TS賢者ハルの異世界放浪紀   作:AJITAMA5

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第一章『剣と魔法の世界ファウリア』
第1話『日常の崩壊』


 ───拝啓。親愛なる父さん、母さんへ。

 

 僕、神代(かみしろ)晴輝(はるき)は修学旅行の帰り、飛行機事故に遭い死んでしまいました。

 

 しかし、僕は元気です。何故なら、僕は今異世界にTS転生してしまったからです…。

 

 

 

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 事の発端は帰りの飛行機の中で起こった。

 

「いやぁ、楽しかった。な、ハル」と、僕に声を掛ける奴が居た。

 

 こいつの名前は村上(むらかみ)一樹(かずき)。僕の幼馴染みであり、腐れ縁の男。小さい頃に一樹から女の子みたいだと言われ、喧嘩して以来の親友だ。

 

 ちなみに「ハル」というのはカズ…一樹が勝手に僕に付けた渾名(あだな)だ。カズ曰く、僕には可愛い渾名の方が似合うらしい。まあ言った本人は後でシメたが。

 

「ハルって言うな、カスキ。まあ楽しかったけどさ」

 

「カスって言うなよ、男の娘。結局楽しかったんじゃねえか」

 

「男の娘って言うなぁ…、これでも鍛えてるんだよぉ…」

 

「心中お察しするよ。…それよりさ、昨日の事…ありがとな」

 

 いつも通りの会話をしていると、カズが話を変えてきた。

 

 …昨日の事、ああ、あれか。

 

「ああ、あれね。見てたよ、『ずっと俺の側に居てくれ!』…だっけ?」

 

「うぐっ…見てたのかよ趣味悪いな。…まあそうだ。おまえが居なかったら今頃俺はヘタレのままだったろうな」

 

「言えてるね。…それより、告白成功おめでとう。ミナをよろしく頼むよ。」

 

「ああ、頼まれた。絶対に幸せにする」

 

「それは結婚したときに言ってあげなよ。…まあどうせカズの事だからプロポーズまで僕を付き合わせるんだろうけど」

 

「い、いやぁ…それはない…と、思います」

 

「あはは、何だよその自信なさげな物言いは。もっと自信を持っていこうよ」

 

「き…気を付ける…出来るだけ」

 

「頑張ってね、村上一樹(ヘタレ野郎)くん」

 

 …ここまでの会話を聞いて察しのいい人なら気づいていると思う。

 

 ───こいつ、リア充です。

 

 ちなみに「ミナ」というのは黒沢(くろさわ)美奈(みな)という僕たちのもう一人の幼馴染みである。小さい頃はとても勝気な女の子でカズとは馬が会わなかったのか、いつも喧嘩をしていた。中学生ともなると落ち着いてきたのか暴力による喧嘩から口喧嘩に変わった。もちろん口喧嘩では女の子であるミナの方が圧倒していた。しかし内容が内容。殆ど痴話喧嘩のようなものでいつもクラス中から「夫婦」と囃し立てられていた。結果として、カズは否定するがまんざらでもなさそうに、ミナは顔を真っ赤に染め涙眼になっていた。

 

 ───しかしここまで行っていてこいつらは、高校のほぼ三分の二の修学旅行になるまで付き合っていなかったのである。

 

 大体の原因がこのヘタレの糞チキン(村上一樹)にあるのは大体想像つくと思う。

 

 修学旅行前にこいつに頼られたとき、こいつはやれ突然の呼び出しに不快に思わないだろうかとか、やれ断られたらどうしようだとか、…まあ簡単に言えば、告白できない意気地無しのテンプレみたいになっていた。

 

 このままではミナの方が可哀想なので一発ぶん殴って協力した。

 

 結果は大成功で、見事二人は昨日ようやく付き合うことになった。

 

「全く…、僕が居なかったらどうなっていたことか」と言い窓から空を見る。

 

 空は綺麗な紫色に染まっている。標高が高いと空が紫色になるって本当だったのかと感心していると、一筋の黒煙が見えた。気になってその方を見ると、

 

 ───飛行機の右翼のエンジンから黒煙があがっていた。

 

「…カズ、あれはもしかして───」

 

 ヤバイんじゃないか。そう言おうとしたとき、

 

 ───エンジンがボウッと幻聴が聞こえそうな程綺麗に炎上した。

 

 そしてそれに呼応するように飛行機が右側に傾きだす。

 

「うわああああああっ!!」

 

「いやああああああっ!!」

 

 急な出来事に騒ぐ生徒達。隣では「ミナ…こんなはずじゃ…」とうわ言のように呟き顔を真っ青にしたカズがいる。

 

 そんな悲愴に暮れたカズの横顔を見て哀れに思っていると、飛行機の傾きは45度を越し、もう墜落してもおかしくはない状況だった。

 

 ───これはもう見ていられない。…そう思った僕はみんなより一足先に眼を閉じ、意識を手放したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『›転生システム、オールグリーン』

 

『›転生先:ファウリアに決定』

 

『›転生被験者:ハルキ·カミシロ、カズキ·ムラカミ、ミナ·クロサワ』

 

『›管理者の干渉を確認しました』

 

『›ネーム変更:ハル·カミシロ、ヴィルヘルム·アインス、イルミナ·グランザム』

 

『›Warning:ハル·カミシロに重大なバグが発生。』

 

『›データ修復開始………完了』

 

『›これより転生者三名の転生を行います』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




二作品目なり
前の作品については続けますが、投稿ペースが死にます
と言うか学生なのでテストが終わり漸く書けるということです
夏休みにはいるので赤点回避が出来ていればきっと進められるはずです…多分

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