ラブライブ!ウルトラ伝説!私たちの光!   作:海神アグル

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なんとかしなきゃ!#1

竜司side

 

 

海「たるんでる証拠です!!」

 

 

 

海未のそんな一言から今日は始まった。

 

海「書類もこんなに溜め込んで、全てに対してだらしないから、そんな事になるんです」

 

穂「ごめんごめん」

 

人が必死に杖ついて生徒会室に来たら、なンか穂乃果がランニングマシンでランニングしていた。

 

つーか、どっから持ってきたそのランニングマシン。

 

穂「でもさ、毎日あんなに体動かして汗もかいてるでしょ?まさかあそこまで体重が増えているとは~」

 

竜「ンだァ?お前体重増えたのかよ?」

 

穂「うわっ竜ちゃん!? いつの間に!?」

 

竜「ついさっきだよ」

 

気づくの遅すぎだろ………にしても。

 

俺は机に並べられている書類の山を見る。

 

今日は段違いに多いな。

 

竜「………帰るか」

 

海「竜司、何処へ行くのです?♪」

 

踵を返そうとしたら海未が瞬間移動並の速さで俺の前に立ちやがった。

 

どォなってンだよその身のこなしは?

 

しかも笑ってるのに笑ってないムカ着火スマイルを向けてくンな。

 

竜「クソッタレが……」

 

退路を断たれた俺は再び穂乃果の方に視線を向ける。

 

見ると呑気にことりとの会話に花を咲かせていた。

 

穂「あっ、それ、オニオンコンソメ味っ!?」

 

こ「うん、新しく出たやつだよ!」

 

おい、お前体重減らすために走ってたンじゃないのか?

 

穂「食べたかったんだよねえ!一口ちょうだ~い…うわぁああ!?」

 

当然、海未に手首を掴まれて阻止される。

 

海「雪穂の言葉を忘れたんですか!?」

 

穂「大丈夫だよ!朝ごはん減らしてきたし、今もほら、走ってたし!」

 

チッ、こいつ何も分かってねェな。

 

あれだけ走っても、お菓子なンていう高カロリーを摂取すれば感動的に無意味になるっつーのによォ。

 

海「はぁ……どうやら現実を知った方が良さそうですね」

 

穂「えっ?」

 

こ「現実?」

 

穂乃果とことりの疑問をよそに海未は俺に言う。

 

「竜司。今から持ってくるのはあれでいいですよね?」

 

「あァ?あー……そうだな…」

 

俺が頷いたのを確認した海未は生徒会室を出て行った。

 

最初は分からなかったが、今の状況を鑑みると察せた。

 

そして数分後に戻ってきて、海未の手にはある衣装が握られていた。

 

海「これです!」

 

穂「これって……ファーストライブの衣装?」

 

海未が意気揚々と差し出してきたのは、まだμ's が穂乃果たち3人の時に講堂で行ったファーストライブの衣装だ。

 

竜「おい穂乃果。今すぐこれを着てみろ」

 

穂「えー?なんでー?」

 

竜「いいから着ろ」

 

俺はそれだけ言い残し、海未とことりを連れて一度生徒会室から退出する。

 

竜「これでハッキリするはずなんだろ?」

 

海「ええ…」

 

こ「ハッキリするはずって……何のこと?」

 

海「穂乃果の身に、何が起きたのか…」

 

こ「穂乃果ちゃんの…身に…?」

 

俺と海未の言っている意味が分からず、ことりは可愛らしく首を傾げていたが、

 

『だあああああああああっっ!!!?』

 

こ「ちゅん!?」

 

生徒会室の中から響いてきた穂乃果の絶叫に、ことりは鳴き声みたいな声をあげる。

 

少し間を開けてから俺は無言で生徒会室のドアを開け放つ。

 

穂「うぅっ…ぐずっ……えぐっ……」

 

穂乃果はイスに座り、涙目で嗚咽を漏らしながら虚空を見つめていた。

 

こ「穂乃果ちゃん!? 大丈夫!?」

 

穂「ごめんみんな……今日は1人にさせて……」

 

こ「き、気にしないで!体重は増えたかもしれないけど、見た目はそんなに変わってな…」

 

穂「ほんとっ!?」

 

