんと評せば…なんと口にすれば良いのだろうか。

 

矢は全て()()()()()()()()いってしまう。

脇をすり抜けるように外れる訳でも無く、矢が寸前で逸らされている訳でも無い。

文字通り()()()()()()()()()()()()

体が質量を持たない影であり、そんな影に向かって矢を放っているような…どうしようも無い程にすり抜けていってしまう。

 

どういう事だ信じられない、一体何の魔法を使っているんだ、そう頭の中で叫びながらルーシィは何度も何度も、無駄とも思える射撃を行い射る。

一歩ずつ震える脚でゆっくりと近付いてくる青年から逃げるように後退しながら射るルーシィの心の中は、最早どうすれば…実力者故に信頼しているナツとグレイを一瞬で倒してしまった相手に…どのような手を使えば勝てるのか分からなかった。

それでも、攻撃の手を緩めないのは…背後に居るウェンディとエルザの為にと、仲間を思いやる心があるからなのだろう。

 

 

「ぁ……───────」

 

「……………。」

 

 

だが、それも後退しながらの牽制攻撃は長くは続かず…ルーシィは目前に居た筈の青年を、視界から消えたように見失ってから刹那…視界が真っ暗な暗闇に染まり、体は冷たい地面の上に崩れ落ちた。

 

倒れたルーシィの斜め背後に位置する場所に何時の間にか立っていた青年は、ルーシィを見下ろしていた視線を、残るエルザとウェンディにシャルルへと向けた。

ウェンディの治療魔法によって体中に奔っていた鈍い痛みから解放されたエルザは、ウェンディに礼を口にしながら立ち上がり、もう直ぐそこまで迫っている青年に鋭い視線を向けた。

 

 

「これ以上…これ以上好きには…仲間はやらせんぞッ!!──────『妖刀・紅桜』」

 

 

エルザの格好が何時も鎧の下に着ている服から一転し、胸にはサラシを巻き、下には燃えるような赤の装飾が施されている袴を履いている。

防御に一切の魔力を使わず、武器にのみ魔力を回さなければ握ることすら許されない奥の手…妖刀紅桜。

持ちうる全ての武器の中で最強の攻撃力を持つこの刀により、倒せなかった者は事実上存在しないと言い切れる程の力を秘めている。

 

特徴の一つである切れ味は、例え相手が鉄であろうと豆腐のように抵抗無く斬り裂く程のものであるだろう。

使い手に与える能力は単純なもので、握った使い手の身体能力を爆発的に上げるというもの。

シンプル…シンプル故の強能力故に、防御をかなぐり捨ててのみ使える代物なのだ。

 

紅桜を正眼に構えたエルザは……先手必勝と言わんばかりか青年に向かって駆け出していった。

 

 

──────この男の動きは私の眼でも捉えきれない程のもの…だからこそ眼に頼ってはならない…!信じろ…今まで降り続けてきた剣を…己自身を…ッ!!

 

 

「エルザさん!『速度倍加(イルバーニア)』っ!」

 

「ウェンディ…礼を言う!!」

 

 

途中でウェンディからの補助も受けながら、エルザは眼を瞑った。

 

眼に頼り切るから不可視である青年の攻撃を受けてしまう、ならば元より眼には頼らず、一年前のタルタロスとの戦いに於いて、キョウカと呼ばれるゼレフ書の悪魔と激戦を繰り広げた際に発言した第六感。

それを今出来る最大限度まで引き上げる。

 

目を瞑る以上視力は要らない、鼻腔から香る匂いを嗅ぐ嗅覚も要らない、耳を澄まそうと攻撃に至る時の音等聞こえる事も無かったが故に聴覚も要らない、一刀の元に斬り伏せるだけ有ればいいからこそ痛覚も要らない…唯々目の前の青年に一太刀入れる為だけに…五感を捨て去った。

代わりに発現した、超感覚的知覚…直感とも称されるそれ(第六感)に従い紅桜を──────振り下ろした。

 

 

「…………───────」

 

「……………。」

 

 

 

 

───────それでも……届かない。

 

 

