ハリーポッターと新聞記者   作:十凶星

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 眠い。昨日は投稿できなくて済みませんでした~
起きたらなぜか十二時とかっていう。あれ?今何でこんなに明るいの?みたいな
まぁまぁ、それは置いといて第六話です

どうぞ!


第六話 初試合とみぞの鏡

 次の日の朝、私とフレッド、ジョージはもう一度W.W.Wの集会を開いていた。ハロウィンで何もすることができなかったため、次に何をするかを考えるための集会だ。

 私は結局使う事のなくなったジャック・オ・ランタンや巨大飴、他にも様々なお菓子や悪戯道具。ウィーズリーは使えなかった花火と、同じようにいろいろな悪戯用お菓子を持ってきた。

「「「はぁ」」」と三人のため息が漏れ出てくる。頑張って作って来たものだからこそ、失った時の悲しみは大きいのだ。畜生、クィレル容赦はしない。ウィーズリーと私達に勝てると思わないことだ。嬲り殺しにされる覚悟を決めておくんだな。

 

「頑張って作ったものが壊れると辛いよな、ほんとトロールは許しておかねぇ」

「まあまあ、いいじゃないの。次のハロウィンで見せるものが増えたと思えばいいんじゃないかしら?それで、フレッド、ジョージ、今日は何の予定で呼び出したの?何かすごいものがあるって言ってたけど」

「ふっふっふ、見て驚くがいい、フィルチの部屋で手に入れたんだがこれ、なんだと思う?」

「ふーん、ちょっと見せてもらうわね……これ地図じゃないの?ホグワーツの。まあ、あんた達が見つけたんだから悪戯に関係あるものでしょうけどね、えーっと、何々……?《我 ここに誓う 我 良からぬことをたくらむものなり》うん、この呪文で会ってたみたいね。まぁ、パチュリーの地図より性能は良くないみたいだけど、凄いじゃないこれ、これがあればホグワーツを自由に行き来出来るわよ」

「わお!そんなにすごいものだったのか!これで悪戯の幅が増えるな!ジョージ!」

「そうだな!秘密の抜け穴も全部書いてあるぞこれ!」

「「ありがとう!アヤ!」」

「どういたしまして。まあ、お礼をくれるのならロンのあの態度はどうにかして欲しいわね。私の事を親の仇みたいな目で見るからやめて欲しいわ。」

「あれはもうあいつの性格だからな」

「ああ、ちょっと難しいと思うな」

「「ごめん!」」

 

 そう言って同時に手を合わせて謝ってくるフレッジョ。まあ、そんなところだろうと思っていたが、あのロンの口調や目付きをずっとされていると、イライラするし、鬱陶しい。ハリーは前回のハロウィンの件で少し改善されたからよかったものの、ロンは思い込みが激しいのだろう。一度そういう嫌いだとかいいやつだとか、レッテルを張ってしまうともう変わろうとしない。ある意味一番面倒くさいと思う。

 

「まあ、いいわ。今日はクィディッチの試合でしょう?スリザリンとグリフィンドールよね。まあ、ハリーがいるからわからないけど、私だって負けるつもりはないし、寧ろ勝つつもりで行くわよ。覚悟しておきなさい。勝つのはスリザリンよ」

「いーや!勝つのはグリフィンドールだね!」

「スリザリン!」

「グリフィンドール!」

 

 三人で顔を突き合わせ、少ししてから急にみんな笑いだした。「いい試合にしような」とジョージが言うので、「あら、私はシーカーだって知っているでしょう?シーカーは試合には関与しないわ」と返す。ひとしきり笑いあってから、必要の部屋を出て、談話室へと向かった。あと一時間ほどでスタートするだろう。

 

「さっさと箒を取りに行こうっと。あ、そういえば悪戯の計画を立てるのを忘れてたわね、今度フィルチにやってやろうかしら」

 

 そう言って更衣室へと入る。スリザリンのユニフォームは緑、グリフィンドールのは真紅のローブを羽織っていた。フリントがこちらへとやってきて、「スリザリンとして恥じないような戦いをしろ」と言ってくれた。

 そうこうしている間に時間となり、更衣室を出た。マダムフーチが審判だ。競技場の真ん中へと立ち、箒を手に両チームを待っていた。フーチ先生は正々堂々と戦いましょうと言っていたが、ぎりぎりで戦うのがスリザリンとして恥じない戦い方だと私は思っているので、そんなことは気にしないことにする。

