銀河パトロール隊員ニニック   作:獅子河馬ブウ
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今回はヤーゴが異世界食堂に行くエピソードです。時系列は番外編4の1ヶ月後になります。
因みにこれを読む前に番外編3と4を見ることをオススメします。


番外編6異世界食堂パート2

これは丁度、ニニック達がナメック星の事件を解決して1ヶ月後の話であった。

此処は南の銀河に存在する地球の海鳴市の海岸では、1人の青年が酸素ボンベとダイバースーツを装備して海に飛び込もうとしていた。

 

「・・・・・よし、準備はこれで良い。」

 

その青年はサイヤ人のヤーゴであった。何故彼が海に飛び込もうとしているのかと言うと、この海鳴市の海底に沈んでいるアタックボールを探し出す為であった。

 

「海中ライトとスカウターも起動させて、いざっ!!」

 

ヤーゴはそう言うと、勢いよく海にダイビングした。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ヤーゴが海に潜ってから数分が経過した。

只今ヤーゴがいる場所は深海100メートルの地点であった。

 

(何処だ?私のアタックボールは何処にあるんだ?)

 

ヤーゴは真っ青な海中を見渡すが、アタックボールは存在せず、その海に住む魚が泳いでいるだけであった。

 

(もっと、深く潜らなければ・・・・・!)

 

ヤーゴは更に深く海の底へと潜っていった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

そして、更に数分が経過して、ヤーゴは現在深海300メートルまで潜っていた。

 

ベコッ

 

(くっ、ボンベが凹んだか・・・・・!)

 

ヤーゴが背負っていた酸素ボンベが水圧により、凹んできた。

 

(早く見つけないとボンベが破裂してしまう・・・・・。)

 

ヤーゴは血眼になってアタックボールを探し始めた。本来普通の人間は深海などでは生きられないが、ヤーゴは気を全身に纏っている為水圧に耐えていた。だが、ヤーゴも人間と同じく酸素がなければ呼吸が出来ず、窒息してしまうのだった。そうなる前にもヤーゴは早くアタックボールを見つけようとする。だが、

 

ピピピピピッ

 

(ん?なんだ?)

 

ヤーゴの装備していたスカウターに反応があり、ヤーゴは反射的に反応があった場所に振り返ると、

 

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!」

 

(ッ!?)

 

巨大な鮫がヤーゴに襲いかかってきた。

 

(くっ!)

 

ヤーゴは突っ込んできた鮫をギリギリで避けた。

 

(ここだと、私の動きが鈍くて鮫の突進に連続では避けられないな。)

 

ヤーゴは鮫の行動と鮫をどうやって対処するか考えていると、

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!」

 

再び鮫はヤーゴに向かって突っ込んできた。

 

(だったら、気功波を使って倒すしかないな!)

 

ヤーゴはそう考えて右手に気を溜めるが、

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

(なっ!?「バキィン」ガハッ!)

 

なんと、もう1匹の大きな鮫が出現して、その鮫がヤーゴに強烈な突進を喰らわせた。

 

「ガァァァァァァアッ‼︎」ザグッ

 

(があああああああああああっ!!!!)

 

ヤーゴは最初襲ってきた鮫に右肩を噛み付かれてしまった。その所為で肩から大量の血が流れて、もう片方の鮫がその血の匂いを嗅いでしまい、凶暴性が増してしまった。

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

 

(チィッ!もう片方がこっちに来た・・・・!)

 

ヤーゴは猛スピードでこっちに向かってくる鮫を何とかしようとするが、右肩に噛み付いている鮫の所為で身動きが取れなかった。

 

(こうなったら‼︎・・・・ハァッ‼︎)

 

「ガァァァァァァアッ!!?」

 

ヤーゴはこの状況を打開する為、自身の右肩を噛み千切ろうとしている鮫に対して気功波を放った。鮫はそのまま気功波により遠くに飛ばされた。

 

(もう1匹ぃ!!)

