ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

24 / 67
23.聖杯戦争開始三日目/お母さんじゃない

「野比君…前々から思ってたけど…あなた、何者?」

 

唖然とした僕に対し、表情を引き攣らせ、鋭い眼で睨みつける遠坂

遠坂の表情には今までにない殺意を感じた…

 

「お母さん!!」

 

遠坂の殺意を感じ取ったジャックちゃんは実体化し、僕の前に立つ

 

「おいおい…ステータスまで落ちてないのかよ…」

 

ジャックちゃんの実体化を確認した遠坂のサーヴァント、ランサーは遠坂を守るように姿を現す…

だが、ランサーからは殺意は感じられない、むしろ彼はかなり僕に対し、驚いた表情で見ていた

 

「あなた…人造人間(ホムンクルス)?いいえ、ホムンクルスでもあり得ないわ!明らかにおかしいわ…サーヴァント二体分の魔力供給を行えるなんて…いいえ、そんな問題じゃないわ、どうして…アサシンも、ライダーもステータスがそのままなの(・・・・・・・・・・・・)!?」

 

遠坂は今、眼の前で起きたことに対し、理解がとてもできなかった

理由は簡単だ、サーヴァント二体契約…それは普通の魔術師では到底ありえぬこと…いや、絶対にしない行為だ

サーヴァントは聖杯が現世に呼び出し、マスター(魔術師)が魔力を与えて、現世にとどめる

聖杯戦争ではサーヴァントは基本一体…もし、二体目を所有してもマスターの魔力供給が十分に行き渡らず、サーヴァントのステータスがダウンしてしまう

ステータスがダウンしてしまうと言うことは今後の戦いに影響が出ると言うこと…いくら、二体のサーヴァントを所持していても弱体化してしまっては意味がない

つまり、一体のサーヴァントに十分な魔力を供給しているほうが強いと言うことだ…

しかし…今、眼の前で起きている真実に…遠坂は眼を疑うしかなかった…

 

その理由は一つ

 

野比のび太に秘められた異常な魔力

 

野比のび太はこの聖杯戦争に巻き込まれたただの魔術使い…いや、魔術使い以下と言える

そんな魔術の手ほどきすら受けてない彼に秘められた異常ともいえる魔力量には最初会った時、驚いたが、当初は二体のサーヴァントを維持できるほどの魔力量ではなかった

しかし、彼はライダーの手を握った直後…彼の体に眠っていた魔術回路が開通し…当初とは比べ物にならない…

そして、その異常ともいえる魔力でアサシンとライダーのステータスと当初と変わらず…維持している…

 

そして、ここで明確となった事実…それは…

 

 

 

彼は普通の魔術使い…いや、魔術師ではないと言うことだ…

 

 

「と…遠坂?」

 

「野比君…あまり、他のマスターに二体のサーヴァントを所持してるってことをあまりバレないほうがいいわ…あなた、消されるわよ?」

 

遠坂は殺気を抑えつけつつも屋上から去っていこうとする…

 

「遠坂!」

 

僕は遠坂を呼びとめる…

理由は簡単だ、共闘の申し込みだ…

僕と士郎だけではあの出木杉に太刀打ち出来る自信がない…

相手はなんでもできる出木杉だ、魔術についてあまり詳しくない僕と士郎では足元にも及ばないであろう

 

「何?あ~その顔を見ればわかるわ、共闘でしょ…その件に関しては私たちも一枚噛ませてもらうわ、明日の深夜、柳洞寺に攻め込みましょ…キャスターは厄介事になる前に潰しておきたいからね…」

 

遠坂は僕の表情を見て、共闘の申し込みだと察し、冷たく僕に言うとランサーと共に屋上から去って行った

 

「野比のび太…どうして、俺を救った…」

 

ライダーは自分を救った僕に対し、驚いた表情で僕を見る…

 

「なぜ救ったかだって…?」

 

「ああ…俺はおまえの親友を…眼の前で殺したんだぞ?」

 

たしかにそうだ、ドラえもんが僕を庇い、ライダーの槍を受け…死んだ…

多少とは言え、ライダーには少々敵意を感じている…

だけど、僕はなぜか、彼の手を握り、いつのまにか、彼に魔力供給すらしている…

僕が彼を救う意味など全くないはずなのに…

 

「しずかちゃんを…救いたいんでしょ?だったら、キミも協力してよ…本当に出木杉がしずかちゃんとその友達(・・)を洗脳しているのなら…出木杉は一筋縄ではいかないから…」

 

僕はそう適当に理由をつけ、ライダーに言う

本当はただ、夢中に手を差し伸べただけ…と言い、出来れば魔術供給(パス)を断ちきりたいところだが、戦力が必ずいる

もし、僕の予想が正しければ…僕にとって、苦戦を強いられる戦いになる、その時のため、戦力は多い方がいい…

 

