―Accel World― 《Violet・Joker Record》   作:ジェイ・デスサイズ

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本っっっっっっっっ当に申し訳ございません!!!!!
更新がかなり遅くなりました!?!?
作者書くの飽きたとかではないです!
ちょくちょく書いてたりしてましたが仕事に東京や大阪に遊びに行ってました・・・。
ちゃんと新刊買いましたし読んでます!
・・・こんな作者ですが、気にせず読んで頂ければ幸いです。
では、本編お楽しみください。


#1【休日】 -Holidayー

「・・・あの時の夢か」

 

 2046年8月30日。目を覚ますと太陽がすでに上がっており、デジタルクロックには【06:30】と表示されていた。夏休みも今日を含め2日のみなのに対して、オレは学校に行く日の様な時間に目が覚めてしまった。

 あの時の夢が原因というのはすぐに分かった。

 

「・・・【皇帝(エンペラー)】の逆位置、【未熟】か」

 

 オレの癖、何かの前後にタロットを引いてしまうことがある。今回の占いは完璧に当たっていた。

 

「起きるか・・・準備するには丁度いいしな」

 

 ベッドから降りて洗面台へ向かう。するとキッチンの方から女性の声が聞こえた。

 

「あら、零。休みなのに早いわね?」

 

 月影結菜。様々な占いをしていて命中率がかなり高いことで有名な占い師で、オレの母親である。オレがタロットに興味を持ったのも母親の影響だ。しっかり者で、何処となく姉さん女房的な印象をオレは持っており、父さんも母さんには勝てない。

 

「ちょっと夢見が悪くて起きちゃったんだ」

 

 軽く頬を掻きながら言うと、後ろから肩をポンと叩かれチャットが飛んできた。

 

『珍しいな、宿題でも忘れて結菜に怒られる夢でも見たのか?』

 

 月影三日月。月影財閥のリーダー。ニューロリンカーの新型の開発、新たなフルダイブなどを開発している。父さんは障害の影響で発声することが出来ない為チャットで会話している。タップスピードは普通に会話出来る程・・・慣れてしまったが、普通に考えるとめちゃくちゃ早いよな。

 

「違う違う、そんなわけないじゃん」

 

「って、ミカ。何でそこに私がでるのかしら~?」

 

『おっと。藪蛇だったか』

 

 そう言いながら母さんからコーヒーを受け取り席に着き、テレビのニュースを見ながらコーヒーを飲み始めた。オレは顔を洗い、髪を整え、いつもの席に着く。オレもテレビを見ていると母さんが朝食を持ってきてくれた。トーストにベーコンを挟んだものとコーヒー。

 

「零、今日はニコちゃん泊まりに来るのよね?」

 

「うん。軽く買い物してから家に行く予定」

 

 そう、オレの両親はニコのことを知っている。母さん曰く「零が決めた娘なら何も言わないわ」、だそうだ。

 

『まぁ、初めは流石に驚いたけどな』

 

「うっ・・・い、いいから会社行きなよ!そろそろ時間だろっ!」

 

『ハハハ、そうだな。じゃあ、行くとしますか』

 

「えぇ。いってらっしゃい、ミカ」

 

 コーヒーを飲み干し、バッグを持つと父さんは仕事に出かけた。

 

「さて、私も準備しないとね」

 

「あれ、今日なんかあったっけ?」

 

「えぇ、朝から収録が入ってるのよ」

 

 そういうと母さんは苦笑いをしながら出かける準備を進める。

 

「帰りは遅くなると思うから、ニコちゃんよろしくね?」

 

「ん、了解」

 

 それから30分程して母さんも出かけ、家にはオレ一人になった。

 

「・・・(ズズズ)」

 

 時間のできたオレはゲームの情報をチェックしたり、ニュースなどを見ながら時間を潰し、出かける準備をし待ち合わせの場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・暑い」

 

 待ち合わせ場所にて想い人を待っているのだが、外の気温が予想より暑く電子版を見ると30℃を超えていた。ファンタグレープを飲みながら待っていると聞き覚えのあるエンジン音が近づき、そしてオレの近くで華麗にバイクが止まった。

 

「サンキュー、パド」

 

「NP」

 

