バンドリ!〜輝く星と白い球〜   作:VOSE

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どうも、VOSEです。
今回は溜まってた話の放出でございます。
まぁ、いつものような感じでございますので、気楽に見ていただくと幸いです。
では、本編どうぞ!


番外編〜逆玉手箱!?・Roselia編〜

…ポピパのあの箱の事件から数日後…

 

流星「…あの箱が無くなってた!?」

有咲「あぁ…何故か消えてたんだ…」

 

先に蔵に来ていた俺は、蔵から箱が消えているという事を聞かされ、動揺していた。

 

流星「あれを世に出回したらやべぇぞ…オークションには流石に出品してねぇよな?」

有咲「当たり前だろ!?あんなもん出せるかっつうの!」

流星「だよな…んじゃどこに…」

 

俺の疑問のその答えが、まさか身近にあるとは、この時は分からなかった…

 

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…あるスタジオにて…

 

友希那「…一旦、ここまでよ」

あこ「お疲れ様です!友希那さん!」

紗夜「お疲れ様です」

燐子「お疲れ様です、友希那さん」

リサ「おっつかれー!クッキー食べる?」

あこ「食べるー!」

 

Roseliaの皆さんが、スタジオで休息を取っていた。

そこへ…

 

雄介「お疲れ様でーす!」

健太「差し入れのドリンクだぜ」

 

雄介と健太さんがビニール袋を持って入ってきた。

 

あこ「待ってましたー!」

友希那「いつもありがとう、雄介」

雄介「こういうのは男の仕事ですから!」

健太「それに、今日は俺も休みだったし、手伝えるところは手伝わないとな」

紗夜「2人とも、いつもありがとうございます」

 

と、和気あいあいと休息を取っていると、雄介がふと、あるものを見つけた。

 

雄介「…なんだ?これ」

 

なぜか漆塗りの箱が隅に置いてあったのだ。

 

紗夜「忘れ物でしょうか?」

リサ「いや、でもさっき置いてあったっけ?こんな綺麗な箱なんて」

燐子「ありましたけど…忘れ物か何かと思って、そのままにしてました…」

紗夜「それでしたら早く言ってもらわないと…」

 

と、そこへ、スタジオに常設してある電話が鳴った。

それに雄介が出た。

 

雄介「はい、もしもし…あ、はい…え!?もう時間!?いや、今日18時ほどまで取っていたはずですよ!?」

健太「手違い起きたのか?」

雄介「みたいですね…はい…とりあえず、今からそっち行きますので…はい…」

 

雄介はそう言って電話を切った後、Roseliaの皆さんに、何故か12時までになっていた事を言って、それを確認するために健太さんを連れて受付へと向かった。

 

紗夜「ちゃんと18時までと連絡したはずですが…」

リサ「もしかして、手違いとか?」

紗夜「そんな馬鹿なことが…」

友希那「あれこれ言っても仕方ないわ。とりあえず片付けしましょう」

 

友希那さんの一言で、Roseliaが片付けを始めた。

と、その時だ。

 

あこ「…あ!箱が!」

 

あこがドラムを片付ける時に、うっかり肘に箱が当たり、落としてしまった。

その拍子に蓋が開き、中から煙がモクモクと湧き上がったのだ。

 

あこ「うわあっ!」

紗夜「宇田川さん!早く閉めてください!」

燐子「な、何ですか!?これ!?」

リサ「私に聞かれても!」

友希那「と、とりあえず避難するわよ!」

 

と、友希那さん達は避難しようとしたものの、煙がたちまち広がり、辺り一帯を覆ったのだ。

蓋はすぐに閉めたので、これ以上煙が出る事は無いが、それでも結構な煙の量が出た。

 

???「ケホッケホッ…みんな、だいじょうぶ?」

???「えぇ、なんとか…って、あれ?しせんが…」

???「ひくく…なってます…」

???「ど、どうなってるの!?」

???「も、もしかして…いまのはこは…パンドラのはこ!?」

 

そして、煙が晴れると同時に…

 

雄介「すみません…やっぱり時間変更できませ…」

 

雄介と健太さんが中に入ってきた。

その2人が目にしたのは…

 

健太「…え?」

雄介「…え?」

 

…小さくなった、Roseliaのメンバーだった…

 

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健太「…という事は、あこがあの箱を間違って落として、その箱の中から煙が出て、それを吸った事でこうなったと…」

あこ「そう!なんでかしらないけど、ちいさくなっちゃったの!」

 

近くの公園へ移動し、事の顛末を聞かされた雄介と健太さんは、未だに信じられない表情を見せていたが、小さくなった友希那さん達を見て、信じざるを得なかった。

 