「ありがとな…野比のび太…いや、マスター」

 

ライダーは感謝の表情を隠さず表に出し、頭を下げると霊体化し…姿を消した

 

「お母さん…あいつ、青タヌキを殺した奴だよ…?信用していいの?」

 

ジャックちゃんが心配そうに僕に言う

確かにそうだ…魔力供給をしているとは言え、正式な契約ではない

いつ、彼が裏切ってもおかしくない…だけど…さっきの安心した表情…あの表情に、何も違和感を感じなかった

 

「大丈夫だよ…ライダーは決して裏切らない…だって、彼はしずかちゃんのサーヴァントなんだから…あっ、いけない!早く教室に戻らないと!」

 

僕は腕時計を見て、慌てて教室に戻った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衛宮邸:夕方

 

「何!?明日、柳洞寺に攻め込むだって!!」

 

学校を終え、すぐに僕は士郎と共に下校し、今日の朝に起きたことをすべて話した

僕がライダーの仮のマスターになったことも、明日の深夜、柳洞寺に攻め込むこともすべて、彼に伝えた

僕の突然の言葉に動揺する士郎、その隣に座っているセイバーも少々、表情が険しかった

 

「うん…士郎、セイバーお願いだ!力を貸してくれ!!もしかしたら…もしかしたら、僕の親友が危険な状況に置かれてるかもしれないんだ!」

 

僕は頭を士郎とセイバーに下げる

今回、まさか、しずかちゃんがこの聖杯戦争に巻き込まれるなんて、思ってもなかった…

そして、ライダーが言っていた…他にも洗脳している友がいると…しずかちゃんの友…そう考えれば真っ先に浮かぶのは…

 

「のび太、ライダーが言っている事は事実ですか?確かに、柳洞寺にはキャスターとそのマスターがいるのは確かです、しかし、あなたのご友人が捕えられていると言う事実はどこにも…それに、ライダーはもしかしたら…

それに相手はキャスターです、何を仕掛けているかわかりません…むやみに突っ込むは得策ではないと考えますが…」

 

セイバーは僕に言う…確かに得策ではないのかもしれない

相手は出木杉であり、キャスター(魔術師)のサーヴァントだ、むやみに突っ込めば彼らの思う壺だ

なんらかの罠が仕掛けられていてもおかしくはない…

 

「安心しろ…キャスターは…俺達の味方だ」

 

僕達の前に姿を現す…ライダー…

ライダーが姿を見せた直後、セイバーと士郎は身構える

 

「士郎、セイバー、落ち着いて…ライダー、どういうことだい?」

 

「簡単だ…キャスターはマスターを嫌っている…恋人を操り、その他の一般人をも巻き込むあの外道魔術師をな…現に、俺と操り人形になっているマスターとの契約を断ちきってくれたのも、キャスターだ

なんなら、俺とキャスターの真名を教えてやってもいい…それに俺は消滅覚悟で、マスターに助けを求めた…それほど…俺達も必死と言うことさ」

 

ライダーはセイバーと士郎に言う

ライダーは消滅覚悟で、僕の元に来て、助けを求めた…

もしも僕達をはめようとしているのなら、契約まで断ちきってまで、僕達の元に来るはずがない…

 

「わかりました、あなたを信用しましょう、ライダー…」

 

「感謝する…セイバー」

 

ライダーはセイバーに頭を下げる…

 

「それで、のび太…明日、いつ攻め込むつもりだ…?」

 

「明日の深夜…時間帯については遠坂は詳しく決める…」

 

僕はそう言うと立ち上がり…バックからコルト・SAAを取り出す…

 

「のび太…まさか、お前…」

 

士郎は銃を持ったのび太に対し…動揺した表情で言う…

 

「それほど、危険な相手なんだ…キャスターのマスターは…」

 

僕はそう言うと…コルト・SAAを持って…客間を出る

感情を隠すのはとても大変だ…士郎とセイバーは知らない…キャスターのマスターがかつて、僕としずかちゃん…ジャイアン、スネオの友達だと言うことを…

そして、僕はとても悩んでいた…もし、出木杉がもし、しずかちゃんを殺すような行動に出たならば…僕は自らの手でこの銃の引き金を引いてしまうかもしれない…

朝の決意を早々に捨て去ってしまうかもしれない…そんな不安が僕の心を覆い尽くした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

僕は衛宮邸の庭で…満月をなぜが見つめていた

 

眠れない―――

 

まだ、あの不安が僕の心を覆っている…

 