 バイクから降りた女の子がヘルメットを外しながらドライバーに礼を言う。降りた女の子の特徴なのが炎の様に赤い髪のツインテール。そう、この女の子がオレの想い人、上月由仁子・・・通称【ニコ】だ。

 

「よう。ニコ、パド」

 

「よっす、零♪悪ぃ、待たせちまったか?」

 

「そんな待ってないから大丈夫」

 

「Hi、J」

 

 相変わらず現実でもネット用語の様に話す女性は掛居美早・・・通称【パド】練馬区桜台の洋菓子店《パティスリー・ラ・プラージュ》の見習いパティシエール兼ウェイトレスにしてオーナー経営者だ。かなりせっかちな性格で店の制服である茶色のメイド服を着たまま街中も平然と出かける。オレのことをJと呼ぶのはアバターの頭文字から取っているらしい。

 

「レイン、Jのご両親に迷惑を掛けないように」

 

「わ、わーってるよ!」

 

「K。じゃあ明日迎えに来る」

 

 そう簡潔に伝えるとヘルメットを被り行ってしまった。

 

「さて、じゃあ行くとしますか」

 

「おう!」

 

 オレが手を差し伸べると、握ってくれた。そのままオレの家に向かって歩き始めた。

 

「最近どうよ、レギオンの方は」

 

「結構安定してきてるよ、あんなことの後だから最初は不安だらけだったけどあんまり脱退した奴も少なかったし、メンバーも色々手伝ってくれたからな。CCCにいつまでも隙を作る訳にもいかないしな」

 

「確かに・・・あの野郎が絡むと面倒なことになるのは100%確定してっからな」

 

 ニコがとてつもなくムカつく相手を見つけた様な顔をしながらそう告げる。

 

「中身は置いといて、フォルムは結構好きなんだけどな。オレは」

 

「あぁ~確かに零ってあぁいうの好きだよな。あれは互いに嫌いだけど」

 

「表向きは友好的に接してるけどな、ニコの言う通り面倒なことになりそうだから」

 

「よく話合わせられるぜ。そうだ、それと―――」

 

 世間話をしながら歩いていると、あっという間に家へ着いた。

 

「・・・来るたび思うんだけどよ。これは一般的な一軒家じゃねぇよな」

 

「あぁ、それはオレも同意する」

 

 オレの両親は二人揃って普通というが、一般的な家より大きい。

 

「まぁ、中に入って入って」

 

 家の大きさについては置いといて、家の中に入る。

 

「ニコは先にオレの部屋に行っててくれ、飲み物とか持ってくる」

 

「ん、分かった。あたしの好きなの頼むぜ」

 

 そう言い残すと慣れた足取りで階段を上がっていくニコ。

 

「ニコも慣れたもんだな。初めて来たときは借りてきた猫みたいだったのに」

 

 前のことを思い出し笑いしながら飲み物やお菓子を用意し部屋に戻る・・・するとそこにはゲームをセッティングしているニコの姿があった。

 

「・・・本当、慣れたもんだねぇ」

 

「何の話してんだよ、零。んなことより早くバトろうぜ!」

 

 ニコは目をキラキラさせながらコントローラーを握ってゲームへ誘ってくる。そんな姿が可愛らしく見え、持ってきた飲み物等をテーブルに置きコントローラーを受け取り―――

 

「手加減しねぇぞ」

 

「はっ、当然だ。手ぇ抜いたらキレるぞ!」

 

「んじゃ・・・スタートだ!」

 

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゲームで対戦してはや数時間、外はオレンジから黒に変わろうとしていた。

 

「あれ、いつの間にか夜になるぜ?零」

 

「休憩しながらしてたけど・・・かなりしてたな。対戦に共闘にオンラインに」

 

 零は腕を組みながら来てからやり始めたゲームの数々を思い出す。

 

「ま、あたしらに勝てた奴なんて数える程しかいなかったけどな!」

 

 ソファに座りケタケタと笑うニコ。零が前衛、ニコが後衛と役割が決まっており完璧なタイミングでコマンドを入力し勝率を底上げしていた。初見殺しやちょっとしたミス・コマンドミスにより負けた試合もあった。

 

「さて、そろそろ夕飯の支度するか」

 

 零が立ち上がりキッチンへ向かおうとした時

 