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!?」

 

迫り来るもう1匹の鮫も気功波で遠くに飛ばした。

 

(はぁ、はぁ、な、何とかなったな。)

 

ヤーゴは鮫によって噛み付かれた右肩を押さえるが、

 

(痛っ!海水が傷に染みる!)

 

怪我した右肩には海水によって傷が染みてしまっていた。

 

 

 

(くそ、こうなったら今回は此処までにして上に上がるしかないか。)

 

ヤーゴはそう思い浮上しようとしたら、

 

 

 

 

ピピピピピッ

 

(ん?また鮫か?)

 

再びスカウターに反応があり、反応があった場所を振り返ると、其処には、巨大なクジラが迫っていた。

 

(く、クジラだと⁉︎)

 

その巨大なクジラの全長はなんと100メートルもあった。ヤーゴはそのクジラ大きさにビックリしていたら、クジラは口を開いて周りの魚を海水ごと飲み込み始めた。

 

(おおっ!?ま、不味い吸い込まれる!!)

 

すぐ近くにいたヤーゴもクジラの口の中に飲み込まれようとしていた。ヤーゴは必死で泳いでクジラの口に飲み込まれないようにするが、その努力虚しく、クジラの口の中に飲み込まれてしまう。

 

(うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?)

 

バクン

 

クジラはヤーゴと他の大量の魚を飲み込むと、その口を閉じてしまった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「・・・・・あ、ああ。」

 

ヤーゴは目を覚ますと、其処は数匹の魚やエビなどがビチッビチッと音を立てて跳ねていた。更には貝などが落ちていた。

 

「此処は・・・・・クジラの中か?」

 

ヤーゴはそう言うと、背負っていた酸素ボンベを下に置いて辺りを見渡した。

 

「今いる場所は・・・・・胃じゃなくて食道か?だとすると、私は運が良いな。もし胃に流れ着いていたら消化されていたに違いない。」

 

ヤーゴは自身の悪運の良さに感謝していると、

 

ぐぅ〜〜〜

 

「・・・・・。」

 

ヤーゴの腹から音がなり、それが辺りに響き渡る。

 

「そういえば、今何時だ?」

 

ヤーゴは持っていた腕時計を確認すると、時間はお昼ちょっと過ぎであった。

 

「仕方がない。取り敢えず脱出する前に腹ごしらえでもするか。」

 

そう言って、辺りに落ちている魚やエビや貝などを拾っていたら、

 

「・・・・・ん?あれはなんだ?」

 

ヤーゴの目にある物が目に入った。それは、食道の壁に扉らしきものがくっ付いていた。

ヤーゴは近くに寄って確認するとそれは猫の飾りがついた木製の扉らしきものであった。

 

「これは・・・・・洋食のねこや?」

 

ヤーゴはそう呟くと恐る恐る、その扉のドアノブに手を掛ける。

 

ガチャ、

 

ぷお〜ん

 

すると、扉を開けると其処から美味しい料理の匂いが流れてきた。

 

「・・・・」ゴクリ

 

ヤーゴはその匂いにつられて口の中に溜まった唾を飲み込み、扉の中へ入っていった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「此処は・・・・・。」

 

ヤーゴが中に入ると、其処には数人の人間とそうではない者達が美味しそうな料理を食べていた。

 

(何故クジラの中に料理屋があるんだ?)