こ「えっ!? えっとぉ……」

 

食い付きすぎだろ。

 

どンだけ希望持ちたいンだ。

 

けどまァ、ことりの言う通り、見た目自体は何も変わっていないように見える。

 

体重が増えたと言われても全然違和感ないレベルだ。

 

海「気休めは本人のためになりませんよ!! さっき鏡で見たでしょ!?」

 

穂「ううぅ……」

 

海未の発言に縮こまる穂乃果。

 

さらに追い打ちをかけるように、海未は穂乃果に手鏡を近づける。

 

海「見たんでしょう!?」

 

穂「うわぁぁぁぁぁぁぁ!! や~め~て~!!!!」

 

現実をまざまざと見せつけられた穂乃果は、まだ目を背ける。

 

海「体重の増加は、見た目は勿論動きのキレを無くし、パフォーマンスに影響を及ぼします!ましてや穂乃果はリーダー。ラブライブに向けて、ダイエットして貰います!!!!」

 

穂「ええ~!?」

 

竜「ちゃンとダイエットしろよ豚」

 

後半罵倒すると悲痛な顔から一転、穂乃果は「はうっ!?」と言いながら体を抱き締め、頬を赤らめ、ハァハァと荒い息を断続的に吐き始めた。

 

穂「な、なんだろ……最近竜ちゃんに罵倒されると、お腹の奥がキュンってなっちゃう……!」

 

こ「ほ、穂乃果ちゃん?」

 

あまりの穂乃果の急変ぶりにことりと海未は僅かに引く。

 

こいつまさか……Mなのか?

 

いや、よくよく考えりゃ“マゾ果”って呼ンでも殆んど否定しなかったしな。

 

どうやら穂乃果の“ほ”は、変態の“H”だったらしい。

 

こいつは良いものを見つけた。

 

竜「ブクブク醜く太りやがってこのマゾ豚がァ!」

 

更に罵倒すると穂乃果は体を弓なりに仰け反らせた。

 

穂「は、はうう~~っ!!♪ もっと、もっと穂乃果を罵って!! 竜ちゃん!!」

 

あはっ♪

 

マジで面白ェ。

 

海「あなた達は生徒会室で何やってるんですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

花「収穫の秋!秋といえば、何と言っても新米の季節です!」

 

生徒会でのSMプレイを止めて、部室に入ったらいきなり目の前に巨大なおにぎりが現れた。

 

もっと言うとそれを持った花陽がいた。

 

竜「おい……なンだこの説明不能の異常事態は!?」

 

俺が杖の先を花陽に向けて訊ねると、部室にいた花陽以外の一年五人は一様に首を傾げた。

 

凛「いつにも増して大きいにゃー!」

 

真「まさかそれ1人で食べるつもり?」

 

花「だって新米だよ!? ホカホカでツヤツヤの、これくらい味わわないと!あー、ん?」

 

巨大おにぎりを見て羨ましそうに見ているのは、当然穂乃果であった。

 

「美味しそう……」

 

「食べる?」

 

「いいの!?」

 

海「いけません!」

 

「うっ…!」

 

見ていられなくなった花陽は、自分のおにぎりを食べさせようとし、穂乃果がそれに飛び付くように反応するが海未によって阻まれてしまった。

 

つーか、さっきの決意は何処行ったァ?

 

海「それだけの炭水化物を摂取したら、燃焼にどれだけかかるか分かってますか!?」

 

穂「う〜〜っ!!」

 

凛「どうしたの?」

 

真「まさかダイエット?」

 

氷「もしかして……?」

 

着ている学校指定の赤いジャージの首根っこを海未に掴まれている穂乃果に、見かねた3人が尋ねる。

 

穂「うん、ちょっとね……最終予選までに減らさなきゃって……」

 

竜「だァから穂乃果は俺と海未の管理下で体重を減らすように頑張ってンだ。ったく……人の仕事を増やしやがって。このマゾ豚がァ!!」

 

穂「はうっ!」

 

俺の罵倒に再びビクンと体を震わせ、頬を紅潮させる穂乃果。

 

そンな穂乃果を見て、イクス達男子3人はジト目になり、真姫と凛もジト目且つドン引きしていた。

 

花「それは辛い!せっかく新米の季節なのに、ダイエットなんてかわいそ~う。あ~むっ」

 

花陽はド級サイズのおにぎりを食べながら、納得した表情を見せる。

 

竜「おら、さっさと行くぞ穂乃果」

 

穂「えー!? 酷いよ竜ちゃん!!」

 

竜「あァ?なンならムチで叩いて脂肪を減らすかァ?」

 

個人的にはウェルカムだぜ?

