※この作品は、【前人未到】ぼくのかんがえたサーヴァント 二十三人目【意気軒昂】、284から発想を得た作品です。
作者の悪乗りで作られたため、文はめちゃくちゃ、そして続かない。
アリーナの扉から出て、縁あって助けることになった遠坂凛と出会い、そして。
手のひらにいつの間にか握られていた、桜の花びらを懐かしく思った。理由はわからないが、もう少しすれば思い出すだろうという予感を残して。
「それじゃあ、部屋に戻りましょうか? 白野君も、結構疲れているでしょ?」
マスターの資格を失った彼女に、部屋はない。故に、自分とサーヴァントとの共同生活になっているのだ。
凛の言葉に頷いて、近くにいるであろう。サーヴァントにも告げる。長い間行かなかったような気がする、マイルームへと。
「じゃあ、行こうか」
「うむ、奏者よ」
「はい、ご主人様」
……………待て。今返事が2つ聞こえなかったか?
こちらへと振り返った凛と目が合う。その目は語っていた。
------------あんた、いったい何仕出かしたの?
あいにく、こちらに思い当たる節はない。が、自分の後ろに、感じた違和感の答えがあるようだ。
何か、見てはいけないもの気はする。が、恐る恐る振り返ると………………
「貴様、いったい何者だ!?」
「何って、ご主人様の良妻であるサーヴァント、キャスターですが。つーかぁ、あなたこそ誰ですか?」
「余が奏者のサーヴァントだ!! それに、奏者は余の嫁だ!! 異論は認めん!!」
「何言ってくれやがるんですか、この変体赤娘が!! 尻丸出しでよくもそんなことが言えましたね!?」
「これは余のファッションだ!! 冗談はその耳と尻尾にだけにしておけ、このIN☆RAN狐め!!」
「言ってはならないことを言ったなこのヤロウ!!!」
-----少々過激な赤い
えっと………………………………………どういう事ですか?
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話を聞けば、2人とも自分--------岸波白野のサーヴァント、それも、愛を誓い合った仲(本人談)…………らしい。
赤い少女-----セイバーは初々しく話していたので信憑性はややあるが、狐耳の女性-----キャスターは、そのノリと今にもこちらを(アレな意味で)食べそうな気配であまり信頼していない。が、心の中でどちらも事実だと訴えかけてくるのはなぜか。
そして自分は今現在。
「ふんふんふん♪」
「ちっ、何でご主人様と二人っきりになれないんでしょう………」
「……………ふん!!」
なぜか怒り心頭な凛を先頭に、右手にセイバー、左手にキャスターを連れてマイルームへ戻っている途中である。
セイバーは自分を手を握れていることで上機嫌。対するキャスターは独り占めできないことに不満を抱えているようだった。
だが凛。なぜ君が怒っているのだろう。2人もサーヴァントを従えていることに嫉妬しているのか?
「…………前からわかっていたことだけど、あんた本当に唐変木よね」
「えっと…………凛?」
「ううん、なんでもないわ白野君。ゆっっっくりサーヴァントと仲良くしていてね」
そうは言う凛だが、発しているオーラが明らかに「不機嫌です」を声を発している。
…………今誤っても逆に怒らせそうだから、後で謝ろう。決して、凛が怖すぎて声をかけられないのではない。
怒りのあまりか、凛はマイルームを通り過ぎてしまった。
こっちだよー、と軽く声をかけつつ、マイルームのドアに手を掛け、
「「あ……」」
他の人と手が触れた。恐る恐る顔を上げると、1人の少女がいた。
肩まで伸びた、栗色のセミロング。月見ヶ原学園の制服に身を包んだ、ややつつまし目の胸の少女。
「えっと………マイルーム間違えていません?」
「え? でも、私のマイルームは2年1組なんですけど………」
「…………………………え?」
確認してみると、確かに彼女のマイルームは2年1組に設定されていた。
しかも、名前も自分と同じ------岸波白野。偶然、はありえないだろう。なかなかある名前と苗字でもないし、第一ムーンセルが、他人とマイルームを一緒にするなんてミスをするはずがない。
「どうしたのですか、白野さん? おや、そちらの方は………」
「あ、ラニちゃん!!」
後ろから響く、
「どうした、マスター。うむ? この状況は……………」
「あ、アーチャー。あのね、マイルームが………」
白野さんのサーヴァントも現れ、あちらはあちらで会話が進んでいる様である。
ひとまず、マイルームを確認しようとドアを開け------------
「うむ。ようやく来た---------------」
------------すぐに閉めた。今、金髪の男が全裸待機していたような…………。疲れているのかな、きっと。
「見間違いではありませんよ、ご主人様。ゴージャスな変態が中で待機しておりました」
「余も見た。まぁ、この部屋はあの女のものだから、問題あるまい」
「いえ、お部屋はあなた達のです。どうぞご自由に---------」
「否定してよ、俺のサーヴァントなら!! 心中察してよ!! そして君も逃げないで!!!」
この場から退散しようとする3名を、華麗なる技で確保する。ここまで来ての逃げは許さない…………!!!
