魔女教大罪司教『管理職』担当・・・あ、あと傲慢だっけ?   作:神谷秋光
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本当に、お久しぶりです。

もう、あまりにも時間が空いたので他の方はこの作品を忘れたのではないのでは・・・とおもっています。

色々な方から、この作品を面白いまた評価してくれるのはとても嬉しいです。

それでは、日常に疲れている作者から最後に一言です!




















「なんで、俺って生きているのかな?」






















明日を・・・生きたい

「よし。俺ならできる!・・・できるはず?たぶん、きっと・・・」

 

さて、決心はついたはいいがどうしよう?

 

ペテルギウスが言った通りに、村人を殺すというのは俺の中ではもちろん存在していない。

 

・・・本当に困ったなあ。

 

つい、数時間前までは一般的な男子高校生にすぎない存在だったのに、どうしてこうなった?

 

一人でなにができるん?君たちは、権能とか魔法とか不思議な力をつかえるけど、あいにくと俺はそんなものは持っていない。なんだったら、そこの村人Aにすら負けるレベルだね。

 

とりあえず、あの場からいたたまれなくなって、ペテルギウス達の場所から離れてこうして茂みから村の様子を伺っているが何一ついい案が思い浮かばない。

 

正面から行ったら、黒い法衣で魔女教徒分かってもれなく、襲われる。だからといって、隠れながら行ったところで本来の目的から離れた行動を俺はとるわけだから、ペテルギウス達に見られれば不信がられる。

 

え?というか、俺どうすればいいの?本当に、何もおもいつかないんだけど・・・。

 

せめて、何か魔法とか使えればいいんだけど・・・。ほら、この世界に来ただけでスバルだって魔法を使えたわけだし。贅沢は言わないけど、大罪司教なら権能とかくれたっていいんじゃないの?

 

やだなあ。持っているのは、ペテルギウスから貰った短剣ぐらいだよ。

 

「だ、誰・・・」

 

すると、俺の後ろから誰かの声が聞こえる。

 

突然の、声に俺は慌てて振り返ると小枝をたくさん抱えた少女がいた。

 

「ま、魔女教徒・・・」

 

信じられない物を見てしまったと、少女は持っている小枝を力なく落とし歯をガチガチと鳴らす。

 

少女の目には、明らかに恐怖がうつっていた。

 

「・・・」

 

 

 

 

ば、ばれたあああああああああ!!

 

 

 

 

「た、たすけ!・・・むぐっ!?」

 

すかさず、俺は少女の口を押える。

 

「うっ!?・・・むー!むー!」

 

俺の手の中で、両目から涙をながして必死に逃げようと暴れる少女。

 

「ちょ、ちょっと待って。まじ、ちょっと・・・。ちょっ、おま結構いいエルボーがみぞおちに入ったんだけど!?」

 

いくらなんでも、少女の力だからといって人体の急所にあたればそれなに痛い。

 

「・・・大人しくしてくれるかな?」

 

「っ!?」

 

とっさに、俺はペテルギウスから貰った短剣をとりだし、少女の首筋に近づける。と少女は今まで暴れていたのが嘘だったかのように、大人しくなった。

 

どうして、私がこんなめにというような悲痛な表情をする。

 

 

ふぅ~大人しくなった、一件落着・・・って、なるかあああああああああ!!

 

うぇえええええええい!?どうして、こうなったの!?いや、待ってとっさのことに驚いたからこうしたんだって!別に悪気があったわけじゃないからね!?こんな、ところで叫ばれたりでもしたら村人たちに気づかれるからね!?

 

そう、俺は悪くない。悪くないったら、悪くない。だから、やめてくれる?今にも、「私、殺されちゃうんだ?あはは、お父さんお母さん。嫌だよう・・・」って、絶望した顔やめてくれるかな!?

 

ごめん!本当に、ごめん!悪気があってやったわけじゃないんだよ!見つかれば、殺されちゃうのはこっちなんだからさあ!