 

ヤーゴはそう考えていたら、

 

「いらっしゃいませ。」

 

「ん?」

 

すると、其処へウェイターらしき少女がヤーゴに話かけてきた。

 

「その様子だと此処へ来るのは初っ⁉︎って、その右肩はどうしたんですか⁉︎」

 

「へ?・・・・あ。」

 

少女に指摘されるまで、ヤーゴは現在右肩を怪我していた事を忘れていた。

 

「大丈夫ですか⁉︎今すぐ薬と包帯を持って来ますから待っててください。」

 

少女はそう言って包帯と薬を持ってこようとするが、

 

「ああ、気にしなくても良いぞ。これは擦り傷だから。」

 

「擦り傷⁉︎思いっきり右肩が抉られているのに擦り傷⁉︎」

 

少女がヤーゴの右肩をとても心配していたら、

 

「アレッタさん、さっきからどうしたんだ?」

 

其処へコックらしき男がやってきた。

 

「あ、マスター聞いてください!このお客さん怪我をしているようなんです!」

 

アレッタという少女に言われて店主はヤーゴの右肩を見て、血相を変えてヤーゴに詰め寄った。

 

「だ、大丈夫ですか⁉︎」

 

店主はアレッタ程戸惑っていないが、ヤーゴの傷を見てびっくりしていた。

 

「大丈夫ですよ、これは只の擦り・・・痛っ!」

 

ヤーゴは心配ない事をアピールする為に右腕を回したが、右肩に鋭い激痛が走った。

 

「ほら言わんこっちゃありませんよ。」

 

店主はそう言うと、アレッタに傷薬と包帯を持って来させようとしたが、

 

ガチャ

 

先程ヤーゴが入ってきた扉から新たな客が2人入ってきた。

 

「邪魔するぞ・・・・・ん?」

 

「おや?」

 

その2人は全身緑色で二本の触角を生やした宇宙人・・・ナメック星人であった。

 

「あ、ネイルさんにムーリさんじゃないですか。」

 

店主は2人のナメック星人の名前を言った。それは以前、ニニック達がやってきたナメック星にある一つの村の長老のムーリ長老と最長老様の護衛に付いているネイル本人であった。

 

「どうなされたのですかな?」

 

ムーリ長老は何かトラブルがあったのではと思い、店主と話をする。

 

「実は先程、あなた方の前に来たお客さんがちょっと怪我をしていて、傷薬と包帯を付けようとしているんですが、全く付けてくれないんです。」

 

店主はそう言ってヤーゴの方を振り向くと、其処には剣闘士らしき獅子の獣人がヤーゴに包帯と薬を付けようと取っ組み合いを起こしていた。

 

「良い加減にしろよ!大人しく包帯を巻かせろ!」

 

「すまないが、私はこう見えても戦士だから見ず知らずの者にご好意を受けるのは断る主義な者でね!」

 

ヤーゴはそう言って、獅子の獣人の両手を掴んで包帯を巻かれないようにしていた。

 

「お二人方、店内で暴力沙汰は禁忌ですぜ。」

 

店主はそう言って2人を止めようとするが、

 

「勘違いするな店主、俺はこいつの傷に薬と包帯を巻いてやろうとしているだけだ。別にこいつと人勝負するわけじゃねぇよ。」

 

獅子の獣人は店主に暴力を振るう訳ではないと言うが、第三者から見たら怪我人を襲っているようにしか見えなかった。

 

「あの若造、右肩を負傷しているのにカツドンと互角に組合いをするとは、何者なんだ?」

 

そう言ったのは、江戸時代にいる侍と似た格好をした初老の剣士であった。

 

「ふむ、見たところ魔族やオーガが化けているわけでもなさそうだぞ。」

 

そう言ったのは片手にビールジョッキを持った白髪と白い髭が目立つ魔導師らしき老人であった。

 

「それは本当かロースカツ?」

 

「儂を誰だと思っておるテリヤキよ。」

 

どうやらこの店ではそれぞれ料理の名前で互いを呼びあってるようだ。

 

そして、カツドンと取っ組み合いをしているヤーゴを見たムーリ長老はヤーゴの着ているダイバースーツの腹回りの部分が異様に膨らんでいる事に気付いた。

 

(あれはもしかして・・・・・。)

 

ムーリ長老は以前、ニニックとターブルが尻尾をベルトのように巻いていた事を思い出し、もしかするとヤーゴもサイヤ人なのではと思い近づいた。

 

