TS賢者ハルの異世界放浪紀   作:AJITAMA5

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第8話『冒険者ランク決定試験』

 装備し終わって…、

 

「ねぇフィリア、…今何時?」

 

「え?あ、えーっと…10時…25分、かな?」

 

 フィリアの言葉に僕は固まる。

 

 現在時刻、10時25分。時計の読みは同じみたいだ。

 

 さっきギルドの前で見た時計は、正しければ10時丁度。

 

「あぁぁぁぁぁっ!」

 

 試験まであと五分じゃん!

 

「───っ!どうしたの?」

 

「ギルドのランク決定試験!30分からだった!」

 

「なんだ、そうゆうことね。今から走っても3分だから今なら間に合うよ」

 

「ありがとう、フィリア!」

 

「あ、うん」

 

 また来ると一言残して、僕はギルドへと向かった。

 

「フレンド機能…使えば良かったのに…」

 

 フレンド機能「解せぬ」

 

 

─────────────────────────────────────────

 

 

 Fランク試験にて…

 

「えー、それではまず、剣術や魔法との適正を見ます。貴女は魔法職と聞いていますので、こちらのモノリスに魔法を撃ってください」

 

「分かりました」

 

 なんだ、最初は対人戦じゃないのか。

 

 そう思って僕は目の前に表れた巨大なモノリスに向かって「ファイアボール」を放つ。出来るだけ遅く。…射出したそれに遠隔操作で魔力込める。

 

 僕が放ったファイアボールは赤色から橙、黄、白、そして綺麗な青に変化していく。

 

 僕の狙いに気付いた試験官はニヤニヤとこちらを見ている。逆に気付いていない試験官は蔑みの目でこちらを見る。

 

 そして数秒後、火球はモノリスに命中し、轟音が響く。空中で魔力を込め続けた火球は、爆裂魔法の如く大爆発を起こす。…耐えきれなかったモノリスは地面ごと粉砕され、消滅した。

 

 僕はそれを一瞥し、言い放つ。

 

「今のは○ラゾーマではない。…メ○だ」

 

 一度言いたかったんだよね、これ。

 

 

 その後試験…Eランク

 

「ほっほっほ、大魔術師として、新米に負けるわけにはいかんのぉ」

 

「そうですか、では『プロミネンス』」

 

「ほぉぉぉぉぉ!」

 

 Eランク→Dランク rank up !

 

「あらあら、可愛いお嬢さんだこと。…お持ち帰りしたいわぁ」

 

「そうですか、ありがとうございます(ニパー」

 

「ッ!(ブシャァァァァァ←鼻血」

 

 Dランク→Cランク rank up !

 

「ドーモ、ハル=サン、私…」

 

「イヤーッ!」

 

「グワーッ!」

 

 Cランク→Bランク rank up !

 

 とゆー訳で(どーゆー訳だ)気づけば最後、Aランク試験だ。

 

 Aランク試験は会場が広い。…とゆーか観客席が付いてる。

 

 何事か…とアストレアさんに聞いたところ、「Aランク以上の方となるとかなり少数ですから…、見たいと言う市民の皆さんの声で作られたんですよ」…と言われた。

 

 悪ノリした結果思いっきり厨二ゼリフを吐いてしまった(※第七話冒頭参照)

 

 やばい、すっごく恥ずかしい。…そう思っていると、目の前のフルプレートメイルを纏った大男から声をかけられた。

 

「随分な自信だな、きっと君は大物になる」

 

「恥ずかしいです」

 

「ハハ、そう恥ずかしがるな。…私を倒してさっさとAランクに成るんだろう?」

 

「ええ、出来ることなら」

 

 その会話の区切りに試合開始の合図となる鐘が鳴る。

 

 同時に大男が得物の大剣を構える。

 

「そちらから来い」

 

「なら遠慮無く。『ウィンドカーテン』『鑑定』」

 

 僕の周りに風がまとわりつき、空気の壁を作り出す。

 

 ついでに鑑定で相手のステータスを見る。

 

 

─────────────────────────────────────────

 

 

名称:ダガン·トルヴァス

 