 

 

最強チームで事実上の最強魔導士であるエルザ。

そんな彼女が五感を封じてでも発現させた第六感をも使用した起死回生の一撃…青年は悠々と躱し、擦れ違い様にエルザを気絶させた。

エルザは今までに幾度も、それはもう幾度という激戦に続き強敵との戦いでも、どれだけ追い詰められようと立ち上がって立ち向かい勝利を収めてきた。

 

そんな彼女が今……名も知らぬ青年の手によって地に沈められた。

圧倒的強さを持ちながら曲がらず錆びらずの信念…心情を持つ騎士たるエルザがだ。

相手が誰であろうが怯まず立ち向かう勇気を持つナツや、冷静な思考の奥に熱い心を持つグレイも、星霊を愛し星霊に愛された心優しきルーシィも、チームの中で立っているのは今…ウェンディとシャルルだけであった。

 

無鉄砲さにはほとほと呆れを通り越して諦めに近い思いを抱こうと、ナツが最初にやられてからグレイが続けてやられていく…そんな戦況を見続けているしかなかったシャルルは、人間の形態になって戦おうという意思すらも浮かび上がらず、唯一未来を断片的に視る事が出来るシャルルは…目の前の()()()()()()()()()正体不明の存在に…怯えていた。

 

それでもと、親友であるウェンディだけでも助けたいという意思だけは砕け散らず、未知への恐怖で体が動かなくなる前にもと…ウェンディの襟を掴んで飛び立とうとした刹那──────

 

 

「─────ッ!!ウェン…ディ……ここ…から…逃げ───────」

 

「………ぇ。シャルル……?」

 

「……………。」

 

 

ウェンディの襟を掴んで飛び立つ為に飛び上がった瞬間…青年がハッピーの時と同じように…指を鳴らした。

すると衝撃がウェンディの顔の横をすり抜け、背後に居たシャルルを正確に撃ち抜いて意識を奪った。

呆然とした様子で背後を恐る恐ると振り向いたウェンディは、親友がやられてしまったことに涙を浮かべ、次いで前を向き直った。

 

 

「ひッ…っ…!」

 

「……………。」

 

 

振り向いた時には既に、青年はウェンディの目と鼻の先に瞬間移動が如く移動し終えており、瞳孔が縦長に切れた特徴的な金色の瞳が、ウェンディの事を上から冷たく見下ろしていた。

 

何かしなくては…ここから動かなくては…ドラゴンフォースを身に纏って戦わなくては…そう思ってはいるものの、固まってしまっている体は正直だった。

1人ずつ確実にやられ、更には自分を除いて全滅してしまった。

 

戦わなくてはならないことなど百も承知、況してや自分は後方から支援しか…補助しか出来なかった。

前線に出ようにも出られなかった…脚が動かない…体が指先から足先まで例外無く震える。

 

 

「ぁ……」

 

 

気の抜けた声が意思に関係無く口から漏れた。

それは偏に、目前に立つ青年がその腕を上に上げ始めたからだ。

見えなかったが、確実にその手でナツ達を打ち倒してきた…そんな攻撃が今度は自分に降り掛かる。

不安や恐怖によって動かない体を動かす代わりに、来るであろう衝撃に備えて目を強く瞑った。

 

しかし…衝撃は訪れは来なかった。

揮われると思われた衝撃ではなく、足元からどすんという音が響いた。

 

恐る恐るといった具合に目を開けたウェンディが見たのは…倒れて気絶しているナツと、そんなナツの腕の中で同じく気絶しているハッピーだった。

え…と思う暇も無く、青年は持ち上げた手に人差し指だけを立てて指揮者のように揮い、少し離れた所に倒れているグレイやルーシィの体をふわりと浮かせ、続いてエルザの体も浮かび上がらせてウェンディの周りに寝かせた。

 