人を殺してしまうかもしれないという恐怖が…いつもは早寝出来る僕の睡眠を妨げていた

 

こんな時、ドラえもんがいたら…とふと、懐かしい感情が蘇ってくる…

 

士郎と出会って以降…僕はドラえもんに頼らずにいろいろな事ができるようになっていった

 

勉強も…スポーツも…ある程度出来るようになった

 

そして、唯一の特技で世界一にもなった…もうドラえもんに頼ることはないだろう…安心して、ドラえもんに未来に帰ってもらえる…そう感じたこともあった

 

だけど…離れたくなかった、ドラえもんとはずっと…ずっと…一緒に暮らしたい…そんな気持ちが僕の奥底にあった

 

でも、その奥底の感情のせいで…ドラえもんは…死んだ…

 

今もボロボロになったドラえもんが僕の部屋で眠っている

 

一刻も早く…ドラえもんを蘇らせたい

 

だけど、誰も傷つけずに…この戦いに勝ち残りたい

 

そんなの無理に決まっているのに…誰を傷つけずにこの戦いで生き残ることはできない…

 

たぶん、そんな気持ちが働いてしまったのであろう…だから…ドラえもんを殺したライダーを救ってしまった

 

いや、違うんだ…ドラえもんを殺したのは僕だ…

 

僕のせいで…ドラえもんは…ドラえもんは…

 

 

 

「おい…そこから先は…踏み入らないほうがいいぞ?」

 

 

「!?」

 

僕の眼の前に姿を現した…漆黒の英霊…

 

彼もドラえもんと同じく…二十二世紀の時代の英雄――――――――

 

 

弓兵(アーチャー)…」

 

「そこから先は…闇だ…闇と言う呪いが待っている…その呪いはお前を殺す…どちらの道を選んでも…お前は死ぬ、本来の自分を失うな」

 

アーチャーは呆れた表情で僕に言う…

 

「お母さん!!!」

 

「マスター!!!」

 

 

サーヴァントの気配を感じ取ったジャックちゃんとライダー…そして、士郎とセイバーが僕の元に駆けつける…

 

「みんな…」

 

「おまえには頼れる友がたくさんいる…すべてを背負い込む必要性はない…お前の本質は優しさ…それを捨てたらお前は死ぬ」

 

アーチャーはそう僕に言い残し…姿を消す…

 

アーチャーの気配が消えた直後…ジャックちゃんは涙眼で僕に飛びついてくる…

 

「ジャック…?」

 

「お母さん…お母さん!」

 

怯えた表情…震えている…

 

「ライダー、セイバー、ジャックに…何があったんだ?」

 

突然のジャックの異変に僕は表情を曇らせる…

 

「のび太、ジャックが真っ先にアーチャーの侵入に気付き、私たちを呼んだのです…」

 

「ジャックが?」

 

僕はセイバーの言葉を聞き、ジャックを見る…この三日間、共にジャックと過ごして、初めて見せるジャックの表情…

 

こんなに怯えているジャックを初めて見た…

 

「どうして…どうして…お母さん(・・・・)二人いるの?(・・・・・・・)

 

「えっ…」

 

突然のジャックの発言に僕は士郎と顔を合わせる…

 

「「!?」」

 

ジャックの言葉を聞いた、セイバー、ライダーの表情が一瞬で変わる…

今までにない険しい表情に雰囲気が変わった…

 

「セイバー…?ライダー…?」

 

ジャックの突然の怯え…セイバーとライダーの表情が冷え込む夜をさらに寒くする…

 

「馬鹿な…こんなこと…あり得るのか?」

 

硬直するライダー…動揺の表情を隠せていない…

大粒の涙を流すー――――ジャックは僕の寝巻を涙で濡らす…

 

 

 

 

 

「ねぇ…どうして…どうして……あんなの…あんなの…お母さんじゃないよ…」

 

恐怖と…震え…僕と士郎はこの言葉をのちに理解する事になる…

 

そして…誰も知るはずもないであろう…ジャックがまさか…あんな辛い運命と直面するなど…誰も…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、のび太の怒りが頂点に達します

そして、タグにNOBITA化を追加しました、これはのび太がどチート化する可能性があるからです(←もう、とっくの昔にしてるだろ)






fateGO始めてから一カ月…我がガルデアには未だにジャックちゃんも、加藤ちゃんも、アサシンパライソちゃんも…酒呑童子ちゃんも山の翁様もお出迎えしていません…
そして、この最近、翁(←お祖父ちゃん)、ジャック(←孫)と言う作者の勝手な妄想が爆発してしまい、ガチで書いてみようか考え中です←こいつ頭大丈夫かと思った読者様、あなたは間違っていません

取り合えず一言…ジャックちゃんはかわいい

▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。