久しぶりです…もう、2ヶ月前に投稿して以来、出してませんでした…
まぁ、色々とイベントがあったことと、熱がまだ冷めていたことから、しばらく投稿してませんでした…
とりあえず、完成していた作品を出すことにしましたのでご覧ください。
物語は第20話の続きです。
では、本編どうぞ!
…次の日…
俺のところに、香澄からのメールが届いた。
香澄『私、みんなから絶対キラキラドキドキを取り戻してみせる!流星くんも絶対取り戻してみせるから、待ってて!』
流星「…そう言われてもな…」
俺は小さくそう呟いた後、思わず笑みをこぼした。
流星「…俺も…見せてやるよ…キラキラドキドキしたものを…」
そう言って、俺は家を出た…
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この日の放課後…
俺は練習後にバッティングセンターで尚之と一緒に練習をしていた。
島津「…今日も気合入っているね!流星くん!」
流星「はい!」
尚之「まぁ、あいつ侍に選ばれたからな…」
島津「え!?侍って…流星くん日本代表になったの!?」
尚之「はい。本当は発表があるまでは口外しないという話なんですけど、島津さんだったら大丈夫かな…なんて」
島津「それはすごい!香澄ちゃん達にも話したのかい?」
尚之「いや、言えずじまいなんですよ…喧嘩してしまって…」
島津「なるほど…これは大人が出してはいけない事だな」
島津さんはそう言って、管理室の中に入っていった。
流星「ふぅっ…もう一丁!」
俺はバッティングをもう一回やりこみ、結局日暮れ近くまでやっていた。
この間、俺は何もかも忘れて打ち込んだ。
でも…そこから離れるとやはり…
流星「…寂しいなぁ…」
香澄とおたえのボケに突っ込む有咲、それを見てなだめるりみと沙綾…そんな5人と一緒にいれた俺は、多分幸せ者だと思う…
そんなこんなでバッティングセンターから離れて、しばらく歩いていると…
流星「…いつのまにか…」
俺は『流星堂』に来ていた。
流星「…昨日来たばっかなのに…懐かしいなぁ…」
俺はふと、微笑んで呟くと…
香澄「…あれ?流星くん?」
香澄が『流星堂』の入口から出てきたのだ。
後ろには、沙綾と…有咲がいた。
有咲は、俺を見てとっさに俯いた。
流星「…香澄…沙綾…」
沙綾「ちょうどよかった。これから公園に行くんだけど、行く?」
流星「あ、あぁ…」
そんなこんなで、俺は香澄達と共に公園に来た。
公園に着くなり、有咲が…
有咲「…つーか、いってーな…まだジンジンするし…」
と、手をさすっていた。
流星「…何したんだよ…香澄…」
香澄「気持ちが伝わらないから、手を握ったんだ。そしたら…」
流星「は、はぁ…」
有咲「全く…ギターやってるんだから、握力ついているんだって…手加減しろよ…」
香澄「ホント、ごめんね…」
その後、有咲がおたえと会って、同じように手を握られた事を知った俺は、おたえも同じ気持ちだとわかった。
そして…
有咲「…あのさ…りゅ、流星にはわからないかもしれないけれど…前に先生に呼び出されたことあっただろ?確か、みんなでお弁当食べてる時…」
流星「俺は気にしなくていいよ。一応、香澄とかから聞いてるから」
有咲「そうなんだ…なら話すけれど…」
香澄「確か…有咲が生徒会長やってくれって言われるんじゃないかって、みんなで話した時だよね?」
流星「そんな会話だったんだ…」
有咲「あの時、実はさ…言われちゃったんだよ…先生に…」
沙綾「言われちゃった?なんて?」
有咲「最近…成績が落ちてきてるって…」
流星「あー…やっぱりな」
俺は有咲の言葉に、自分の予想が間違ってなかったとわかった。
香澄「やっぱりって、流星くんわかってたの?」
流星「なんとなく憶測出来てた。有咲が呼び出し食らわられたその日に、テスト最終日にライブをするというとなったら、成績が落ちてしまっているから、テストで高得点を出しつつライブを成功させるというシナリオを書いているんじゃないかって」
有咲「さすが、流星…キャッチャーは伊達じゃないね」
流星「それで、目標は?」
有咲「…5科目480点以上…」
流星「はぁ!?お前天才すぎるだろ!?」
有咲「でもそのくらいしないと説得力ないだろ?…というか…久々に聞いた気がする…流星のツッコミ」
流星「そうか?」
そして、有咲は神妙な面持ちのまま、話し続けた。
有咲「…実際…勉強の時間減ってたんだよ…バンドを始めてから…ヤバいと思ってても…みんなといる時間が楽しくて…」
流星「…」
有咲「それで先生に、バンドと勉強の両立は難しいって言われて…ついカチンと来ちゃったから…両立させてやるって…5科目で480点以上取らないと、バンドやめてやるって…」