 

でも、この場面だけ見れば茂みで少女の口元を押さえて自由を奪い、刃物で脅している男ができあがる。

 

 

 

 

わ~い。どっからどうみたって、犯罪者だよ。元の世界なら、余裕で警察のお世話になるね。・・・この世界でも、衛兵にみつかれば拘束まったなしだね。

 

 

 

 

「エレア!どこにいるんだ!そろそろ、村に戻ろうぜ!」

 

 

 

 

すると、この最悪な場面に一人の声が混じる。

 

少女の後ろをついてきたかのように、遅れて同い年ぐらいの少年が茂みから現れた。

 

「エ、エレア・・・」

 

姿を現した少年も、少女と同じく小さい小枝をたくさん抱えていた。

 

少年の視線は、俺へと向けられ次にエレアと呼ばれた少女の首筋に近づけている短剣を見た。

 

「ひっ!」

 

少年も少女と同じく小枝を落とすとその場に尻餅をつく。

 

「だ、誰か!え、エレアが・・・魔女教が!こ、殺される!う、うわあああああああ!!」

 

少年は取り乱して、この場から腰を抜かしながらも慌てて這いずるようにその場から逃げる。

 

向かった先から、考えると村の方だが・・・。

 

「いや!ちょっと待って!?は、話を!・・・って、これ聞いてくれる状況じゃないいいいいいい!!」

 

やばい!本当にやばい!

 

少年が向かった先は、村だ。途中で転びながらも、大声で魔女教徒が来たことを村人達に知らせている。

 

魔女教徒と聞いた瞬間、村人達の表情は様々だ。

 

少女達と同じく、恐怖するもの。まるで、親の仇を見つけたかのごとく憎らしげに顔を歪めるもの。

 

ただ、そんな中でも村の殆どの者がどこか諦め哀愁を漂わせていたのが気になった。

 

そして、誰もが少年が出て来た茂み・・・つまるところ、俺が潜んでいる当たりの場所を凝視している。

 

・・・どうするのこれ?

 

村人の何人かが、農作業の鍬などを持って武装し警戒をする。

 

・・・も、もう無理か~。

 

仕方なく、茂みから出て村人たちの前に俺は現れた。

 

「・・・魔女教徒」

 

村人の誰かが小さくつぶやくように声を出す。

 

それを、かわぎりに村人たちは狂ったように取り乱す。

 

「魔女教・・・嘘だ・・・嘘だ!なんで!?俺たちは、平和に過ごしていたのに!」

 

「だから言ったのよ!?こんな、見捨てられた村に固執するなんて!」

 

「違う・・・違う!私たちが悪いんじゃない!そうよ・・・そうよ。違うの、違うっ・・・わ、私は悪くないのよ!」

 

「命乞いをすれば助かるはずだ!・・・でも、何人かを犠牲にしなければいけない。そうだ・・・それが普通なんだ」

 

「だったら、お前がやれよ!」

 

「はあ!?どうして、俺が!?あっ!あれを見ろ!セレアがいる!」

 

「ああ・・・そうか。なら、大丈夫か・・・俺たちは助かる」

 

「それだけじゃだめだわ!もっと、人を・・・生贄が必要だわ!」

 

「こ、殺されるぐらいなら俺がお前たちを殺してやる!魔女・・・サテラ!今、我を救うのならばこの身を魔女に捧げよう!」

 

「わ、私も!」

 

「な、なにを馬鹿なことを!?」

 

「うるさい・・・うるさい!俺だけが・・・俺だけが助かるんだ!」

 

「み、みんな正気を保ってくれ!お願いだ!」

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

えっ・・・ちょっと待って?なに、魔女教徒ってそんなにやばいの?

 

うわあ・・・理解していたとはいえこんなことになるなんて聞いていない。

 

状況はややこしく、最悪といっても過言ではなくなった。

 

少年よ。別に、俺は生贄とか必要ない。

 

少女よ。生贄をさらにとか・・・命を粗末にしちゃだめだよ?

 

青年たちよ。なぜ、喧嘩をする?

