今日はバレンタインなので、新しく書きました。
いつものようなグダクダ展開ですが、よろしくお願いします。
※作中にある高校名がありますが、調べたところ実名の高校が実際に前にあったようです。この作中では想像上にある高校ですので、お間違えないようよろしくお願いします。
…2月14日…
男子にとってはこの時期で一番気になる日である…
どうしてか…
この日はバレンタインという日である…
女子が男子にチョコレートをあげる日で、普通の男子ならば、ワクワクしてチョコレートをもらう準備をしているのだが…
審判「一同、礼!」
『お願いします!』
この日、俺ら江戸川橋高校野球部は、平日ながら対外試合に出かけていた。
相手は千葉にある千葉県立船津高校で、千葉県の中ではトップクラスに入る強豪校だ。
今回はその船津高校の練習試合のために千葉の球場に出張しているので、午後の授業は上島監督の特権で休ませてもらっている。
雄介「しかし、なんでこんな日に試合なんかやるんかな…」
亮一「しかも平日だろ?珍しいじゃん」
流星「なんでも、船津高校の監督と上島監督は親友の間柄で、今回の練習試合もお互いに同意してやろうとしたらしいけど、船津高校自体が有名で土日埋まってしまったから、唯一空いているこの日にやる事になったって」
蓮二「それでもやっぱりこの日はいかんだろ…」
康介「仕方ないだろ」
まぁ、俺からしたら、香澄達にえんえんと騒がれるよりかはマシかなとは思うけどね…
なんせ今日は…
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一方の花咲川女子学園…
香澄「えぇー!りゅうくん、いないの!?」
「そうなの。今日は練習試合で出かけちゃってるから…」
香澄が江戸川橋高校にいる、仲良くなった子と電話で話をして、そこで初めて俺ら野球部が学校にいないことを知った。
この事を知ると、何がなんでも来そうで、そういうのは流石に良くないと思ったからだ。
りみ「流星くん、今日は学校に来てないの?」
香澄「そうなんだよ〜。りゅうくん、試合でいないって…」
有咲「なんで今日試合なんだよ!?」
沙綾「わからないけど、そうなったら仕方ないんじゃない?」
たえ「そうだね…」
とみんなが落ち込んでいたものの…
香澄「そんな事思っても仕方ないよね!それじゃ!第1回!ポピパのチョコレート交換会始めまーす!」
香澄のその掛け声でチョコレート交換会をする事になった。
もちろん、交換会は大盛り上がり。
香澄はコンビニのチョコ、りみりんは有名なチョコレート店のチョコ、沙綾は手作りのチョココロネ、おたえはお気に入りのお店のチョコ、そして有咲は…
香澄「すごーい!これ、全て手作りしたの!?」
有咲「べ、別にそんなんじゃ…」
一つ一つ手作りしたチョコを持ってきていた。
りみ「すごいね!一つ一つ分けて作ってくれたんだね!」
有咲「ま、まぁな…やっぱり作るなら、手作りの方がいいかなって…でも形が…」
沙綾「こういうのは、形じゃなくて気持ちだよ、有咲。ありがとうね」
そんなこんなでポピパのチョコレート交換会は大盛り上がりを見せたのだが…
たえ「あれ?みんなそれぞれ一個ずつ残ってるね…」
交換したはずなチョコレートが、一個ずつ残っていたのだ。
有咲「こ、これは…流星の…物なんだ…」
香澄「有咲も?実は私もなんだ!」
りみ「私も、流星くんにあげようと思っていたんだ」
たえ「実は私も」
有咲「いや、食べようとしてただろ!手が伸びかけてたし!」
沙綾「私も放課後渡そうと思ったんだよね。でも…」
俺の事を思い出した香澄達が、再び気を落としてしまった。
すると、香澄がハッとある事を思いついた。
香澄「…あ、そうだ!せっかくまだ来ないだったら、今からチョコ作らない!?」
有咲「はぁ!?今から!?」
りみ「それ、いいかも。家帰ったらすぐにみんなで作って、それを流星くんに渡せば…」
たえ「喜んでくれる事間違いなし」
沙綾「それいいね!それだったら、有咲にレクチャーしてもらおっかな?」
有咲「な、なんで私が!?」