 ふと観客席を見ると「ポッターを大統領に」という文字が見えた。よく見るといつものメンバーだ。ロンにハーマイオニー、そしてネビル。最後にはハグリッドも来ていた。

 マダムフーチの銀の笛が高らかになった。十五本の箒が空へと舞いあがる。高く、そしてさらに高く。風を切って飛びあがっていく。私は自分がいつものように烏となって空を舞っているような気分だった。

 最高点まで到達し、鷹のようにくるくるとコート内を旋回しながら眼だけは油断なくスニッチを探す。見つけた。だがどちらも一点も取っていないのでまだとるわけにはいかないだろう。

 

 

 「さて、クアッフルはたちまちグリフィンドールのアンジェリーナ・ジョンソンがとりました。――なんて素晴らしいチェイサーでしょう。その上かなり魅力的であります」

「ジョーダン!」

「失礼しました、先生」

 

 リー・ジョーダンのグリフィンドール贔屓な解説が耳につく。少し苛々してきたが、どうせならばスニッチさえとれば逆転できるというところで点差をつけて終わらせてやろう。

 そうこうしている間にハリーが上まで上がって来た。投資がみなぎっているのかこちらを油断なく見つめてくる。

 

「あやや、どうしました?そんなに熱い目でこっちを見ないでくださいよぅ、照れちゃうじゃないですか~」

「君のその挑発にはもう乗らないぞ、僕だって練習を積んだんだ。勝つのはグリフィンドールだ」

「あやややや、前とは違うと、そう言いたいんですね?でも前回の時と同じになってしまうんじゃないでしょうか?最初の飛行訓練の時も結局私がガラス玉を取ってしまいましたし。頑張って追いついて来て下さいね、陰ながら応援してますよ、私と速度で張り合える人なんてほとんどいませんでしたのでね。ハリーみたいな人が出てきてくれるのは私としても嬉しいのです。頑張ってください、頑張ってください。でないと」

 

――――心が折れてしまうかもしれませんよ?

 

 そう言い残し、スニッチを取りに箒を急降下させる。狙うはスニッチ一直線だ、フレッジョがブラッジャーを打って来るがそれをくるくるとロールをしながら華麗によける。気付くと周りからざわざわと音が聞こえてくる。後ろを振り向くがハリーはいない。何故だろうと思い後ろをぐるんと振り向きながらホバリングする。追いついて来てないのにスニッチを取ったって全く意味がない。面白くもない。ハリーを見ると暴れていた。いや、呪いをかけられているのか。クィレルめ、ここでも私の楽しみの邪魔をするのか、もう容赦しない。情けなど掛けるのすら煩わしい。ハーマイオニーがスネイプに火をつけようとしていると風から聞こえてくるがそれは間違いだ。神通力の念話を用いてハーマイオニーに話しかける。

 

(ちょっと待って!ハーマイオニー!)

(うわっ、びっくりしたわ、どうしたのっていうかこれはなあに?なんで文の声が頭の中に響いてくるの?)

(私が開発した魔法です。相手と頭の中で話すことができます。それで、あなたスネイプに火をつけようとしましたね?それは間違いです。クィレルの方をよぉく見てください。あなたなら分かるはずです、呪いを掛けているのが。そしてスネイプの口をもう一度見てください。唱えてるのは反対呪文で呪いではありません)

(え?ちょっと待って確認してみる―――――――――――え?本当にクィレルなの?スネイプじゃなくて?)

(ええ。だからクィレルの視線をどうにかしてハリーからそらしてください。そうすれば戻ります)

(分かったわ)

 

 とそう聞こえたので念話を切る。観客席の方を見るとハーマイオニーがクィレルのローブの裾に火をつけているところだった。これならハリーの箒も大丈夫だろう。そう思ってハリーの方を見ると予想通り、ハリーの箒の不可解な揺れは収まっていた。ハリーの方に向かって「クィレルがハリーの箒に呪いを掛けていましたよ、スネイプではないのでご安心を」というとハリーは不思議そうな顔をしていたがありがとうと言ってにっこり笑うともう一度上へと戻っていった。私は下の方でぐるぐる回りながらスニッチを探す。

 