「いやだぁ!! 変態はアーチャーだけで十分よ!!!」
「私の評価を下げることを言うのは止めてくれないか、マスター!! アレは君のためにも仕方なく…………」
「いえ、アーチャーは間違いなく、紳士のつく変態です」
「せめて順番を逆にしてくれないかなラニ君!!!」
こちらもこちらでうるさいが、この際どうでもいい。夢であってくれと思いつつ、ドアを開けると-------
「キャーーーー!!!! ゴージャスな変態がいるわーーーーーーー!!!!」
「エリちゃんに同意です!!! せめて下は履きなさい!!!」
「ぬかせ!! 下が丸見えの貴様らに言われたくないわ!!!!」
「あ、あのう………先輩達、帰ってきたんですけど………」
「……………
「あ、お帰りなさい。お茶、入れますね」
「「「「「「「……………」」」」」」」
先程以上に混沌とした空気に、何も言えなかった。とりあえずリップ、お茶ありがとう。
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さて。混沌とした状況を30分掛けて収拾したが、改めて状況を整理しよう。
今、このムーンセルより与えられた、2年1組のマイルームにいる人の数は13。
まず、自分こと岸波白野(男)と、同じマイルームを与えられた岸波白野(女)。
そして、岸波白野(男)のサーヴァントであるセイバーとキャスター。
岸波白野(女)のサーヴァントであるアーチャーと、彼女のサーヴァントだという黄金のサーヴァント、ギルガメッシュ(彼女からは否定されたが)。
そして岸波白野(男)の協力者、遠坂凛と、岸波白野(女)の協力者、ラニ=Ⅷ。彼女達はおろか、自分とも契約したことがあるというサーヴァント------エリザベート・バートリー。
そしてNPCだった少女、間桐桜。さらに彼女から派生した存在---BB、パッションリップ、メルトリリス。以上がこの部屋にいる面々である。
桜達と会ったことで、月の裏側であった記憶も取り戻した。さて、BB。
「は、はい!!!」
何があったか、教えてくれるかな?自分でも悪いと思えるような笑みを浮かべて彼女に尋ねるが。
「わ、わからないんです。気付いたらここにいただけで………」
「BBの言う事は本当です。私達も、気が付いたらここにいて……………。ムーンセルからの応答もないんです」
…………BBが嘘を言っているようにも思えないし、なにより桜が言っているのだ。本当なのだろう。
それにしても、ムーンセルからの応答がないとは、どういうことだろうか。そんなことを考えていると。
《ムーンセルに存在する、全ての思考体に通達します。現在、ムーンセルは未知のウイルスによりハッキングをgggggdふぁ不亜h不でゅいあh不sづいあb不アブcvぶあfぶあ》
ムーンセルからの通達。途中でノイズが入ったが、ハッキングを受けた旨は聞き取れた。
「え、それってまずくない?」
「まずい、どころじゃないわね。下手をすればムーンセルにいる思考体、跡形もなく消え去るわよ」
白野さんの指摘に、メルトが答える。………って、本当にまずい!!! 何とかしないと………
ピンポーンパンポーン
とそのとき、気の抜けた音が響いた。
「毎度おなじみ、聖杯戦争、聖杯戦争でございます。ご不要になった夢、希望、もう諦めた野望などがございましたら、お気軽にコロシアムにおいでください」
………………………何だ今のは。
そんなことを一瞬思ったが、外からものすごい音が響いたため、その思考は断たれた。
様子を見るため、一度マイルームから出た。が、外は先程のマイルームよりも混沌とした状況だった。
酒盛りをしているサーヴァントの面々。酒に酔ったと思われるレオが、ユリウスを綱にしてガウェインと綱引きをしている。
アサシンは言峰神父も激辛麻婆豆腐に沈み、ありす達は飲み過ぎて気絶したであろう
「あはははは!!!!!」
「ししょーー!!!!!」
そして響く、謎の笑い声と呼び声。
………………間違いない。この混沌とした状況。先程の放送の声。
こんな事態を引き起こした人物は、間違いなくあいつだ。あいつ以外にありえない。
「いい加減にしろよ、藤村ぁぁぁーーーーーー!!!!!!!!!」