ラブライブ!ウルトラ伝説!私たちの光!   作:海神アグル

69 / 194





Soldier Game#2

ベゼルブを全滅させたアグルは変身を解き、少女達の方に行く。

 

「あなた………人間だったのね…」

 

金髪ポニーテールの少女が言う。

 

蒼「まぁな…。そういや名前言ってなかったな。雨崎蒼燕だ。よろしく」

 

蒼燕が自己紹介すると、少女達も自己紹介する。

 

「私は菖蒲エリー。こっちは妹のアリサよ」

 

「菖蒲アリサです。さっきはありがとうございました!」

 

蒼(菖蒲?絢瀬じゃないのか。まぁ、名前は似てるが……)

 

蒼燕は心の中で思う。

 

蒼「にしても……お前らのその格好って……」

 

エリーとアリサの格好は、少し汚れたローブを巻き、その下はエリーは黒の軍服、アリサは白い軽めのドレスを着ていた。

 

「別にいいでしょ……」

 

エリーは暗い顔で言う。

 

アリサも暗い顔で俯く。

 

蒼「そっか………」

 

蒼燕はこれ以上追求する事を止めた。

 

「とにかくここは危ないから、私達の住みかに来て。そこで詳しい事を話すわ。どうやらあなたはこの世界の人じゃないみたいだし……」

 

蒼「何でそうだと分かる?」

 

「分かるわ。だってこの世界の何処にも、あなたのような人はいなかったから………」

 

そう言って、エリーはアリサの手を引き、歩き出す。

 

蒼燕も2人の後をついていった。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

一方、とある日本式の屋敷では。

 

「申し訳ありませんでした!よく確認もせずに刃を向けてしまい」

 

青い和服を着た、海未らしき少女は屋敷の中の一室で、丸テーブルを挟んだ向こうの盾に頭を下げていた。

 

盾「いいよいいよ。ウミ」

 

この少女の名は、園咲ウミ。

 

この屋敷の娘だった少女。

 

今はこの屋敷に一人で住んでいた。

 

盾「それでなんだけど、この世界の事教えてくれない?何でこんなに人が少ないの?……いや、全く人の気配がしない」

 

盾の言う通り、この屋敷、その回りの家、そのまた回りの家からウミ以外の気配を感じないのだ。

 

あるのは血生臭い匂いのみ。

 

ウミはポツリポツリと話す。

 

「私の両親は食い殺されました。宇宙悪魔ベゼルブに。そのベゼルブを連れて来たのは……『モネラ星人・アダム』。この星に突如として侵略しに来ました。人の気配がしないのは、この星の人の殆どが食い殺されたからです。今生きてるのは、私を含めて四人です」

 

盾「抵抗はしなかったの?」

 

「勿論抵抗しました!…………でも、モネラ星人の切り札であるロボットに何もかも壊されました。所々焼け跡があったでしょ?それが証拠です……」

 

ウミは悔しそうに歯噛みした。

 

何も出来ずに全てを失った悔しさと悲しみを思い出したからだ。

 

盾はそんなウミを見て、頭を撫でた。

 

「…………あの?///」

 

盾「怖かったよね?悔しかったよね?」

 

「っ……!……はい…っ」

 

盾「もう大丈夫だからね?」

 

「っ……ありがとう……ございます……っ」

 

涙を流しながら、ウミは礼を言った。

 

しばらく盾はウミの頭を撫でて、ウミが泣き止むのを待った。

 

そして少しウミが落ち着いた時に、ある事を訊く。

 

盾「そういえばさっきから気になってたんだけど、あのドレスは?」

 

盾が指差した方には、ノースリーブで深いスリットの入った、黒っぽい紺色のドレスがかけられていた。

 

「あれは私の誕生日の時に、両親がくれたドレスです。と言っても、恥ずかしくて着れませんでしたが……///」

 

ウミは顔を赤くして言う。

 

盾「ふ~ん……ねぇ、着てみない?」

 

「えっ?」

 

盾「きっとウミの両親も、ウミに似合うと思ったから買ったんだと思うよ?」

 

「ですが私には………」

 

モジモジするウミ。

 

盾「大丈夫だよ」

 

ウミに笑いかける盾。

 

「っ……あなたは不思議な人ですね…」

 

ウミはそう言って微笑み、席を立ち、ドレスの方に向かい、手に取る。

 

「ちょっと待っててくださいね?」

 

そう言って、ウミはドレスを持って別の部屋に戻る。

 

数時間後。

 

ドレスを着たウミが出てくる。

 

「ど、どうでしょうか?//////」

 

盾「……………うん。やっぱり綺麗だな。ウミ(海未)は」

 

「っ………ありがとうございます♪」

 

ウミは嬉しさで笑うが、気づいてなかった。

 

盾が呼んだ自分の名前の中に、自分と似て非なる者の意味が込められてる事に。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

同時刻。

 

東木野邸。

 

そこの一室のベッドに氷麗は寝かされていた。

 

氷「………う……う~ん……ここは?」

 

気絶から起きた氷麗は周りを見渡す。

 

所々汚いが、それでも手入れは行き届いてる場所。

 

その部屋に入ってくる者が。

 

「あら、起きたの?」

 

この屋敷の主、東木野マキだ。

 

服装は、ウミが着ていたドレスと同じ種類で、頭にティアラを乗せている。

 

氷「真姫!?」

 

思わず氷麗は驚く。

 

何故なら、マキの容姿は真姫と瓜二つだったからだ。

 

「あれ?私あなたに名前名乗って無いわよね?どうして知ってるの?」

 

途端に目付きを鋭くさせるマキ。

 

氷「あ、いや…その………」

 

目を泳がせる氷麗。

 

しかしマキは追求をしなかった。

 

「まぁいいわ。名乗る手間が省けたし。あっ、因みに苗字は東木野よ。ピアニストを目指してたわ…」

 

マキはベッドの横の椅子に座りながら言う。

 

氷(東木野?…西木野じゃないのか。って事は、ここはパラレルワールドってヤツか?)