 現在の得点はスリザリン対グリフィンドールで50対20でスリザリンが勝っている。ここまでくればもういいだろう。ハリーの方を見るとスニッチを見つけたのか急降下を始めている。私も箒の柄を真下とでもいうほどに傾けると、一気に加速した。一瞬でハリーと並び、接戦となる。ぐるぐるとお互いに譲らず下へと急降下していくが、私が一歩抜け出した。スニッチが上に行こうとしてるように見えたので箒の柄を上へと向ける。ハリーはそのまま急降下していくと思っていたのか降りて行ってしまった。私が手でスニッチをつかみ取る。試合終了だ。結果は210対20。スリザリンの圧勝だ。私は地面に降り立った途端、チームのみんなに抱きしめられた。

 

「すごい、すごいぞアヤ!まさか実戦でウロンスキー・フェイントを繰り出すなんて思わなかった!220対60で圧勝だ。頑張った、よくやってくれた!」

 

 フリントはいつもは怖くていかつい顔をしているのに、今日に限っては違った。満面の笑みだ、私の肩を抱くと「スリザリンとして恥じないプレーだった。良かったぞ」と言ってくれた。その後パチュリーとダフネも来てくれて、私の事をべた褒めしてくれた。

 

「凄いじゃない、まさかハリーにあのウロンスキー・フェイントをかますとは私も思ってなかったわ。正直なところあまり外に出るのは髪が痛んでいやだったから、今日のクィディッチも行こうかどうか迷ってたのよね。でもダフネに無理矢理連れてこられたとはいえ、来てよかったわ。文、凄かったわよ。私も嬉しいわ」

「……ありがと、パチュリー。そしてダフネ、分かったかしら、これがツンデレよ。破壊力がやばいわ」

 

 正直なところパチュリーがほめることなどほとんどないので、にっこり笑いながらのべた褒めはまずいだろう。自分の顔が真っ赤になってるだろうことがよくわかる。ダフネも同じなようで、微妙に顔を赤らめながら同意して、私の事をほめてくれた。

 

「本当ね、これの破壊力は確かにすさまじいわ。それにしても文!貴女凄かったわね!まさかあんなに華麗にスニッチを取るとは思わなかったわ!!アヤはすごいわね!」

「えへへ、ありがと、ダフネ。パチュリーも。ふふふ、なんか最近微妙にあえてなかったような気がするからなんかいつもより嬉しいわね。さっ、談話室へ戻りましょ!多分お祝いの準備が始まってるんじゃない?」

「「ええ(そうね)!」」

 

 そう言って談話室へと向かう。スリザリンの談話室へと入るとクラッカーが私達を出迎えてくれた。いつもは言葉の端に微妙に嫌味が混じってしまうマルフォイやパーキンソンでさえ今日はとても優しかった。

 スリザリンではそれから真っ黒な箒の形をしたバッジが流行るのだった。

 

 

 

 もうすぐクリスマスになる。パチュリーは幻想郷に帰るらしいが、私は帰っても特にやる事もないので学校に残ることにした。ちなみにダフネは帰るらしい。

 ハリーは微妙にグリフィンドールで嫌な扱いを受けていたらしく、同じポジションのシーカーである私に度々相談をしに来ていた。そのたびにロンが連れ戻すのだが、最近はフレッジョに止められているらしい。

 魔法薬学のクラスが終わって地下牢を出ると、行く手を大きな樅の木がふさいでいた。運んでいるのはハグリッドらしい。木の下から大きな足が突き出している。

 マルフォイとロンが喧嘩して、スネイプに怒られたらしい。ハリーが「スネイプもマルフォイも、大っ嫌いだ」

と言っていた。だが、ハリーはスネイプが自分の事を守ってくれていたことを覚えてないのだろうか。そうだとしたら随分とスネイプも可哀想だ。まあ、あの人もハリーの事を憎んでそうなので自業自得と言えばそうなのだが。

 

 

「さぁ、兄弟、そして女王様よ。悪戯道具の準備は出来てるか!!」

「ええ!(おう!)」

「我々が悪戯をする理由はなんだ!!」

「「皆を楽しませられるから!!」」

「我々の目的はなんだ!」

「「クリスマスを盛り上げる事!!」」

「我々に出来ることはなんだ!」

「「悪戯によって皆を愉快な気持ちにさせる事!!」」

「それじゃあ……行くぞ!!」

「「おー!!」」

 