 

男性と女性よ。魔女教なんていいところじゃないよ?ゆっくりと、考えるんだ。人を、笑顔で平気に殺す狂信者だよ?やめなって、さんち的な物がガリガリ削れるから。

 

勇敢な青年よ。大丈夫、君はまともだ。

 

すると、村人たちは誰が悪くて誰が良いのかと訳のわからない言い合いを始めた。

 

自分が助かりたいがために、相手に暴言をはき自分が如何に善行を重ね救われる立場であるか。

 

また、さきほどまで俺に向けられていた鍬は何故か今にも村人の誰かを襲おうとせんとばかりに小刻みに震えている。

 

別の者は、完全に心を砕かれ絶望しその場に膝をついている者。

 

まさに、阿鼻叫喚という言葉がふさわしいだろう。

 

で、その状況を作ってしまったのは、気づいたら大罪司教になってしまった俺である。

 

・・・そう、俺の責任である。

 

 

 

 

ごめん。本当に、ごめん。

 

 

 

 

 

こう言ってはなんだけど悪気なんて、全然ない。だって、俺もそっち側だもん。被害者だもん。

 

シリアスとか、そういう以前の問題だよ。ねえ、聞いて?まだ、この世界に来て数時間しかたってないんだよ?

 

泣きたいとか、絶望したいとかこっちの方だよ?俺だってある意味、ペテルギウスに脅されているからね?ぬっころされそうなんだよ?

 

・・・やべ、自然と涙が。

 

「・・・泣いているの?」

 

すると、俺の腕の中で今まで黙っていた少女が怯えながらも俺にそう聞いてきた。

 

「な、泣いてなんかないよ!」

 

「・・・で、でも顔が赤くなって目が濡れているよ?」

 

そりゃあ、泣きたくなるよ!

 

高校生でコミュ障なめるな!谷口君いなかったら、俺の心なんてとっくに壊れているんだよ!それほど、もろいの分かる!?

 

「・・・私たちを殺すの?」

 

「・・・」

 

少女の素朴な疑問に俺は、どう答えるべきか黙ってしまう。

 

俺が助かるのは、簡単だ。

 

今すぐ、腕の中にいる少女を突き飛ばしペテルギウス達のところに戻って手伝ってもらう。

 

適当な理由を言えば、喜んで手伝ってくれるだろう。俺自身も、この手に握っている短剣で村人を何人か殺せばそれでいい。

 

 

 

 

そうすれば、俺は助かる。

 

 

 

 

 

今にも、お互いに殺し合いを始めそうな村人たちを横目で見ながら冷静に考える。

 

言ってしまえば、魔女教に目をつけられた時点で不運だと思ってほしい。

 

でも、それで本当にいいのだろうか?

 

自分だけが、助かって目の前の村人たちを見殺しにする。

 

別に、自分が物語の主人公を気取りたいわけじゃない。

 

俺は、一般人だ。一般のダメで、コミュ障な高校生だ。

 

谷口君ぐらいしか、友達のいないダメな男だ。

 

だが・・・。

 

 

 

 

だからこそ、この場面を打開できるのだ。

 

 

 

 

・・・こんな、臭いセリフのようなことを考えたのはある一つの勝機があるからだ。

 

俺の今の状況を、逆に考えてみよう。

 

普通、組織というのは入った瞬間から、重要な立場に立たされるわけがない。

 

それは、そうだ。会社もそうだが、入社一年目で係長や課長などの役職がいきなり与えられるはずもない。

 

実力主義な、軍隊とかもあるがそれにしたって、何年も積み上げていく実績が必要だ。

 

それだけではない。実績もそうだが、信頼も必要だ。

 

どんなに、優秀で仕事ができても周囲の人からの信頼がなければ周りの人からの評価はもちろん、よくならない。

 

・・・さて、これを魔女教に置き換えよう。

 

入った瞬間に、幹部待遇。それに加えて、組織の中でものすごく信頼されている。

 

ペテルギウスの対応を見れば、明らかだ。他の魔女教徒も特に、不満を持っているわけでもない。

 

そう、ここなのだ。

 

これを、逆手にとる。

 

村人たちが、恐怖の対象である魔女教。その中で、唯一常識を持ち合わせ魔女教を改革できる立場。

 

つまり、魔女教大罪司教という立場が魔女教徒の行動を止めることができる。

 

気づいてから、この方法しかないことに落胆する。

 

まるで、主人公のように・・・この世界の主人公である菜月スバルと同じように。

 

またしても、自分ただ一人しかこの状況を打開できない。

 

・・・本当に世知辛い。異世界召喚されたのであれば、不思議な力とかあってもいいと思うが・・・。

 

それだったら、簡単に解決できる。

 

あいにくと、今のところはそんなものはないが・・・。

 

「大丈夫」

 

「・・・え?」

 

少女は、きょとんとした様に聞き返す。

 

「村人たちは誰一人も、殺さないよ。俺が、何とかする」

 

「で、でも・・・」

 

「あいにくと、魔女教の中ではそれなりの立場にいるからね」

 

「あ、あなたは・・・」

 

何者なのですか?