種族:人間

 

年齢:32

 

基礎Lv.:Lv.82

 

職業Lv.:ソードマスターLv.82 パラディンLv.32

 

基礎ステータス

 

 HP 1780/1780

 

 MP 320/320

 

 STR 680

 

 INT 210

 

 VIT 500

 

 WIS 420

 

 DEX 290

 

 MIN 120

 

 AGI 230

 

 LUC 420

 

スキル

 

 剣術Lv.4 盾術Lv.3

 

 聖魔法Lv.2

 

 盾剣一体Lv.1 

 

パッシブスキル

 

 マッスルパワーⅤ…STR25%ブースト

 

 スティールボディーⅤ…VIT25%ブースト

 

 聖騎士の加護Ⅲ…MIN、状態異常耐性15%ブースト

 

所持金:1008000ファルス

 

説明

 

 ギルドランクAの熟練冒険者。紳士的な性格でギルドからも信頼されている。

 妻子持ち。親バカ。

 

 

─────────────────────────────────────────

 

 …ダガンさんって言うのか。それにしてもSTRとVITが高い。…それにLv.80って…。

 

 Aランクってその位必要なのかな。

 

 …取り合えず胸を借りるつもりで突っ込むか…。

 

「ふっ!」

 

 風の力で足のバネを強化し、四秒足らずで30メートルの距離を詰める。

 

 そのまま首を狙って剣を突き出す。

 

「ッ!」

 

 が、両手に構える得物でその突きは弾かれてしまった。

 

「このっ!」

 

 突っ込んだ勢いの慣性を利用しダガンさんの後ろに回る。

 

「もらったぁ!」

 

「甘い!」

 

 金属特有の耳に障る高音が響く。何があったのかと剣の切っ先を見ると、

 

 …ダガンさんは右手だけで大剣を持ち、左手で何処から出したのか大盾を構えていた。

 

 え、何この神聖剣。強い(確信)

 

「次は此方から行かせて貰おう!」

 

「ッ!」

 

 ダガンさんが大剣を横凪ぎに払う。僕はそれをバックステップで回避する。

 

 …今ので25メートル…距離は十分に取れたか。

 

「距離を取ったところで変わらんぞ?」

 

 しかし安心する暇もなく、ダガンさんによってその距離は一瞬で詰められてしまう。

 

「速ッ!?」

 

「ぬぅん!」

 

 ダガンさんが勢いをそのままに左肩からタックルを放ってきた。

 

「ガハッ!」

 

 僕は地面をバウンドし転がる。…凄く痛い。

 

 だけど泣き言なんて言っちゃ居られない。

 

 このままじゃ負けてしまう。だけど一つだけ賭けを残しておいた。

 

 今こそ使い時か。

 

「スピード…ブースト………!」

 

 …僕が詠唱したのは付加術(エンチャント)。所謂強化、バフというやつ。

 

 さっき休憩中に読んだ魔法書に載っていたので使えないかと思ったけど………

 

 

─────────────────────────────────────────

 

 

 INT 890

 

 AGI 57+445

 

 

─────────────────────────────────────────

 

 

 思った通りに使えたみたいだ。…しかしINTの二分の一だけ増加か。

 

 かなり強いけど消費MPが全体の四割って…、使いどころを考えなきゃね。

 

「まあ…これならいけるかなっ!」

 

 そう言って僕はダガンさんの元へと駆け出す。…先程の数倍の速度で。

 

「ぬぅ!は、(はや)い!」

 

「これで終わりです!」

 

 そのまま後ろに回って蹴りを放つ。

 

「『パワーブースト』『グラビティ』」

 

 …付加術と重力魔法のおまけ付きで。

 

「ガッ!」

 

 流石にAランクの巨漢だったとしても首筋の一撃は効いたのか、白目を剥いて倒れてしまった。…これは脳震盪かな?ほっとけば治るか。…でも

 

「勝者、ハル·カミシロ!」

 

『ワアァァァァァァァァァァァァァッ!!』

 

 ………ちょっとやり過ぎたかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ネタを書くつもりじゃなかったのに気づけばネタになっている私とは一体…。

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