さよ「うだがわさんが、あんなことをしなければ…」

あこ「うぅ…ごめんなさい…ごめんなさぁぁい!」

健太「うおっ!?泣くな!あこ!」

りさ「まぁまぁ、あこもわざとおとしたわけじゃないから」

ゆきな「そうよ。しかたないわ」

雄介「そうですね…というか、この後どうするんですか?」

健太「あこはうちで預かるとして…友希那やリサはどうするんだ?」

ゆきな「わたしは…ゆうすけと一緒にいたいわ」

雄介「俺!?」

ゆきな「えぇ、だめかしら?」

雄介「い、いいですけど…」

健太「リサは…大河とか呼ぶ?」

りさ「そうしたほうがいいかも…」

さよ「わたしはひなにしょうじきにはなすわ…」

雄介「俺も説明します。多分、『るんってきた!』って言うかもしれませんが…」

さよ「しかたないわよ」

雄介「そして…燐子さんはどうしましょう…」

りんこ「わたしは…」

 

雄介と健太さんで、燐子さんを誰に面倒見てもらうか考えていたその時だ。

 

良太「…あ、健太さん、いたいた!」

 

…なんとも偶然にも、良太が通りかかったのだ。

 

健太「良太くん!?なんでここに!?」

良太「今日、ここでちょっと用事があって…って、あれ?そこにいるのは?」

 

良太は小さくなったRoseliaの皆さんの方を見て、目が点になった。

 

健太「あ、あぁ…これはだな…」

 

健太さんは良太にさっき起こったことを話すと…

 

良太「…え…」

 

良太は絶句した反応を見せた。まぁ、これが普通の反応だけど…

 

健太「そんなわけなんだ…あ、せっかくだから、燐子を見てくれないか?一応付き合ってるんだろ?」

良太「いや、まぁ…そうですけど…」

雄介「え?つ、付き合ってる?てか、誰?」

良太「あ、そういえばはじめましてだったな…俺は天野良太。流星の幼馴染で、君のことは流星から聞かされてるよ、坂口雄介くん」

雄介「え、流星の幼馴染!?」

健太「そんな反応するよな、最初聞かされるとね」

 

と、色々話をした後で、良太は小さくなった燐子さんの方を見た。

 

良太「…大丈夫ですか?燐子さん」

りんこ「は、はい…」

健太「それじゃ、燐子は良太が面倒見るで決定だな…」

雄介「それじゃ…とりあえず今日は、それぞれ解散するってことでいいのかな…?」

ゆきな「そういうことにしましょう」

 

雄介と健太さん、良太はとりあえず、それぞれ家に帰すことで決まった。

まずは紗夜さんの家に帰すことになったのだが…

 

日菜「うわ〜、お姉ちゃんが小さくなってるー!」

 

…案の定日菜さんが大喜びして飛んで、紗夜さんに抱きついた。

 

さよ「ひ、ひな!ちょっとだかないで!」

日菜「すごい!すごい!るんってきた!」

健太「…と、とりあえず、日菜ちゃん…紗夜さん…頼みますね?」

日菜「うんっ!」

さよ「…しんぱいですが…」

雄介「紗夜さん…ファイト」

 

紗夜さんと日菜さんの家から出た雄介達は、それぞれRoseliaのメンバーの家へ向かった。

雄介は友希那さんの家に上がり、友希那さんの父に事情を説明して部屋に上がった。

 

雄介「…しかし、こうして見ると、小さくなった友希那も可愛い…」

ゆきな「からかわないで」

雄介「すみません…それで、何しましょうか…その格好では何も…」

ゆきな「それでもとまらないわ。とりあえず、今度の曲のフレーズを考えるわ」

雄介「俺も手伝いますよ。何かあったら言ってください」

ゆきな「ありがとう、ゆうすけ」

 

その時の友希那の笑顔を見て、雄介は思わず悶絶しかけたのだった…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…雄介は友希那さんの部屋の隅で、しばらく野球の勉強をしていた。

 

雄介「…ここではやっぱ低めを攻めた方がいいか…」

 

と、ビデオを見ながらノートを取っていると…

 

ゆきな「…ゆうすけ?」

 

友希那さんが声をかけてきた。

 

雄介「ん?どうしました?」

ゆきな「そろそろごはんのじかんだから…」

雄介「え?あ、本当だ…持ってきますか?」

ゆきな「うん、おねがい」

 

雄介はそう言って立ち上がると、1階へ降りて、友希那さんと雄介の分の料理を取りに行った。

 

友希那父「はい、雄介くん、これ」

雄介「ありがとうございます」

友希那父「友希那、大丈夫か?」

雄介「はい、問題ありません」

友希那父「なら良かった。迷惑かけてないか心配しててな」

雄介「迷惑だなんて!逆にこっちが迷惑をかけてるのではないかと…」

友希那父「そんなことはないさ。最近友希那が少しだけだが、明るくなっててね。そりゃ、Roseliaの影響もあるかもしれないが、君と付き合うって聞いた後からは、友希那も色々私に聞いてきてね」