 ――――W.W.Wプロジェクト 始動だ。

 

 私達はもう一度持ち寄った道具の確認をしていた。今回はクリスマス。ハロウィーンのように悪戯ができるわけではないが、私達で出来る最大限の悪戯を仕掛けてやろうと意気込んでいた。例えば大広間の入り口にセンサーを仕掛け、扉が開くことを感知して巨大なクラッカーを鳴らすもの。はたまた七面鳥のように見えるが食べようとすると飛び出して逃げ回るもの等々、押さえてくれるパチュリーやダフネがもうそろそろいなくなるので私の悪戯もエスカレートしていった。

 マクゴナガル先生に猫用の餌を送りつけたり――これは何故かその後喜んでもらえたらしい?次の日あった時に「とても美味しそうにしていましたよ、ありがとう」と言っていた――マクゴナガル先生は猫でも飼っているのだろうか。

 スネイプ先生には自動散髪用はさみを送ってあげた。次の日の魔法薬学の特別授業の内容が滅茶苦茶難しくなった。解せぬ。ちなみに髪を切るとスネイプ先生の印象はだいぶ変わったとだけ言っておこう。凄い怒られた。

 フリットウィック先生には紫さん特製のセガノビールといううっさん臭い薬。まあ効果は抜群なようで遊びに言った時背の高さが伸びていた。その次の日には戻ってしまっていたのだが。送ってきてくれた人にお礼を言いたいとフリットウィック先生は背が伸びて少し低くなった声で言っていた。

 クィレル先生には賢者の石に似せたレプリカを送る事にした。賢者の石を命の水を作るために触ろうとすると爆発と再生のオンパレード。次の日クィレル先生はボロボロになって医務室へとおもむいているという情報があったらしい。

 そしてダンブルドア校長にはスキマ郵便で取り寄せた日本のお菓子に魔法で細工した悪戯道具などなど。ダンブルドア校長は気付いて食べなかったみたいだが、次の日私が呪文を解くと美味しそうに食べていた。

 

 そしてクリスマスの日になった、私のベッドの横にはたくさんのプレゼントが積み重なっていた。私とパチュリー、そしてダフネはその場でプレゼントを送りあった。私からはパチュリーには大量の本を隙間から取り寄せた。そしてダフネには錬金術で作った耳飾りを送った。パチュリーから私には防御魔法がこれでもかと掛けられたアミュレットで作られた首飾りを送ってくれた。試しにと自分に向かってクルーシオを放ってみるが、自分の周りに障壁のようなものがいくつも現れると、それが動き回って呪文を防いでくれた。クルーシオが防げるという事は、アバタケタブラでもなければ壊せないのではないだろうか。物理的なものは守れないとのことだったが、それでもありえないほどの贈り物だ。

 ダフネからは銀色のバレッタと何枚かの服が手渡された。ダフネ曰く「貴女もパチュリーも素材はとっても可愛いのだから、たまには着飾ってみないとだめじゃない」とのことだ。その後なぜか私だけ着せ替え人形状態になり、色んな服を着せられた。恥ずい。

 マルフォイからは銀時計が送られてきた。私の知っているのとは形が違うが、魔法界製とのことなので、色々なギミックがついているのだろう。

 幻想郷からはまた様々なものが来た。はたてからは念写したランキングの写真。『花果子念報』がランキング上位に入っている。当てつけか!と写真を地面に叩きつけた。他にも香霖堂からは天狗の団扇と同じような効果を持ったものと、私の使っていたシャーペンが入っていた。後なぜか八雲紫からスキマのようなものが送られてきた。手紙を見たところ、ホグワーツ内を自由に行き来出来るらしい。

 

 その日のクリスマス料理は素晴らしいものだった。ローストされた七面鳥百羽にポテトやら豆やら様々なものが机の上に並んでいた。そしてテーブルのあちこちにクラッカーがおいてあり、それを引くと豪快な爆発音とともに様々な景品が飛び出してくる。私は落ちてきた装飾用の小さな羽をつかみ取ると、さっきまで着せ替え人形にしてくれたダフネに乱暴につけることにした。ダフネが吃驚しているが無視して髪に羽をつける。満足したので料理を食べるのに戻る。