 

そう、少女がいう前に俺は、村人全員に聞こえるぐらいに大声を出した。

 

「村人の皆さん聞いてください!」

 

俺の言葉を聞いた瞬間、さっきまで騒がしかった村人たちが嘘のように静まり返った。

 

恐怖と絶望。

 

村人全員が、俺の次の言葉で生死が決まると、固唾をのむ。

 

「この村は、俺たち魔女教徒が包囲しました!えっと・・・無駄な抵抗はやめてください!魔女教、大罪司教『傲慢』担当。神谷(かみや)修斗(しゅうと)の名のもとに、大人しく投降してください!」

 

俺の言葉で、理解したのか村人たちは力がなくなったようにその場にへたり込んでしまう。

 

希望という物は、完全に消えた。自分が助かりたいがめに、他人を差し出そうとした者もいた。全てを投げ出してまで、助かろうとすがる者もいた。

 

それが、全部無駄になった。

 

村人全員が等しく、魔女教の洗礼を受ける。村人達に残されことは、恐怖におびえお互いに身を寄せ合うことしかできない。

 

 

 

 

・・・罪悪感が、とてつもないけどとりあえず、これでオーケー。

 

 

 

 

 

後は、うまい具合にペテルギウス達を説得するだけだ。

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

「エレア!」

 

「お母さん!」

 

「大丈夫だったか!?」

 

「お父さんも無事なの!?」

 

「ああ・・・なんとかな」

 

短剣で脅していた少女を開放すると、少女の両親と思わしき男性と女性のもとにかけよって、お互いに安否を確認する。

 

それを、しりめに見ながら俺はペテルギウスへと視線をあわせる。

 

「・・・これは、どういうことデスか?」

 

「あ、ああ・・・ペテルギウスさん。うまくいっていますよ」

 

若干、しどろもどろになりながらも俺は何とか答える。

 

「ワタシは、あなたの勤勉さを信じ、託し・・・信頼していたというのに・・・なぜ、村人たちは健全なのデスか?おかしい・・・おかしいのではないデスか?我々は魔女に!サテラに!愛を!愛の形を伝えるのではないのデスか!?」

 

「え~っと・・・」

 

ペテルギウスは、体を執拗にくねらし俺を下から除きこむ。

 

「なのに、なのになぜ!?あなたは、自らの勤勉さを我々に示そうとしたのにも関わらず愚者である怠惰へと落ちていったのデス!あなたは、それでも・・・それでも!大罪司教の『傲慢』なのデスか!?」

 

態度が急変し、何かを訴えかけるようにペテルギウスは声を張り上げる。

 

俺は、内心この狂人をどうやって説得するか・・・また、村人たちを一人も殺さないようにするべきか秘策があった。

 

さあ、俺よ!今こそ、アニメ、ゲーム、漫画で培ってきた力を今ここで開放するのだ!

 

なんか、それっぽいことを言えば切り抜けれる・・・はずだ!

 

頑張れ!ファイトー!

 

・・・絶対に、黒歴史確実だけどね。

 

なりきるんだ・・・。そう、狂信者に。オーケー?大丈夫、俺ならできる。

 

もはや、自己暗示に近いが仕方がない。

 

 

 

 

 

「・・・ああ。そうさ、俺は怠惰だ」

 

 

 

 

「・・・は?」

 

ペテルギウスが、なんとも気の抜けた声を出す。

 

それに、俺は心底あきれたように・・・また、自分の行ったことを嘆くかのように、

 

「・・・聞こえなかった?俺は、怠惰だ。安易にも、自分の欲を満たすためだけに村人を殺そうとしたんだからな」

 

「それはどういうことデスか?」

 

まるで、村人を殺すことがそもそも間違っているという俺の話し方にペテルギウスは、聞き返す。

 

「ペテルギウスさん。こいつらの目を見て見な」

 

「・・・」

 

「恐怖?絶望?・・・こんな、やつらが俺たち魔女教徒を見ただけでこんなに震えあがっているんだぜ!」

 