雄介「そうなんですか…」

友希那父「あぁ。だから、友希那を頼むぞ」

雄介「はい!」

 

雄介は勢いよく返事をして、ダイニングを出て階段を上がろうとすると…

 

雄介「…ん?…っ!?」

 

友希那さんが階段に座って、ふくれっ面になって待っていた。

 

ゆきな「…もう…おとうさん、いわないでっていったのに…」

雄介「そ、そうなんだ…でも、ちょっと意外な面見れた気がする…」

ゆきな「そういうこといわないで、はやくごはんたべるわよ」

雄介「あ、あぁ…」

 

友希那さんは雄介にそう言って立ち上がり、階段を駆け上がったが、その足取りは軽やかだった。

夕食を友希那さんの部屋で食べた2人は、お風呂に入ることなった。

 

ゆきな「ゆうすけ、いっしょにおふろはいるわよ」

雄介「…え!?」

 

友希那さんから放たれた言葉に、雄介は思わず固まってしまった。

 

ゆきな「おとうさんから、こいびとどうしなかよくなってきたらおふろにもはいるって…」

雄介「いや、あながち間違いではないけれど!まだ心の準備が!」

ゆきな「…だめ?」

 

身長が低いせいか、友希那さんが上目遣いで頼みこんできたので、雄介は一瞬でハートを撃ち抜かれ、結局一緒に入ることになった。

シャワーでは雄介が髪を洗ってあげたり、湯船では雄介の上に友希那さんが乗っていたり、それこそ本当に気が気でなかった雄介は、人生初めてのぼせるという感覚を覚えたらしい…

そして、就寝時間になり…

 

雄介「…友希那さん、本当にここでいいんですか?」

ゆきな「もちろんよ」

 

雄介は友希那さんの部屋のベッドで、友希那さんと一緒に寝ることになったのだ。しかも、友希那さんは雄介のパジャマの裾を掴んでいた。

 

ゆきな「というか、なまえ、また『さん』づけしてる」

雄介「す、すみません…」

ゆきな「わたしたちはこいびとなんだから、そんなふうにいわれるときずつくの…」

雄介「気をつけてはいるんだけど…やっぱり慣れなくて…」

ゆきな「そう…」

雄介「…」

 

そんな話をしてしばらくすると、友希那さんの寝る吐息が聞こえた。

 

雄介「…すみません…友希那さん…」

 

雄介はそう言って、そのまま寝ることにしたのだった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…次の日…

 

雄介「…ん…」

 

雄介が目を覚ますと、目の前に友希那さんがくぅくぅと寝ていた。元の姿に戻って…

 

雄介「っ!?」

 

雄介は驚いて、こっそりと離れようと動こうとした。

ただ、友希那さんはずっと裾を掴んでいたので、すぐに目を覚ました。

 

友希那「…ん…」

雄介「っっっ!!!」

 

雄介は声にならない声を叫び、固まってしまった。

それを見た友希那さんは、ゆっくりと雄介の方へと動き、抱きついた。

そして、小さくこう言った。

 

友希那「…ごめんなさい」

雄介「…え?」

 

雄介は素っ頓狂な声を出した。

 

友希那「…昨日、気分害したかしら…」

雄介「い、いえいえ!俺が告白したのに、なんかそれらしいことしてなくて…」

友希那「確かにそうだけど…私だって同じ事やってるのだから、気にしないで」

雄介「…友希那さん…」

友希那「…でもせめて、私のことを『さん』付けしないようにしてほしいわ」

雄介「あはは…そうだな…友希那…しばらくそのままでいいか?」

友希那「いいわよ…雄介」

 

しばらくベッドの中で抱き合った2人は、その後仲良くベッドから起き上がった。

 

雄介「…そういや、体戻ったな」

友希那「そうね…なんとかなったわね」

雄介「とりあえずこれで一安心かな…」

友希那「でも、もう少しそのままでも良かったかしらね…今度は雄介の家に行ってみたいわ」

雄介「いや、俺んち、野球グッズばっかですよ?それでもいいなら、いつでも大歓迎ですが」

友希那「えぇ、今度行かせてもらうわ、雄介」

 

友希那さんはそう言うと、雄介の唇にキスをした。

 

雄介「っ!?」

友希那「…これからもよろしくね」

 

そう言った、友希那さんの表情は明るかったのだった…

 




いかがでしたでしょうか?
今回はこんな感じで書いてみたというものですが…楽しんでいただけたでしょうか?
まだまだ書いていきたいとは思いますので、是非ともよろしくお願いします。
では次回、お会いしましょう!

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