 上座ではダンブルドアが自身の山高帽と婦人用の帽子を交換して被り、フリットウィック先生のジョークを聞いて笑っている。

 ――瞬間、生徒達が食べていた料理がすべて空中に逃げ出した。料理はくるくると空中を回り、フレッドとジョージが仮面をかぶって大笑いしている。セーターのせいで誰だかもろばれなのだが大丈夫だろうか。その直後にダンブルドア校長が料理を机の上へと戻し、マクゴナガル先生がフレッドとジョージを連れ去っていった。憐れ。

 私達が食事を終えるのとハリー達が終えるのが同じくらいだったらしく、扉を出るとハリー達と鉢合わせた。ロンはいまだにこちらの事を睨んでくる。ある意味寮を性格や家計で決めてしまうというのは一種の洗脳行為のような気がする。親と子が一緒の学校になることが多いという事は親からあの寮はダメな寮だ。こっちの寮の方が良いと聞かされ続けるので、グリフィンドールはスリザリンが嫌い、またその逆もしかり、そしてスリザリンはどの寮からも嫌われているという状況が変わることがないという事だ。

 

「こんにちは、ハリーにロン、そしてフレッドとジョージ」

「「おお!我らの賛同者、悪戯姫じゃないか!」」

「クリスマスプレゼントは届きました?結構考えて送ったので喜んでもらえると嬉しいんですけどね」

「透明マントの模造品を送ってくれんだっけ?」

「いや、確か忍びの地図の改良品じゃなかったか?」

「「ありがとな!」」

「いえいえ、どういたしまして~」

「え?なんでフレッドもジョージもこんな奴と仲良くしてるの?」

 

 周りの人達の疑問を代表してロンが兄二人に質問をする。当然の質問――なのか?私は特に寮が違おうが特に気にしていないが、生粋のグリフィンドール生であるロンやハリーからしたら疑問が残るのだろう。

 それに私とフレッド、ジョージが息ぴったりな動作でロンたちに振り返りながら「悪戯は寮の格差などすべて乗り越えてみせるのだ(です)!」と言うと、面食らった様子で「そ、そうなんだ」と言うとロンは黙ってしまった。何でだろう?

 談話室につくと私とパチュリーはホグワーツの地図を開いた。ダフネはクリスマスパーティーで疲れたのか先に寝てきてしまった。

 

「はぁ」

「どうしたの?パチェ」

「ん、ダンブルドアにハリーを守れって言われたじゃない。ハリーを今地図で確認したんだけど寮から抜け出してるのよね」

「はぁ?あり得ないでしょあの子、自分がどれだけ狙われてるかわかってないの?ダンブルドアがいるとはいえ内部にヴォルデモートいるのよ!?……これって様子見に行かなきゃダメなやつかしら。それともここで眺めてればいいのかしらね。分からないわ」

「別にそこまで危険なことをしようとしているわけでもなさそうだし、別にいいんじゃないかしら。……ああ、閲覧禁止の棚に行こうとしているのね。その程度なら別にいいわ、あそこなら先生の監視も行き届いているでしょうに。あ、逃げ出した。バレたのね、あそこには大きな音を出す本も多かったはずよ。あら……止まったのね、ここは……ダンブルドアがみぞの鏡を取り敢えずあそこに置いておくのじゃと言っていたから、みぞの鏡でも見ているのかしら。ハリーは家族がいなかったはずだからそれでも見ているのかしらね」

 

 そこまで言ってパチュリーはパタリと地図を閉じた。「どうするの?」と聞くと、寝るらしい。まぁ、みぞの鏡を見ているのならば問題ないだろう。あれを見ているのならダンブルドアは確実に気づいている。

 次の日も、(一日目からダンブルドアはいたらしい。二日目も教室の隅にいた)そのさらに次の日もハリーはみぞの鏡のところに言っていた。三日目は流石にこれ以上いたらまずいという事で諭すために鏡のところに私達もおもむいたのだが。

 

「ハリー、また来たのかい?」

 うん、やはりダンブルドア校長は気付いていたらしい。三日間も来ているとなると相当鏡のとりこにされているようだからもう行かないとまずかったかもしれないね。と私は教室の隅で壁に寄りかかりながらそんなことを考えた。

