ドラえもん のび太の聖杯戦争   作:悪・猫

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24.聖杯戦争開始四日目/純粋な怒り

 

聖杯戦争が始まって四日目/PM23:00:柳洞寺

 

 

半月の照らされた柳洞寺の階段を上る僕と士郎、セイバー…そして遠坂

僕は昔の町の友達と…7年ぶりに再会する…

だけど、この再会はとてもうれしくない…最悪の再会だ

最初は信じたくはなかった…まさか、かつての友達がこの魔術師の殺し合いであり、聖杯召喚の儀式である聖杯戦争に巻き込まれるなんて…

そして…この聖杯戦争に友達を巻きこんだのは、昔の町で生成優秀、やろうと思えばなんでもできる(・・・・・・・)出木杉だなんて…思ってもなかった

いや、今もまだ、心の奥底では信じてなんていない、出木杉がそんなことをするわけがない、しずかちゃんを操り、ライダーを無理やり手駒にするなんて…

出木杉はなんでもできる、僕が裏なら彼は表…僕は【凡才】で、出木杉が【秀才】だ

そもそも、あの温厚な出木杉は望んでこんな殺し合いに参加するはずもないし、ましてはしずかちゃんを操るなんてことをするわけがない

もしかしたら、出木杉も僕みたいに聖杯でなければ叶えられない願いを抱えているのかもしれない…

 

そう、自分で出木杉の事を心の中で勝手な予測と妄想を考えながら階段を上って行く

 

 

「野比君、出木杉家の人間と何か関わりがあるの?出木杉英才と源静香の事をよく知っているようだけど…」

 

遠坂は僕の曇った表情を見ながら出木杉としずかちゃんの事を聞いてくる

 

「僕、7年にこの町に引っ越して来たんだ、出木杉としずかちゃんは前の町の親友、遠坂、君も知っているのかい?」

 

「ええ、だって魔術の世界じゃあまりにも有名すぎるわ、出木杉家…代々、魔術の天才を産み落としてきた家、当主が18になる前に二人の魔術回路が充実した娘を結婚して、前の代よりもより天才の魔術師を生み出して行く家庭

出木杉英才は出木杉家の35代目…そして、出木杉家歴代の天才…そして、源家…今までは出木杉家と敵対関係だったけど、出木杉家の力にとうとう反抗できなくなり、取り込まれた一族よ」

 

「!?」

 

僕は遠坂に言葉を聞き、さらに疑問が深まる…

どうして、出木杉がしずかちゃんを操る…?出木杉家歴代の天才と呼ばれている彼がなぜ、しずかちゃんを洗脳するか、全く理解ができなかった

 

「遠坂、士郎…僕の予想が正しければだけど…しずかちゃん以外にも洗脳されている可能性がある一般人がいるんだ…」

 

ライダーはあの時、言っていた…しずかちゃんの友人も洗脳されていると…僕の予想が正しければしずかちゃんの親友と言えば…想像はしたくないがスネオとジャイアンだろう

 

骨川スネオ、剛田武…

 

僕がここに引っ越す前に共に冒険し、共に笑い、共に喧嘩し、共に泣いた…士郎としずかちゃん同様、僕の親友だ

考えたくはないが、しずかちゃんの友達を操っている…そこから繋がるのはスネオとジャイアンであろう…

 

「それ…おかしいな…そりゃぁ…」

 

遠坂のサーヴァント、ランサーが少々表情を曇らせながら姿を現す

 

「どうしたの?ランサー…?」

 

表情を曇らせたランサーに問う遠坂…

ランサーは表情を曇らせたまま、僕を見る…

 

「いや、考えすぎかもしれねぇが…少々出来過ぎてると思ってよ…もし、小僧の予測が大当たりなら…どうして、小僧の関係者ばっかり洗脳しているんだ…それじゃあまるで…キャスターのマスターは小僧を確実にここにおびき寄せようとしているんじゃねぇか?」

 

「「「!?」」」

 

士郎と遠坂…そして、僕は表情を歪めることしかできなかった…

 

「…士郎、もしかして、キャスターのマスターの狙いは…」

 

「のび太…らしいな」

 

士郎の言葉を聞き、表情を歪める僕…

 

出木杉は―――――――最初から僕がこの聖杯戦争に参加していることを知っていた?