流星「それで、夜遅くまでやってたと?」
有咲「わ、わかってたのか?」
流星「有咲の目のクマが証拠だ。寝不足してたって感じだよ」
有咲「あはは…流星には敵わないな…」
流星「どれだけお前らと一緒にいたと思ってる。俺はお前らといると楽しいから、こうして一緒にいるわけだ」
有咲「そう…だよな」
と話したところで、香澄が重要な質問を有咲に投げかけた。
香澄「なんで…そんな大事な事、どうして言ってくれなかったの?」
その質問に、有咲は恥ずかしそうに返事した。
有咲「…カッコ悪いだろ?私が意地はって、みんなを巻き込んじゃったわけだし…」
流星「だからといってな…何のわけもなく、勝手にいろいろ決めつけるのも悪いだろ。お前の性格だから言えなかっただろうけど、言っていれば、みんな分かって助けてくれたはずだぜ?」
有咲「ごめん…そこは本当に反省してる…流星もごめん…自分で勝手にあんなこと言って…自分は何もしないって…」
流星「俺も悪いことしたと思ってる…あの時は本当に申し訳なかった…でも、有咲…何のためのポピパ何だ?ただの道具じゃないだろ?悩みがあったら言い合うのも1つの手だろ?」
有咲「うん…」
流星「…俺は、野球をやって…みんなとの協力が必要だって、何度も試合をやって実感している。全員が同じようなプレーを出来ることなんて出来ない。必ず穴がある。その穴を埋めてやれるのは、俺を含め、周りの奴らなんだ。だから、意地を張って穴を隠すよりも、打ち明けてみんなで助け合ってやったほうが、もっともだと思うぜ?」
香澄「…流星くん…」
沙綾「…説得力あるね…」
そして、有咲は小さくこう呟いた。
有咲「…私…サイテーだな…ホント…」
その様子を見て、俺は一瞬頭の中であるワードをよぎった。
流星「…有咲、お前…自分はポピパにいない方がいいって思っただろ?」
香澄「え!?そうなの!?有咲!」
有咲「…うん…」
有咲がそう小さく頷くと…
香澄「そんなことないよ!有咲がポピパをやめるなら、ポピパは解散だよ!」
有咲「は!?何でそうなるんだよ!?私よりうまいやつなんていくらでもいるだろ?」
流星「それじゃ、香澄がやめて、他の奴がボーカルに入っても、ポピパは成立するのか?」
有咲「そ、それは…」
俺は立て続けにこう言った。
流星「これは香澄だけじゃねぇ…たとえ、りみが抜けて変わっても、おたえが抜けて変わっても、沙綾が抜けて変わっても…俺はポピパは成立しないと思ってる。このメンバーだからこそ、出来た最高のバンドだと思ってる」
香澄「そうだよ!そうじゃないとキラキラドキドキしないもん!」
有咲「…キラキラドキドキ…」
香澄「前に、有咲の家の蔵でクライブしたよね?あの時、みんなで演奏して、私、すっごくキラキラドキドキできた!有咲だってそうでしょ?」
有咲「それは…」
香澄「私ね…ずっと思ってたの。バンドはすごいな、音楽は偉大だなーって…」
流星「それはいくらなんでも言いすぎ…」
香澄「言いすぎじゃないよ!だって…どんなに気持ちが沈んでたって、みんなで一緒に演奏すれば、心がキラキラドキドキして、そんなのすぐに吹っ飛んじゃうんだもん!」
流星「あぁ…確かにわかる。応援歌が特にそうだもん」
有咲「応援歌?」
流星「応援歌は、選手に向けて送る歌だけど…どんなに暗い気持ちでも、みんなが応援してくれてるってわかってたら、それだけで頑張れるって思える」
俺がそう言った後、香澄も立て続けに言ってきた。
香澄「…この前の練習で…おたえが言われて気がついたの…キラキラドキドキしてたのは、音楽だけじゃない…さーやとりみりんとおたえと…有咲と!一緒に演奏してたからなんだって!だから…だから!ポピパにいない方がいいなんて、言わないでよ!」
流星「…俺も同意見だ。5人とこのメンバーだから、ポピパって思える」
有咲「そっか…そういうことか…」
有咲はまるで納得したかのような口調で話した。
沙綾「ん?どうしたの?」
沙綾がすかさず質問した。
有咲「私…バンドをやる前は学校でもずっと1人で…1人であることには慣れているはず…だったんだけどさ…今は学校で1人でいると退屈で…寂しくて…早く学校終わんねーかなって…それまでは、何にも思わなかったのに、今は気づくと、みんなのこと考えちゃってるんだよ…」
沙綾「有咲の気持ち、わかるかも…私もここのところ、ずっとみんなのこと考えてたもん…」
有咲「それで結局勉強に手がつかなくなって…みんなといるのが当たり前になってて…なんか…当たり前って偉大だなって…」
沙綾「だね」