 

氷麗はそう結論付けた。

 

そしてマキに訊く。

 

氷「君が俺をここまで連れて来てくれたのか?」

 

「そうよ。あなた、私の屋敷の前で倒れてたから。あのままじゃ、あなた『奴ら』の餌になってたわよ?」

 

氷「『奴ら』?」

 

「知らないの?意外ね…」

 

そしてマキは、ウミが盾に説明したのと同じ事を説明した。

 

氷「そうなんだ……。さっきピアニストを目指してたって言ってたけど、それが原因で……」

 

「ええ……もう断念したわ……」

 

マキは悔しそうに、悲しそうに呟く。

 

氷「そっか……」

 

氷(俺がこの世界に連れてこられたのは、そのモネラ星人を倒すためだな…)

 

氷麗はそう考え、マキに声をかける。

 

氷「そういや名前言ってなかったな。俺は氷川氷麗。よろしくな!」

 

「氷麗………いい名前ね」

 

そう言って、マキは微笑んだ。

 

マキはこの世界がこうなってから、初めて笑ったのだ。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

一方、蒼燕もエリーから同じ話を聞いていた。

 

エリーとアリサの家はレンガ造りの一軒家で、そこの一室にエリーと蒼燕は向かい合わせに座っていた。

 

アリサはもう寝ている。

 

因みにエリーの服装は、やはりウミやマキと同じドレスで、胸元を大きくはだけさせ、金メッキの飾りで、下ろした髪をハーフアップにしている。

 

「私達には明日は無い。そういう死と隣合わせの生活なの……」

 

テーブルに置いた両腕の上に顔をうつ伏せにして、そう言うエリー。

 

蒼燕は淹れてもらったコーヒーを眺めながら、考える。

 

この世界でどうするべきかを。

 

そしてエリーに訊く。

 

蒼「もし……もしこの世界が平和になったとしたら、お前達はどうするんだ?」

 

その問いにエリーは目をパチクリさせ、微笑む。

 

「そうね……。そうなったら、とりあえずは旅をしてみようかしら」

 

蒼「旅?」

 

「ええ……。この世界にも、もしかしたら私達以外にも生き残っている人がいるかもしれないから」

 

蒼「成る程な……いいんじゃね」

 

そう言って、コーヒーを啜る蒼燕。

 

「あなたはどうするの?よかったら一緒に旅をしない?」

 

エリーがそう訊くが、蒼燕は首を横に振る。

 

蒼「それは出来ない」

 

「どうして!?」

 

席を立ち、顔を近づけるエリー。

 

蒼「俺はここでの役目が終われば、自然と元の世界に帰される。だから、お前達と一緒に旅をする事は出来ない」

 

「そう………」

 

エリーは席にゆっくり座る。

 

蒼燕達は飽くまで別の世界の住人。

 

事が終われば、元の世界に帰されるのだ。

 

蒼「それよりあれは何だ?」

 

蒼燕が指差したのは、後ろの木箱に入った武器だった。

 

そこにはバイクのハンドルのような物や、エックス字の物、デジカメにグリップの付いた物の合計3つが入っていた。

 

エリーはそれを見て、言う。

 

「あー、それね。それ、使い方が分からないのよ。死んだお婆様が言うには、奴らに有効な武器らしいのだけど……」

 

蒼「ふ~ん……」

 

蒼燕は席を立ち、ハンドルのような物を手に取る。

 

それはハンドル部分に窪みの部分があった。

 

蒼「…………なぁ」

 

「ん~?」

 

蒼「他にもなんか無かったか?例えば、メモリーチップのような物とか」

 

「メモリーチップ?それなら…」

 

エリーは引き出しをごそごそと漁り、あるものを蒼燕に渡す。

 

「これ………かしら?」

 

エリーが蒼燕に渡したのは、Φのマークの横に長方形の精密機構が付いた物だった。

 

他にもΧや、Δのメモリーチップもあった。

 

蒼燕はΦのメモリーを受け取り、それをハンドルの窪みの部分に装填する。

 

《Ready》

 

その音声と共に、赤く光る刀身が現れる。

 

蒼「はっ!やっぱりな……」

 

「嘘………」

 

蒼燕は確信が当たって喜んだ顔になり、エリーは口に手を当て驚いている。

 

「蒼燕。あなたこれの使い方知ってたの!?」

 

蒼「まぁな。同じ物が俺の世界にあるからな……」

 

とはいえ、これも特撮の世界の中だけの物だったのだが。

 

蒼燕はメモリーチップを引き抜き、刀身を消すと、エリーに渡す。

 

蒼「これ全部はお前が持ってろ。使い方はもう分かったろ?」

 

「え、ええ……」

 

エリーは驚きながらも、3つの今まで役立たずだった武器を受けとる。

 

「あっ!そうだ!」

 

蒼「何だ?」

 

「これを彼女達にも渡すわ!」

 

蒼「彼女達?」

 

「ええ。言ったでしょ?私とアリサの他にいる子達よ♪」

 

エリーはウィンクして、家を出る。

 

蒼「あっ、おい!ちょっと待て!あー、もう!」

 

蒼燕はエリーを引き止めながらも、メモに『ちょっと出掛けるから、家で待ってろ』という文を書き、アリサの元に置いて、エリーを追いかけた。

 

そしてこの後、蒼燕は海未と真姫のそっくりさんに会って驚き、氷麗と盾と合流したのであった。

 

 

 




ウミ、マキ、エリーのドレスはソルゲの表パッケージのあのドレスです。

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。