 

そして、僕を確実にこの場におびき寄せるためにしずかちゃん、スネオ、ジャイアンを洗脳した…

 

「士郎、遠坂…セイバー、ライダー…ジャック、今回、僕はあえて、出木杉の罠に乗ろうと思う」

 

「「「「!?」」」」

 

僕の発言に士郎、遠坂、セイバー、ライダー、ジャックは驚きの表情を表に出す

 

「野比君!それは…あまりにも危険よ!あいつは確実にあなたを殺すために今回の罠を張っているのよ、その罠に態々踏み込むことはないわ!」

 

「うん…確かに得策じゃないよ…だけど、しずかちゃんとジャイアン、スネオを…出木杉に預けておくわけにはいかない…」

 

僕はそう遠坂に言いながら、サバゲーで使うコルト・SAA専用のホルスターを装着する…そして、アーチャーに貰った実銃…コルト・SAAをホルスターに納める

 

「ジャック、君は寺の森林を利用して、待機しておいて…僕が銃の引き金を引いたと同時に出木杉の足をナイフで刺して、拘束して…ライダーはキャスターの足止め、出木杉がキャスターのマスターなら容赦なく

出木杉は令呪を使って、キャスターを強制的に僕に差し向けるはずだから…」

 

僕はライダーとジャックに指示を出す

ジャックは出木杉の拘束…もし、出木杉が僕を殺そうとしているなら、僕も手加減はできない

だけど、僕はマスターを殺さない…これは絶対だ…

 

「野比君!」

 

「ごめんね、遠坂、士郎…ここから先は僕一人で行くよ…士郎も遠坂と一緒に帰って…ここからは一人で…いや、僕の問題だ」

 

僕はそう言って…階段をライダーとジャックと共に登って行く…

 

(お母さん…本当にいいの?一人で突っ込んで…)

 

(大丈夫…僕とジャックちゃんとライダーがいれば…僕は一人じゃないよ)

 

僕は念話はジャックに笑顔で伝える…しかし、ジャックは少々不安そうな表情で僕を見つめている…

 

そんな時だった

 

「一人で行かせるわけないだろ?」

 

士郎とセイバー…そして、遠坂が走って、僕の隣に並ぶ…

 

「えっ…?」

 

「のび太一人で行かせるわけじゃないか、俺も一緒に行くよ、俺達、親友だろ?親友ならその親友も俺の親友だ」

 

「勘違いしないでよ、キャスターのサーヴァントはとても厄介な存在…私はただ、厄介な存在を此処で潰しておきたいだけなんだから…それに今、あなたに死んでもらって困るわ」

 

二人の優しい言葉…

 

僕はあの言葉を思い出す…

 

(おまえには頼れる友がたくさんいる…すべてを背負い込む必要性はない)

 

ああ、アーチャーが言っていたのはこの事だったんだ…

 

僕はドラえもん失って…少々、混乱していたのかもしれない…

 

「ありがとう…遠坂、士郎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柳洞寺/本堂…

 

階段を上りきる…僕達…

 

町一番の寺の風格が夜によりさらに引き立てられ…恐怖心を煽られる…

 

だけど、そんな恐怖心は消えてしまった…

 

「いらっしゃい…野比君…キミならやっぱり此処に来ると思っていたよ…」

 

本堂のさい銭箱に座る…一人の少年が…実体化したキャスターと共に…ゆっくりと降りてくる…

そして、半月のあかりを浴び…やっと表情が見えた…

だが、その表情は昔のやさしい出来杉ではない…狂気と殺意に塗れた表情…

 

「信じたくはなかったよ…まさか、君が聖杯戦争のマスターだなんて…出木杉」

 

姿を見せた出木杉に…7年ぶりのかけたひと言がそれだった…

 

「それはこっちのセリフだよ…まさか、君が聖杯戦争のマスターだなんて…思ってもなかったし…まさか、君が聖杯戦争の一部のルールを変えるなんて…思ってもなかったよ」

 

出木杉は笑みを浮かべながら僕に言う…

 

「ルールを変えた?」

 

「ああ、まあキミの隣にいる遠坂は分かっていると思うよ…遠坂に聞いてみたらどうだい?」

 