「ちょっと、よろしいですかな?」

 

「「あ(ん)?」」

 

カツドンとヤーゴはムーリ長老に話しかけられた為、取っ組み合いをやめてムーリ長老の方へ向く、

 

「あ、そちらの方に用があります。」

 

「私に?」

 

ヤーゴはムーリ長老や、他のナメック星人とは接点がなかった為どう言う用があるのかわからなかった。

 

「ひょっとして、貴方はサイヤ人なのでは?」

 

「へ?確かに私はサイヤ人なんだが・・・・・それがなにか?」

 

ヤーゴはいきなり話かけて着たムーリ長老に警戒をして、恐る恐るスカウターの電源を入れて、戦闘力を測った。

 

カタカタカタカタ・・・・・ピピピピピッ

 

(ふむ、私より戦闘力は下か。)

 

ヤーゴはムーリ長老は自身にとって脅威の存在ではない事を知ると、警戒を解いた。

 

「それは生き物の強さを測る道具だろ?此の間、儂らの星を救ってくれた2人のサイヤ人の少年達が付けていたんじゃ。」

 

「それって本当ですか⁉︎あだっ!」

 

ヤーゴはサイヤ人の知り合いだという事を知ると、ムーリ長老に対する態度を変えたが、右肩に傷がある為激痛が走った。

 

「どれ、儂が治して見ましょうか?」

 

「治せるんですか?」

 

ヤーゴはムーリ長老が自身の右肩の傷を治せるとは思っていなかった。

 

「取り敢えず、傷を見せてくだされ。」

 

ムーリ長老はヤーゴの右肩の傷を確認すると、なにか考え事を初めると、

 

「・・・・・よし。」

 

ムーリ長老は考え事を辞めると、右手から薬瓶のようなものが出現して、その中にある緑色の軟膏らしき物をヤーゴの右肩の傷に塗ると、10秒経たない内に傷が塞り、治ってしまった。

 

「おおおおっ⁉︎右肩が治った‼︎」

 

ヤーゴは傷ついた右肩が治った事に驚いた。

 

「こいつはスゲェな。」

 

それを間近で見ていたカツドンはムーリ長老の能力の凄さに驚きを隠せなかった。

 

「相変わらず、その能力は凄いのう。」

 

「全くだ、今度その能力でテリヤキでも出して貰おうか?」

 

と、テリヤキは自身の好物であるテリヤキチキンをムーリ長老の能力で作って貰おうと思ったが、

 

「すまないが、この能力は動物の肉を作り出す事は不可能なんじゃ。」

 

ムーリ長老の能力は肉などの物は作り出す事は不可能であった。

 

「そうか、それは残念だ。」

 

テリヤキはムーリ長老の能力では肉を作り出す事が出来ないと知ると、ガッカリした。

 

「それにしても、お前さんも同じ種族ならあんな風に物を作れるのか?」

 

ロースカツはネイルにもその能力があるかと思っていたが、

 

「我等ナメック星人はムーリ長老を含めた全員は龍族族という種族の為、物を作り出す能力を持つが、あまり力はない。そして私はナメック星人の戦闘に特化している戦士タイプであるから物を作り出す能力は持っていない。」

 

ネイルはロースカツにナメック星人の種族について教えた。

 

「成る程のぉ、ところでお前は何時もの奴を頼まないのか?」

 

「おっと、すっかり忘れていた。すまないが、メロンソーダを2つお願いできるか?」

 

「はい、メロンソーダ2つですね。少々お待ちを。」

 

アレッタはネイルからの注文を受けると、厨房に入っていった。

 

「メロンソーダ?以前ナメック星人は水だけしか飲まないと聞いた事があるんだが。」

 

ヤーゴはネイル達ナメック星人は水しか飲まないと思っていたらしく、目の前でメロンソーダを頼んだところを見て、自身が聞いた情報と異なっている事に驚いた。

 