「あたしが作ってやんよ、泊めてもらってるしな。彼女の手料理だぜ♪」

 

「そうか?じゃあお願いするよ、オレは此処片付けてから下に行くよ」

 

「おう!」

 

 元気よく返事をすると、軽快な足取りで部屋を出てキッチンへ歩いて行った。零はゲームなどを片付けてから1階のキッチンの扉の前に来た時には良い香りが漂ってきた。

 

 

「ん・・・良い匂いだな」

 

 扉を開けると白のエプロンを身にまとって慣れた手つきで料理をしているニコの姿があった。

 

「お、零。まだかかるから適当に時間潰しててくれ」

 

 料理をする手を止めず零に告げる。

 

「んじゃ、拝見させてもらいましょうかねぇ」

 

 そう言いながら零もキッチンへ向かい調理するニコの様子を眺めることにした。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・なんか言えよ」

 

「いや、料理の邪魔かなって」

 

「近距離で見られてるんだぞ!?なんかハズイだろ!?///」

 

 少し頬を赤らめながら零に抗議するニコ。だが料理する手は止めないニコ、流石。

 

「はは、悪い悪い。大人しく待ってますよ、【赤の王】」

 

「普通王の名を口にするなら、もう少し緊張感持つと思うんだけどな~【紫の王】?」

 

 戻る【紫の王】に料理を続けながら告げる【赤の王】。普通も何も、あの世界の住人なら2人の王がリアルを知っており共に居る事が既に可笑しい話である。

 

 零は大人しくテレビを暫く経つとニコが料理をテーブルに持ってくる姿が見えた。

 

「零、出来たからテーブルに並べるの手伝ってくれ」

 

 了解、と答えるとキッチンに向かい皿に盛られている料理を運んだ。

 

「唐揚げに肉じゃが・・・が手料理で、漬物やサラダは冷蔵庫のやつか」

 

「冷静に分析すんなよ!?折角お前の好物作ってやったのに・・・食わせねぇぞ?」

 

「ごめんなさいありがとうございます」

 

 言われた途端、速攻謝罪する零。

 

「よろしい・・・んじゃ、食おうぜ?」

 

「「頂きます」」

 

 食事が始まるとニコの料理の腕が上がったこと、パドに教えてもらい上達し次はスイーツに挑戦すること、レギオンの今後についてなど話しているうちに料理が無くなった。

 

「「ごちそうさまでした」」

 

「美味かった・・・サンキュ、ニコ」

 

「お粗末様で。おう、感謝しろよ♪」

 

 2人は協力して食器を片付け、洗い、一段落着いた。

 

「ふぅ~・・・零、風呂沸いてる?」

 

「あぁ、沸いてるぞ。お先どうぞ」

 

「お!サンキュー♪何なら一緒に入るか?」

 

 ニヤニヤとした顔でニコは零に言うと、零は座っていたソファから滑り床に落ち、ニコの視界から消えた。

 

「入んねーよ!?何言ってんだよ!」

 

「おいおい、今更恥ずかしがんなよなぁ。前n「さっさと風呂いけ!」わーったよ」

 

 くくく、と笑いながら風呂場へと消えるニコ。それを確認した零はソファに座り直し仮想デスクトップを操作する。

 

「ったく、あいつは・・・。いつかカウンター決めてやるからな」

 

 暫くして風呂から上がってきたニコと交換して零が風呂に入り、歯磨き等を終わらせてから部屋に戻ると、ニコも仮想デスクトップを弄っていた。

 

「パドか?」

 

「違ぇよ、9月1日。学校の予定の確認」

 

 そう言い終わると零のベッドに潜り込み

 

「寝るくらいはいいだろ?」

 

 と、少し上目遣いで言い。零はこれにだけは弱くー

 

「・・・仕方ないな」

 

 簡単に折れる。一緒に横になり、電気を消し、2人仲良く夢の世界へ旅立つ。

 

 




こんな日常もあればなぁ、と思い書きました。
次から秋入りましてクロウやロータス、パイルなども頑張って出していこうと思います。
なるべく早く投稿します!
他に二作あるのでそこはどうか・・・。
では、今回はありがとうございました!
次話でまたお会いしましょう!

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