 

穂「そ、それは……ちょっと痛そうだけど、興味はあるかも……」

 

いひっ♪、やっぱり穂乃果は根っからのMだな。

 

物欲しそうに頬を赤らめやがって!!

 

海「だからそういうのは止めなさい!!」

 

チッ……白けるぜ。

 

花「確かにそうだけど、これから練習時間も増えるし、いっぱい食べなきゃ元気出ないよ~!」

 

海「それはご心配なく。食事に関しては私がメニューを作って、それを竜司が作って管理します。無理なダイエットにはなりません」

 

花「でも食べたい時に食べられないのは~あむっ」

 

花陽のヤツ……喋るか食べるかどっちかにしろよ。

 

行儀悪ィンだよ。

 

つーか、いつまで食ってンだ?

 

火「………」

 

氷「………」

 

嵐「…………」

 

凛「…………」

 

真「………」

 

見ると、花陽以外の一年生全員が花陽に妙な目を向けていた。

 

凛「……かよちん?」

 

花「ん?」

 

真「気のせいかと思ってたんだけど、あなた最近……そのサイズのおにぎりばかり食べてるわよね?」

 

花「そう……かな?」

 

火「気のせいじゃなくて、事実最近はこのサイズのおにぎりばっかし食ってるぞ」

 

真「どうりで心なしか着ている制服のブレザーの張りが増してるような気がするのよね……」

 

花「そ…!そんなこと……無いんじゃないかな?」

 

真姫に指摘され、相当狼狽える花陽。

 

嵐「あー。こんなところに体重計がー。この機会だから花陽も乗ってみろよー?」

 

凛「嵐兄ぃの棒読み具合が酷すぎるにゃ」

 

凛に言われてるように、嵐助は酷い棒読み具合を演じながら体重計を引っ張り出す。

 

真「あら、準備がいいじゃない。花陽。今この場で私と海未の前で体重計に乗ってみなさい?」

 

海「えぇ。もしこれで花陽も体重が増えていたら、穂乃果と一緒に減量生活に付き合って貰いますよ♪」

 

花「そ、そんなぁ~!!!?」

 

真姫と海未がイキイキとした笑顔で花陽の両サイドに固まり、嫌がる花陽を無理矢理、体重計に乗せる。

 

そして数十秒後……。

 

「ぴゃあああああああっっっ!!!!」

 

自分が予想していた体重よりも重かった事に悲鳴をあげ、

 

「うぅ……ダレカタスケテー!!!!」

 

誰かに助けを求めながら涙ぐんでいた。

 

俺はそんな花陽を見ながら、穂乃果の肩にポン!と手を置き言う。

 

「穂乃果……よかったな。自分と同じ境遇の仲間が出来て……」

 

穂「ちっとも嬉しくなーいっ!!!!」

 

仲間が出来たことをしみじみと穂乃果に向かって呟くと、穂乃果は心の叫びをありったけの力で叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

現在、屋上で絶望に暮れる二人。

 

花「うぐ……えぐっ………ぐすっ……」

 

火「花陽……ドンマイ……」

 

花陽の背を擦るイクス。

 

絵「まさかこんな事になっていたなんて…」

 

花「ひぐっ!?」

 

屋上で絵里さんが呆れた風に言った。

 

希「まあ2人共、育ち盛りやから、そのせいもあるんやろうけど」

 

メンバーも全員揃い、屋上に行けば穂乃果と花陽が地面に膝をついて落ち込んでいた光景を見た3年組に一応事情説明はした。

 

ニ「でもほっとけないレベルなんでしょ?」

 

竜「まァな……」

 

家で和菓子やスナック菓子食ってる穂乃果に、白米中毒な花陽だからなってしまった事案。

 

気の毒だが自業自得。

 

こうなったら徹底的に調教…じゃなくて、絞ってやる。

 