「ああ、我々ナメック星人は普通は水だけで生きていけるが、この店に通い始めた時からメロンソーダを飲み続けているんだ。」

 

ネイルはそう言っていると、

 

「お待たせしました。メロンソーダです。」

 

店主がネイルとムーリ長老の前にメロンソーダが入ったストロー付きのガラスコップを差し出した。

 

「では、頂くとするか。」

 

「うむ。」

 

ネイルとムーリ長老はストローを口に入れて、コップの中にあるメロンソーダを美味しそうに飲み始めた

 

「ところで聞きそびれましたが、なんでクジラの中に店があるんですか?」

 

ヤーゴは今までのゴタゴタの所為でこの食堂が存在する場所がなぜクジラの中なのかを聞きそびれていたのだった。

 

「ああ、それは違います。正確に言うとこのねこやの扉は異世界の様々な場所に七日に一度の土曜日に現れるんです。原理はよくわかりませんけどね。」

 

店主がヤーゴに洋食のねこやの扉の機能を知っている限りの事を教えた。

 

「成る程そうだったんですか。」ぐぅー

 

ヤーゴはクジラの中に扉が存在していた理由を知ると気が緩んだのか、腹の音が鳴り辺りに響き渡った。

 

「・・・・・そ、そういえば、そろそろ昼食の時間だな〜と思っていたんですよ。」

 

「そうでしたか、ならアレッタさん。ヤーゴさんを席に案内してくれないか?」

 

「あ、はい!わかりました!どうぞ、こちらへ。」

 

「あ、どうも。」

 

アレッタはヤーゴを空いている席に座らせた。

 

「お冷やとおしぼりにメニューです。」

 

アレッタはヤーゴの前にレモン水の入ったコップにおしぼりを置いて、メニュー表をヤーゴに渡した。

 

「どうもありがとう。」

 

ヤーゴはメニュー表を受け取った後、早速メニューの中に書かれてある料理を注文しようとしたが、

 

「・・・・・あ、あのぉ。」

 

「はい、お決まりになりましたか?」

 

ヤーゴはアレッタを呼び止めると、アレッタはヤーゴが早くも食べたい料理を決めたのかと思っていたが、

 

「いや、私はこのメニューに書かれている字が読めないんですが・・・・・。」

 

「え、もしかしてお客さんは東大陸語が読めないんですか?」

 

メニュー表には東大陸語と言う異世界の字が使われており、ヤーゴは読めなかったのだった。そして、アレッタはヤーゴも自身やねこやに通っている客達と同じ世界の住人と思っていた為、東大陸語が読めなかった事に驚いていた。

 

「お恥ずかしながら・・・・・日本語ならまだ読めますけどね。」

 

ヤーゴはそう呟くと、店主は反応した。

 

「日本語⁉︎・・・・・もしかしてあなたは日本から来たんですか⁉︎」

 

「え?ま、まぁ、日本の海鳴市から来たんですが・・・・・それが何か?」

 

店主はヤーゴは日本から来たと聞くと、何か考え事を初めて、暫くすると「あっ!」と、言って何かを思い出したような仕草をした。

 

「そういえば、以前赤の女王様が扉の様子がおかしいって言っていたけど、こう言う事だったのか・・・・・。」

 

(赤の女王?誰だそれ?)

 

ヤーゴは現在この店にいない赤の女王については全く知らない。赤の女王とは此処へいつも洋食のねこやにやって来る常連の1人である。異世界においては信仰上の神に位置する存在。または七色の覇王と呼ばれる竜の1匹であり、漸くすると某戦隊ヒーローの赤のポジションに携わっている。しかし七色の覇王の竜達はあまり他の竜達とはコミュニケーションを取っておらず、それぞれの縄張りを持っていた。そしてこの洋食のねこやも赤の女王の縄張りの一つであった。

 

「・・・・・恐らく貴方は私が知っている日本とは違った並行世界の日本からやって来たんでしょうね。(海鳴市なんて日本の地図に存在しないからな)」

 