その後、有咲はりみに謝りたい気持ちで一杯で、メッセージを書いては消しての繰り返しをしていたという。
また、有咲がポピパのことが大好きだと話したことで、香澄は抱きついた。
これに関しては俺は手を出すことはしない。そりゃ、友情のハグだもの…
有咲「…あ、あのさ、香澄…その…心配かけて…ごめん、な…」
香澄「私こそ、ごめんね…有咲がポピパを嫌いになっちゃったかもって思っちゃった…そんなわけないのにね…」
こうして、有咲は香澄達と再び絆を結び合った。
そして…
有咲「…さっき謝ったけど…改めて言わせてくれ…本当に、ごめんなさい…」
有咲は俺に向かって、お辞儀して謝った。
流星「…俺こそ、申し訳なかった…情けねぇよ…キャッチャーなのに、周りを見ないで、激昂してさ…雄介からも叱られたよ」
香澄「雄介くんが?」
流星「お前はキャッチャーなのに、周りを見ないで何してるんだって…俺の売りは、周りを熱くさせる力。苛立たせる熱さは要らねえって」
有咲「そうなんだ…まぁ…今回はすまなかったな…」
流星「いいってもんよ」
俺は有咲達に向けて笑って、同時に世界大会へ向けて意気込む心持ちでいたのだった…
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数日後…
野球部の練習後、出禁令の解除が出た蔵に来た俺は、少し緊張しながら中に入った。
あ、ちなみに、おたえは香澄を信じてライブの準備をしていたらしく、チラシやチケットなどを用意してたらしい…なんという行動の早さ…
また、りみりんはここしばらく風邪をひいてしまい、練習にも参加できなかったが、どうにか復活しているという。
流星「…失礼しまーす…」
俺が恐る恐る中に入ると…
香澄「あ!流星くん!遅いよー!」
香澄が大声を上げて俺を呼んでいた。
流星「悪りぃ悪りぃ…」
有咲「全く…てか、失礼しますって言わなくてもいいんだぞ?」
流星「そうは言ってもな…一回出禁にされてんだから考えてくれよ…」
有咲「それはそうだったな…すまん」
流星「あと、りみ、復活おめでとう。これ」
りみ「うわぁ!チョココロネだ〜!」
流星「俺の父ちゃんの知り合いにパン職人がいて、特別に作ってもらったんだ」
たえ「へぇ〜」
流星「てか、おたえ…ライブをクライブにするってマジか?」
たえ「だって、どこも空いてなかったもん」
流星「もうちょっと場所探してよ…」
そんなこんなで、テスト前のりみりん&香澄の勉強会兼クライブの設営を手伝うことにした俺は、無造作にバッグを置いて、準備を手伝った。
ちなみに、ユニフォームとかは別バッグに片付けているので、埃の心配はない。
香澄「あ、そうそう!流星くん、今度のクライブを一緒に参加してよ!」
流星「ん?俺?」
香澄の突然のオファーに、俺は少し動揺した。
有咲「なんだ?なんか用でもあるのか?」
流星「まぁ、あるっちゃある。それに出ねえとヤバいもんだから…」
実は、ポピパがクライブする日、俺は用事があった。
主にU-18の日本代表のことだけど。
りみ「そっか…残念だね」
流星「その代わり、曲作り手伝うよ」
沙綾「ありがとう、流星くん」
こうして、俺とポピパの仲は再び良くなった。
俺はポピパのメンバーではないと思っていたけれども、ここまでこう関わると、メンバーの一人であると自分でも思ってきてしまう。
それでも悪くないと思った。
流星「…なぁ…俺って、ポピパのメンバーか?」
俺はふと、呟くように言った。
すると…
香澄「そうだよ!流星くんは、私達の大切な仲間だもん!」
有咲「お前がいなくなると、寂しくなるからな」
沙綾「もう、ここまで踏み込んだら、メンバーの一人でしょ?」
りみ「いつも、助けてくれるから、本当に助かってるよ」
たえ「うさぎの次に大切な人かな?」
と、各々返事が返ってきた。
てか…
流星「おたえ、うさぎの次に大切ってどういうことだよ!?俺ってうさぎ以下か!?」
たえ「冗談。大切な人だよ」
流星「冗談って何!?」
俺のいつものツッコミに、みんなで笑いあった。
この日から、俺は香澄たちとしばらく会うことがなくなった。
全ては、日本代表として…香澄達に笑顔になってもらうため。
日本代表という勲章を胸に、俺は必ず、世界と戦ってみせる…
俺は強く誓いながら、蔵を後にした…
いかがでしたでしょうか?
これの後に、世界大会編を持ってくるような形にしていますので、是非、世界大会編もご覧ください。まだ話が書けておりませんが…
今後も投稿がかなり遅くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。
では、次回お会いしましょう!