ファイアーエムブレムif ~Darkside~【本編完結】 作:コッコ
カムイ達は準備を終え、リリスの神殿に来るとリリスは全てを知っていたかの様に待っていた。
まるで全てを見ていたと言わんばかりにカムイに問う。
「・・・その表情からすると、全てをお知りになられたのですね」
「はい・・・」
カムイは答えるとリリスは何も言わず、地面に光の渦を召喚し、カムイ達の方へ向いた。
「此処から先は私にも行けませんし、後戻りも出来ません。本当によろしいですか?」
「構いません。真の敵を・・・マフーを倒す為なら」
「・・・分かりました。では、この渦の中にお入りください。此処から星竜の神殿に行けますが、星竜の神殿には試練が待ち構えています。下手すると命に掛かる様な・・・命を落とさず、無事に戻ってきてください」
リリスはそれだけを言うと、カムイ達は渦の中に入って行く。
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カムイ達が目を開くとそこは、草木や水が流れる綺麗な建物の中だった。
カムイ達は回りをみていると、ラクスは説明する。
「此処が星竜の神殿だ」
「此処が・・・星竜の神殿」
カムイはそう呟くと、ラクスは前を見て身構えた。
「気を付けろ。前を見てくれ、既に試練は始まっている様だ・・・」
カムイは前を見ると、遠くから武装した兵士達がカムイ達にゆっくりと近づいて来る。
ラクスは剣を抜くと、カムイ達も得物を手に戦闘体制に入る。
兵士達はある程度近づくと、一斉に武器を構えて突進を仕掛けてきた。
カムイ達も応戦し、激しい乱戦に突入する。
「はぁ!」
カムイ達が戦う中、ラクスはいつも以上の剣技で兵士を凪ぎ払い突き進む。
そんなラクスに仲間達は唖然とする。
「ラクスって、あんなに力を出してだっけ?」
カザハナが戦いながらそう言えと、リョウマも戦いながら喋る。
「いや、ラクスはあそこまで力を出していなかった。もしかしたら、あの時の影響で強くなったかまたは今まで加減していたとしか思えん」
「力を付けたなら兎も角、加減をしていたのなら・・・かなり恐ろしいものです」
リョウマの言葉にアサマはそう言うと、傷ついた仲間を回復したりしてサポートする。
ラクスは剣を振り、進むと敵の大将らしき兵士を見つけた。
「貴様を倒せば、モローの元に行けるのか?」
ラクスの問いに兵士は答える様に武器を構えると、ラクスも剣を構えた。
「そうか・・・なら、押し通る!」
ラクスはそう言って兵士に向かって行くと、兵士もラクスに向かっていく。
兵士はラクスに斬り掛かるも、ラクスは防ぎ反撃を受けて態勢を崩し、ラクスにトドメを刺された。
ラクスは敵の大将を倒すと、今までいた敵がいなくなり、辺りは静けさが漂う。
ラクスはモローがいるとされる扉の前に立っているとカムイ達もやって来る。
「この先に星竜モローがいるのですか?」
「・・・そこまでは分からない。ですが、行くし進むしかないです」
ラクスはそう言うと扉に手を掛けて開け放つ。
カムイ達は奥に入ると、奥には玉座の様な白い椅子に座る老人が出迎える。
「ようやく来たか・・・待ちわびたぞ。司祭の影よ・・・それと、選ばれし英雄達よ」
老人はそう言うと、ラクスは一つの単語に疑問に思った。
「司祭の影・・・?何だそれは?」
「お前の事だラクスよ・・・お前は闇に堕ちた司祭マフーの産み出した影。いや、息子とでも呼べば分かりやすいか」
老人の言葉にラクスは不快になる。
マフーによって狂気を植え付けられ、殺し回り、世界を何度も繰り返した事を忘れられず、マフーの事をラクスは憎んでいた。
「奴は俺の親ではない・・・!」
「だが、お前は奴の一部から産まれた。一人の人間から人間を作る禁句をな・・・」
老人は言葉にラクスは苛立ちを覚えるも、ラクスの状態に気付いたカムイが間に入る様に老人に問う。
「あの、話の間に入るようですみません。貴方は星竜モロー様ですか?」
「そうだ。わしがモローだ・・・お主達が来た理由は分かっておる。奴を・・・マフーを討ち果たす為の力を欲しているのだな?」
「はい。マフーは不老不死で、通常の攻撃では歯が立ちませんでした・・・マフーがこの戦いの元凶と言うのなら戦いは避けられないと私達は思い、此処にマフーを倒す術を求めに来ました」
カムイの言葉にモローは微笑みを浮かべる。
「やはりか。確かにマフーは多くの禁句を犯し、不老不死にもなった大罪人だ。奴を野放しにはできん・・・お前達にマフーを討つ力として、星々の光の力を与える。各、かみ器を前に掲げてくれ」
モローの言葉にカムイ、リョウマ、マークス、レオン、レーラは其々の神討つを掲げた。
モローはそれを見て困惑し、ラクスの方を見る。
「何をしておるラクス?お主のディアブロスも掲げんか」
「ディアブロスを・・・?だが、これは神器ではなく宝剣。それに、此処まで折れていては・・・」
ラクスは折れたディアブロスをモローに見せると、モローは笑った。
「心配はいらん。さぁ、ディアブロスを掲げよ」
ラクスは困惑しつつもディアブロスを掲げるとモローは目を瞑り、両手を大きく掲げた。
「大いなる空に広がる星々よ。その光をこの世界に蔓延る闇から解放する為に光を分けたまえ・・・闇を討つ力を彼らの神器に宿したまえ・・・」
モローはそう祈ると六人の武器が光輝き、力がみなぎってきた。
ラクスのディアブロスに至っては刃が元の姿に戻っている。
「ディアブロスが・・・!」
「その宝剣の正体・・・それは、透魔王家に伝わるもう一つの神器。神剣ディアブロスだ」
「神剣・・・ディアブロス・・・」
ラクスはディアブロスをしっかりと持つと力が格段に上がった気がした。
カムイ達も力を得た事に驚いている。
「これで、マフーの不老不死や闇の魔法にも対抗出来よう・・・後はお前達次第だ」
「ありがとうございます。モロー様」
カムイは礼を言うと、モローは微笑みながら片手を上げる。
「さぁ、行くが良い・・・残念だが星界には戻せん。力を使い過ぎてしまった・・・だが、お前達を透魔王城の前に飛ばせる。そこからが戦いの時だ」
「はい!」
カムイはそう返事をすると、仲間達と共に消えた。
「・・・必ず勝ってくれ。あやつの為にもな」
モローはそう言うと、ゆっくりと目を閉じて眠りについた様に静かに座る。