そう、店主の言う通りであった。この洋食のねこやの扉は本来異世界の色んな場所に現れる事になっている為、南の銀河の地球や惑星ベジータに現れた扉は並行世界の次元を超えて現れた為、洋食のねこやがある店本体は別の次元に存在していた。

 

「成る程、そう言う事だったんですね。(並行世界か・・・・・あれ、何気に私って、とんでもない事に巻き込まれていないか⁉︎)」

 

ヤーゴは漸く、自身がとんでも現象に巻き込まれている事に気付いたのであった。

 

「まぁ、難しい話は置いといて、そろそろ何か食べませんか?此処には平日の客に使うメニューがありますからどうぞ。」

 

店主はヤーゴに東大陸語ではなく、見慣れた日本語で書かれたメニューをヤーゴに渡した。

 

「ありがとうございます。さて、何しようかな・・・・・お?これは・・・。」

 

ヤーゴはどの料理を頼もうかと、メニューを見ていたら、とある料理が目に入った。

 

「すいませーん。」

 

「はい、お決まりになりましたか?」

 

ヤーゴは食べる料理が決まった為、アレッタを呼び出した。

 

「えっと、このシーフードカレーをお願いします。」

 

「かしこまりました。マスター、シーフードカレーをお願いします!」

 

アレッタはヤーゴの注文を受けると、早速店主にシーフードカレーを作るように言うが、

 

「シーフードカレー・・・・・あっ!」

 

すると、店主が何やら不味いことを思い出したようだ。そして、店主は厨房から出てきて、ニニックの前にやってきた。

 

「すいません、実はさっき魚介類の食材は全て無くなってしまいましてね。」

 

「え?」

 

なんと、シーフードカレーの材料となる筈の魚介類は全て無くなっていたらしい、ヤーゴは店主の話を聞いてみると、ヤーゴが来る前のお客さん達がいつもより大量に魚介類を使う料理を頼んでいたそうだ。

そして、丁度その時間帯にいたロースカツが「そういえば、エビフライの奴が部下にもシュナイプの素晴らしさを教える為に大量のエビカツサンドを注文していたな。」と、言っていた。

 

「と言うわけなんで、申し訳ありませんが、今は魚介類系の料理を作ることはできません。」

 

店主はヤーゴにシーフードカレーを作らなくて、申し訳ない気持ちになっていると、ヤーゴは懐からある物を取り出した。

 

「なら、この魚達でシーフードカレーを作れますか?」

 

「はい?」

 

店主はヤーゴから袋らしきものを受け取った。すると、その袋の中には先程集めた魚やエビに貝などの魚介類が入っていた。

 

「この魚やエビに貝はどうしたんですか?」

 

店主はヤーゴが持っていた魚が新鮮な上、更にはどれも高い金額で売られる種類である事に驚いていた。

 

「それらは先程、此処へ来る途中にクジラの食道に落ちていた物を拾った奴ですよ。」

 

「そういえば、先程クジラの中って言いましたけど、ヤーゴさんはひょっとしてクジラに飲み込まれたんですか?」

 

店主はヤーゴの姿を改めて確認すると、ダイバースーツと酸素ボンベを着けているところを見てみると、海の中を泳いでいた時にクジラに襲われたのだと理解した。

 

「(また、とんでもない客だな。)もしよかったら、この魚介類を使ってシーフードカレーを作りましょうか?」

 

店主はヤーゴの持ってきた食材を使ってシーフードカレーを作ろうと、相談したら、

 

「勿論お願いします。」

 

ヤーゴは頭を下げてお願いした。

 

「頭を下げなくて結構ですよ。じゃあ、早速この魚介類を使ってシーフードカレーを作らせてもらいますよ。」

 

店主はそう言って、ヤーゴが持ってきた魚介類を持って厨房へ向かったのであった。




特に無し

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