後ろの方に弾かれてしまったシャルルはウェンディの胸元へと浮かび上がって来て、無意識の内に腕を出して抱き留めていた。

何が目的なのだろうかと思い目を前に向けると、青年はある程度離れた所で此方に向かって人差し指を向けていた。

まさか一度に全滅させる為に、態々一カ所に集めたのかと顔を蒼白とさせたウェンディだったが、青年の指先に純黒の小さな魔法陣が展開されると同時…倒れているチームメンバー達を含むウェンディの足元に、純黒の色で膨大な魔力を注ぎ込まれた魔法陣が展開された。

 

魔法陣は次第に、そして少しずつ回転し始めると、黒い光を撒き散らし始めた。

一体何の魔法なのかと、不安に駆られて体を小刻みに震えるウェンディに、最強チームの誰とも言葉を交わさなかった青年が初めて……口を開いた。

 

 

 

 

「元居た場所に跳ばしてやる。最初にして最後の慈悲だ───────二度と来るな。その愚か者共にもそう伝えよ」

 

 

 

 

ウェンディが最後に聞いた言葉は……そんなものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………。」

 

「お父さん…大丈夫…?」

 

「……ふぅ。何がだ?」

 

「…んーんっ。何でもないっ。…ねっ、お父さんは…もう寝ちゃうの…?」

 

「……あぁ。邪魔が入ったが…もう一度眠る」

 

「そっ…か……」

 

「……と、思ってはいたものの、何ともつまらぬ消化不良を起こしたからな…少し戯れるか?」

 

「…っ……─────うんっ」

 

「………ふふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───────……あれ…?」

 

 

強く目を瞑っていたウェンディが目を開けた時、眼に映った光景は森の中にある遺跡のような場所でも、況してや…あの恐ろしい翼を持った青年の姿でもなかった。

 

 

『そら、私の言った通りだっただろう?』

 

『何が『言った通りだっただろう?(ドヤっ)』よ。そんなつまらないことしてる暇があるなら、この後の細かいことを考えておきなさいよ』

 

『何でそんな冷たいの?』

 

『…………。』

 

『え、無視?ここで無視?』

 

 

「え…え~と…?」

 

 

宙に浮かぶ、何となく見慣れてしまった、ほんの4日振りの男幽霊と女幽霊が変な遣り取りをしていることに困惑したウェンディは、周囲を見渡してあっと声を上げた。

ウェンディが跳ばされたのは…我が家でありギルドであるフェアリーテイルの中であった。

 

周囲には目を点にしながら口を開けて驚いているメンバー達が居り、固まっているところにウェンディが話し掛けようとした途端に再起動した。

 

 

「本当に瞬間移動で帰ってきた…!?」

 

「あれ、ナツ気絶してね!?」

 

「グレイまで気絶してやがる!?」

 

「おおおおお!?え、エルザが…!あのエルザが気絶してやがる…!!」

 

「一体何があった!?」

 

「ウェンディは大丈夫なのか!?」

 

「向かった先には何があったんだ!?」

 

 

「あ、あの…皆さん…少し落ち着いて…!」

 

 

「こンのガキ共!ウェンディが混乱しておるじゃろうが!少し休ませてやらんか!!」

 

 

奥からやって来たマカロフの一喝の声により、ウェンディ達を囲んでいたメンバー達は、口々に謝罪しながら少し離れて落ち着きを取り戻した。

何があったのか、何を見てきたのかは正直気になる所ではあるが、それよりも疲れているであろうウェンディを労る方が優先事項であると改めたようだ。

囲まれて対応に困っていたウェンディはホッと息を吐き出し…その場に膝を付いて座り込んでしまった。

 

突然気が抜けたように…と言っても文字通り気が抜けたのだが…兎にも角にも、気絶しているナツ達は医務室に運び込んで、何かあってからでは遅いということで念の為にフェアリーテイルお抱えの薬剤師であるポーリュシカを呼んだ。

ウェンディも取り敢えず休むようにとマカロフに言い渡され、ナツ達を診て貰って起きてから事情を聴こうということになった。

 

そして2時間後…気絶していたナツ達が覚醒したことを皮切りに、一体何があったのか、詳細を話すことにしたのだった。

 