出木杉は不気味な笑みを浮かべながら…僕に言う

 

「ええ…野比君は聖杯戦争にルールを一部変えているわ…この冬木の地に召喚されるのは必ず…絶対に【ハサン】と呼ばれるサーヴァントが召喚されるわ…だけど、あなたが召喚したサーヴァントは【ハサン】ではない…

あなたが召喚したサーヴァントは…本来、召喚はあり得ないサーヴァントよ…」

 

確かに当初、遠坂も言っていた…僕のサーヴァントは本来、召喚されるはずがないサーヴァントだと…

 

「まさか、君みたいな凡才が僕を差し置いて、聖杯戦争のルールを変えるなんて…思ってもなかったよ、野比君…だから僕はドラえもんを殺したんだよ?」

 

「えっ…」

 

出木杉の言葉に硬直する…僕

 

士郎も出木杉の言葉に心が揺れる…

 

「どういうことだ!ドラえもんを殺したって!」

 

「僕が伝えたんだよ…キミの家に電話をかけて…のび太君がサーヴァントに襲われてるって…まんまと信じてくれたよ、僕が協力者って言う嘘をね…そして、僕の予想どおり、ドラえもんはライダーの槍によって殺された

あの青タヌキに変な道具を使われたらとても厄介だからね…だからあの場で処分した…わかったかい?僕がドラえもんを殺した理由?」

 

不気味な笑みを浮かべながら…出木杉は僕達に対し、信じがたい真実を突きつきた…

 

「しずかちゃんを操っているのは…どうしてだ?」

 

「しずか君を…?ああ、その事かい…?それは君のせいでもあるんだよ…野比君」

 

「僕の…せい?」

 

「ああ…しずか君は…将来の旦那に逆らったのさ…親友に手をかけたくない…そう言う理由でね、キミが聖杯戦争に参加していると分かる前は…充実な…犬だったのに…ねっ?

そして、逆らったと同時に変なのまで首を突っ込んできてね…まあ、そのことはあの”犬”が呼び出した大英雄様に聞いているよね?」

 

冷酷な一言…それと共に出木杉の後から現れる…三人の少年少女…

 

「しずかちゃん…ジャイアン…スネオ…」

 

7年ぶりの再会…だけど、三人の眼に…あの時の輝きは失っていた…

 

「貴様!」

 

霊体化を解除し…姿を現す…ライダー…

 

「ああ…そうそう、君の事を忘れていたよ、アキレウス…よくも主である僕を裏切ったね…だから嫌なんだよね…!魔女を召喚するのは!」

 

出木杉は怒りの表情をあらわにしながら、隣にいるキャスターを殴り倒し、はらわたを蹴り飛ばす

 

「キャスター!」

 

叫ぶアキレウス…だが、キャスターの様子がおかしいことに皆が気付く…

 

キャスターの眼に…光がない…

 

「これもキミが悪いんだよ…何もかもね…キャスターはマスターの反逆したから、令呪と僕の洗脳術で操り人形にしたんだ…」

 

「貴様…!」

 

ライダーは槍を構える…

 

だが、その時だった

 

「しずか、令呪を持って命じろ…」

 

「令呪を持って、命じるわ…ライダー、のび太さん…を…殺して」

 

「なっ!」

 

令呪の発揮…それにあらがう…ライダー…

 

「なっ…どういうこと!契約は切られているはずじゃ!」

 

叫ぶ…遠坂…その表情を見た出木杉は不気味な笑顔で…

 

「まんまと引っ掛かったね…君達の反逆を察して、僕はある細工をしたんだ…キャスターに令呪を持って命じていたんだ…ライダー及び、マスターに宝具を使用するなと…だから、突き立ててても効果は発揮しないよ?