俺は、近くにいた女性の髪の毛を右手でつかみ上げる。

 

「・・・っ!や、やめて・・・」

 

顔を近づけ、首筋のにおいをかぐ。

 

「・・・はあ。魔女の匂いとか別にしないなあ」

 

興味を失ったかのように、手を放す。

 

解放された女性は、さきほどよりも怯え足を引きずるように俺から距離をとる。

 

俺が、小さく鼻で笑うと女性は急いで視線をそらし体を抱きかかえるように身を縮ませた。

 

「・・・あの人はね。俺たち、魔女教徒に入信したいって言ったんだ」

 

俺は、次に別の男性を指差す。

 

「あいつもだ。他のやつらを殺してまでサテラを愛し、全てをささげると言っていた」

 

次に、老人を指差す。

 

「あの、体も満足に動かない様な老人だって、すがるようにサテラに許しを乞おうとしていた」

 

「ど、どういうことなのデスか?」

 

「まあ、魔女の決めたことだからどうこうてって話じゃないけど・・・」

 

俺は、おもむろに福音書を取り出す。

 

 

 

 

「村人たちを、導け・・・そう、福音書に書かれていたからな」

 

 

 

 

そう、俺の考えた秘策というのがこれだ。

 

福音書に書かれていた通りに行動したから、べつに村人達殺さなくていいでしょ?むしろ、殺していいの?福音書に書かれていたんだよ?いいの?そんな、反抗的な行動して?ええ、おい?・・・作戦である!

 

もちろん、そんなことが書かれていたのは嘘だ。

 

だが、さきほど村に移動している最中にペテルギウスからちょっと、聞いてみたが福音書は所有者以外には文字が読めないのである。

 

まあ、俺には日本語でしか書かれていないので本当のところはどうだかよくわからないが・・・これを逆手にとり、ないことをあることにしてみたのだ。

 

俺が、大罪司教の『傲慢』であるからこそ説得力のある発言だ。

 

「な、なんということデスか!?」

 

「本当だ」

 

「ありえない!ありえないありえないありえないのデス!修斗さんが、言っているのが本当であるのならば!ワタシは、実に怠惰で愚かしい行動をしようとしたのデスか!」

 

「・・・ペテルギウスさん。誰にだって間違いはある。次に生かせばいい」

 

「で、デスが・・・」

 

「確かに、ペテルギウスさんの行いはサテラの意志に反するものだった。でも、ペテルギウスさんは気づいたじゃないか。それに、自分の行った罪を理解して反省したじゃやないか」

 

「・・・」

 

「そんなに自分を許せないなら、俺が許す。魔女教、大罪司教『傲慢』の名のもとにその罪を許そうじゃないか」

 

「あ、あぁああああ・・・。な、なんと慈愛に満ちたお言葉なのデスか!?たった、一度の失敗・・・その一度の失敗でワタシは魔女に失望されるところだったのデス!・・・修斗さん。あなたのお言葉を信じ、あなたの福音通りに行動するのデス!」

 

「え?あ、うん・・・」

 

「修斗さんの全てを許そうとするその寛大なお心に感謝するのデス!」

 

いや、まあ・・・うん。

 

・・・よし、なんかうまくいったぞ。

 

俺のしゃべり方とか、黒歴史待ったなしじゃね?とかの、質問はこの際どうでもいい。

 

また、知らず知らずのうちにペテルギウスの好感度が上がったような気がするけど・・・気のせいだよね?

 

きっと、他の大罪司教にだってこれぐらいで接しているんだよね?

 

ペテルギウスは、俺の手を包み込むように握って涙を流しているんだけど関係ないよね?

 

時々、「あなたは、我々の希望なのデス。なんと、素晴らしいお方なのデスか・・・」とかめっちゃ褒めちぎっているんだけど・・・。

 

 

 

 

 

すると、突然体に違和感を感じた。

 

 

 

 

 

何かが・・・形の無いもの。まるで、その身をかき消そうとする霧のような、ゆっくりとした物が俺の体全体を包みこむ奇妙な感覚にとらわれる。

 

その奇妙な感覚は、俺の胸の中心で収束していっている。

 

なんともいえない安心するような・・・でも、どこかでその霧に怯えている自分がいる。

 

これ以上は、おかしくなるのではと思っていたところで、その違和感は少しずつ収まってきた。

 

俺は、不安になり胸に片手をあてるが別に変ったところはない。

 

一言で言い現わせば・・・何か得体のしれない力?というものだろうか。それが、流れてきたような気がしたが・・・気のせいだったのかな?