はっきり言ってナツは1番最初に倒されてしまったので説明が出来ず、グレイは多少なりとも焦っていたので上手く説明出来ないとパスし、ルーシィが最初の方にあった事から気絶するまでの話しをした。

そこからはエルザが受け継いで自身がやられるところまでを報告し、最後のフェアリーテイルまで跳ばされるところまではウェンディが説明した。

 

ナツが触れることすら出来ずに倒されたこと、どんな攻撃をしようと意味を為さなかったこと、何をされたのか分からないままに気絶してしまったこと、相手は翼を携えた青年とも言えるぐらいの男で、実力はあまりにも高く、魔力は計り知れない程のものであったこと、そんな男の傍らには最後の一匹であろう子竜が居たこと。

どうでもいいと思えるようなことから重要だと思えるものまで全て話した。

 

そしてナツは単独行動が目立ちすぎだし、戦いとなった切っ掛けではないかとマカロフに叱られた。

リサーナにもこっぴどぐ叱られたナツは、流石に悪いと思ったのか、バツが悪そうに頭を掻きながら謝罪していた。

 

 

「つーか、ぶっちゃけどうやってやられたのかも分かんねぇんだろ?」

 

「なんか分かるような魔法使ってなかったのか?」

 

「私が見たのは…ここまで跳ばされる魔法だけです…すみません……」

 

「いやいや、わりぃ。ウェンディを責めるつもりは無かったんだよ!ただ…なぁ?」

 

「その男がどんな奴なのか、どんな魔法を使うのかすら解らず仕舞ってのは痛いな…」

 

「ましてやどうやってやられたのかも分かんねぇときた」

 

「だあぁ───────ッ!!!!次はぜってーぶっ飛ばして、やられた借りはきっちり返してやらァ!!」

 

 

ポーリュシカの診察を受けて異状は見られないと判断されたナツは、大きく叫びながら炎を吐き散らした。

殴り掛かったと思ったら一瞬でやられたことに対する苛つきと、それ程の強い奴が居たということに闘志を燃やしているらしい。

今診察中であるグレイも同意するのか、何時もならばナツの大声にうるさいの一言でも漏らすグレイは、この時は何も言わず黙って何かを思い返すように目を閉じていた。

 

 

『うん?こっぴどくやられた者達が起きたようだな』

 

『うふふ。まぁ無理は無いでしょうけど』

 

「ンだとコラァ────────ッ!!!!」

 

 

ナツ達が起きる数十分前に2人して消えていた男幽霊と女幽霊が忽然と姿を現れ、男幽霊はナツの事を面白そうなものを見た時のような笑みを浮かべながら見ていた。

隣の女幽霊は相変わらず人を…主に男を…ダメにするような美しい微笑みを浮かべている。

 

2人の幽霊達が居ない間に何があったのか聴いてしまったので、その事を2人にも話しておこうとしたマカロフに……男幽霊は手で制して待ったを掛けた。

 

 

『私達に話さなくてもいい。報されなくとも()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……何?どういうことじゃ」

 

『今言った通りだ。お前達の口から訊かずとも私には解る』

 

「あ゙ぁ゙!?オレ達が何されたのか分かんねぇのに、何でお前が分かんだよ!!」

 

『ふむ…ならば()()()()()()()()

 

 

そう言った男幽霊はふわりとした動きで、見上げる程の宙から降りてきてはナツの前の近くに寄ってきた。

何をするつもりなのかと訝しげな表情をするナツに、男幽霊は人差し指を突き付けた。

 

 

『最初にやられたのはお前だろう?』

 

「あ?」

 

「まぁ…確かに最初にやられたのはナツらしいけどよ、それだけじゃなぁ…」

 

『──────その次にそこの青い猫だろう』

 

 

「「「「…………………は?」」」」

 

 

最初は紛れで言い当てたのだと思い、特に何とも思っていなかったメンバー達だったが…ナツの次にやられたのがハッピーだということを言い当てたのを皮切りに、雲行きが怪しくなってきたのを感じ取った。

 

 

『恐らく…いや十中八九桜髪の少年を気絶させた方法は“顎への”殴打だろう。それも手の甲による皮膚に触れるか触れないかという瀬戸際のものだ』

 