魔力供給が切られていたのは…僕がしずかに命じて、一時的に魔力供給を切らせておいたんだ…僕がそんなヘマすると思う?ライダー…」

 

「くっ…マスター!早く逃げろ!」

 

僕に槍を振りかざす…ライダー…

それをランサーが僕を守るように前に立ち、真紅の槍で攻撃を防ぐ

 

「最低だな…胸糞悪い魔術師だな…マスター、キャスターのマスターを…消していいよな?」

 

怒りの表情をあらわにする…ランサー…

その感情に応えるように遠坂は…

 

「ええ、ここまで醜悪な魔術師…初めて見たわ…ランサー、ライダーの令呪が切れるまで足止め、危険と判断したら倒して!」

 

「了解!」

 

「衛宮君、セイバーはキャスターにぶつけて!セイバーにはかなりのランクの魔力遮断を持っているはずから有効なはずよ!」

 

「わかった!セイバー、よろしく頼む!」

 

「了解しました!士郎!」

 

キャスターに対し、風に覆われた聖剣を振るうセイバー…

それに対し、キャスターは使い魔を出し、対抗してゆく…

 

「はぁ…サーヴァントはサーヴァントに任して…君にはもう一つ…手土産と言うのもなんだが…教えてあげるよ…どうして、僕が君を襲ったかと言う理由をね」

 

「・・・・・・・」

 

「それはね…僕はキミが許せないだ…キミのせいで充実な犬どもは反逆し…挙句の果てには僕の二人目の嫁まで…反逆した原因を作ったキミを…」

 

「二人目…の嫁?」

 

遠坂の言葉を思い出す、出木杉家は二人の嫁を設け、自分よりも優秀な子産み落とさせると…

 

「君のかわいいかわいい後輩といえばわかるかい?間桐桜…あの子も魔術師の家庭の子、あの子は君を愛してるが故に…僕に反逆した…まああの子はついで…蟲に弄くられた体から産み落とされる子がどんな才能を持った子か知りたかっただけさ!!」

 

狂気と快楽の笑み…

 

「やめろ…」

 

僕は一言…彼に言った

 

「君は知らないだろうね、彼女は間桐の魔術回路にするために蟲に犯され続けた汚れた女だ!あいつが清潔な女だと思ったか?野比君…彼女は間桐の家の道具であり、我が出木杉家の道具だ…その道具を君は勝手いろいろと振り回した…それがゆるせない…まあ感想を聞いておこうか?どうだった?蟲に弄くられた体は…?」

 

「……………」

 

「野比君、アサシンを呼んで…いくらあいつでもサーヴァントの相手はできないはずよ…」

 

遠坂の声がきこえた

 

だけど遠坂の指示は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞けない!

 

 

 

 

 

「令呪を持って命ずる、ジャック…僕が指示を出すまで動かないで…」

 

令呪に力を込めて…ジャックにそう命じた

 

「なっ、何やってるのよ!」

 

遠坂が叫ぶ…だが、士郎が即座に遠坂の肩を掴み止める

 

「初めてだ…あんな、のび太…」

 

怒りの表情…

 

空気が震えるような怒りの表情に士郎は体が凍りつく

遠坂はのび太の表情を再度確認する

 

今までに見たことがない怒りの表情…

 

その表情に遠坂は背筋が震えた…

 

「野比君…?」

 

遠坂は震えた声で呼ぶ…

 

だけどその声は僕には届かない………

 

そして一歩………足を踏み込んだ

 

「へぇ、サーヴァントなしで僕にタイマンかい?いい度胸だね…凡才…」

 

何かを感じ取った出来杉は羽蟲を呼び出し…僕に差し向けた

 

「野比君!」

 

声をあげる遠坂…

 

だけどその心配は不要だった

 

 

 

 

 

 

一閃…

 

サバイバルナイフを瞬時に抜き…斬り裂く

 

その見えぬ速さに出木杉は眼を疑う…たが眼を疑う余裕は彼にないと言うこと知らしめてやる

 

散らばる蟲の体液…羽…足…

 

解体と同時に足に力を込め………瞬時に出木杉の前に立つ………ギョッする出木杉…すぐさま防御体制に入る………だけど僕にそんなの通用しない…防御の隙間に怒りの渾身の一撃を出木杉にぶち込んだ

 

 

力込めた…一撃

その一撃で出木杉の表情に余裕が無くなる…

 

そして、第二撃目…体が「く」文字に折れた出木杉に対して容赦なくその体に足蹴を浴びせた

地面を転がる出木杉…賽銭箱に頭から突っ込み、宙に小銭とお札が舞う

 

「桜を………桜を!道具扱いするなぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

感情をむき出しにした僕の叫び声が空に響いた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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