火「花陽……別にちょっと位太ってても、俺は気にしないぞ…?」

 

花「ホント!?」

 

イクスが甘っちょろい慰めをかけるが、それに茜が待ったをかける。

 

「いいのか?イクス」

 

「あ?何が?」

 

「このまま花陽がブクブク醜く太っても」

 

その問いにイクスは暫し考え、

 

「頑張れ花陽」

 

「イクスお兄ちゃん!?」

 

花陽を容赦なく突き放した。

 

海「これが、今日からのメニューです」

 

海未の手には分厚い紙束が握られ、その一番前には『ダイエットギリギリまで絞るプラン』と書かれている。

 

ありゃ鬼だな。

 

それを渋々受け取った2人はパラパラと中身を読むが、早速穂乃果が噛み付いた。

 

「うぇ~、夕飯これだけ!?」

 

「お、お米が~……」

 

海「夜の食事を多く摂ると、体重増加につながります。その分、朝ご飯はしっかり食べられるので、ご心配なくっ」

 

海未はニコニコとしているが、どこかサディズムが混ざった笑顔で2人に話す。

 

盾「海未、怖いよ?」

 

穂「それを差し引いてもだよ!! 穂乃果の今日の夜ご飯のメインディッシュにある蒸しもやしって何!?」

 

海「そのままの意味ですが?」

 

穂「もやしじゃ穂乃果のお腹は膨れないよ!」

 

竜「毎日膨れるくらい食べてるから太ってしまったンだろうがァ」

 

穂「うぅ……」

 

正論を突きつけてやるとガックリ肩を落とす穂乃果。

 

花「頑張るしかないよ穂乃果ちゃん……」

 

穂「そうだね……あっ!でも良かったよ!」

 

「えっ?」と疑問を口にする花陽の手を取って、穂乃果は言う。

 

「私と同じ境遇の……仲間がもう1人いてくれて!」

 

お前さっき部室で要らないって叫ンでただろうがァ。

 

花「……仲間……?」

 

穂「……目、逸らした?」

 

やっぱり花陽もそンな仲間は要らないみたいだな。

 

屋上で謎の空気が広がった矢先、普段なら誰も来ないはずの屋上のドアが開かれた。

 

「あの~、今休憩中ですよね……?」

 

見ると、そこには3人の女の子が色紙っぽいものを持って立っている。

 

リボンを見るに1年か。

 

「良かったら、サイン頂きたいんですけどっ……」

 

穂「あなたたちは?」

 

「あー、すいません」

 

「私達、この前のハロウィンライブ見て感動して!」

 

絵「ありがとう、嬉しいわ。穂乃果、どう?」

 

穂「もちろん!私達でよければ!」

 

みんなはそのお願いを快諾し、それぞれが色紙にサインを書き込んでいく。

 

色紙には9人分のサインが書き込まれ、嬉しそうにしていた1年生の女の子だったが、一番早くサインし終えて貰った1人の女子生徒が俺たちマネージャー組の元にもやってきた。

 

「あの!天青先輩たちにもお願いしたいんですけどいいですか?」

 

竜「あァ?なンでだよ?」

 

頭を下げながら色紙とペンを差し出されたので、思わず訊ねる。

 

「だって、皆さん人気なんですよ♪ μ'sのマネージャーの人達はみんなイケメンだ!って。だからお願いします!!」

 

俺たちは顔を見合わせていたが、やがて色紙に書く。

 

「うはぁ~。ありがとうございます!!」

 

茜「こちらこそ、このようなサインで喜んで貰って何よりだ」

 

茜が代表して言う。

 

女の子はペコリ、と頭を下げてからドアを開けて屋上を後にした。

 

姿が見えなくなるまで後ろ姿を見送り、視線を穂乃果たちに向けると、さっきよりもショックを受けている穂乃果の姿があった。

 

茜「どうかしたのか?」

 

真「茜さん…。さっきサインしに来た娘たちがそれぞれ穂乃果たちのファンだったらしいんだけど、海未やことりはスタイルの事に触れられたんだけど、穂乃果のスタイルのことには全く触れられる事がなかったのよ」

 

真姫が俺たちマネージャー組がサインを書いている間の出来事を懇切丁寧に説明してくれた。

 

 

 


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