「何…で……そんなこと分かんだよ…?」

 

『今確認したが、桜髪の少年の顎には眼を懲らさなければならないと目視出来ん程の小規模且つ軽度の火傷の跡がある。お前達があった男がやったのは顎への必要最小限に収めた殴打で最大限の“脳揺らし”だ。大きく打ち込まずとも脳は顎から伝わる衝撃に寄って揺さぶられ、結果…脳は頭蓋骨内で軽度に打ち付けられて脳震盪を引き起こし気絶した。目を合わせて少し会話しただけで桜髪の少年が実に直情型にして人の話を訊かず単独行動を取りやすい性格ということは解った…というよりも仲間同士で会話しているのを聴いていても解った。となると少年は何らかの事柄により激情し殴り掛かった、そこをお前達の眼には捉えられない程の速度による殴打を顎に叩き込み、お前は向かって行ったにも拘わらず最初に気絶した。殴り掛かった理由としては当てずっぽうなことを叫んで無視されたが故に逆上した…といった具合だがどうだ?100%当たってはおらずとも遠からずといった感じの筈だ』

 

「あ、当たってやがる……!」

 

「だからさっきから妙に顎がヒリヒリしてんのか」

 

『次にやられたのは青い猫だと言ったが、私の推測では…桜髪の少年を助ける…又は回収しようとしたところを狙われて何らかの攻撃によって撃ち落とされたのではないか?私が一月観測させてもらっていた時、青猫は翼を生やして飛んでいた。それと共に桜髪の少年と青猫の間には強い絆が結ばれていることも解っている。つまり地人であるお前達が飛べない一方で制空権を持つ青猫が飛んで助けに行くか回収を命じられるのは分かりきったこと。それに青猫には一切の戦闘能力が無いことも把握済みだ。となれば最初に空を飛んで機を窺い隙を見て回収…しようとしたが何らかの攻撃によって気絶。やられた方法については…そうだな、その場から動かずに指を鳴らした時の衝撃に魔力を限定的に注ぎ込むことで威力を増大させる、小規模による衝撃波によってやられたものとみる』

 

「ま…マジかよ……?」

 

「す、すっごい当てられちゃった…オイラ怖くなってきたよぉ……」

 

 

まるでその場に居て見ていたかのような…それはもう事細かい詳細情報を口頭で暴き出していく。

ナツは顎にそんな攻撃されていたのか…と納得しながらポーリュシカから塗り薬を貰って塗り、チクチクした痛みに悶えていた。

 

 

『次にやられたのは半裸の少年だろう?一見周りをよく見て冷静に物事を判断する事が出来るように見えるが、その実根元は桜髪の少年同様に直情型に似通っていることは分かる。となれば、喧嘩ばかりしているとはいえ仲間である桜髪の少年に続き青猫がやられたことに対して少なからず焦りと共に苛つきや怒りの感情を表に出し始める筈。お前の魔法は氷で形を為す造形魔法を使うという事を聴いていたし、細部にまで拘った中々の造形美を持つ代物を創り出せる事は把握済み。となれば中距離から遠距離の氷の造形魔法による牽制攻撃を最初に行いつつ、桜髪の少年と青猫がやられたことによって近距離による攻撃に移行した。最初に行った攻撃は恐らく無力化されたのだろう、それ故に焦りと怒りに任せた攻撃は一撃に重きを置いた攻撃力重視の魔法だった筈。そしてこれまた目を凝らさなくては見えない程度ではあるが半裸の少年の右手に人差し指の付け根部分に皮膚が多少傷が付いているのが分かる。それは武器を造形して握り込み揮ったが為に付いた跡だ。それもその付き方は慣れていない武器によるもの。この国には刀がそれ程普及されていないとみると…その時に使った武器は刀であり居合の抜刀による斬りつけ。相手の男は右下から迫る斬撃が届く前、更に右に避けて回避し隙だらけのお前の首に手刀を入れて気絶させた。その証拠として首の後ろが軽く内出血している』

 

