「じゃあ、話そうか柊のお話を」
◆
午前3時。
その日は気温は最悪で天気は雨。
夏だからジメジメしているのは当たり前だし暑いのも当たり前。雨が降っている事さえ除けば最悪だ。僕は、雨は嫌いではない、理由としてはいくつかある。
1つとしては音。
雨のザー、ザーと言う音を聞いていると何だが心が和らぐ、心が落ち着いた気持ちになるのさ。
2つ目としては、多分これが大きくて僕は雨が好きなのだろう。水だから。まあ、当たり前のことだろう。だけど天から水が降ってくる。誰が予想しただろうか?誰にも分からない、なぜ?雨という概念が存在するのか、なぜ雨は降ってくるのか、理系的考えればそんなものはすぐに出てくる、だけどそうじゃない。
雨というのは天からの贈り物だ。
贈り物では無いだろうか? 雨は神からの贈り物。
僕はそう考えている。理由は素敵じゃないか、ん?支離滅裂な答えだって?
そんな事はいいさ。考えない方がいいよ。
さて、前置きはこの位にしておいて、こんなにも遅い時間帯。僕の部屋。いや、アパートには1人の女性が来ていた。
女性と言っても僕の妹の黒影 柊なのだけどね。
『どうしたの?』
「・・・・・・」
黙り。
多分、白露君と何かあったに違いないけどさ
なぜ、僕に相談するんだ・・・。僕も寝不足なんだよ。
頼むから寝かせてくれ、明日も綺麗な生徒会長を見るべく目は大切にしたいんだけどな・・・。まあ、妹の為なら話くらいは聞かなくもないけど。
「白露の事で話しが・・・」
『そんな事だとは思っていたけどね。白露君が君の事を殺そうとでもしたのかい? ハハ・・・なーんてね』
「そう。私を殺そうとしたの。」
『え?』
「うん」
いや、え?殺そうとした?
状況を掴めないまま数分の時間が流れる。柊も春之が話をかけてくるのを待っている。
『それって犯罪になるよね?』
僕はしょうにもなくそんな正論なことで返してまう。
「そうだね、殺人未遂で逮捕だね、けど証拠がないから」
『証拠……って待ってよ!なんで
「簡単な事だよ……私は必要なくなったの……」
必要なくなった?それって他に好きな子ができたってことかな?
でも浮気をする度胸はなさそうだしな。僕は今回ばかりは……。
『悪いけど……僕はこの件何も言えない』
「…………」
『けど、白露には言っとくその事を、それで少しは変わるはずだから。ごめんね?こんなに何も出来ない兄で』
「春之兄さん……」
僕はアパートを出て夜の風にあたりに行った。
『全く……僕らしくないな』
明日は生徒会長の顔もまともに見れそうにないな。
◇
「おはよ」
『やぁ、おはよう智也君』
朝を迎え、僕を迎えに来てくれた智也君。
「いけ好かない顔だね?どうしたの?なんかあった?」
朝食と思われしきご飯を食べながら僕にそんなことを言う。
『さぁね、いいね君は悩みとかさなさそうでさ』
「全く、黒空くんって人は無神経だなぁ〜、それ僕だったからいいけどさ女子とかに言っちゃダメだよ?女の子はすぐ傷つくからね……」
『はいはい』
柊にはあんな事を言ったけど僕もできることはしないとな……。
駄目な兄なりにやれる事はなってみせるさ。
そんな時だった、人が変わったような白露くんに会ったのは。
『……智也君先に行っててくれないかな?』
「ん?うん」
雰囲気やら何やら色々と違う。
『やぁ、白露君?君は一体どこから湧くのやら』
「貴方……は……、キィ……がァ……グゥゥゥ」
様子が変すぎる。まぁ、いつも変なだけどさ。
今日は特におかしいや。
「黒空……シ……ュゥゥゥ……を殺……スゥゥゥ……」
『こりゃあ、手こずりそうだ……』
ーー黒空柊の死まであと、11時間ーー