香澄「だって、こんないいチョコ、手作りしてきたんだもん!私たちも作りたいから教えて!」
有咲「こ、これはリサさんに教わってもらって…」
沙綾「リサさんに?なるほど…だから、上手くできたんだ…それでも教えて欲しいな」
有咲「ばっ…そんなキラキラした目で見ないでくれ!わかったから!」
そんなこんなで、香澄達は放課後、有咲の家でチョコを作ることになったのだった…
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審判「一同、礼!」
『ありがとうございました!』
夕方近くなって、練習試合は無事終わった。
結果は5-3で俺らが勝った。
5回までは投手戦で、先発の雄介が見事な三振ショーを見せつけ、6回に好投に応えるように尚之が先制アーチ。
その後、亮一と島川先輩のヒットでもう一点入り、6回は2点入った。
しかし、8回に雄介が疲れてしまった事により、船津高校は3点返して逆転。
9回にはなんとか犠牲フライで1点入れて延長戦に突入。
11回表で頼れる尚之の2点ホーマーで再び勝ち越した俺らは、辻上先輩の見事なリリーフで勝ちをもぎ取った。
亮一「いやー、今日は痺れる展開だったな!」
流星「声が大きい」
電車の中で思わず大声を出す亮一に、俺は思わず突っ込んだ。
尚之「でも、課題は残ったな…雄介のスタミナ、打撃陣の打撃力…まだ改善するところはある」
良一「そ、それでも強豪校に勝てたのは大きいと思うよ」
一彦「杉浦のヒットもすごかったな。中継ぎエースのあの萩山って人からよくツーベース打てた」
良一「は、初めてのサード経験したけど…なんとか守れてよかったし…」
と、各々今回の試合を振り返っていると…
蓮二「…そーいや、今日はバレンタインなんだよなぁ…」
蓮二がふと小さい声で呟いた。
流星「…蓮二、どうした?」
蓮二「あ、いや…最近パスパレの皆さんと一緒にする機会が多いんだけどさ…なんかやな予感しかしない…」
流星「それ言うんだったら俺なんかな…」
尚之「お前はおかしいからな…」
流星「俺がおかしいわけじゃねぇ!」
雄介「はいはい、よくわかったから」
流星「わかってねぇだろ!」
亮一「流星、うるさいぞ」
流星「くっ…」
いじりいじられのまま、俺らは無事最寄りの駅に着いた。
尚之「んで、お前は『流星堂』に行くんか?」
流星「行くさ。多分、待ってくれているはずだからな。と言っても、多分いつものように練習を見るだけになるだろうけど」
亮一「そうか、それじゃ、ここでお別れだな」
流星「あぁ。んじゃ、また明日」
俺は少し早歩きで蔵へと向かった。
と言っても、時刻は18時。
外も暗くなりかけている時間帯なので、全員いるかどうかも微妙な感じはしていた。
蔵に着いた俺は、そろりといつもの練習場所に入ると…
香澄「あ!りゅうくーん!」
…案の定、香澄が抱きついてきた。
流星「ばっ!香澄!」
香澄「えへへ〜、会いたかったよぉ〜」
流星「だからって抱きつくのはおかしくね!?」
沙綾「でも、今日はいなかったからね。いつ来るのか楽しみにしてたんだ」
流星「どういうことだ?」
有咲「これ…お前のだよ、流星」
有咲がそう言って出したのは、綺麗でカラフルな箱だった。
流星「これ…」
りみ「私たちの気持ちだよ」
たえ「ずっと一緒にいたいから」
香澄「有咲が教えてくれたんだ!」
有咲「ばっ!香澄!」
沙綾「まぁまぁ…これが、私のお礼って事で。これからもよろしくね、流星」
流星「あぁ…ありがとな」
その後、中に入っていたチョコを食べたが、5人の熱い視線のせいで、甘かったのか苦かったのかわからないで食べていったのだった。
いかがでしたでしょうか?
束の間の休息に書いた感じですので、あまりいい感じに出来ませんでしたが、読んでくれてありがとうございます。
現在別の小説の構想も考えていますが、なかなか書けないのが現状で…
とりあえず頑張って書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
では、次回お会いしましょう!