「な、何だ…お前…?見てたのか…?」

 

『長くなるから少し端折って話すとしよう。次に攻撃されたのは緋髪のお前だろう。これは最早想像になってしまうが、お前は男の元へと向かっていったメンバーの中でも一番の実力を持ち仲間意識が極めて高い。となれば自分という存在が居ながら仲間達を次々とやられていってしまう戦況をどうにかしようと動く筈。であれば斬り込みによる攻撃か面での攻撃による時間稼ぎと考えるのが妥当だろう。私的には面での攻撃によって無理矢理距離を取らせようとするが失敗に終わり、だからといってそれだけではやられずに持ち堪えて後方へ、その間に金髪のお前が後方に回ってしまった緋髪を回復か何かをしている間の時間稼ぎに回るだろう。腰に付けているのは星霊の鍵だな。となれば持ちうる魔力の質と量から星霊の力を借りて戦える。しかし目の前で近づいて行く度にやられる仲間を見て近付けば危険だと悟っている。なればこそ…持っていればの話しだが、人馬宮のサジタリウスの力を貸し受ければ近付く事無く攻撃が出来る。それを利用しているが全く効かなかった。弾幕か何かを張っている中を悠然と進んだ男は金髪のお前の真横に移動しきり半裸の少年と同じく首に手刀を入れて気絶させた。次に標的となったのが回復し終わった緋髪だろう。残り少なく、況してや一人は歳ゆかぬ少女であることを考慮すると一撃必殺の攻撃によって迎え撃とうと画策する。だが結果は失敗した。方法としては…そうだな…防御を捨てなければ握れないような特殊武器を所持しているのではないか?行く前に鎧を着ていたのに此処へ転移されたときにはサラシを巻いた格好だった。鎧が飾りでは無いならば戦闘で使うはずだからな。そして武器は刀だな?手の平に無理に揮ったが為に出来るタコが出来てしまっている。倒された方法は恐らく全身全霊による斬りつけを身を屈めて躱した後に顎に殴打を一つと念の為に首への手刀だろう。そうだと思われる跡が2箇所に渡って出来ている。緋髪の次に倒されたのは白猫。桜髪と青猫同様に絆の深さが垣間見る事があった。恐らく両者が親友か掛け替えの無い存在だと認知している。そこで迫り来る未知から青髪の少女だけでも逃がそうと動くも青猫と同じ衝撃波て気絶。青髪の少女は最後の一人ということで“逃がされた”のだろう。その後は一カ所に集められた後に転移魔法陣による転移を行われて此処まで跳ばされた…そして最後に残って“逃がされた”お前は何かを言われた筈だ…そうだな……“二度と来るな”…に、似て類する事でも言われなかったか?…さて─────』

 

 

言い終えた男幽霊は再び女幽霊と同じ高さに浮かび上がり、唖然としているフェアリーテイルのメンバー達を見渡した後浮かべていた笑みを深めた。

 

 

 

 

 

『──────私の推測は如何程か?』

 

 

 

 

 

男幽霊は何も教えられること無く、その目で見た少しの情報のみで真実へと辿り着き看破した。

 

 

「お前…マジで何もんなんだよ…!?何でそんなこと全部分かんだよォ…!?」

 

 

フェアリーテイルのメンバーの中で誰かが叫んだ。

幾ら頭が良い人間でも、殆ど報されていないというのに、ウェンディ達が話した内容の…大凡99%を当てるという途方もない事を為した男幽霊が末恐ろしく感じてしまったのだ。

 

 

()()()()()()()驚いている暇など無いと思うがな』

 

 

「「「「────────ッ!!!」」」」

 

 

『さて…ここで更なる話し(要求)をしよう─────』

 

 

男幽霊は話しを早々に区切り、フェアリーテイル内に居る者達全員、背筋が伸びてしまうような真剣な表情と声色で言った。

 

 

 

『お前達には“とある物”を()()()()()()()()()

 

 

 

 

そう言って、男幽霊は口の端を吊り上げた。

 

 

 

 

 




久し振りのような感覚ですので、読み辛かったら申し訳ないです。


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