「鏡が見せてくれるのは、心の奥にある一番強い『のぞみ』じゃ。それ以上でもそれ以下でもない。君は家族を知らんから、家族に囲まれた自分を見る。ロナルド・ウィーズリーはいつも兄弟の陰でかすんでいるから自分が一人で堂々と立っているのが見えるという具合じゃ。しかしこの鏡は知識や真実を示してくれるものではない。鏡が映すものが現実のものか、果たして可能なものかさえ判断できず、皆鏡の前でへとへとになったり、鏡に映る自分に見入られてしまったり、発狂してしまったんじゃよ。

 ハリー、この鏡は明日よそへ移す。もうこの鏡を探してはいけんよ。たとえこの鏡に再び出会う事があろうと、もう大丈夫じゃろう。夢に耽ったり、生きることを忘れてしまうのは良くない、それをよく覚えておきなさい。さぁて、その素晴らしいマントを着て、ベッドに戻ってはいかがかな」

「あの……ダンブルドア先生、質問してよろしいですか?」

「いいとも、今のもすでに質問だったしね」

「先生ならこの鏡で何が見えるんですか?」

 あ、一気にダンブルドアに動揺が。何か後ろめたいことでもやっているのか、それとも叶えられないだろうがどうしても叶えたいことがあるのか。

「儂かね?厚手のウールの靴下を一足、手に持っているのが見える」

「靴下はいくつあってもいいものじゃ。なのに今年は靴下を一足ももらえなくての。わしにプレゼントをしてくれる人は何故か本ばっかり送りたがるんじゃ。さぁ、おかえり」

 そう言ってハリーは出ていった。するとダンブルドアがこちらを振り向きながらさらりと言ってくる。

「さ、そっちの子もお帰りなさい、ハリーをいつも見守ってくれていてありがとうの」

「あら、気付いていたの?というかあなたには何が見えたのかしら。さっきのは嘘でしょう?というか私達にも事情を説明させたのだから、あなたも話すべきではないのかしら。それともそこまで後ろめたいことでもあるのかしら」

「むぅ、構わんぞ。仕方がない、長くなりそうじゃから場所を移そうか」

 そう言ってダンブルドアはパチリと指を鳴らす。すると私達は校長室の中にいた。

「あなたも十分規格外よね、ホグワーツでは『姿現し』出来ないはずじゃなかったの?まぁ、姿現しでなければ使えるのだから別に誰でも使おうと思えば使えてしまうのだけれど。……まぁいいわ、さっさと話してくれるかしら」

「うむ、儂は若いころは愚かじゃった。欲に取り憑かれ、自分は天才なのだ、上に行くべきなのだ等と思いあがっておった。わしには一人友人がいての、その友人はゲラート・グリデンバルドというのじゃが、そのグリデンバルドとともに上を目指そうとしていたわけじゃ。わしには弟と妹がいての、弟はわしよりも上手く魔法が使えず、妹は幼いころの迫害で魔法力が内側に向かってしまい、上手く魔法を使うことができなかったのじゃ。今ならすぐに聖マンゴにいれていたのじゃが、母親はそれを良しとしなくての。わし達は妹を治す計画を立てていたのじゃが、それを弟はよく思っていなかったのじゃ、儂たちが治すために家に向かうと、弟が邪魔をしてきたんじゃよ。グリデンバルドは儂の弟に磔の呪文を掛けようとしての、儂がそれを止めようとして三つ巴の戦いになったのじゃ。その途中で止めようとしたのか妹……アリアナが入ってきての、誰かが放った呪文に打たれて死んでしまったのじゃ。それから儂はホグワーツに戻って教師となったのじゃ。わしはアリアナの事を忘れないためにも魔法省に入って権力を持つことはしなくなったのじゃ」

「ふぅん、つまりあんたが悪いんじゃない。ただ自分の才能に溺れてミスを犯しただけじゃない。その程度で魔法界を救えたかもしれない一手を選択しないなんて、あなたも馬鹿ね。聞かせてくれてありがとう、帰るわね」

「さようなら~、また来ますね、ネタがあったらよろしくお願いします」

「ああ、また来るのじゃぞ、これからはハリーも忙しくなるじゃろう、暇があったら見守ってくれると助かるぞ」

「ん、暇があったらですけどね~、じゃ、また」

 

 次の日からパチュリーは幻想郷に帰っていった。パチュリーがいないことによって文の悪戯がどんどん過激なものになっていくことはまだその頃のダンブルドアは知らないことなのだった。

 

 




いかがでしたでしょうか
何故か話を書くのよりあとがきを書くのの方が辛いw

では、また次回お会いしましょう

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