 

「修斗さん。ご気分がよくないのデスか?もしも、あなたに何かあれば心配で心配で・・・。」

 

「・・・いや、たぶん大丈夫」

 

「本当デスか?・・・それなら、よかったです」

 

・・・あれ?ペテルギウスって、こんなに自然に笑える人だっけ?

 

確かに、やせこけて肌は白いけどそれでも、狂気的な笑みを浮かべているんじゃなくて、普通の笑い方をしている。

 

それに、最後の「です」が「デス」に協調されていなかった。

 

・・・俺という本来いない存在がいることで、少なからず影響力がでたのではないだろうか?

 

「・・・考えても、仕方がないよね」

 

小さくつぶやいた言葉は、誰にも届かなかったのだった。

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

「本当によろしいのデスか?」

 

「うん。他の魔女教徒を俺の護衛につけてくれたし・・・このミーティアだっけ?この手鏡みたいので連絡はとれるんでしょ?」

 

あのあと、すぐにペテルギウスの福音に次の指示が書かれていた。

 

ペテルギウスは、次の指示のためにすぐに行動するといった。

 

それで、嘘ではあるがペテルギウスには村人たちを導くと福音書に指示されたということになっているので、必然的に福音書通りに行動しなければいけない俺は村に残ることになる。

 

放棄したら、面倒くさいことになるだろうし・・・。

 

それに、ペテルギウスについていったところで危ない目に合うのはみてわかる。

 

それに魔女教徒30人のうち15人・・・半分は村に残ってもらうことになった。

 

・・・正直、それは嬉しい。

 

だって、他の人がいなきゃ貧弱な俺は村人達にリンチされる。

 

ペテルギウス以外の魔女教徒は、俺に従順で俺の命令には絶対に従うし。さっき、面白半分で「四つん這いになって、3回周ってワンって言って」と命令したところ、なんのためらいもなくやったんだから笑えない。

 

もう、ね。「・・・あ、どうもっす」ってしか言えなかったよ!

 

まあ、それはそれとしてこの状況下では非常にたすかった。

 

「そうなのデス。そちらに、ワタシがお伺いすることはできないのデスがこれでお話できるかと・・・」

 

「うん、わかった」

 

「あ、あとその魔女教徒は料理が得意なのデス!しっかりと、ご飯を食べるのデスよ!」

 

「うん」

 

「あまりにも、不規則な生活をしてはいけないのデスよ?」

 

「う、うん」

 

「その者は、風魔法が得意なのデス!あ、あとそちらの者は水魔法が!さらに、そちらの者は・・・」

 

「あー!もう、大丈夫だから、早く行って!」

 

「し、しかし・・・」

 

「ペテルギウスさんは、過保護なお父さんですか?福音書に指示が書かれていたんでしょう?早く行ってください!」

 

「・・・わかったのデス」

 

心なしか、気落ちした様子でペテルギウス団体一行は村を出た。

 

一度、こちらを振り返ったが笑顔で手を振ると何かを決心したかのように歩いていった。

 

・・・あれ?ペテルギウスってあんなキャラだっけ?

 

まあ、いいや。

 

それよりも、俺はやらなきゃいけないことがある。

 

俺は、後ろから俺たちの様子を伺うことしかできない村人達に向き直る。

 

 

 

 

「それでは、村人の皆さん改めて・・・俺は魔女教、大罪司教『傲慢』担当神谷修斗」

 

 

 

 

 

「・・・君たちを導き、正すものさ」

 

何をしたいのかというと。

 

村人達に受け入れられて、何とか明日を生きていきたい。

 

つまり、自らの保身のために頑張っていきたいということだ。

 

じゃないと、死んじゃうからだ。本当に、辛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・俺って、一般的な高校生だったよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




すっごい、書いたなあ。頑張ったなあ、俺。

・変更点
魔女教徒30人のうち5人→魔女教徒30人のうち15人・・・半分







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